宝石の瞳と最初の贈り物
ご覧いただきありがとうございます!
休みで心が穏やかなので投稿します( ˘ω˘)
到着しました。
うん、人が多いですね!休日ですもんね…
……結局いい名前は中々思い付かずです。
瞳の色とかで決めても良さそうですけどね。
スフィア様の館に向かいつつどうにかこうにか考えますが、星の名前とかだと星座たちがいますし……
うぐぬぬ……考えている間に到着しました。
扉前の人形に会釈して、開けてくれたのでそのまま入ります。
「……おはようございます」
シーンと静まり返った館の中で、わたしの挨拶か響きました。ラクリマと一緒に、入り口近くで待機します。
「……いらっしゃい。こちらの部屋においでなさいな」
カウンターの奥の部屋から顔を出したスフィア様が手招きするので、変に触らないように身体を縮こまりながらカウンター裏へお邪魔します。
奥の部屋には、三体の人形がベッドへ寝かされていました。……普通のベッドです。
あれ?虎の獣人の女性の毛の色が変わってます。
「貴女の魔力を馴染ませるのは終わったわ。後は瞳と名前ね……ああ、その虎の子だけど、貴女の魔力を馴染ませたら色が抜けたのだけれど、彼女そのままで構わないかしら?」
「!?な、なにか異変でも!?」
「たまにあるのよ。魔力に染められる人形が」
ソフィア様が頬に手を当てて、首を傾げました。
虎の獣人の女性は、ホワイトタイガーのような毛並みになりました。
虎の獣人に変わりは無いので、そのままお迎えします。白い毛並みもキュートです。
むしろ目の色を考えやすくなりましたね。
わたしの反応をみて、スフィア様は微笑みました。
そしてスフィア様がガラスケースを持ってきました。
そこには、鮮やかな……コンタクトレンズのような丸いものが置かれていました。
「宝石をまるごと埋め込むには、大きな宝石じゃないといけないわ。でもさすがにそれはコスト的にも困難だから……このように宝石を薄くカットして貰っているの」
「……すごい薄くて、でも宝石ってわかります」
「エトワールの腕が良いのもあるわね。さ、えらんでちょうだい」
人形と、宝石を見比べながら考えます。
若い男性型の執事人形は、ダークブラウンの髪と色白な肌をしています。ぶっちゃけ何色でも映えそうですが……暖色系、いや青か緑系も合いますね。
ラクリマも、瞳を輝かせながら宝石を眺めています。
……あ、これは!光の加減で色が変わります。
アレキサンドライト……聞いたことあります!
光の加減で青緑や、赤紫色?に変わります。
え、とても綺麗です。
これ、これにしましょう!執事の彼にはこれにします!
「こ、このアレキサンドライトを執事の彼に!」
「わかったわ」
そしてホワイトタイガーとなった虎の獣人の女性は……やっぱり青系がいいですね。白に青は最高なので!
サファイア、ラピスラズリ、ぶ、ブルーダイヤモンドまで!こわ!ブルートルマリンまで……
ひえ……すごい綺麗ですが……
うーん……
迷いながら宝石を吟味していたところ、一つの宝石が目に付きました。
まるで青いオーロラが揺れ動くような、宝石が……
「ロイヤルブルームーンストーン……?」
「……あら、お目が高いわね。それは珍しいものよ」
スフィア様が近付いて来ました。
ムーンストーンは聞いたことありますが、ロイヤルでブルーな!?すごい綺麗です!
え……これは一目惚れです。
虎の女性には、こちらを!
顔を上げて、スフィア様をみて口を開けようとした所、スフィア様に頷かれました。
「わかったわ」
「よ、よろしいのですか」
「でなければ並べていないわよ」
……それはそうですね。
ならこれで!
後は庭師のお爺さんの……これはイメージは固まってます。エメラルドかペリドットがいいな、と。
……やはり濃いめの緑が美しいです。
エメラルドにしましょう。
「……庭師のお爺さんには、エメラルドで」
「わかったわ。……名前は考えた?」
「うぐ、迷ってます」
「そう……名は貴女から彼らへの最初の贈り物よ。わたくしが瞳を埋め込む間に考えるといいわ」
スフィア様はそう言うと、部屋からわたしを出しました。そして人形のメイドに案内されて、ソファへと座ります。少しすると、紅茶とチョコレートケーキが運ばれてきました。
「ありがとうございます…」
「何かあれば、お申し付け下さい」
わたしの言葉に一礼して、壁際へと控えました。
……アッサムのいい香りです。
名は、わたしから彼らへの最初の贈り物……
庭師のお爺さんについては、植物や緑色に関係ある名前がいいなと考えていて、候補はウィローさん、です。柳、という意味でした。
…鼻の下に白い髭を蓄えたお爺さんに、似合うなぁ、と思いました!
皆さんかっこいい名前にしたいのですが……
虎の獣人さんは女性なので、女性的な……星の名前より、小惑星名で攻めましょうか……
アストラエア、アタナシア、ヴェスタ、セレス、ネレウス、キャスタリア……エルフリーデ、ヴェロニカ……
うーん、どれもしっくりきますね。
ヴェロニカはヴェロニカさんのお名前なので候補から除外です。
思い出せるものを指折り数えて思い出しましたが、アストラエアさん、が響き的にもかっこいいと思います。
確か女神の名前が由来だったような…正義の神であり、他説では星の神の娘とか……
……ふむ、強そうです!
アストラエアさんとしましょう!
最後は、この執事の男性ですが……
小惑星の名前は結構女性につけたらかっこよさそうな名前が多いので……さすがにリュウグウじゃ駄目ですもんね……
執事と言えば……!と出てきたのはセバスチャンでしたね。アルプスを駆け回る少女の物語が通説なんじゃないか……と書かれていました。
…顔を思い浮かべると、さすがにセバスチャンって顔はしてませんね。
どちらかと言うとウィリアムかアルフレッドって顔してます。
……割と適当に言いましたが、ウィリアムかアルフレッドがしっくりきてしまいましたね……
よし、アルフレッドさんで!
推定二十代後半みたいな見た目ですし、響きがしっくり来ました!執事っぽい、です!
ふう!紅茶で喉を潤して、チョコレートケーキを切り分けます。……うおおあ、美味しい……!甘いけど、甘すぎず……ベリーのジャムが美味しいです!
『……決まった?』
「どうにかね」
『楽しみだね』
ラクリマが、用意されたケーキを器用に糸でカトラリーを使って食べてます。有能……
わたしもケーキと紅茶を堪能していると、スフィア様が扉から出てきました。
そしてわたしの表情をみて、微笑みました。
「決まったようね」
「……わかります?」
「スッキリした顔してるわ。じゃあ来なさいな」
壁際にいたメイド人形にお礼を告げて、再度部屋に戻ります。
先程と変わらず、ベッドの上に人形達が寝ています。
「ヒューマンで言う、心臓の位置に手を置いて、魔力を再度流しなさい。そして人形が瞼を開けたら視線を合わせて、名前を伝えなさい。それで固定されるわ」
……少し、ドキドキしてきました。
ラクリマはふわりと浮かび、スフィア様の近くで待機するようです。目が合ったラクリマは、ウィンクしてきました。
ひとまず真ん中に寝ている、執事服の男性へ近付きます。胸の前で手を組んでいますね…
「これは、手の上からでも伝わりますか?」
「伝わるわよ」
顔を覗き込みつつ、片手を手の上に乗せます。
ひんやりとした感触です。
‐魔力を流しますか‐
それは勿論です。
はいを選ぶと、MPが減りました。
人形の瞼が震え、ゆっくりと開きました。
先程選んだアレキサンドライトが、室内灯を反射して美しい赤紫色に輝きました。
「……アルフレッド」
「…………はい、お嬢様」
執事の……アルフレッドさんは、ゆっくりと瞬きをして、小さく笑みを浮かべました。
お、おおお、お嬢様!?
よ、呼び方は名前で呼んでもらうようにします。
よし、次は後ろのベッドで寝ている庭師のお爺さんです。
振り返って、手を乗せます。先程と同じ工程を行って……わたしを映したエメラルドの瞳が、キラキラと、美しく煌めいています。
「……ウィロー」
「………やあ、お嬢さん」
目があったウィローさんは、柔らかい笑みを浮かべました。滲み出る好々爺感……!
よし、最後にアストラエアさんです。
ベッド際に近付いて…いや近付かなくてもわかる、毛並みの良さです。
体毛に覆われた手の上にそっとわたしの手を重ねます。ふわふわ……ハッ集中集中……
そっと開いた瞳から覗くのは、ロイヤルブルーのシラー。光を吸収して、美しく輝きます。
「……アストラエア」
「…………ん、お嬢」
お、おおおお嬢!?
低めの、ハスキーな声で紡がれるお嬢にびっくりしました!
「……契約はここに完了したわ」
スフィア様の言葉に振り向いて、近寄ると、三体の人形達は皆ベッドから起き上がり、自身の手足を確認するように動かしてから、立ち上がりました。
「人形との契約は、その契約獣と同じよ。アイテムボックスに入るし、込められた魔力が尽きれば動かなくなるわ。レベルも、契約者と同期するわ……ステータスをご覧なさい」
言われた通りに、ステータスを確認します。
契約召喚:宇宙蝶 《ラクリマ》
契約召喚:藍銅人形 《アルフレッド》
契約召喚:藍銅人形 《アストラエア》
契約召喚:藍銅人形 《ウィロー》
おお、ラクリマの下に、項目が増えてます。
藍銅人形……アズライトの人形、ですね。
「彼女と同じように、喚び出したり、還したりするといいわ」
「……はい、ありがとうございます。スフィア様」
「それと、人形に武器防具を装備させるならアイオンの店が良いわ。これは紹介状よ」
えっっっっ
しょ、紹介状が、必要な……お店です?
「後はスカーレットの所でもいいけど…武器は置いてないものね」
「は、はひ……」
「飾り立てるなり、好きにすると良いわ。そこの水晶で支払いお願いね」
「はひ……」
震える手でギルドカードを翳します。
さらば3000万リルです。破格!
「この度は、大変お世話になりました」
「良い顧客との縁は、こちらも歓迎よ」
あっ!これからもお世話になると思うので……人形の事で聞きに来たりしますもんね。
値切ってくれましたし……プラムを進呈しましょう。
背を向けて、箱を取り出して、プラムを置きます。
よし!
「スフィア様、これからもよろしくお願いします!」
「……まあ、何かしら」
「以前イベントで手に入れたフルーツです。これから、彼らの事や色々お世話になると思いますので……」
「……ふふ、ありがとう。いただくわ」
笑顔!スフィア様の、笑顔!
美……圧倒的美……
ピコンッ
スフィア様の美を浴びていたら、通知音が鳴りました。
「……では、そのアイオンさん…?の店にも、行ってみます!」
「……ええ、また、いらっしゃい」
スフィア様に見送られて、館から出ました。
三体の人形を連れて……です。
と、とりあえず何の通知か確認します。
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《リュー》
リュー:時間あったら、俺のとこ来れる?
リュー:夢見の森近くにいる
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おや?兄です。
何かあったんでしょうか…
「……すぐにまたお喚びするので、一旦眠って貰っても良いですか」
わたしの言葉に、三人は苦笑して頷きました。
本当に!申し訳なく!兄の所行ったあと、すぐに喚びますね!!
一人ずつ触れて、アイテムボックスに入ってもらいます。アイテムボックスを確認すると、藍銅人形、と書かれていました。
よし、急ぎましょう!
懐中時計で、兄の元へ移動しました!
宝石のコンタクトもどきはファンタジーなので( ˘ω˘)
勿論普通の瞳ではありません。
作者の好みもあって、虎の女性はホワイトタイガーになりました!!
そしてロマンチックに契約を書き上げようとしたら、出来上がったのは雛の刷り込みでした…無念。
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




