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アルヒラル遺跡 ⑬ 第二十三〜第二十四階層

ご覧いただきありがとうございます!


◆アルヒラル遺跡 第二十三階層


休憩し、英気も養いました。

階段を下りて、石造りの薄暗い通路を進みます。


適宜アストラエアさんの察知する罠を避けつつ、出現するモンスターへと魔法を放ちます。


「グルゥゥアアッ!」

「ハァッ!」

「フレイムピラー!」


右側から飛びかかってきたブラックウルフの腹部をアストラエアさんが蹴り上げ、壁に衝突します。

それを焼き上げつつ、別のブラックウルフから放たれた黒球を避けます。


「ストーンピラー!」


ストーンピラーで打ち上げられたブラックウルフをアストラエアさんが仕留め、新たなモンスターの気配に前を向きます。



アンデッドサモナー Lv.65

アクティブ

【召喚魔法】【召喚獣強化】【闇魔法】

【物理耐性(中)】【魔法耐性(小)】



ブラックドッグ Lv.63

アクティブ

【狂化】【闇魔法】【噛み付き】

【死の宣告】【影移動】




あのアンデッドサモナーが、次々とモンスターを召喚します。アンデッドサモナーを倒さないと……!


そしてあのアンデッドサモナーの近くにいる黒い犬!

厄介そうなアーツを持っています!

何か怖いので速戦即決に!


「【流星群(メテオシャワー)】!ラクリマ、光魔法で攻撃を!」

『わかった!』


アンデッドですし!光魔法の効果があるでしょう!

(【二重詠唱(ダブル)】フレイムピラー!)


炎の柱と共に白い光が弾けます。

ブラックドッグは光を嫌そうに避けています。

やはり光魔法……ラクリマの魔法が当たるよう、追い詰めたい所ですが……


「ファイヤーウォール!【流星(メテオ)】!」


ひとまず分断して、術者を狙います。

炎の壁から離れたブラックドッグに、ラクリマが光の矢を連射します。


なのでわたしはアンデッドサモナーを!

兄とソウくんは他の召喚されたモンスターへの攻撃をしてくれてます。

銃声と雷の音を聞きながら、アンデッドサモナーへと魔法を放ちます。


「【二重詠唱(ダブル)】ファイヤーアロー!」

『……!』

「わっと!ファイヤーアロー!ウィンドボム!【流星(メテオ)】っ!」


黒矢を炎の矢で相殺し、相殺できなかったものをギリギリで顔を傾けて避けます。

相殺しきれないのであれば、手数で攻めないとです!


「【宇宙線(コズミック・レイズ)】!」


っ!よし!アンデッドサモナーのHPが無くなり、霧散しました。

それに伴い、アンデッドサモナーが召喚したモンスターも姿を消しました。



−アンデッドサモナーを倒しました−

アンデッドサモナーの首輪、魔石(中)を入手しました



アンデッドサモナーの首輪??

く、首輪???急いでアイテムボックスの中から首輪を探し出します。



アンデッドサモナーの首輪

アンデッドサモナーが扱う首輪

アンデッド系モンスターにテイムを行う際に、首輪を装着すればテイムの確率が上がる



ほう???

………えっでもこれはテイムする前に首輪をモンスターに着けないといけない……?


うーん……弱らせて、装着して、テイムということですかね?まあわたしテイムは持ってませんが……


「無限湧きほど厄介なものはないからな……」

『あの黒い犬、影の移動が厄介だった。光で影を小さくすれば対処できたけど』

「ありがとうねラクリマ、とても助かったよ」


モンスターを倒しながら通路を進むと、凹んだ壁に宝箱を見つけました。

ラクリマによれば普通の宝箱なので、ササッと開けてしまいましょう。


あ、フルMPポーションです。助かりますね!

十本も入っているので、ソウくんに五本、兄に二本、わたしに三本です。わたしの方がMP消費しますからね……


そうして進むと階段とセーフティエリアが見えました。ここの階層はあっさりでしたね。


セーフティエリアに入ると、天井に壁画が書かれていました。


「また壁画だ……」

「お、本当だ」

「二十一階層から、壁画を見かけるんだよね」


ここの壁画は綺麗に残っています。

えーっと……


空に浮かぶ太陽と月、大地、そして武器を持つヒューマンや獣人などの姿と、角や羽の生えた異形な……モンスターでしょうか。

それらが描かれた壁画です。ふむ、これは……


「……戦いだよね」

「絶対歴史だよな」

「この世界は過去に様々な戦争が起きたと、本で読みましたね」

「たびたび悪魔とか、モンスターとかから攻め込まれているらしいからね……」


その戦いの一部が壁画として残っているのかもしれませんね。

うーん、でも……


「太陽と月が、離れているけど一緒に描かれているなんて、不思議だね」

「それな。手を貸してくれてたんかな」

「太陽が出ている時間に月があるのは、何かを示唆してなのか……」


ユアスト特有の何かでしょうか。

でもソル様は夜休まれているようなので、それで考えるとルーナ様は昼間休まれているはず……?


ルーナ様が力を発揮するのは夜でしょうし、でももしかしたらソル様とルーナ様が力を貸した戦いがあったのかもしれませんね。


さすがにその辺りは調べてませんし、レダンかクリスティアの図書館で戦争については調べておいた方が良さそうです。


「うーん、ひとまず進むか。進んだ先でまた壁画があるかもしれないし」

「そうだね。ソウくんは大丈夫?」

「はい、問題ありません」


壁画を眺めることで少し休憩になりました。

よし、進みましょう。



◆アルヒラル遺跡 第二十四階層



うわああああああ!!!


「【流星群(メテオシャワー)】!」

「【魔弾装填】【マルチタイプ・ショット】!」

「【紫雷】!」

『光よ!』


薄暗い通路で、迫りくる黒い影へと魔法を放ちます。

目だけ赤くて、ホラーです!



レイス Lv.65

アクティブ

【闇魔法】【融合術】【物理無効】

【光魔法脆弱】【麻痺】【影移動】



レイス Lv.65

アクティブ

【闇魔法】【融合術】【物理無効】

【光魔法脆弱】【麻痺】【影移動】



レイス Lv.65

アクティブ

【闇魔法】【融合術】【物理無効】

【光魔法脆弱】【麻痺】【影移動】



「チッ!物理無効だからか、雷だけは効果あっけど!俺魔攻30ちょいしかねえから全然効いてねえや!」

「ラクリマお願い!ファイヤーウォール!」

『わかった!』


炎の壁で囲ったレイスに、光が降り注ぎました。

光魔法脆弱だからか、効果抜群ですね!

悲痛な声をあげて、消えていきました。


次々と出現するレイスを倒しながら進みます。

むう……アンデッドが多いです!


一か所に留まっても出現するのは変わらないので、通路を駆け抜けます。


「ア゛ァ゛……」

「んにゃーー!ファイヤーボム!」


通路を曲がった先にいたゾンビに向かって反射的に魔法を放ちます。

うっ……これは、腐臭……!?


「げほっ……ウィンドウォール!フレイムピラー!」


気休め程度ですが風の壁を出現させて、燃やします。

……よし、燃やせました。


「マジでモンスターのバーゲンセールかよってくらいに、出現するモンスターに統一性があんまりないな」

「階層毎に纏まってる感は、ありますが……」

「出現するモンスターもボスも、ファンタジーとしては当たり前かもだが、挑む側から見ると多種多様な攻撃ができるパーティーが必要だよなー」

「大体はバランスを取りますからね。一部は全員同じジョブや武器を持つ、なんてパーティーもありますし」


バランス……バランスは大切ですね。

わたしは魔法がメインなので、いつもは直接攻撃を行う星座たちを召喚しますし。

ラクリマも魔法と、糸による攻撃です。

アストラエアさんは短剣と爪なので……攻撃型ですかね?


わたしに足りないもの、苦手なものを補うパーティーです。

……そう考えるとわたしはバランスを考えていたんですかねぇ。


まあわたしの場合、星魔法は状況に合わせて力を借りる星座を選べるので……贅沢ですね。


「っ!ファイヤーウォール!」


そんな話をしていたら、またゾンビ達が壁から出てきました。その壁どうなっているんですか!?


火達磨になりながらこちらへと手を伸ばすゾンビ達。

ひいいいいい!!洋画のホラー!!


「ミツキはそのまま消毒!」

「消毒!?」

「ラクリマさん頼んますわ!」

『土に還れ!』


燃えるゾンビに向かって、天井から光が降り注ぎました。わあ……ゾンビが跡形もなく消えました。


「でも実際にこう目の当たりにするとよ……なんか武器で攻撃するの躊躇するっつーか」

「……そうですね」

「こう五感が強化されてるから嫌悪感とかな……まあミツキに水魔法出してもらって洗えばいいんだけどよ」


あー、なるほど……リアリティがあるからこそ気になりますね。

さすがにわたしもゾンビを杖で殴りたくはないですね……


「っと、また次の……」


兄の言葉が不自然に途切れたので、通路の先へと視線を向けます。

大きな鉈を引きずりながら、数体のモンスターが歩いてきます。



食屍鬼 Lv.65

アクティブ

【捕食】【共食い】【闇属性】

【光属性脆弱】【鉈術】【屍喰】



食屍鬼 Lv.65

アクティブ

【捕食】【共食い】【闇属性】

【光属性脆弱】【鉈術】【屍喰】



食屍鬼 Lv.65

アクティブ

【捕食】【共食い】【闇属性】

【光属性脆弱】【鉈術】【屍喰】




「ア゛ァ゛ァ゛!」

「チィッ!」


鉈を振りかぶりながら跳び上がった食屍鬼の一撃を、兄が槍で受け止めました。

すぐにソウくんが食屍鬼の頭を撃ち抜くと、力が抜けたのか崩れ落ちる食屍鬼を蹴り飛ばして兄が距離を取りました。


「【ウェポン・コンバート】!まとめてブッ飛ばす!【ウェポンブースト】!」


……兄の持つハンマーの側面が勢い良く弾けると、その勢いで兄も食屍鬼の群れへと吹っ飛びます。


「ッシャオラァ!【バルク・ストライク】ッ!」


バチバチと紫電迸るハンマーを、兄は勢い良く振り抜きました。轟音と衝撃が、通路に響き渡ります。

パラパラと小さい石が降ってきました。


「ミツキ!ラクリマ!」

「フレイムピラー!」

『光よ!』


死屍累々な食屍鬼を、お焚き上げです。

炎と光に包まれ、HPは消えました。


「はー、びっくりした」

「そのアーツにもびっくりしたけど……?」

「ハンマーですもんね」

「おう。ハンマーと言ったらカッ飛ぶもんだろ」


ハンマーはカッ飛ぶものなんですか……?

中々の威力が出てましたが……ハンマーは勢いがありますね。そして叩きつけるパワーがすごいです。


「アンデッドばかりで鼻がおかしくなってきた」

「五感で体感出来るのも考えものだ……」

「こういう時にはマスクとかが有用でしょうかね」


マスク……ガスマスクとかありましたね。

兄が取り出して装着して、また外しました。


「麻痺しててわからんかったわ」

「シュールな絵面だったよ」

「ガスマスクなんてあるんですね」

「ダンジョンの宝箱から入手したぞ」


そうですそうです。宝箱には色々入ってますからね。

あ、あんな所にも宝箱が……


「……禍々しいオーラ出てない?」

「呪われてるのか??」

「触れない方が良いかと……」


凹んだ壁の所に宝箱がありましたが、真っ黒です。

作りは結構豪華なのですが……


「開けたら呪われちゃうのかなぁ」

「でも中身が気になるよなぁ」


ズモモモと黒いオーラが発されているのです。

うーんさすがに怖いのでスルーしましょうかね……

星のキュアポーションで解呪出来るなら良いのですが、開けてみないとわかりませんしね。


『うーん、じゃあ試してみるね』

「?」

『【破邪結界】!』


ラクリマから光が溢れると、ラクリマを中心にドーム型の結界が現れました。

どんよりとしていたダンジョンの空気も、宝箱から出ていた黒いオーラも消えました。


「……すごい空気が綺麗になった」

「呼吸がしやすいな」

「すごい……」

『そんなに長くは使えないから、はやく!』


後で詳細を聞きましょう!

急いで宝箱を開けます。



呪い詰め合わせセット

呪い詰め合わせセット 取り扱いには注意が必要

アイテムに混ぜるなり料理に混ぜるなり好きに使いなさい

運営:そこまで欲しいなら……あげますよ……




「呪い詰め合わせセット……?」

「なんだか投げやりなコメントだな」

「運営からのコメントなんてあるんですね……」


呪い?を祓ったら呪いを貰いました。

……料理に混ぜるのはよくわかりませんが、ミカゲさんと相談しましょうかね。


ミカゲさんの爆発薬に混ぜたら凄いことになりそうですし。


「戦闘でも使えそうだが、俺達も呪われると困るからやめとこうぜ」

「そうだね……」


謎のアイテムに首を傾げながら、階段へと進みます。


「ラクリマ、あのアーツは……」

『レベルアップで覚えたよ。世界樹の葉を一枚消費して、マナを吸収、増幅して場を浄化するんだ』

「???」

「???」

「???」


………ちょっと良く考えてもわかりませんね。

とりあえず階段を、下りますね……



少し更新ゆっくりペースになります。

次回9/14に更新予定です。


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 欲深い人以外禍々しくて手を出さなそうものを力技で回収されちゃって運営もびっくり… 大丈夫?ミツキに呪いの品なんて持たせたらその内反転して祝いの品にならない?(違う、そうじゃない 首輪…どんど…
[良い点] いや そうかVRゲーだと異臭も伝わんのね なかなかキツイ しかも無限湧きかよ イヤー [気になる点] 物理無効はパーティー次第だと詰むよな バランスて大事ですね ミツキの星座はやっぱり あ…
[一言] さらっと世界樹の葉1枚消費 エリクサー症候群の人には使えないスキル 普通のパーティだと解散の危機 だが問題なし
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