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『扉』 ②

ご覧いただきありがとうございます!


そして扉から、モンスターが出てきました。

自分に強化をします。

【惑星加護】で側に浮かんだのは、木星でした。

全状態異常無効ですね!




ヘルハウンド Lv.85

アクティブ

【???】【???】【???】




黒い毛色の大きな犬?のようなモンスターが扉から地に足つけた瞬間、バチバチと黒い火花が散りました。

それはヘルハウンドに大ダメージを与えています。


レベルの高さにも驚きましたが、あれが先程ケルベロスが言っていた弱体化でしょうか!?


「ガァァァァッ!」

「オッラァ!」

「ガァッ!?」


雄叫びを上げたヘルハウンドに、オリオンさんが勢い良く棍棒を振り下ろしました。

轟音とともに地面にクレーターが出来ました。


やはりパワーが凄いですオリオンさん。

しかし、まだヘルハウンドはよろよろと立ち上がります。


オリオンさんのあの一撃を受けて立ち上がれるとは…

身体が丈夫そうです。レベルも高いですしね。


「っ、【流星(メテオ)】!」


ヘルハウンド以外の気配を扉から感じたので、何かが出てきた瞬間に流星をぶつけます。



ヘルフォックス Lv.83

アクティブ

【???】【???】【???】



「グルゥウア!!」

「鳴き声こわ!【宇宙線(コズミック・レイズ)】!」


バチバチと焼かれながら出てきたのは、黒い体毛のキツネです。

顔が凶悪で身体が大きい以外は、キツネのモンスターと似たようなものですね…!


「【七曜の星(セブン・スター)】!」

「【金星】よ!」

「【銀星】よ!」


ウルサ・マヨルと、カストールさんとポルクスさんも片手を掲げながら何か叫びました。

ウルサ・マヨルはこの前聞いたので強化なのはわかりますが、双子の二人も強化、ですよね!?


ウルサ・マヨルがヘルフォックスへと両腕を振り下ろすと、またもや轟音とクレーターが出来ました。


ヘルフォックスは虫の息です。

ウルサ・マヨルのパワーもとんでもないですよね…


視界の端ではレンさんが、ヘルウルフと表示されたモンスターをアッパーで打ち上げ、次の瞬間にはヘルウルフより高く飛び上がり叩き落とすのが目に入りました。


あ、モンスター消えましたね。

レベルが86と高かったのですが、今のレンさんには柔らかい敵なのかもしれません。


……レンさんなら強化込みで攻撃400くらいありそうです。それはレベル高くても防ぐのは難しいですね。


「いい攻撃だなァ!俺もパワーアップするか!」


そんな中レンさんの動きをみてニヤリと笑っていたオリオンさんが、棍棒を構えました。


「【三ツ星の狩人(トライスター)】!」


うっすらと赤いオーラに包まれたオリオンさんが、扉から距離を取ります。


「よっしゃあ!ブッ飛びなァ!」


扉から出てきたヘルハウンドとヘルフォックスの群れへ走り出すと、その直前で飛び上がります。

そして掛け声と共に、その棍棒を勢い良く振り下ろしました。


そして響く轟音、起こる大爆発です。

じ、地面が!揺れました!


強化されたただの一撃であんなに威力が出るなんて…ヘルハウンドとヘルフォックスは死屍累々です。

とどめを刺すために【流星雨(レイン)】を放っておきましょう。


「おし、いい威力だな」

「…加減を知らんのか貴様は」

「ペルセウスもこれくらい出るだろ」

「………」

「そら次だ次!」


そんな会話をしてオリオンさんは別のモンスターへ向けて駆け出しました。


「…野蛮ね。ミツキ、石塊とかで怪我してないかしら?」

「大丈夫です」

「良かったわ。んもう、ちゃんと周りに配慮して戦って欲しいわ」


ウルサ・マヨルがこちらへと駆け寄ってきました。

オリオンさんをジト目で睨み付けています。

そしてわたしの無事を確認すると、来た方向へ戻りました。


こちらをよく見てくれるのは彼女の生来の気質ですかね。なるべく心配させないように立ち回りましょう。


そうして扉へと視線を向けたとき、扉からうっすらと青い炎に包まれた人影が出てきました。

それは全身黒く、人型、と言う事しかわかりません。


ケルベロスが言っていた亡者、でしょうか。

触れても燃えませんかね!?

とりあえず駆け寄ります。


その亡者には謎の黒い火花は発生しませんでした。

モンスターでは無いようです。表示はNPCの緑です。


「……こちらは出口ではありません。来た道を戻っていただけますか?」

「………」


ひとまず話しかけましたが、何も反応はありません。

立ち止まってはくれたので、話が通じないと言うわけでは無さそうです。


「……」

「……」

「……反応無いわねぇ…」


近寄ってきたウルサ・マヨルと首を傾げます。

ふむむ……ケルベロスは……押し返して、と言っていましたね。

……物理的に押し返しす必要がある、かもです。


わたしは、意を決して亡者に触れます。


「ミツキ!?」


ウルサ・マヨルの慌てた声が聞こえます。

後で彼女に声をかけるとして、目の前の亡者を見つめます。


熱くは無いです。触れた感触もあります。

ただ……ひやりと、冷たい感触です。


「…こちらから出ても、次の生は歩めません。きっと冥王様が見送ってくれるはずなので、その時が来るまでは……戻りましょう」


冥王様ならなんとかしてくれるはずです!

冥界の仕組みはわかりませんが、きっと日本みたいに、時間が経てば、もしくは罪が終われば、次の輪廻を巡れるはず、です!


そっと手を引いて、扉へと歩きます。

……素直に歩いてくれています!


そしてそのまま扉へと誘うと、亡者はそのまま扉へと進み、見えなくなりました。


大丈夫そうですね!

拳を握ってウルサ・マヨルを振り返ります。


「戻って良かったわね……でも少し驚いたじゃない!何処も異常無いわね!?」

「なん、なんとも、ないですぅ」


肩を揺らされながら返答します。

心配させないようにと思いましたが無理でしたね。


「…ふぅ。とりあえず同じように、亡者が出てきたら戻しましょ。モンスターは彼らに任せて」

「…そうですね」


扉を抜けてこちら側へくるモンスターは、彼らによってボッコボコにされています。

…あちらは問題なさそうです。むしろモンスターにとっては運のつき、ですね。


モンスターに注意しつつ、亡者を扉へと戻そうと思います!



そうして30分くらい経過した頃、こちらへと出てきた亡者を扉へと誘います。

……十五体以上は扉へと送り返したと思います。



亡者の姿を見送って扉に背を向けた際、こちらへ近寄る気配を感じました。


「んぐっ!?」

「……ッ、ミツキ!?」


ハッと振り返ろうとしたその時、首に何か巻き付くような感覚と、身体が勢い良く後ろに引っ張られ、慌てたようにこちらに腕を伸ばすウルサ・マヨルを視界に入れながら、次の瞬間には視界が真っ暗になりました。




首元に触れると、これは人の、腕のような!?

力を込めると、それに反応するかのように首元を締める力も強くなります!


薄暗い洞窟のような場所で、何かに首を、腕で締め上げられています!


こ、この……!力強いですね……ッ!


「……はァ、亡者じゃないわね……ふぅん渡り人」

「ッ」

「あいつら亡者は生気なんて一切無いから喰っても腹の足しにもなりゃしないじゃない。アンタを喰えば、ここから逃げる為の力を蓄え…ッ!?」

『……その娘の滞在は許可していない』


女性、女性の声です!

姿は見えませんが、女性の声がします!


どうにか隙間に指を挟んで、呼吸は出来るように奮闘していた時、不意に言葉が途切れました。


っ、この声は!


そして次の瞬きの間に、まるで放り投げられたようにわたしは宙を舞い、腰から地面へとダイブしました。


「ふぎゅいっ!?」


い、痛いです!

何が何だかわからないのにさらに痛みに追い打ちされました!


な、何なんですか!?

目の前に扉があるので、扉の外に戻された、と言う事だと思いますが!


それに、あの声は…!


「ミツキッ!」

「おい、何があった」


慌ててわたしを支えるウルサ・マヨルと、レンさん達が武器を構えつつわたしを囲みました。

ひぇ、圧が…


「…わ、わたしにもよくわからないです。女性の声の何かに首元を締め上げられたと思ったら、何かに放り投げられました……?でもあの冷たく威厳溢れる声は、もしや冥王様では…?」

「……モンスターの気配が消えた」

「…扉の先に()()な」


ペルセウスさんとオリオンさんがジッと扉を見つめます。

確かに、重苦しい気配を感じます。


そしてレンさんが何か考えるように目を伏せ、そして扉に手を伸ばしました。


バチッ!


「ッ、チッ」


レンさんの手は弾かれました。

そしてダメージを逃がすかのように手を振ると、レンさんは地面に手を触れます。


「…チッ、何も読めねェな」

「……この扉は、あの娘のみが通れるようだな」

「「正規のルートじゃないしね」」

「ダメージ受けてるみたいだし一応回復はしておけよな」


オリオンさんの言葉に、自分のHPを確認すると5割まで減っていました。

あの締め上げで、ここまで減らされてしまったのでしょうか。


ハイポーションを取り出して回復します。

……本当に、何が起こったのでしょうか。


あの声は、一度会話した冥王様の声でした。


…何もわからないまま、わからない事が増えてしまいました。





◆◆◆



「……へぇ、わざわざアンタが追ってくるなんて」

『…これが仕事だ』

「……なぁに、もしかしてあの渡り人に目を掛けてるの?だからわざわざここまで来たの?冥王(プルトン)が??」


相手を小馬鹿にしたような態度を示しつつ、相手の一挙一動を注意深く観察しているのは、二対の黒翼を持ち、特徴的な赤いツインテール、そして蟀谷でぐるりと巻かれた角を生やす女型の悪魔。


その悪魔と相対するのは、黒衣に身を包み白目の部分が黒く染まり、金の瞳で無機質に悪魔を見据える男性。

銀の冠を装着し、腰まで流れる黒髪は、毛先が青く染まっている。


『…どちらかと言えば、見定めている最中だがな。そもそも、貴様は本当に冥界から出られると思っていたのか?』

「…何?」

『《奈落(タルタロス)》は重罪人の牢獄……我の許可無く出る事は叶わぬ。…だが貴様は脱獄した。何故だと思う』


冥王の問いに、悪魔は口を噤む。


『看守の目を逸らすのに奴を利用したのは褒めてやろう。奴は基本食事と睡眠、そして戦闘の事しか考えていないからな。奴は戦えれば何でも良い。たとえ力が封じられていても、武器が無くとも奴は戦える』

「ッ、まさか」

『此度は餌に食い付く愚か者が出るか如何かは予想出来なかったがな』

「……あの警備の穴も、あの()()()()が私の案を受けて戦って注目を集めるのも、ぜぇんぶアンタの手の上だったってワケ」

『態々看守の行動パターンや配置まで計算し、看守を籠絡して出て来たのだったな。あの看守は不出来故、楽に始末出来た』


淡々と言葉を紡ぐ冥王に、悪魔の顔に冷汗が流れた。


『《奈落(タルタロス)》に穴など存在しない。大体の囚人は刑期が終わるまでは大人しくしている。賢い奴程な』

「……私が、賢くないって言うの!?」

『《奈落(タルタロス)》は神をも捕らえる牢獄だ。貴様程度の悪魔が容易に出られる訳無いだろう』

「なっ」

『看守の始末も出来た、囚人達の娯楽にもなった…看守の良い訓練にもな』


『貴様は良い実験対象(モルモット)だった』


冥王が指を鳴らすと、空間から数多の鎖が出現し悪魔を縛り上げる。

それは悪魔の暴れる身体をいとも容易く封じ込めた。


「クソックソッ!あの方の元へ戻らないといけないのにッ!」

『……ハ』


冥王を睨みつける悪魔の言葉に、冥王は嘲笑を浮かべた。


『…冥界に収監される程度の悪魔を、奴は必要とすると思っているのか』

「ッ」

『悪魔の王は、容易に弱者を切り捨てるだろう』

「う、ウルサイウルサイウルサイ!」

『…連れて行け』


再び冥王が指を鳴らすと、一体の軍服を着用した骸骨が出現した。

それはしなやかに一礼すると、鎖を引いて、悪魔を引き摺って闇の中へと消えて行った。


『…悪魔王の興味を惹きたければ、奴のように悪魔王を裏切ればいい』


それを見つめていた冥王は、溜息を吐くと銀の冠に触れる。

それは瞬く間に兜へと変化し、冥王の姿は闇と同化するように消えるのであった。


悪魔も一枚岩ではないようですね……奴については今後また語られます。


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ままま、魔王フラグ!? [一言] 亡者さんにとってはミツキがいてくれてよかったですね。 今いる面子では扉に向かって亡者を連続ホームランする姿しか想像できないw 辛うじてクマママンは気遣…
[良い点] 更新お疲れ様です。 脱獄犯は言ってみれば木っ端悪魔なのに、それでもちょっと首を極められただけでHP5割持ってかれるのか…。改めて神や悪魔といった上位存在との超えられなさそうな壁を実感しま…
[一言] 星座のモチーフのギリシャ神話が裏切りと不貞でできているからw 奴が全く予想できない
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