兄、宇宙を背負う
ご覧いただきありがとうございます!
リューと共に少し振り返りです。
おはようございます!
ぐっすり寝ました。そして思い出しました…
人形の名前!どうしましょう!
……ランニングしながら考えなければ。
ジャージに着替えて、髪を縛ります。
ユアストからの通知も確認しましょう。
Your Story ‐ミツキ‐
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貴女の作るフレンチトーストは好評でした。
掛け替えのない仲間達から贈り物を貰いました。
人形師スフィアの元で三体の人形と縁を紡ぎました。
彼らは貴女の良き仲間となるでしょう。
藍銅の名は伊達ではありません。
レダンの砂漠を越えて、帝都レガリアへと到達しました。レダンならではの気候と風土をお楽しみ下さい。
ようこそ、熱砂と獣人の国へ。
凶星と邂逅しました。
貴女の料理は、食べる者の心を温めることでしょう。
彼は貴女を契約相手として認めたようです。
お疲れ様でした。
ふむふむ、色々ありますね…!
毎日新たな発見や出来事があります。
とても楽しいです!
マレフィックさんについては…
スパルタでした…転がされましたよ…
ジアちゃんとリーフくんから貰ったものも、ちゃんと活用します。アクセサリーとして装備しましょう。
……結局、名前……名前どうしましょう…
悩みながら、ランニングしてきます!
「満月、色々教えて欲しいんだけど」
「!ログインする?伝えたい事割とある」
「……割と?」
「割と!」
ランニングを終えて、朝食を済ませた所に兄から話しかけられました。
兄がいない間、色々あったのですよ……
世界樹の辺りから話さないとです。
確か島の世界樹を植える前に兄は渡航したので……
「……すんごい驚くと思うな」
「……手加減して」
微笑みを返して、部屋に戻りました。
よし、ログインです!
ログインしました!ディアデムを喚び出して、部屋を出ます。
兄も同じタイミングで部屋から出てきました。
ひとまずソファに案内します。
「なあ、なんか称号貰ったんだけど」
「それも含めて説明するからとりあえず座って」
「お、おう」
兄を座らせて、反対側に座ります。
アイテムボックスから、ベーグルを取り出して一個兄に渡します。
「ありがとう」
「いいえー…んむ!やっぱり美味しい」
ぺろりと食べられちゃいます。
そして兄も食べ終えたので、色々と伝えます。
「まず、お兄ちゃんが渡航した後に島に世界樹植えたんだけどね」
「待て待て最初からクライマックスか??」
「この後案内するから、見て確かめて貰って……」
「……え、これが情報一個目なの?マジ?」
「その後わたしとレンさんはマーレにある神殿で海中に連れ去られて海の概念的存在の、マレ様と出会ってね」
「次もクライマックスじゃん」
兄のツッコミを受けつつ、マレ様と人魚さんの事を伝えます。兄は頭を抱えました。
「その後はレベル上げして、あ、これお師匠様からクランメンバーにって貰ったアクセサリー。凄いものだからお兄ちゃんもつけてね」
「え、俺もいいの?」
「お師匠様、仲間はお揃いのものつけるんだろう?って思ってたみたい」
右手の人差し指につけたリングをみせつつ、預かった腕輪をわたします。
兄はそれを受け取って、様々な角度から眺めて、ウィンドウを操作しました。
「マジヤバじゃん」
「マジヤバなんだよね。そしてわたしがレベル上げて、お師匠様から新しい天体魔法教わった時にお師匠様は天空竜っていう空色のドラゴンに魔法の的になれってやってね」
「待ってマジ待って」
「天空竜のおもてなしってイベントやって、天空竜の祝福って称号貰ったから、次にお兄ちゃん会えたらもてなそうね」
「???」
兄の背後に宇宙が広がってそうです。
まだまだ話したい事があるので続けます。
「その後はクリスティアで建国祭のイベントが始まって、色々な依頼を受けたんだ。リーフくんと墓場で墓守犬から依頼を受けて」
「………………………そんで?」
「墓守犬の主人さんで、騎士だった人の形見探しした。王都の墓場にオブジェクト化してる」
「……よく探せたな」
「らしんばん座のおかげかな」
「ピクシス……らしんばん座か、なるほど」
兄が眉間を揉みながら頷きました。
失せ物探しにも大活躍です。
「その時にはネームドモンスターと戦ったよ」
「……そうかい」
「また会えそうだからその時には紹介するね」
「そんな友達感覚なん??」
「ふふー。あ、ペルセウスさんから教わって、ちょっとだけ短剣使えるようになったよ」
「パワーワードすぎんだよな……俺も教わりたい」
大英雄ペルセウスさんから教われるのです。
とんでもねえですのよ……
「後はこのソファとかを買った家具屋があるから、お兄ちゃん案内するね、リル稼いだらかな?」
「……おー。あのキッチンもそう?」
「わたしとお母さんが即買いした」
「察した」
「その後はね、鉱山でゴーレム倒して、武闘祭に参加した!」
「対人戦のやつだろ?見たかったなー」
「ダイジェストとかあるかも?」
ユアストならありそうです。
CMとかよくやってますしね。
「色々なプレイヤーと戦って、勉強になったよ。アーツも凄かった」
「……めっちゃ見てえ!!!」
「それに、武闘祭は2位だったよ!ちょっとだけ悔しいから、もう少し動けるようになろうと頑張ってるよ」
「……そうか。頑張ったな」
わたしの言葉に、兄は小さく微笑みました。
皆で頑張ったのです!
「…変な鳥に目を付けられたり、晩餐会に出席したあと、王様からの指名依頼で、霊峰に登ったんだけどね」
「まさかの急展開」
「星詠みの一族とか、今まで亡くなった人たちへの慰霊でね。そしたら、山頂近くでクリスティアの聖獣、白いドラゴンに会ったんだ」
「………ん?」
「アストラルウィザードであるお師匠様と、ヴァイスさんと、わたしに、渡したいものがあったみたいでね。その時に鍵を貰ったけど、まだ見当つかないんだよねぇ」
「…………」
「特殊なイベントもあったよ。アストラルウィザードで、薬師だからかも。星の霊薬っていうHP、MP、状態異常を回復するアイテムが作れるようになった!」
「……なんだそのエリクサーみたいなやつ」
兄がズルズルと背もたれから滑り落ち、ソファから落ちそうになりました。
頭痛い……と呟いてます。
うーん、まだ話したい事たくさんあるんですが…
「そこでは概念的存在の、破壊を司るヴァスタトル様と出会ったんだ。レンさんも特殊なジョブチェンジしたみたい」
「……うへぇ、また更に強くなってんのレンくん」
「ミカゲさんも、最近ジョブチェンジしたよ。すごく強そう」
「マジ置いてかれてるから本気でやるわ」
ソファに座り直して、大きく深呼吸しました。
……ベリーのジュースをそっと置きました。
「建国祭が終わったらイベント交換があって、船と、あのクランボックスを交換したの。何処からでもクランの保管庫にアクセス出来るらしいよ」
「…船……あと、地味に便利だなそれ。ダンジョンとかからも?」
「海中でもダンジョンでもって書いてあったね」
「マジ便利じゃん。助かるわ」
兄の言葉にうんうん頷きます。
便利ですよねぇ……
「あとは、ミカゲさんが冥界へと繋がる門を開いて、ジョブチェンジに必要なアイテムを取りに行く間に、門番してた」
「……んんんそっかあ」
「その報酬として、冥王様から自分よりレベルの低いモンスターを捕まえる鎖貰った!」
「概念的存在皆甘過ぎないか??」
「で、ここからお兄ちゃんが得た称号と関係あって」
「やっとか……」
大きく息を吐いた兄が、喉を潤しました。
わたしもスムージーで潤します。
「外へ出たらすぐに連れて行くけど、庭を作ったんだ。そこに、概念的存在を祀る祭壇を作ったんだよね」
「……祭壇?神殿ってコト?」
「いや、神殿風ガゼボ」
「神殿風ガゼボってなに??」
「見ればわかる」
見れば、わかります!
話し終えたら、挨拶です!
「祭壇作ったら称号貰えたんだよね。あ、ラクリマも、決意したから羽化したよ。あ、喚ぶね」
わたしはラクリマを喚び出します。
召喚石が淡く光って、ラクリマが現れました。
閉じていた瞳を開けて、わたしをみてふわりと浮かびます。
「おはよう、ラクリマ」
『おはよう、ミツキ。……あ!リュー!』
「おー、美人さんになったな、ラクリマ」
兄を見つけて、嬉しそうに近寄りました。
兄の手に、ふわりと擦り寄ります。
かわいいなぁラクリマ……
『久しぶり!ラクリマ強くなったよ』
「ん、めっちゃ強さ感じるわ。俺の事も助けてくれよなラクリマ」
『任せて!』
「頼もしすぎる」
そう、頼もしい相棒です。
皆頼もしいですが!
「そして今に至る……って感じ?昨日は砂漠を越えてレダン帝国の帝都に行ったよ」
「……はー、インパクトデカすぎて驚きを通り越して虚無になったわ」
真顔になった兄と、ラクリマを連れて外へ出ます。
そして深呼吸して、身体を伸ばします。
朝の空気は、とても美味しいです!
「お兄ちゃん、こっち」
兄を手招きして、ガーデンを通ってガゼボまで来ました。……スピカさんが水を撒いたのでしょう。キラキラしてます。
「……お兄ちゃんさすがにお供え出来そうなの無いよね」
「………無えな。団子ならあるわ」
「何で団子あるの!?」
「ルクレシア歩いてたら、日輪から来た行商人のNPCに会って。その時買った………え、団子でいいん?」
わたしたちがお供えしたものを伝えると、兄は笑いを噛み殺しながら、祭壇に団子を供えました。
後で一本下さい。
ソル様、マレ様、ヴァスタトル様、タナトス様…
兄のリューです。これからお世話になるかもしれないので、どうぞよろしくお願いします。
よし、これで良いでしょう。
ちらりと隣の兄を見上げると、何だか念入りに祈ってます。
「……え」
「?どうかした?」
「……いやあの、ソル様から、祝福貰ったわ」
「わ、ソル様ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます……?」
兄と共に一礼して、今度は世界樹です。
ふわふわと前を飛ぶラクリマを追いかけて、世界樹の元へたどり着きました。
「……これが、世界樹?」
「そう、プレアデスの《枝》だよ。世界樹、こちらは兄だよ」
「……通じんの?」
「【植物学者】ってスキルがあってね。植物の状態がよくわかるのと、世界樹と会話も出来るよ」
「……なんか妹が着々と別ルート歩んでて兄ちゃん悲しいわ」
「?皆違う道だけど、横並びで真っ直ぐでしょ?お兄ちゃんもプレアデスの仲間なんだし、頼りにしてくれていいんだよ?」
わたしの言葉に、兄は目を丸くしたあと、くしゃっとした顔で笑いました。
「お前ってやつは本当に」
「わっ!?何!?」
「何でもねーよ」
ぐぬぬ、髪の毛わしゃわしゃされてボサボサになりました。むぅ……直します。
「十分頼りにしてるよ、ミツキ」
「お兄ちゃんも働いて貰うからね。……あ、そろそろ王都に行かなきゃ」
「おう、説明ありがとよ。考えまとめたら俺も行くかぁ」
「手伝い欲しかったらいつでも連絡入れてね」
ラクリマを腕に止まらせて、懐中時計を取り出します。そろそろスフィア様の所へ向かわなければ。
兄に手を振って、王都へ向かいました。
リュー:初めまして概念的存在の皆様、ミツキの兄です。マジ妹がやらかしてないか心配してます。皆様の迷惑になっていませんか。変な奴から目を付けられたりしていませんか。ちょっと変な事言って困らせたりしていませんか……etc
太陽:……苦労しているな、祝福を授けよう
情報の洪水……!
ちょっと数週間ログインしなかったらこんなにも話題があるなんてー(棒)
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




