帝都レガリアで
ご覧いただきありがとうございます!
おはようございます!
良い天気です。朝明るくなるのが早くなってきましたねぇ…
制服に着替えつつ、通知を開きます。
Your Story -ミツキ-
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レダン帝国、夜の砂漠で新しい素材を入手しました。
カマル草は、月明かりが明るいほどその魔力を蓄えます。
砂花石は岩場、よく風が吹く場所にあります。
長い年月をかけて花の形に成ります。
砂漠の夜は放射冷却で冷えますが、その景色はとても鮮明です。防寒対策をして、眺めると良いでしょう。
仲間との思い出も、大切な貴女の頁です。
お疲れ様でした。
おお、勉強になります。
素材の場所まで教えてもらえるとは…本当に仕組みがよくわかりませんね。
放射冷却…!天気予報でよく聞きます。
まあわたしはポンチョのおかげで過ごしやすいですけどね。
仲間との思い出も大切な頁……良い響きです。
よし、今日も頑張りましょう!
「ミカゲさんが、明日の夜九時にアヴァロンと会食って言ってたよ」
「おっすおっす」
「気合い入れていかないと、ね」
「僕は後方で腕組みしてるよ」
「父さん後方腕組みはやべぇよ」
とりあえず舐められないように……!
気合い入れて行かねばです!
……SNSでどんなクランか調べちゃいましょうかね?
学校へ向かう電車の中で調べます。
「よし、じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
電車に揺られながら、ちょっと情報収集です。
えっと……円卓の騎士にインスパイアされた騎士集団、と。
モンスター討伐、住民依頼、ダンジョン攻略を行う素行の良いクラン…
……なるほど、真面目なクランって言ってましたもんね。素行が良いって書かれるんですねぇ…
わざわざステラアークを名指して会話したいとのことでしたし……むむ、ポーカーフェイスの極意を調べておきましょう。
深呼吸したり…視線を一点に合わせたり……現在の感情と反対の感情を考えたり……
顔に出るって言われるので、頑張りましょう!
そして帰宅しました!
兄お手製のカレーを食べます。
うんまあ……カレーは飲み物……
「………美味しい」
「せやろ」
「なんか違う?」
「テレビでやってた隠し味ってやつ」
ぐぬぬ……わかりません……でも美味しい……!
考えながら食べていたら、完食してました。
「わからなかったけど美味しかった」
「今日のは無難にチョコレートだぜ」
「チョコレートでいつものお兄ちゃんのカレーとちょっと違った……」
「あざーっす」
んんん明日のカレーはもっと美味しいはず!
明日の楽しみです。
「うし、俺もログインすっかな」
「わたしも帝都の探索に行こうかなぁ」
「オススメあったら後で教えて」
「わかった」
よし、お風呂入ったら夜の帝都へ向かいます!
ログインしました!
いつも通りディアデムを喚び出して、身嗜みを整えて……部屋を出てダイニングテーブルのクローシュを一つだけ持ち上げます。
イングリッシュマフィンにレタスとチーズとベーコンと目玉焼きが!
こ、こっちは……!ハムと玉子のサンドイッチ!
こっち!バーガー!こっちは!おにぎり!?
アルフレッドさんおにぎりも習得されて…!?
な、何者……とりあえず一番最初に見つけた、イングリッシュマフィンを手に取ります。
「……い、いただきます」
んああ美味しい!!
カリッと焼かれたイングリッシュマフィンが、香ばしくて……レタスとチーズとベーコンの組み合わせは間違いないです。
あっという間に食べ終えました。
美味しかったです……!
アルフレッドさんを喚び出して、直接お礼を伝えると、照れたように笑みを浮かべました。
そしてアルフレッドさんに明日の手土産のフルーツタルトをですね……お願いしました!
一つで十分大きいので、何個か置いていきます。
「お任せください」
「はい、よろしくお願いします!」
一礼したアルフレッドさんに見送られながらホームを出ます。
これは帝都で良いお土産を探さないと!
今日は一人で行ってみましょう。
月明かりを浴びながら、深呼吸します。
今日の空には……この配置、うみへび座が輝いています。
配置も変えないと……皆還して、スピカさんも連勤でした。
よし、今日はおおかみ座、こぐま座、こいぬ座……うみへび座も配置です。
祭壇に手を合わせて、世界樹の元へ来ました。
世界樹にケバブを差し出します。
プレアデスの《枝》
世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝
《枝》:……香ばしく、スパイシー!シャキシャキのレタスと焼き上げられたこのお肉……良いね……というかこのソースも美味しい!
お、ケバブも好評です。
甘口のケバブを渡しましたが、世界樹も絶賛です。
ケバブのソース、マイルドで美味しいですよね…!
「じゃあ行ってくるね」
世界樹の幹をポンポンと撫でて、帝都レガリアへと移動しました。
うおおおちょっとあったかいような!?
砂漠はひんやりしてましたが帝都あったかいです!
そして街は、ランプで照らされてます!
店や住宅の軒下に、ランプが設置されていて、それらがあたたかい光を放っているのです。
ランプ可愛いですね……部屋用にランプを買いたいですね!
あたたかい風が頬を撫でます。ひとまず適当に歩きましょう。
帝都レガリアは結構高低差がありますね。
岩場の合間に建物が建っている所もあります。
あ、ドリームキャッチャーです。
まえーに現実で買ったことあります。
ホームの部屋に飾るのも良いかもです。
……まあログアウトしてるんで意味は無いかと言われれば無いですが、彩りをですね!
よし!一個買いです!青っぽいやつ買います!
「一つ下さい!」
「おう!一個1,000リルな!」
虎の獣人の…お兄さんから青いドリームキャッチャーを受け取ります。
獣人の方々、年齢わかりにくいんですよね。
よし、悪夢をキャッチしてもらいましょう。
アイテムボックスにしまって、ランタンを探しに歩きます。
オレンジ味のある柔らかな光に照らされる帝都、温かみがあります。
スパイシーな香りに誘われつつ……ランタンを扱う店に辿り着きました。
ふむふむ、色々な形があります。
アンティークなランタンから、スタンドタイプのランタンまで!
とても可愛らしいです。なるほど、キャンドルランタンと言うものなんですね!
MPで灯りを灯すことができます。
よし、この四角い、中の様子が見えるランタンを買いましょう。
シンプルなのが可愛らしいです。
「こちらを下さい!」
「あいよ、5,000リルさ」
……ゼブラの獣人のお姉さんです!
し、シマウマ……!リルを支払って品物を受け取ります。
「また来てね」
「ありがとうございます!」
レガリアの方々とてもフレンドリーです。
色々な獣人と出会えます。
そしてスパイシーな香りに誘われた店で、シナモンを入手しました。
これはアルフレッドさんへのお土産です。
……今度ちゃんとアルフレッドさん用の懐中時計とか探します。むしろオーダーメイドとかしたいのですが…
「あっミツキさん」
「えっ」
帝都で呼ばれた名前に思わず振り返ると、エクリクシの……おこめさんと、カイトさんが紙袋片手に立っていました。
「ばんわー。珍しいね、一人?」
「こんばんはです。レガリアで買い物中でした。おこめさんとカイトさんだけですか?」
「カメリア達はギルドに報告に行ってるんだよ。俺らは買い出し」
二人の手の中には、野菜やお肉などの食材がありました。なるほど、作るんですね!
「レガリアで借りてる宿が料理すれば宿代まけてくれるって言うからさ」
「皆さんならホーム持ってるかと思いました」
「クリスティアにあるけど、レダンで受けた特殊な依頼がレダンから出られなくてさぁ……宿とったんだ。あ、今日までね」
「それは大変でしたね…」
レダンから出られないとは!大変です!
ホームに戻れない依頼もあるんですねぇ…
「……スパイスに興味あるの?」
わたしがスパイスを扱う店の前で立っていたので、気になったのかカイトさんがそう尋ねてきました。
「はい!スパイスがあれば料理のアレンジも出来ますし何より……カレーに挑戦できるかもなので!」
「スパイスからカレーはガチだね!?」
「この世界カレーパンとかあるので、カレーの概念はあるみたいですが……カレー風味の唐揚げとか作りたいです」
「考えただけでお腹空いた」
「でもわたしはスパイスに詳しくはないので…リアルで調べてからですね。でもこんなにスパイスの種類あってすごいです」
たくさん種類あります。聞いたことあるものから、聞いたことないものまで。
これは自分で調合が必要やもしれませんね!?
「……ミツキさん時間ある?あるならスパイスに詳しい奴呼ぶわ」
「えっ逆によろしいんですか?」
「そいつ料理人だからさ、スパイス仲間が出来たら喜ぶだろうし、多分すぐ来る」
カイトさんがウィンドウを操作してすぐに、大きな黒猫の男性が現れました。
「スパイスが気になるプレイヤーがいると聞いて」
「こちらの女の子です」
「……えっ女の子じゃん……ちいさい……おれこわくないよ…」
……背が高いですね!?すごい見上げます!
「ミツキさん、こいつは料理人のセテス。スパイス料理を作る料理人だから、こいつに聞いてみるといいよ」
「私達はカメリアんとこ戻らないとだから、またねー」
「あっ、ありがとうございました!」
おこめさんとカイトさんに手を振って、セテスさんを見上げます。
目が合った瞬間、驚いたようにびっくう!としました。
「えと、ステラアークというクラン所属のミツキです」
「……す、スパイシーズというクランのセテスです」
「ひ、ひとまず料理のアクセントとか、お肉に使えそうなスパイスを教えてもらえますか?」
「!任せて」
目に見えて表情が明るくなりました。
セテスさんと共に棚を眺めます。
「スパイスって言っても、普段見慣れているものも大まかに見ればスパイスなんだ。胡椒とか、山椒とか七味唐辛子とかもね。このサフランとかも見たことあるでしょ?」
「!よくパエリアとかに乗ってるやつですね!」
「そうそう。名前よく見る!ってやつ」
名前、確かに聞いたことあります!
ガラムマサラとか、ターメリックとか!
「マジックソルトも有名だよねぇ……っと脱線する所だった。料理のアクセントに使いたいならバジルとかクミンシードとかは定番だね。肉料理・魚料理に使うならタイム、ジンジャーとか……あ、ハンバーグにはナツメグ混ぜるとか有名だよね」
「ふむふむ…」
「まあ考えると難しいかもだけど、香り付けか、辛み付けなのか、色付けで使いたいのか……スパイスには使い方があるからね」
……なるほど、役割があるのですね。
「まあ単純にカレーの風味付けをしたいのならクミン、ターメリック、ガラムマサラ、チリパウダーが良いんじゃないかな。何回か試して、好みの味を作って見た方がいいね」
「な、なるほど……買います。……あれ、カレーの事言いましたっけ?」
「カイトからのメッセージに、書いてあったね」
「……何度かご相談させて頂きたいので、フレンド申請とか良いですか?」
「っ、ああ、大丈夫!」
尻尾がブンブンと揺れています。
スパイスが本当に好きなんですね……!
「何回か作ってみて、ご相談しますね!」
「スパイスは奥が深いから……今度料理とか食べに来てね」
「ぜひ!」
スパイスを買って、挨拶をしてわかれて、ホームへと戻りました。よい出会いでした!
「お帰りなさいませ、ミツキ様」
「ただいまです、アルフレッドさん」
キッチン周りを片付けていたアルフレッドさんが、キッチンから出て胸に手を当てながら迎えてくれました。
「タルトはこちらに出来上がっております」
「ありがとうございます…!あ、こちら何かに使って貰えれば」
二つ、皿の上にクローシュが置かれているので、それを回収します。
そしてシナモンを渡すと、中を確認したアルフレッドさんが頷きました。
スパイスはわたしが使いますので!
「お預りいたしますね」
「本日もありがとうございました!」
アルフレッドさんを還して、部屋に戻ります。
買ったドリームキャッチャーとランタンを自分の部屋に飾ります。
ドリームキャッチャーはひとまず窓の所に…ランタンはドレッサーのうえに置いておきましょう。
よし、今日はここまで!
また明日にします!
ストレッチをして、寝る準備をします。
梅雨の時期は曇りで悲しいです。
明日は新しいプレイヤーに会います。
変な事しないよう、注意しないと…
よし、ではおやすみなさい。
作者もスパイスは詳しくは無いので…( ˘ω˘)
よし、次回も気合を入れて書かねば…
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




