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ささやかなガーデンパーティー

ご覧いただきありがとうございます!

スパートかけて詰め込んだ結果分けることも出来ず約8000文字になってしまったので、お時間あるときにゆっくりとお読みください。



『ふむ、これは良い質だな』

『おお、海の中にも欲しいぞこれ』

『フォッフォッ。腰に優しいのう』


それぞれソファの手触りや座り心地を確かめています。

き、気に入って頂けて?良かったです、が…!


「よ、ようこそいらっしゃいました…!」

『マスターに催促した甲斐があったようだ。息災のようだな、ミツキ、お前たちも』

『見覚えのない奴らもいるな。名乗りを許すぞ』

『弟子〜弟子こっちおいで』


自由……!自由です!

あの、圧はありませんが、やはり独特のオーラはあります。

以前お会いした時より雰囲気柔らかい感じはしますが、こんなにフットワークが軽く……!?


わたしは道連れを求めて皆を手招きます。

すると皆諦めたような顔をして、それぞれ何かを取り出しながら近寄ってきました。



そうして皆お供えしつつ、概念的存在の皆様に名乗りを上げたり、お供え物として食べ物をテーブルに並べたりしました。


その後は皆もガーデンに簡易的なテーブルを出して、持ってきたものを広げました。

わたしもクリスティアを置いておきましょう。プチガーデンパーティーです!



ソル様の元へ向かった王様達の後ろ姿を見つめていると、とても緊張している様子がわたしに伝わってきました。


『プラムの件については、太陽(オレ)はミツキに渡しただけだ。そこから先何処へ渡ろうとも関与はしていない』

「……それでも、その縁に感謝申し上げます」


ソル様へと、王様が感謝を伝えるとプラムを渡した皆様が揃って拝礼しました。


『仇で返さぬように』

「勿論でございます」


わたしはそれを見つめつつ、タナトス様に近寄って、こっそりお伺いします。


「タナトス様、この黒玉はどうしてわたしに…?」

『フォッフォッ。ワシも祀ってもらおうと思ってな』

「な、なるほど!」

『ワシあまり其方と接点ないし、まあ弟子いるからいいじゃろう…と思って』

「そ、それは全然ウェルカムです。むしろありがとうございます」

『フォッフォッ。これも美味いのう』


そうしてガーデンを眺めながら供え物として捧げられた様々な食べ物をつまむタナトス様。


一礼して、マレ様の元へ向かいます。


「マレ様、口に合いましたか……?」

『おお、ミツキ。どれも美味だぞ』


グラスを揺らしながら快活に過ごされているマレ様。

良かった、両親のお酒も気に入ったようです。


『これは我が眷属へのもので良いんだな?』

「はい!ささやかな物ですが、海の宝石みたいで美しかったので……」


青、水色、透明……青系の色味の飴玉が入った瓶を持ち上げて、マレ様は瓶を松明の炎の明かりに照らさせました。

飴玉、宝石のようです。


『はは、眷属達の喜びようが目に浮かぶ。(オレ)が確かに預かったとも』

「はい!よろしくお願いいたします!」

『其方の仲間も、(オレ)が気に入れば祝福をやろう』

「!…皆大切な、ユニークな仲間達なので、きっとマレ様も驚かれるかと」

『それは楽しみだ』

『……ミツキ、(マレ)との話が終わったらこっち来て』


背後からヴァスタトル様が呼ぶ声が聞こえます。

何かありましたかね?

マレ様は行って良いぞと頷いたので、一礼してヴァスタトル様の元へ向かいます。


「何かありましたか?」

『ううん。美味しかったから、これあげるよ』


ヴァスタトル様は何か小さな袋を取り出しました。

それをわたしの手に乗せます。


「?」

『種だよ、種。霊峰登るのに許可取るの大変でしょ』

「えっもしやツェアシュテーレンの」

『そう。浮島は高度も十分あるし、豊穣の乙女となら君でも育てられるんじゃない』


ツェアシュテーレンの花の、種!

わたしは手の上の袋を凝視します。



ツェアシュテーレンの花の種

植えればツェアシュテーレンの花が咲く。

育てるのに注意が必要。



「育てるのに注意が必要…」

『そりゃ俺以外が触れたら壊れるからね。触れないようにね』

「な、なるほど……!気を付けます!採取の方法は、ヴァスタトル様をお呼びしていいんですか?」

『……ふふ、いいよ』


わたしの問いかけに、ヴァスタトル様はふわりと笑みを浮かべました。

ふぎゅ……美しい笑顔です。

少年の姿をしたヴァスタトル様、大人びた表情が中々のギャップです。


太陽(ソル)が待ってるから行っていいよ』

「は、はい!ヴァスタトル様も欲しいものとかあったら遠慮なく申し付けてくださいね!」


一礼してソル様の元へ向かいます。

ラクリマの紹介もしないとです。


ガーデンを振り返って、宙を舞うラクリマを呼び寄せます。


「ソル様」

『近くに寄ることを許そう。来ると良い』

「は、はい」


足を組んで、口元に小さく笑みを浮かべてソル様が頬杖突きながら呼びました。

な、なんだか色気がありますね!?


「ソル様、食事は口に合いましたか?」

『気に入った。神殿では一切供えられない物だからな』


テーブルの上には色々並べられています。

わたしの置いたクリスティア、両親のお酒、レンさんのチョコレートボンボン、ミカゲさんのミルクプリン、ジアちゃんとリーフくんのチーズアソート……


いや皆やっぱり食べ物を選んだのですね。

個性が出てます……!

王様達は、王様が代表してなんだか凄い高そうなお酒を五本供えてました。



『眷属が喜びそうな味だ』

「……デイジーさんはお変わりないですか?」

『変わらん。星詠みの娘からの便りを楽しみに待っている』

「!デイジーさん、文字は読めますか?」


手紙を用意しましたが、デイジーさんが読み書きできるのか確認し忘れていたのです。

幼い時にソル様の眷属になったはずなので、その辺りが……


『デイジーは村長の孫娘だったか……教育は受けさせられていたから、読めるだろう』

「……そ、そのデイジーさんの村は、どうなったのでしょうか」

『……知って如何する?』

「……わたしが、デイジーさんについて知りたいという…わがままです。わたしには何かを変えることはできませんが……デイジーさんには、寄り添えると思っています」


わたしの言葉をきいたソル様は瞳を閉じて、そして再び紫水晶の瞳でわたしを見つめました。


『……まあ良いだろう。デイジーの故郷の村は豪雨災害による土砂崩れに巻き込まれて滅んだ』

「そう、ですか」

『それをデイジーは知らない。…知る必要もないだろう』

「……教えていただき、ありがとうございます。……では、こちらをデイジーさんへよろしくお願いします!」


プリザーブドフラワー、手紙、レターセット、小分けのクッキーを入れたバスケットを持ってソル様へ頭を下げます。


『……受け取ろう』

「いえあの本当にソル様を配達員にしたい訳では無いのですが……ハッ!イロハさんがソル様とやり取りについて確認しろって言ってましたが、ソル様に預ける形でよろしいでしょうか!?」

『……それで構わない』


陽光珠に触れて何かを確認したソル様が、頷きました。

よし、次はレダンでのお土産を探しましょう。


「ありがとうございます、ソル様」

『構わない。これもこちらが了承した事だ』

「今度レダン帝国のお土産、ソル様とデイジーさんに探してきますね!……えっと、失礼します!」


わたしはそうお伝えして、パタパタとガーデンに逃げ込みます。

そろそろ心臓がですね!ビッグバンしそうになるんですよ!




『…逃げられちゃったね太陽(ソル)

『……』

『どんな反応するか試したろ?宇宙(コスモス)から嫌味を言われるぞ』

『フォッフォッ。ここにいるお前さんら皆同じじゃろう』

『だよねぇ。結局概念的存在(おれたち)は、気に入ってる奴には目を掛けたくなるんだよ』


ガーデンで談笑するこの世界に生きる住民達と渡り人を見つめ、概念を司る彼らは己に捧げられた供物を口に運ぶのであった。




「おかえりなさいミツキ氏」

「ただいまです…」

「心臓無事です?」

「ビッグバンは免れました」


迎えてくれたミカゲさんにそう返答して、ベリーのジュースを口に運びます。

緊張で喉がカラカラでした!


「ジアちゃんとリーフくんは、皆様とお話しして大丈夫だった?」

「……人と似たような見た目しているのに、気配が人外だから手が震えたわ」

「本当にチーズで良かったか後悔したっす」

「それを言うならボクミルクプリンですからね」

「わたしもパンだから仲間ですよ……それに皆様喜んでました」


わたしの一言に、ジアちゃん達は肩をなでおろしました。むしろジャンクフードのが喜ばれそうですね?


「わたしもミカゲさんのミルクプリン気になります」

「ミツキ氏の分もありますぞー。マーレの手前に牧場があるんですけど、そこのミルクプリンです」


ミカゲさんから手渡されたミルクプリンは、よく冷えていてとても美味しそうです。


「いただきます……美味しい」

「でしょう?」


甘さ控えめですが、牛乳の風味が口の中に広がってとても濃厚です。

おいし……


「ミツキの置いたパンも美味しいわ」

「ダークチョコレートとベリーの相性が抜群だね」

「建国祭期間中に噴水広場の近くにあるパン屋のおじさまが作っていたパンで、クリスティアって名前なんだって」


両親の言葉に頬が緩みます。

食べやすいように切り分けて追加でテーブルに置くと、ジアちゃんとミカゲさんが手を伸ばしました。


「くふふ、待ってましたぞ」

「いや本当に美味しいわこれ」

「世界樹も絶賛してたからね!」

「世界樹パン食うんすね……」

「世界樹なんでも食べるから、今度お供えしてみたら?」

「……か、考えてみるっす」


レンさんは黙々とチーズ食べてます。

色々な種類のチーズ美味しいです。


ふよふよと花を眺めていたラクリマが戻ってきたので、腕に留まらせます。


「ラクリマは、何が食べられるの?」

『んー、何でも食べられるよ』

「ラクリマの口何処かな…」

『世界樹みたいに、マナに変換して食べるかなぁ』


わたしが手に乗せたクリスティア(小さくカットされた姿)を近付けると、ふわりと顔が近付いた瞬間にクリスティア(パン)が消えました。


『ん!ベリーの風味がふわふわのバターの香りのするパンと合って美味しい!ダークチョコレートが甘すぎなくて、ベリーとバターを引き立ててるね!』

「食レポうま」

「ラクリマの語彙力すごい」

「ラクリマ、チーズも食べる?」

『いいの?』


ラクリマの瞳が輝きました。

もう何でもお食べ……!


わたしはラクリマを皆に預けて、お師匠様達の元へ向かいます。

あっお酒飲んでますね……


「皆様……出来上がってる方がいますね」

「スカーレット、酒が大好きだからな」

「キャパオーバーとも言うね」

「グレナダもだな……ナタリアさんがジュースにすり替えたぞ」

「…君達が持ってきた供物…食事、こちらにも分けてもらってすまないな」


ヴァイスさんの言葉に、首を横に振ります。

美味しいものは分けてこそです。

それにプチお披露目ガーデンパーティーみたいなものなので!


「ミツキ、馳走になった」

「王様、ローザ様」

「このパン、とても美味しかったわ」

「王都の噴水広場のパン屋さんで売っていました。王様イメージのダークチョコレート、ローザ様、リヒト様、メーア様イメージのベリーを使ったパンだそうで」

「まあ!素敵……今度声をかけに行かないと」


あっパン屋のおじさまが驚く姿が目に浮かびます。

腰抜かしちゃうかもです。


「今後は何処へ向かうつもりだ?」

「レダン帝国の帝都と、ダンジョンに行きたいと思っています」

「……そうか。もしクロイツェルトに会った時、無理難題をさせられそうになれば遠慮なく俺の勲章を使え」

「…す、すみません、どなたでしょう…?」


小声でそう尋ねると、王様は小さく笑いました。

すみません!知らない人です……!


「クロイツェルト=アルトゥス=レダン。レダンの帝王であり、黒豹の獣人だ」

「ほあ」

「知っていると思うが、レダン帝国は獣人が治める国だ。昔は獣人と人との対立で戦争も起きたが、今は比較的友好な関係を築いている」

「ひ、比較的、ですか」

「レダンは強さを重視する。強者には挑め、弱者は守れの信条だったか」

「レダンは強者を歓迎しているからねえ。ミツキ、ブローチは外さないように」


強者には挑め、弱者は守れ……なんというか極端な…?

真ん中はありませんか!真ん中は無関心ですか!?


そしてお師匠様の言葉に身震いします。

ブローチが無いと何か起こるんです……?


「後ろ盾を匂わせれば、一旦舐められずにすむ」

「…そ、そうですか」

「曲者には違いないから気を付けろ」


ヴァイスさん……その助言はこわいです。

ま、まあ関わらなければ大丈夫ですよね!

ダンジョンに入り浸る予定ですし!


「土産話を期待している」

「ご期待に添えるように頑張ります……」

「…ローザ、時間だ」

「……楽しい時間はあっという間ですわね。ミツキさん、お招きありがとう」

「こちらこそ、ありがとうございました。……イオさんも、あまりお話し出来ず……」


王様とローザ様の近くで影のように控えていたイオさん。

中々お話しするタイミングがありませんでした!

王様とローザ様から食事は食べさせられていましたが!


「本日の私は王のお目付け役ですので、お気になさらずに。私もミツキ様の話を聞ける日を楽しみにしております」


そうして王様とローザ様、イオさんはソル様達へ再度一礼し、軽く挨拶をして戻られました。


「ワタシも戻るかね。長居してしまったし」

「アタシ達もルクレシアへ戻るか」

「そうだね…いい時間だ。クレハもそれでいい?」

「問題ないよ」

「旦那が限界越えそうだから連れて帰るさ!ミツキさん、皆さんありがとうね!世話になりました!」

「嬢ちゃん……また屋台に……ぐう」


ナタリアさんがグレナダさんを引きずって姿を消しました。

クレハさんがスカーレットさんを支えつつ、二人とも爽やかに手を上げて消えました。


「アタシも戻るよ。今日はありがとなミツキ」

「いえ!今度依頼とか、ご一緒させてください!」

「ランク上がったらな」


うっ……!そ、そうですね……ランク上げないと……

ずーんと沈んだわたしの頭を撫でて、カレンさんは笑いました。


「リゼットさんも、ありがとうございました」

「いいえ、とても楽しい一時だったわ。それにミツキさんレダンに行くなら、おつかいを頼むわね」

「はい!何なりと!」

「ふふ、素材をお願いするわね」



‐リゼットより 素材採取の依頼 がありました‐



受けるか受けないかのウィンドウが出現したので、受けます!はい、引き受けました!


「お任せください!」

「ふふ、よろしくお願いするわね」

「…よし、一緒に戻るかばあさん」

「そうね。じゃあ、失礼するわね」

「またな」


リゼットさんとカレンさんが戻られ、この場にはお師匠様、ヴァイスさん、プレアデスの皆とラクリマが残りました。


「ミツキ、ラクリマ、これからも精進するように」

「はい!」

『わかった!』

「お前さん達も、何かあればミツキを通して言ってくれて構わないよ」


お師匠様の言葉に、皆が一礼しました。

お師匠様なら百人力ならぬ千人力です。


「……レガリアへ行くなら、何かあればレガリア副ギルドマスターのミーティアを頼るといい。報せを出しておく」

「ミーティア様、ですね」

「隙の無い冷徹な男……に見えるが内心愉快な男だ。きっと喜んで助けになるだろう」

「わ、わかりました。よろしくお願いします」


レガリア副ギルドマスターの、ミーティア様…

一体どんな方なのか……


「ではね」

「では」


お師匠様とヴァイスさんも戻られました。

わたしは大きく息を吐きます。


よし、後は……


『ごちそうさま、また来るよ。レン、君に試練作ったから』

「………」


片手を振ってヴァスタトル様が瞬きの間で消えました。


『よい一時じゃった。弟子、これは試練じゃ。頑張れ』

「……ヤダーーー!」

『フォッフォッ』


ミカゲさんが悲鳴を上げて、タナトス様は闇に紛れるように姿を消しました。


『其方達も海に落ちたら助けてやろう』

「は、はい!よろしくお願いします!」

『ではな。これは眷属へ渡すから安心しろ』


飴玉の瓶を持って、マレ様は足元から登ってきた水流と共に消えました。


『……太陽(オレ)も戻る。そろそろ()()()の視線が鬱陶しいからな』

「へ、」

『まあ良い。また来る……其方達には以前与えたからな、他の奴らに祝福を』


ソル様が手を翳すと、両親とジアちゃん、リーフくんの身体が淡く光りました。


『其方も』


そしてラクリマも光りました。

大盤振る舞いです!

で、でも……!


「あ、明日兄が!兄が来ますので、ソル様が見込みがあると判断されたのなら、兄にもお願いできますか……?」

『……見込みがあれば、な。ではこれはデイジーへと預かる』

「あ、ありがとうございます!よろしくお願いいたします!」


ダメ元で頼んだら、了承してくれました…!

ソル様は僅かに微笑むと、揺らめく炎を残して消えました。




「………お疲れ様でした」

「……お疲れ」

「マジ心労が……お疲れ様でした」

「お偉方との会食よりは気安かったね」

「そうねぇ」

「俺達にも祝福…」

「ソル様、お優しい方ね」


いやもうとんでもない数時間でした!

ラクリマも心なしか疲れてます。

羽化したばかりですもんね……


「ラクリマ、今日はゆっくり休んで、明日一緒に冒険しようね」

『……うん。おやすみ』


ラクリマは召喚石へと戻りました。

羽化にパワーを使って、その後お披露目でしたから。

ゆっくり休んでね、ラクリマ。


「わたしは世界樹の様子を見てからログアウトしますね……」

「…よく休めよ」

「ボクも今日はログアウトしますわ……皆様お疲れ様でした!」

「私とリーフも今日は終わりね」

「そうする。お疲れ様でした」

「皆ゆっくり休むのよ〜」

「お疲れ様」

「ミツキもだからね」


ホームへ向かう皆を見送って、皆が持ち寄ったお供えメニューを少し分けてもらい、乗せた皿を手に持って歩きます。




「ラクリマを見守ってくれて、ありがとう」


そして皿を世界樹へと差し出します。

世界樹は一度動きを止めたあと、ゆっくりとした動きで皿を撫でました。



プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:……いいのかい?ありがとう



「あなたもプレアデスの仲間でしょう?名前にも入ってるし、それに、ラクリマに色々教えてくれてた?」




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:世界樹の葉を食べ続けたおかげで、世界樹の眷属に近い存在になっているみたい だからぼくらとも通じる でも宇宙の眷属にも近いから、ラクリマの存在は一目置かれると思うよ




……あのスキルといい、ラクリマが凄い存在になりました。

でもわたしの大切な相棒には変わらないので、見せびらかす勢いで一緒に冒険に行くのです。



「色々教えてくれて、ありがとう。これからも頼りにしてるからね」


わたしの言葉を聞いて一瞬動きを止めた世界樹は、




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:……君に、これを渡しておくね



枝を動かした世界樹から、小さな光が落ちてきました。

それを両手で受け止めます。

そこには……


「花……?」




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:大切な仲間である君に、プレゼント!大切に持っていて





世界樹の花

プレアデスの《枝》より入手した世界樹の花

《枝》が希う時、花は生まれる

《枝》は枯れるまでに一つしか花を生み出せず、それを使えば世界樹へと至る道が拓かれる

《枝》から離れた時、世界樹へと至るための道を開く鍵となる

所持者は ミツキ に固定されます



「こ、んな大切なものを!」


しかも枝から取ってしまいましたよ!?

これがあれば、枝でも世界樹へと…!




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:ぼくはこの島を守る枝だからいいの! そろそろ君も休みなね!



そう伝えると、世界樹の枝からの反応はなくなりました。

………ひとまず、アイテムボックスへとしまいます。


……プレアデスの《枝》には、何か考えがあるのでしょう。それがわかるまでは、大切に保管させてもらいます。



「おやすみ、また明日」


幹を撫でて、わたしはホームへ戻ってログアウトしました。





「考える事が増えたな……」


今日は少し疲れたので、このまま眠ってしまおうと思います。

やりたい事もたくさんありますし、きっと今後あの花でわかることもあるはずです。


わたしはそんな事を考えながら、いつの間にか眠りへと落ちていきました。


何だか最近勘の鋭い読者さんが多い気がしますね…

コスモス様はスキルで呼べば応答はしてくれます。今までスキル以外で声を届けていた事が多いので、今回駄々こねた事で罰として少しだけ遮断されていました。


そしてあくまでも枝は世界樹の端末なので…世界樹は世界を支える一本の大樹です。

端末《枝》が自我を持ち、本体に不利益な事をすると端末が如何なるかは予想しやすいと思われます。

まあ今回枝は何かを考えて、花をぽいっとしました。


プレアデスの《枝》の想いは、今後閑話として挟みますね!

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― 新着の感想 ―
[一言] 王都のパン屋さん大丈夫かな?(ちょっとした縁で王族遭遇フラグ建っとる…………………)
[一言] 『勘が鋭い読者は嫌いだよ』とか言わないよね?
[良い点] 大好評でしたね♪次の開催が楽しみでしょう。 [一言] 思いを受け取りました。大切にしませんとね♪
感想一覧
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