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羽化

ご覧いただきありがとうございます!


おはようございます!

少しワクワクして眠れませんでした…

遠足前の小学生のような感覚でしたね。


ラクリマの事があるので、今日も頑張らねばという気持ちになります。

着替えて学校です!


着替えつつ通知を開きます。



Your Story ‐ミツキ‐




67ページ目



ホームにガーデンを建造しました。

神殿風のガゼボと、多種多様、色鮮やかなガーデンが出来ましたね。

花の香りが運ばれてくるようです。


ガゼボに設置した祭壇も上手く機能しました。

新しいタイプの祭壇ですが、きっと彼らは気にいるでしょう。


MPポーションを作成し、サブジョブのレベルが上がりました。

初心忘れるべからず、という諺があります。経験を重ねましょう。



お疲れ様でした。




ガーデンは本当に神秘的で幻想的でした。

ホームの隣にあるのが今も信じられないくらいですけどね。


ガゼボの祭壇も祭壇として機能するようですし、もしかしたらお話も出来るかもなので、ちゃんとお供えしましょう。


よし、では今日も一日頑張りましょう!





「……ついに、今日ね」

「ついに今日だよ花ちゃん」


お昼を食べ終えて、机の上で、お互いに肘をついて顔の前で手を組んでコソコソ話します。


「そしてVIP達が来島するのよね」

「うむうむ。……やばいよね」

「今更よ満月」

「今日よく眠れなかったよ緊張して」

「まあわからなくもないけれど……今日は部活無いから早めにログイン出来るし、お供え用の何か用意してくるわ」


皆好きにお供えすれば大丈夫だと思います。

お供えしたから何かある、という訳では無さそうだと思いますしね……あくまで感謝の気持ちです。


まあ何が起こるかわかりませんが!あわよくば会話したいのも、ありますが!!わたしは欲の塊です…


「一週間、長かったなぁ」

「そうね」

「ふふ、楽しみだなぁ」

「……その為にも午後を乗り越えましょうね」

「勿論!」


予鈴が鳴ったので、向かい合わせていた机を戻します。

午後も頑張りましょう……!




そして放課後…


「じゃあまたね花ちゃん」

「ええ、また」


花ちゃんと分かれて帰宅です!

色々さっと済ませますよ!週末の為に食材も買い込んで来ました!


洗濯物を取り込んで、お風呂を沸かしている間に夕飯の準備です。

簡単にうどんにします。CMでお店の温玉乗せたうどんみて食べたくなったんですよね。


そしてさっと夕食を済ませて、両親にメモを残して、お風呂済ませました。

髪の毛のケアもしましたし、よし!


いざログインしようとした時にスマホから通知音が響きました。

えっと……?


『台風が発生する前に直行便で帰るわ』

『明日の午後か夜までには着く』


おお、兄からです!いい写真が撮れたのでしょう!

気を付けて、と返信して……今までの説明も考えておきましょうか。色々ありましたしね。

それはわたしの物語を見返したりすれば説明もしやすいです!


よし、今度こそログインしましょう!




ログインしま、した……?

目を開けると、そこはどこかの会議室でした。

……見覚えがありますね、この会議室。


いつぞやかゲームマスターの部下?の女性と話した会議室に似ています。

とりあえず座りましょう。


「プレイヤーネーム:ミツキ様」

「はひっ!」

「本日は勝手にお招きしたこと、心よりお詫び申し上げます。私はサポートAI:コードネーム イロハ と申します」


突然反対側の席に全身真っ白な女性が現れました。

髪も、肌も、服も真っ白です。


「この度はミツキ様のホームに祭壇が増えた事をお伺いしましたので、以前上位AI……ソルより申し出のあった島の眷属とのやりとりの件ですが、祭壇を通して二週に一回、物々交換出来る機能を追加いたしました」

「!」

「ソルの祭壇を通してやり取りが出来るようにアップデートしていますので、今後ソルと共にご確認頂けますと幸いです」

「あ、ありがとうございます…!」

「では、お時間頂きありがとうございました。ミツキ様の物語に、多くの頁が挟まれる事を祈っております」


その言葉と同時に、視界が暗くなりました。

次に目を覚ますと、そこは見慣れたホームの自室でした。


びっくりしましたね……


とりあえずディアデムを喚び出して、急いでキッシュを口へ運びます。これで空腹に関しては、大丈夫なはずです!


先程のイロハさんの話では、運営がソル様からの申し出があった件を実装、してくれたとのこと!

これでデイジーさんとのやりとりができますね!


ありがとうございます運営の皆様……!

本日ソル様とお会い出来ることを祈りましょう。


部屋を出ると、ソファでミカゲさんとレンさん、ジアちゃんが寛いでいました。


「こんばんはです皆さん」

「おう」

「こんばんはですぞー!」

「さっきぶりね」


皆思い思いに過ごしているようです。

ホームはそんな場所であるのが良いですね。

ゆったりと過ごせる安心出来るホームが理想です。


「世界樹の所へ行ってきます!」

「ボクももう少ししたら行きますわー」

「ちゃんとアレは買ってきたから、リーフがログインしたら行くわね」

「ガーデンの様子もみてきます!」


転移石の設置もしないとですし、わたしはホームを出ました。少し落ち着かないです!


ガーデンは月の光を浴びて、幻想的に煌めいています。淡く照らされるガーデン、とても美しいです。


スクショを何枚か角度を変えて撮ります。

皆が集まったタイミングで、お供え物と祈りを捧げるのが良いと思うので、ラクリマが羽化したらの案内にします。


小走りで世界樹の元へ来ました。

サダルスウドの水を撒くと、わさわさと動きます。


ラクリマの羽化まで……あと一時間くらいでしょうか。

転移石を設置しましょう。


世界樹が聳え立つこの場所は、拓けた空間となっているので、ここに来るまでの道があるあの側の木の所に設置しておきましょう。


アイテムボックスから転移石を取り出すと、ウィンドウが出現しました。



‐転移石を設置しますか?‐




はいを押すと木の根本近くで、転移石が浮かぶ……なにやら柱……?のようなものが立ちました。


不思議ですね……


「こ、これで大丈夫なはず…」


多分、大丈夫でしょう!

森からハマルとアルデバランが近寄ってきました。


ハマルの体毛を撫でていると、アルデバランがふとわたしの背後へと顔を向けました。



「ミツキ」


ヴァイスさん、リゼットさん、カレンさん、スカーレットさん、クレハさん、グレナダさん、ナタリアさんが、世界樹を背に立っていました。


「皆様!ようこそいらっしゃいました!ヴァイスさん、ありがとうございます!」

「転移石が反応した故、準備出来たと判断して連れて来た…が……」


ヴァイスさんは皆に視線を送りそう答えて、後ろを振り返って動きを止めました。


「……普通の木じゃねぇよな」

「あらあら、世界樹ね」

「せっ!?」


カレンさんが首を傾げ、後に続いたリゼットさんの言葉に、スカーレットさん達が世界樹を二度見しました。


「リゼットさん、皆様も……手紙ですみませんでした。本当は直接お渡しないといけなかったのですが…」

「いいのよ、渡り人であるミツキさんとは生活のサイクルを合わせるの難しいもの。手紙も嬉しかったわ」

「そうそう。ちゃんと店も締めてきたから大丈夫」

「朝から営業時間は19時までって張り紙しておいたからな!大丈夫だろ」

「お招きありがとうねぇミツキさん」


皆様やる事がたくさんあるはずですが、都合をつけてくださって……大変ありがたいです。


ホームの方向から、ミカゲさん達が歩いてきました。

皆揃っているようです。


「うお、皆さんこんばんはです」

「こんばんは」


あ、両親とリーフくんにリゼットさんの事を紹介してないです。

両親とリーフくんを手招きします。


「リゼットさん、わたしの両親のソラとサクヤ、仲間のリーフくんです。そしてリゼットさんは、わたしの薬師の師匠です」

「初めまして。ルクレシアで薬師をしているリゼットよ」

「ミツキがお世話になっております。母のソラです」

「良くしていただきありがとうございます、父のサクヤです」

「えっと、ミツキさんのポーションにはいつもお世話になってます。リーフです」

「ミツキさんのご両親と、大切な仲間の方ね」


そうして両親とリゼットさんが会話を始めました。

リーフくんを手招きしてそこから離れます。


「いきなり紹介してごめんね」

「いえ、ミツキさんの師匠さんならちゃんと挨拶しておかないとっすから」

「ふふ、礼儀正しいね」


そしてリーフくんはジアちゃんの所へ戻ったので、世界樹を眺めているカレンさん、スカーレットさんとクレハさん、グレナダさんとナタリアさんの元へ向かいます。


「お、ミツキ」

「いやぁまさかこの目で世界樹を見ることになるとはなぁ…」

「驚いたねぇ」


しみじみと呟くグレナダさんとナタリアさん。

あ、気になっていた事を聞いてもいいでしょうか…


「…グレナダさん、気になっていた事を聞いてもよろしいでしょうか?」

「お、なんだい?」

「異名持ちなんですよね?どんな宝石名なのですか?」

「……ああ、そう言えば言ってなかったよな!俺は料理人で、《琥珀(アンバー)》の異名を持ってるぜ。スカーレットのは聞いたのか?」

「へっ」

「えっ」

「あっ」


わたしの素っ頓狂な声にスカーレットさんが驚いたような声を出して、グレナダさんがやべって顔しました。


「……言ってなかったか?」

「……言ってなかった、かも?」

「……こう、薄々と感じていた所はあります」

「あちゃー!ごめんごめん、言ったつもりでいたかも」


頭を抱えたスカーレットさんに、手を合わせて謝罪するグレナダさん。

薄々と感じていましたが……!


「俺は服飾職人だね。《柘榴(ガーネット)》さ」

「琥珀と柘榴……!お似合いですね!」

「はは、ありがとう」

「がむしゃらに料理作っていたらこうなったんだよ」


それでも、きっと多くの困難を乗り越えて今の皆さんがあるのでしょう。

それは、とても素晴らしいです。


「…実はカレンさんもだったりします?」

「アタシ?アタシはちげーよ、ただのルクレシア所属の冒険者さ」


カレンさんも顔が広いですし、もしや……と思いましたが、違いました。

それでもすごい冒険者なのは変わりませんでしょうけども!!


「今度、色々聞かせてくださいね」

「そうだな」

「おう!ミツキの嬢ちゃんの冒険もな!」

「是非、聞かせてほしいな」


カレンさんがわたしの言葉に頷き、グレナダさんとクレハさんが笑みを浮かべました。



そんな事を話していると、転移石前にお師匠様と王様と王妃様とイオさんが転移してきました。


皆の空気が引き締まり、一斉に頭を下げました。

わたし達もその場で頭を下げます。


「良い、プライベートだ。楽にせよ」

「貴方達と同じ理由ですもの」

「弟子の祝いに来たんだろう。そう畏まっても良くないだろうさ」

「……師匠(せんせい)が言いますか」


そして王様と目が合いました。

緊張しつつ、王様達の元へ進みます。


「招待、感謝する」

「お招きありがとうミツキさん」

「……世界樹も、育ったな」

「空の上は、マナが濃いので良く育つそうで……」

「ほう?」


興味深そうに世界樹を見つめる王様。

王妃様はにこやかにこちらを見つめています。


よし、これで全員揃いました。

ラクリマの様子を見ると、後少しで羽化します。



皆でラクリマの様子が見える場所に立ちつつ、少し歓談して待ちます。


わたしはじっと蛹のラクリマを見つめます。

いつぞやかのように羽化不全にならない事を願います……


「険しい顔してますなミツキ氏」

「どうした」


ミカゲさんとレンさんが声をかけてくれました。

そんなに険しい顔してましたかね……

眉間のシワを伸ばしつつ、思っていた事を伝えます。


「ラクリマは十分準備しているので大丈夫だと思いますが、羽化不全の事を思い出してしまって…」

「なるほど……今回は魔力がちゃんと満ちていますし、世界樹も見守っていますからね」

「羽化不全を起こすことは無いだろうが……目は逸らさずに見ておけ」

「はい!」


二人に向かって頷くと、視界の端で枝が揺れました。

おや?



プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:魔力は満ちた、そろそろ羽化するよ



世界樹の言葉に、わたしは顔を上げます。

そんなわたしと同じように、その場にいる皆が顔を上げました。

手を握りしめて、ラクリマを見つめます。


蛹が淡く発光し、亀裂が入りました。

そしてそこから眩い光と共に、成体となったラクリマの身体がずるりと出てきました。


くしゃっとした羽は徐々に広がり、それは夜空のように紺から青、水色へとグラデーションがかかっています。


身体は羽に合わせてか黒に近い色をしています。

そして蛹から出て、羽が完全に広がりました。


その身体を世界樹の枝が撫でるように動くと、ラクリマは羽を動かして宙へと飛びました。


そして羽の動きを確かめるように一回転し、ゆっくりとわたしの元へと降りてきます。

その銀河を映したような輝く瞳は、幼体の時と変わらない煌めきでこちらを見つめています。


『……おはよう、ミツキ!』

「っおはよう、ラクリマ!」


明るく挨拶したラクリマへ向けて、わたしは満面の笑みを浮かべて手を伸ばしました。



ラクリマはカラスアゲハイメージです。とても綺麗な羽なので、蝶が苦手じゃない方は検索してみてください。


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 羽化。そして再びの旅路へ。 [一言] 国蝶の「オオムラサキ」だと星みたいな輝きが足りないからな~。黒い色の中で輝く青が夜空のイメージにピッタリですしね♪ 水に関係した絵柄のタロットカード…
[一言] ラクラマ無事羽化おめでとう
[良い点] ミツキのクランだけが、世界中の裏事情に飲み込まれていってる。 世の中には知らない方がいいことと、知ってはいけないことがあるのですよ。(どちらも知ったら後戻りできない…そして最期まで進むしか…
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