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アルヒラル遺跡 ⑩ 第十八〜第十九階層

ご覧いただきありがとうございます!



遠くでプレイヤーパーティーが戦うのを見つつ、荒野を進みます。

会う頻度は多くないですが、プレイヤーもいるのはいるんですよね。


わたし達は完全に身内なのでアレですが……

皆どのように知り合ってパーティーとか組むのでしょう。


「……お兄ちゃんはさ」

「おん?」

「他のプレイヤーとパーティー組んだ事ある?」

「………ねえな。イベントは参加してないし、ステラアークのメンツとしか組んだ事ねえわ」

「そう……まあわたしもクランメンバー以外とは無いんだけどさ」

「急にどうしたよ」


なんとなく遠くで戦うパーティーを見て、ふと思った事を伝えます。

別に人見知りという訳ではありませんが、こう、知らない人とプレイするのって中々勇気がいると思うんですよね。


最初はレンさんに話しかけるのも緊張してましたし。

ミカゲさんはフレンドリーだったので……ミカゲさん自身も、一定の距離感は保ってくれていたような……?


「それもオンラインゲームの醍醐味な所もあるがな。人それぞれだからなー……身内のクランはやっぱり過ごしやすいし、知り合い程度なら新鮮な感じだし」

「そういうものかぁ……」

「遠慮するかしないかだよな。ステラアークは俺達家族皆居るけどさ、レンくんもミカゲちゃんも、ジアちゃんもリーフくんも距離感っての取るの上手いからさ。そら最初は遠慮してたと思うけど、最近は慣れてきたのか結構グサグサしてくるぜ」

「………慣れる、か」

「ミツキは初対面のプレイヤーとパーティー組むのは向いてなさそうだけどな。足を引っ張ったらどうしよう、とか考えるだろ」


兄が急に刺してきました。

ま、まあ自分でもそう思いますけどね!!

せっかく組んで貰ったとして、強い人ばかりだとどうしても萎縮しますし……


そんな事を会話しながら歩いていると、モンスターの気配を感じました。


……デザートカクタス、です。

そしてデザート・ライオンの姿です。


以前砂漠で会いましたが……砂漠じゃなくてもいるんですね。


さて、デザートカクタスはよく燃えるんでしたね。


「【ハイブースト】、フレイムピラー!」


デザートカクタスが勢い良く燃え上がり、燃え尽きる前に他のデザートカクタスとぶつかり、炎上が広まります。

デザート・ライオンがそれを避けるかのごとくデザートカクタスの燃えていない所を足蹴にしました。


「……わ、わあ」

「炎上してんじゃんこわ」

『風起こしておこう!』

「ラクリマ!?」


燃え転がるデザートカクタスに向かってラクリマが風の爆発を起こしました。

………よく燃えますね!!


「ガァァァァァッ!」

「わっ」

「お、集まってきたな」


デザート・ライオンが咆哮を上げると、デザート・ライオンが集まってきました。



デザートライオン Lv.59

アクティブ

【咆哮】【捕食】【土魔法】

【風魔法】【統率】【爪撃】

【耐久】【弱肉強食】



デザートライオン Lv.59

アクティブ

【咆哮】【捕食】【土魔法】

【風魔法】【統率】【爪撃】

【耐久】【弱肉強食】



デザートライオン Lv.59

アクティブ

【咆哮】【捕食】【土魔法】

【風魔法】【統率】【爪撃】

【耐久】【弱肉強食】




ライオンの群れ、近くで見ると恐ろしいですが……

虫よりマシですね!ええ!


「フレイムピラー!ストームピラー!」

「【チャージ】【ペネトレイト】【ライトニング・ドライブ】ッ!」

「【二重詠唱(ダブル)】ストーンピラー!」

「ナイス打ち上げ!【サンダー・スラッシュ】!」

「はぁっ!」


一体のデザート・ライオンが石の柱で宙に飛ばされ、兄がそこに雷の斬撃を飛ばし、アストラエアさんが地面へと蹴り落としました。


ナイスコンボです!一体倒れました!


『……打ち上げればいいの?』

「空中って動くの大変だろ?」

『そっか……任せて!』


ラクリマが魔力糸を伸ばしてデザート・ライオンを捕らえると、ふわりと上昇しました。

……わたしは浮かせるには近寄らないといけませんが、ラクリマは魔力糸を重力操作で頑丈にしていますし、触れた相手を軽く、重くを自在に操っています。


……その戦い方も参考になりますね。

わたしも何か糸……紐?鞭?を視野に入れますかね。

冥王様に貰った鎖もありますが……あれは捕まえる用ですからね!


『………ここからどうする?上に投げる?』

「んー、アストラエアさんが蹴り落とすか俺が打ち落とすか」

「ここはリューがやりな!ほら、おいで!」


アストラエアさんが手を重ねて姿勢を低くしました。

兄は一瞬、躊躇うように視線を逸しましたが、ハンマーに持ち替えてアストラエアさんの手を足場に高く跳びました。


「そらよっとォ!【サンダーボルト・スタンプ】ッ!」


空中で藻掻くデザート・ライオンからラクリマが離れると、兄の一撃によって落雷と共に地面へと激突しました。


な、なんて恐ろしいコンボなのか……!

みてください!デザート・ライオン達が震えてますよ!


「っしゃあ!!」

「素晴らしい一撃じゃないか!ラクリマもね!」

『なるほど、これは有利!』

「アストラエアさん、俺重くなかったです?」

「あたしには軽すぎるね!」


ほああ……色々な攻撃があるもんですね……

震えるデザート・ライオンがかわいそうな感じもしますが、弱肉強食………ここは倒して進みます。


「【宇宙線(コズミック・レイズ)】」


一体、デザート・ライオンは倒れました。

後一体、目線を向けた瞬間、デザート・ライオンが逃げました。


………逃げました。

えっモンスターって逃げるんですね?


「逃げた」

「逃げたな」

「モンスターって逃げるんだね……?」

「初めてだが??」


兄と共に首を傾げます。

……デザート・ライオンが一定距離離れたところで、討伐のアナウンスが流れました。


「…………」

「…………」

「倒したなら、いい?」

「……まあ、俺達も戦闘から頑張れば逃げられるしな」


………わたし達も逃げるなら、モンスターも逃げる事がある。そういう事ですね……!


途中宝箱を見つけたので中身を回収して(フルMPポーションでした)、階段を下りました。




◆アルヒラル遺跡 第十九階層



何だかんだで十九階層です。

リアルなら疲れ果ててるかもですが、ゲームですからね……

そこまで疲れてるとは感じませんね。


恐らくモンスターに追われたり、全力で走ったりしてないからだと思いますがね!


「キエエエエエエエ!!」

『おりゃー!』

「グギャ」

「ファイヤーボム!」


空からくるモンスターはラクリマがすぐに地面へと落とします。重力には逆らえません……

それらに魔法を放ちつつ、荒野を進みます。


あ、宝箱です。砂に埋もれているので、風魔法で砂を避けて、と……

わ、ガスマスクです……………?


???


「……砂よけ……?」

「こりゃまた何というか……コアなファンが欲しがりそうな……」



アクセサリー型ガスマスク

ガスマスクを模したマスク(アクセサリー枠を消費)

風や砂を防護しつつ、毒煙も防げる

【防風】【防砂】【防毒】



「高性能だ……!」

「割と高性能だな……砂漠で使えるのもそうだが、防毒がありがたいよな……」

「一個だけだし、お兄ちゃんどうぞ」

「お?」

「……わたし多分着けないから」

「お、おう」


わたしがガスマスク着けたら、とてもシュールな絵面になります。

……いや、兄が着けてもシュールですね??


ま、まあ今後使う機会があると信じて兄に持たせます。


っと、モンスターの気配です。

崖下に下りると、遠くから移動してくる気配を察知しました。

さて、今度はどんなモンスターが……





オーク Lv.59

アクティブ

【棍術】【炎魔法】【狂化】

【体術】【打撃】【蹴技】

【弱肉強食】【捕食】



オーク Lv.59

アクティブ

【棍術】【炎魔法】【狂化】

【体術】【打撃】【蹴技】

【弱肉強食】【捕食】



オーク Lv.59

アクティブ

【棍術】【炎魔法】【狂化】

【体術】【打撃】【蹴技】

【弱肉強食】【捕食】




動物系モンスターじゃない、ですと!?

いやまあ豚の頭と武器を持ち二足歩行で、鎧も着けていますが……


「ブモォォォ……」

「グォォ……」

「ブモォォォ!!」

「グォォ!!」


何か仲間内と相談する様子を見せた次の瞬間、雄叫びを上げてこちらへと走ってきました。


「どうする?どうする?やるか!やるか!みたいな反応しやがって!」

(【ブースト】【ハイブースト】!)

「【ブースト】【ハイブースト】!【ライトニング・シュート】ッ!」

(ハイドロピラー!)


兄が投げつけた雷を纏った槍が、水の柱とぶつかると盛大にスパークしました。


「ブモモモモモ!?」


あ、あの反応はわかりますね。

ビリビリしてるぜ!ってやつです。


そして一体のオークがアストラエアさんの蹴りで地に沈み、兄がオークの棍棒による攻撃を槍でいなします。

そしてオークが振り上げた棍棒にラクリマの魔力糸が巻き付き、振り下ろせなくなった棍棒へと視線を向けたオークの腹部に向かって兄による強烈な一撃が叩き込まれました。


(【二重詠唱(ダブル)】!ハイドロピラー!)


ラクリマへと迫るオークに魔法を放ち、背後に新たな気配を感じて振り向くと、ワニ型のモンスターがこちらへと向かってきていました。


……キラークロコダイルではありません!

なんか、鼻先近くに角が生えています!

サイの角のような……!初めて見ました!



キメラ・クロコダイル Lv.59

アクティブ

【捕食】【噛み付き】【威嚇】

【咆哮】【噛み砕き】【狂化】

【突進】【跳躍】【角撃】



「っ、【流星(メテオ)】ッ!」


自身を【重力操作】で宙に浮かせて、空中に魔法陣を展開しました。

流れる流星は違わずキメラ・クロコダイルへと直撃し、そのHPを全て刈り取りました。


……戦闘の気配で、モンスターが寄ってきたのでしょうか。それにしても、キメラとは……!何かヤバそうなモンスターです。


「チッ!戦闘の気配でモンスター共が寄ってきたね」

「……油断せず、倒して進みましょう!」

「あいよ!」


土煙を上げながら更に近付いてくるモンスターの気配を察して、小さく溜息をつきつつ、来るモンスターへ向けて魔法を放ちます。


「【流星雨(レイン)】!」


雨のように流れる流星の合間を駆け抜けて、兄が近寄って来ました。


「オークを倒したらまた別のモンスターか」

「キメラ・クロコダイルって名前で、ワニに角が生えてる」

「ファンタジーだな……まあ経験値になって貰おうぜ」


MPとHPを回復して槍からハンマーに持ち替えた兄は、意気揚々とフィールドへと駆け出しました。


それを見送って、近付いてくるキメラ・クロコダイルへ向かって杖を差し向けます。


(ストーンピラー!)


腹部に石の柱による直撃を受け宙へ飛ばされたキメラ・クロコダイルはアストラエアさんの拳によって地面へと叩きつけられ、トドメとばかりに頭を踏み付けられ地面へと埋まりました。


その体が消えたのを確認して、空から急降下するデザートコンドルの群れへ片手を向けます。


「【重力操作】!ストームピラー!」


重力を受けて地面へと衝突したデザートコンドルに風の柱をぶつけ、一体一体を確実に仕留めます。



−モンスターパニックをクリアしました−

種族レベルが上がりました。

任意の場所へステータスを割り振って下さい。

SPを2獲得しました。

メインジョブレベルが上がりました。

契約召喚:ラクリマのレベルが上がりました。

オークの腰蓑、棍棒、魔石(小)

キメラ・クロコダイルの皮×2、角

デザートコンドルの胸肉、風切羽

を入手しました。



うおおおアナウンスがたくさんです!そしてなにやら宝箱も出現しました!ひとまずステータスを操作です。



ミツキ Lv.66

ヒューマン

メインジョブ:アストラルアークウィザード Lv.8/サブ:薬師 Lv.17


ステータス

攻撃 65 +1

防御 95 (+66)

魔攻 197 +2 (+40)

魔防 93 (+66)

敏捷 61 +1 (+15)

幸運 96 +1



よし、これで良いでしょう。いい運動で経験値でしたね!

兄もウィンドウを操作しているので、恐らくレベルアップしたのでしょう。


『ミツキ、お疲れ様』

「ラクリマもありがとうね」

「大量だったねぇ」

「アストラエアさんも良い動きでした!」


そして宝箱の前でステータスを操作する兄に近付きます。

宝箱は何やら豪華そうな感じですね!


「順調にレベルアップしてるね」

「おー、58だしあと少しだな」

「じゃあ、宝箱開けよ!」


兄と一緒に宝箱の蓋を持ち上げます。

あ、石版の欠片と……




セレネ・スペクルム

糸杉の意匠が縁に施された鏡

■■■■■■■■■■■■■■



「………なにこれ」

「鏡か?」

「鏡だけど……何か読めないところがあるね」

「ふむ……イベントアイテムかもしれねえし、とっとこうぜ」


今は何に使えるかわかりませんので、ひとまずアイテムボックスに入れておきましょう。


「うし、じゃあ下りようぜ」

「はーい」


次は第二十階層なので、セーフティエリアがあるはずです。

そこで休憩しましょう。



そして階段を下りてセーフティエリアに入った時、何やら声が聞こえました。


「ーーーー、ーー!」

「ーーーー」


揉めて……る感じではありませんね。

プレイヤーとそのパーティーが、扉を前に話し合っているようですが……


「いつまでもお前におんぶにだっこじゃ、俺は自分を許せねえ!だから、ここから先はソウに頼らないで行きたいんだ!」

「……君達がそう決めたなら構わないよ。元々そういう契約でここまで来たんだし」


……おや?もしやあの後ろ姿、名前。

纏っている装備は以前のものと異なりますが……


「ならパーティーはここで解散しよう。僕はここで抜けるから」

「ここまでありがとうな!強くなったらお礼するから!」

「ソウの援護マジでアツかったわ!」

「また今度な!」


パーティーから一人のプレイヤーが抜けて、そのパーティーは扉に手を触れて姿を消しました。

残ったプレイヤーは小さく溜息をつくと、視線を感じたのかこちらへ振り返りました。


そしてわたしも相手も目を見開くと、動きをピタリと止めました。


残ったプレイヤーは、以前わたしを助けてくれたソウさんでした。



最近一話にかける文字数が大体5000文字を超えているので、もう少し短めが良いのか……書きたいところまで書いて良いか……たまに迷いますね。


ちなみにプレイヤー:ソウの初出は143話日々の依頼その2 ①で一瞬出てきました。


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
読み返さないと思い出せないキャラだった… 読み返したら、当時何で名乗りで嫌な顔したのか疑問に感じたこと思い出したけど、結構長めの伏線だ
二重詠唱成長とかしないのかね?そうとう使い込んでると思うんですが
[良い点] レベル59のモンスターが逃げるんか~い!(ツッコミ) [一言] そういえば、ソウでしたね。とボケてみる。
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