表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
326/369

アルヒラル遺跡 ⑱ 第三十階層 VSダンジョンボス②

ご覧いただきありがとうございます!




目を開けると、フィールドの真ん中がマグマのようになっていました。

その先でドラゴンが地面へと伏せています。

息荒く、しかし目は爛々としています。


……HPは残り三割です。

太陽面爆発で二割は削れたようですね!

それにしても……


「……とんでもない威力です」

『其方のイメージが鮮明故に、想定以上の威力が出たようだ』

「……ありがとうございます、ソル様!」


手負いの獣は何をしてくるかわかりません。

なので油断はできません。


しっかりと、削らなくては……!


「ガアアアアアッ!」

「「ハァッ!」」

『【星竜の咆哮(ドラコーン・ロア)】!』

「【宇宙線(コズミック・レイズ)】!」

「【紫雷月狼突撃槍(トニトルス・スピア)】!」

「【照準固定】【装填】【汝の罪を(クライム・オブ)審判する(・ジャッジメント)】」


離れた場所から各々が攻撃します。

ドラゴンから放たれる火球は星座の皆さんとアストラエアさんが捌いているので、わたし達まで届きません。


そんな中、ソウくんの手元に弾丸が出現したのが見えました。

いつもは銃に直接装填していたような気がしましたが、わざわざ弾丸が……?


っと気になりますが、集中しないと!


『……よし、編めた!そーれっ!』


その時、ドラゴンに向かって網が放たれました。

ラクリマとサジタリウスさんが端を持ってドラゴンに被せました。

!ドラゴンの動きが、鈍くなりました!


『獲ったー!』

「うおおおタコ殴りじゃああああ!!」

「【有罪(ギルティ)】!」

「【隕石(メテオライト)】!」


皆が発動した魔法が、アーツが……フィールドに、とても鮮やかな色が溢れました。




-第三十階層 ボスモンスター ドラゴンを討伐しました-

種族レベルが上がりました。

任意の場所へステータスを割り振って下さい。

SPを2獲得しました。

メインジョブレベルが上がりました。

契約召喚:宇宙蝶のレベルが上がりました。

ドラゴンの瞳、皮、リングを入手しました。

称号 ドラゴンスレイヤー を獲得しました。





ドラゴンが地に伏せて動かなくなったあとに、アナウンスが流れました。

その姿が消えたのを確認して、大きく息を吐いて座り込みます。




ミツキ Lv.69

ヒューマン

メインジョブ:アストラルアークウィザード Lv.11/サブ:薬師 Lv.17


ステータス

攻撃 66

防御 100 +1 (+69)

魔攻 203 +2 (+40)

魔防 96 (+69)

敏捷 64 +1 (+15)

幸運 99 +1




ステータスを操作して、近寄ってきたラクリマに腕を伸ばします。


「ラクリマ、さっきの網いつもの糸と違かったね?」


ドラゴンの動きを阻害していましたからね。

いつもの魔力糸を編み込んでいるものとは、少しだけエフェクトが違いました。


『弓の人と、医者の人に手伝って貰ったの』

「…………サジタリウスさんとオフィウクスさんが」

「ええ。【賢者の知恵】で少しだけ細工を」

「医者に手術以外で糸を編ませるなんてな……」


オフィウクスさんが心底面倒そうに呟きました。


「俺の麻酔薬がパアだ」

「また作れば良いでしょう」

『ありがとうございました!』

「……………………すぐには喚ぶなよ」


最後にわたし達のHPを回復して、オフィウクスさんは消えました。

仕方ないな、というニュアンスのため息でしたよこれは!


『……主よ、我も戻る』

「ドラコーン、ありがとうございました。今度お疲れ様会しましょうね」

『……待っている』


ドラコーンが頭を寄せてくれたので、遠慮なく撫でさせていただきます。

必ずお疲れ様会、しますからね!


「「じゃあ俺達も戻るから」」

「ひょおっ!ありがとうございました!」

「「また喚んでよね」」


両肩を掴まれて左右から声が聞こえて驚きました。

慌てて振り返ると、悪戯が成功したような表情を浮かべたカストールさんとポルクスさんが、片手を上げて消えました。


ハッ!そういえばソル様は!

慌てて周りを見渡すと、高いところで足を組んでこちらを見つめているソル様と目が合いました。

お礼を言おうと口を開けた瞬間、口元に人差し指を立てて姿を消しました。


お帰りに……?いやでも、ステータスを見るとまだ継続時間があるので、発動中のようです。

……ソル様、本日は何か考えがある様子。


……この後も、何かあるやもしれませんね……!?


「ミツキ」

「ミツキさん」

「お兄ちゃん、ソウくん、お疲れ様」

「明日筋肉痛になるかもしれねえ。リアルで」

「僕も今日の夜は、よく眠れそうです」

「わたしも……」

「おーい、宝箱はここさ!」


神殿の手前で、アストラエアさんが手を上げました。

よし、宝箱開けましょう!


三人で近付くと、宝箱がまた分身しました。

これは、プレイヤー分貰えるって事でいいんですよね?


ひとまず目の前にある宝箱を開けます。




竜皮靴

ドラゴンの頑丈さと速さを兼ね備えたブーツ。

ドラゴンの皮を使用しており、耐性を持つ。

敏捷+40 防御+20 魔防+20

【頑丈】【魔法耐性(小)】【物理耐性(小)】




「「つっっっよ」」

「なんだこれ……」


兄と言葉がユニゾンしました。

ソウくんもなんだかドン引きしているような……


なんというか、性能が良すぎますね??

さすがダンジョンボスの報酬です。履いちゃいましょう!



えっと、新しいステータスは……




ミツキ Lv.69

ヒューマン

メインジョブ:アストラルアークウィザード Lv.11/サブ:薬師 Lv.17


ステータス

攻撃 66

防御 120 (+89)

魔攻 203 (+40)

魔防 116 (+89)

敏捷 89 (+40)

幸運 99



ダメージ軽減出来そうです!

それに、敏捷も上がったので、もっと上手く避けられるかもです!



「良いものが貰えたようですね」

「はい!サジタリウスさんも、ありがとうございました。……あの、オリオンさんと相性が悪いって、」

「それについては、あの神殿で話しましょうか」

「え、入れなさそうですが……」

『ミツキ、石版を設置する台があるよ』

「!」


ラクリマがふよふよと飛んでいくので、追いかけます。ハリボテの神殿、じゃなさそうなんですね!?


「お兄ちゃん、ソウくん。まだ、石版の件がね」

「……おう、残ってるんだよな。しかも神殿で使うのかぁ」

「ハリボテじゃなかったんですね」

「はーMP回復しとこ」


そう言われると何が起こるかわからないので、わたしもMPを回復しましょう。

ラクリマに追い付くと、確かに何かを設置できそうな凹みがありますね。


触れるとウィンドウが出てきました。



-規定数の石版の欠片が必要です-

-規定数は10です-



……10個………………ありますね。

ラクリマが見逃すはずありませんし!



-規定数の石版の欠片を確認しました-

-アルヒラル神殿 の 解錠を行います-



「え」


瞬時に目の前の凹みに石版の欠片が隙間なく埋め込まれ、石版の後ろの壁が開きました。


「パズルとかじゃないんだ……」

「欠片吸い込まれたやん」

「欠片にした意味とは……?」


ソウくんの言葉に頷きます。

欠片を石版として完成させるとかじゃないんですか!?


「アナウンスは、アルヒラル神殿って言ったよ」

「神殿か……じゃあ祀られているパターンか」

「……何が、でしょうね」


武器を握り締めて、神殿へと足を踏み入れました。





中は青白い……神殿ですね。白じゃないですねこれ。

柱が何本も立っていて……先には小さなアーチが見えます。


「では歩きながら答え合わせといきましょう」


サジタリウスさんの言葉を聞きながら、ゆっくりと神殿を進みます。


「この神殿は、実際にはオリオンとの相性は良いのですよ。オリオンは新月で最も力を発揮し、満月で弱体化しますが、その本質はまあ……彼女の視線に敏感でして」

「……それは、彼女というのはもしや月の方……?」

「ええ。彼女の視線は、オリオンにそれはもう効果抜群でして。この遺跡はアルヒラルという名を持ちますから、この遺跡ではオリオンは常に三日月の状態で戦う事ができます」


えっ……あー、なるほど。

アルヒラルって月に関する名前だったんですね!?

三日月の状態となる、と言うことは三日月という意味なんでしょうか!?


「この神殿はアルヒラル(三日月)の名を持つ神殿です。月の名を冠する事が認められているのは、月の名を持つ存在のみ」


三日月……!


驚きつつもアーチを潜ると、そこはとても広い、ホールでした。

その真正面、高い場所には、玉座のような立派な椅子があります。


「その通りッ!」

「!」


サジタリウスさんの言葉に応えるように、上から何かが落ちてきました。

そのシルエットは、華麗な着地を決めたあと、こちらに向かって一礼しました。


「よく来た勇士達よ!ここには強さと、真実を見抜く瞳を持つ者しかたどり着けない、特別な神殿!」


「ルーナ様が、ルーナ様のお眼鏡にかなう、小間使……祝福を与えるに相応しい勇士を見つけるための!」


「遺跡というのは仮の姿ッ!ここはッ!特別なッ!神殿なのであるッ!」


スポットライトに照らされたそのシルエットは……タキシードに身を包んだ、金の瞳の……



「ようこそ!ルーナ様の観劇場(神殿)へ!」



バッとポーズを決めたのは、とても大きな……ゆるキャラのような、黒兎でした。


勘が良い読者の方が多いですね(遠い目)

バレバレでしたかー(白目)

言えないものはこれで返しました(・×・;)

ご感想ありがとうございます(・×・;)


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
バニーはバニーでも、キグルミめいたサムシングの方のバニーかよwww
[良い点] 黒兎「僕と契約して分神殿を作ってよ」 ミツキ「いきなりなんですか?(驚愕)」 ソル「そのような言い方ではわからないだろう。ちゃんと説明しなさい。」 神殿(観劇場)なだけあって黒兎ルーナの小…
[一言] 神殿解錠アナウンスがこれもし遺跡内全体とかならまた掲示板が未曾有の大混乱に(笑 兎のゆるキャラは意外過ぎるが今までの遺跡コンセプトっぷりとの対比を考えると…やっぱ怖いよぉ(´ཀ` )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ