わたしの思う、安らぎの場所を
ご覧いただきありがとうございます!
ログインしているメンバーは、と。
あ、皆ログインしてますね。戦闘中だったら邪魔してしまいますが……ひとまず打ち込んでおきましょう。
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《ステラアーク》
ミツキ:〜ということをヘルプ担当AIに聞きまして
ミツキ:スクショ
ミツキ:ホームの中に増やす、神殿を建てるよりかはこちらの方が足を運びやすいような気がします
ミツキ:皆様何かご意見・ご要望ありますか?
ミカゲ:うおおそれ、神殿みたいな見た目してるのに庭に建ってるあの、アレなんですな!?
ミカゲ:それにヘルプのAIも!?
ソラ:なるほど……ガーデン、素敵ね
サクヤ:確かにホームに部屋があると少し気まずいというか、気にしてしまう所はあるね
ソラ:星空の下は、コスモス様と相性良さそうね
ソラ:私は異存ないわ〜
サクヤ:僕もないよ 概念的存在の彼らにとって過ごしやすい場が良いからね
レン:任せる
ミカゲ:ボクも構いませんぞー
ミカゲ:あ、師匠からなんか光を吸収して反射しない黒い玉預かってますのでミツキ氏にお渡ししますわ
ミカゲ:これ絶対自分も祀って♡ってやつですよな?
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タナトス様から、な、謎の黒い玉!?
それは御神体代わりになるやつですかね??
流れるメッセージを眺めつつ、ウィンドウを操作します。
ガーデンも色々な花がありますねぇ…定番は薔薇でしょうか。
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ミカゲ:ボクはミツキ氏のとこ向かいますわー!
ハイドレンジア:ログインしたわ
ハイドレンジア:私もリーフも異存ないわ
ソラ:ガーデンの事決めるなら、私もホームへ戻るわね
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ミカゲさんと母がこちらへ戻ってくるみたいですね。
母はガーデニング好きなので、庭については相談しましょう。
そうして星を眺めながら待っていると、人の気配がしました。
視線を向けると、ミカゲさんがこちらへ駆け寄ってきました。その後ろから両親がゆっくりと歩いてきます。
「こんばんは、ミカゲさん」
「こんばんはー!」
「待たせたかしら」
「大丈夫だよ」
「僕も庭に興味あるから着いてきたよ」
そうして4人でウィンドウを眺めます。
母の助言でウィンドウにサンプルとしてその神殿風ガゼボと花を設置します。
ふむふむ……定番の生垣はボックスウッドという名前なのですね………!
「エレガンテシマで囲いつつ、花の香りがするようにフェアリーマグノリアも欲しいわね」
「…ま、任せた」
呪文にしか聞こえません……!
でも響きは可愛らしいですね、フェアリーマグノリア。
「イングリッシュガーデンに必要なのは多種多様な草花って言われているわね。神殿の縁の足元には花壇で色とりどりに花を植えましょう。所々にコニファーを設置して……」
すごい次から次へと言葉が出てきます!
すっごい楽しそうです!
「あとはバラね。ジギタリスやアナベルも」
「お金はあるから…好きに買って……」
「ちゃんと払うわ。花はリルで支払えるみたいだもの」
父に視線を向けると、首を横に振りました。
そして再び母とウィンドウへ視線を戻すと、母の隣にスピカさんがいました。
い、いつのまに……!
「あらあらあら!素敵ね!アリウムもどうかしら?」
「素晴らしいですね!この辺りで良いですか?」
「いい色合いね!」
……よし、任せましょう!
あの二人なら問題ないでしょう!
苦笑していたミカゲさんが、何かをアイテムボックスから取り出しました。
「これ、師匠からミツキ氏にとのことですわ」
「……お、おおう確かに、受け取りました」
全く光を反射しない黒玉がわたしの手に乗せられました。
いつぞやかテレビでみたあの塗料で塗ったような…
逆に恐ろしいですが??
死の黒玉
人々を死へと誘う黒玉
その黒は全てを染める混沌である
こっっっわ!
書いてあることこわいですが???
黒いソファに白い丸テーブル、その上にこれ乗せるとなんだかすごい絵面になりそうですね…
「これで如何でしょうスピカさん!」
「素敵!素敵よソラ!」
「ミツキ!これでどうかしら!」
テンションが高めの母に呼ばれたので、ウィンドウを覗き込みます。
そこには神殿風ガゼボを囲う、まるで本場の……博物館とかに隣接してそうな素晴らしいイングリッシュガーデンが作り上げられていました。
「わぁ……!」
「うおお!めっちゃ綺麗ですな!」
「これはこれは……随分本気で考えたね」
「神殿風とはいえ、概念的存在の皆様の周りを囲うものでしょう?これくらいしないと」
母の言葉にスピカさんが満面の笑みで頷いています。
ガーデンは派手でないと、ですね!
それに派手に見えますが、全然落ちつけそうです。
ではこのままこれを島に設置しましょう。
鉱石は……神殿風なので大理石100個使うのと、御影石50個ですね。問題ないです。
そして庭を増設するのに100万リル、ガーデン用の草花、アーチやウッドベンチ等で約90万リルですね。
母からすぐにリルが送られてきました。にっこにこです。
あとは場所ですね。
今は皆で世界樹の所にいます。
この島の真ん中にはホームが建っていて、ホームから北へ向かった所にこの世界樹が聳え立っています。
ホームの隣には畑がありますが、基本的にはこの島は森しかないですからね。
ホームから南の方向に小道があり、最南端には謎の桟橋があります。
……ふぅむ、ホームの近くが良いですし、ホームの右側か左側……東か西かですね。
西側には畑があるので、反対側にしましょう。
母とスピカさんに伝えると、オッケーマークを貰いました!
早速このまま設置してみようと思います。
この島の全体図のウィンドウが出現し、場所を選ぶように促されます。
‐付近の木が伐採されますがよろしいですか‐
木には申し訳ないですが、はいを押します。
そうしてウィンドウに表示されたサンプルをそのまま空き地となった場所へドラッグします。
ユアストのシステムすごいですね…
そうして最後にこの場所でいいか確認されたので、母とスピカさんに角度等を微調整してもらいます。
そして満足気に二人が頷いたので、確定ボタンを押します!
ホームの方向が淡く光ったので、急いでみんなで向います。
するとそこには、先程までサンプルで構築されていた神殿風ガゼボとイングリッシュガーデンが……!
「へ」
「え」
「あら」
ありませんでした。
あるのは、あの、建築中の家を囲う柵みたいな板と、布で覆われた庭園と思しきものです。
「こ、工事中…!?」
「カウントダウンがありますぞミツキ氏!」
ミカゲさんの指差す場所には、タイマーのようなものが表示されていました。
ま、まさか……!
「すぐではなく、時間がかかるんですね!?」
「ソシャゲみたいな事するんですな……課金すれば時間進められるアイテム貰えるやーつ…」
表示されている時間は23時間と58分……
「……とりあえず明日には完成するのですね」
「今の時間帯にログインすれば完成してますな……」
母とスピカさんが肩を落としました。
明日、明日には出来上がります!
「お父さんかお母さんにはお願いがあるんだけど…」
「なんだい?僕が聞くよ」
「王都でお酒を扱うお店ってみた?見てたら、ソル様達に捧げるなんか果物を使ったお酒とかマレ様には強めのお酒?とか買ってきて欲しいなって」
「果実酒か……あ、前に散策していた時に酒場の近くで見かけたような気がするから、行ってくるよ」
「ありがとう!」
わたしが買えるかわからないので、ここは確実に買えそうな父に頼んでおきます。
ソル様は菜食、果物がお好きと言っていましたし、マレ様は酒か食事と言っていました。
ヴァスタトル様は子供の見た目をしていましたが、長い間存在されていますしね。
……高品質で美味しい飲み物が売っている場所を探しましょう。お師匠様に聞くのも良いですね。
お酒もジュースも用意しましょう!好みに合えば良いのですが。
ひとまず他のメンバーにも伝えるためにスクショ撮って貼り付けます。明日には出来るそうです、と。
わたしも結局何をお供えしようか決めてませんでしたからね。
美味しくて、見た目も美しいクリスティアのパンを食べやすいように皿に切り分けて、フォークとか置いておきましょうか……?シュトーレンみたいな切り方で。
もう遅めの時間なので、明日は食器とカトラリーのセットを探しましょう。
お師匠様の所に向かいますかね!ラクリマも明後日には羽化しますので、声をかけましょう。
……今日はこれくらいにしておきましょう。
お店も閉まってるので休むのが良いです。
みんなに挨拶して、部屋に戻ります。
あ、保管庫のポーション数確認しましょう。
……余裕はありますが、明日少し増やしておきましょう。
そしてベッドへダイブして、ログアウトしました。
「曇り…」
窓の外には厚い雲が広がっています。
今日はさっと寝てしまいましょう。
よし、おやすみなさい!
途中まではガッチガチに宮殿みたいなものとか作ろうと考えていたのですが、浮島のキャパと景観等考えていたら想像力が働きませんでした……
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




