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建国祭 12日目

ご覧いただきありがとうございます!

約6000文字あります!



おはようございます!

よく眠れました。


制服に着替えて、ユアストからの通知を開きます。





Your Story ‐ミツキ‐



59ページ目



新しいモンスターと戦いました。

夜にしか出現しないモンスターもいます。様々なモンスターと戦うことで、貴女の経験にしてください。



フィールドには強いモンスターがいます。

興味を持たれたようです。貴女の輝きに魅せられたのかもしれませんね。

次の戦いに期待します。



良い建国祭を。

お疲れ様でした。





夜にしか出ないモンスターは、幽霊系と言いますか闇魔法を使うモンスターが多いのかもしれませんね。


……き、期待されてしまっています。

その為にも、経験積まないとです!


よし、今日も頑張りましょう!












帰宅しました。

夕食はテレビでみたパスタを作ろうと思います。


隣のコンロで麺を茹でつつ、ソースを作ります。

玉ねぎとベーコンを炒めて、市販のトマトソースを入れて混ぜます。


簡単に作れるので良いですよね!味が付いてるものもありますし。

一人分は作りやすいです。


「いただきます」


うむ!美味しいです!

トマトソースの酸味、癖になります。

今度挽肉も入れて作りましょうかね。ミートソースも美味しそうです。



よし、ごちそうさまでした!

今日はお師匠様の所に顔出しましょう。

転職した事を伝えたいですしね!



パパっとお風呂を済ませて、ログインしました。






ログインすると、メッセージ欄の通知が鳴りました。

塩クロワッサンを食べつつメッセージ欄を開きます。


えっと……?




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミカゲ


ミゼリアのギルドに行ったら、シルバーウルフのパーティーがミツキ氏と話をしたいって言ってました!

ボク、ギン氏とフレなので、言って貰えれば連絡とりますー!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミカゲさんからです。

30分程前にメッセージをくれたようです。

ノワールの事もありますし、わたしも挨拶しておかないとです!

フレンドでは無いので、どうしようかと悩んでいた所でした。



ミカゲさんはホームにはいないようです。

ひとまずこの後、ミゼリアのギルドに向かう事を伝えておきます。


よし、世界樹に水をあげて、お師匠様の所に寄りましょう!


ディアデムを喚び出し、ホームを出ました。


ホームの入口の近くでシリウスとレグルスが伏せていました。

シリウスとレグルスを還して、エリダヌス座(アケルナル)くじら座(ケートス)うみへび座(アルファルド)を島に召喚します。


ケートスとアルファルドがアケルナルと共に移動するのを見送って、世界樹の元へと歩き出しました。




「ラクリマ」


世界樹に水をまきながら、ラクリマを喚び出します。

わたしが戦闘不能になったとき、一緒に消えてしまいましたからね。


「ラクリマ、昨日はごめんね」

『…ううン、ラクリマも力及ばなカった。悔しイ』

「……次は頑張ろうね」

『モチロン!』


ふんす!と気合を入れたラクリマに、世界樹の葉を渡します。


世界樹の根本から見上げる空は、今日も美しいです。

今日はペガスス座の四辺形が見えますね。

ペガスス座……移動には最適なのですがどうしても目立ちますからね。


テイマー達もペガサス使いになって欲しいところです。

ペガサス、いるんでしょうか……?


そしてラクリマか食べ終えるのを見届けて、お師匠様の元へ向かいました。




「お師匠様、こんばんは」

「よく来たね」


お師匠様の家へ訪れると、お師匠様はソファで宝石を磨いていました。

うおうまた高そうな宝石を……


「転職しましたので、ご報告に来ました」

「ほう?…なるほど、成長したね」

「ありがとうございます。……ですがまだまだです」

「少しずつでも前に進めば良いのさ。……ラクリマ、お前さんもだよ」

『?』


お師匠様はニッと笑顔を浮かべます。

そしてラクリマの頭を撫でます。

わたしも少しずつ、成長しているはずです!


「そうさね……この魔法を使えるようにしようか。おいで」


お師匠様が手招きするので、側に近寄ります。



‐ 天体魔法 【隕石(メテオライト)】 が解放されました‐



お師匠様がわたしの頭に手をかざすと、アナウンスが流れました。

ほあ……隕石(メテオライト)……!?


流星(メテオ)よりMP消費は大きいが、加速する程威力が上がる。空飛ぶ敵より地面にいる敵へのダメージが大きくなるんだよ」

「な、なるほど……!」

「地面に衝突すりゃ爆発するからね。群れている敵にもダメージは与えられるさ」


早速この後試してみる事にしましょう!

少しワクワクしてきました。


「次はアストラルアークウィザードが10になったら、教えようかね」

「!ありがとうございます」

「励むといい。……っと忘れる所だったね、ラクリマにこれを付けたげな」


お師匠様はソファ近くの箱から、紫色のリボンとブローチのような物を取り出しました。


おお、これはもしや!


「お前さんも仲間だからね。リボンを結んでそこに装着すれば、外れないようにしてあるさ」

『!』

「ありがとうございます!……これ伸縮性とかありますか?」


……ラクリマの胴体にしか巻けませんし。

身体を大きく変化させるラクリマです。


「そこは身体の大きさに合わせて伸縮するように魔法かけてあるから心配しなくていいさね」

「わ、わかりました!」

『ありがト!』


とりあえずラクリマの頭より後ろの胴体でリボンを結び、蝶結びした場所にタンザナイトがあしらわれたブローチをつけます。


うん!可愛らしいです!

ラクリマも心なしか嬉しそうです。


「よく似合ってるじゃないか」


お師匠様はそう言って笑うと、宝石へ目を落としました。

……わたしもラクリマもやる気出ました!


よし、建国祭終わったら砂漠探索とレベル上げです!


「では、失礼します!」

「はいよ」


お師匠様に声をかけ、ミゼリアへと向かいました。







「……あ!」


ギルドへ入った瞬間、声が聞こえました。

視線を向けると、セシーさんと目が合いました。


「セシーさん!」

「ミツキさぁぁぁぐえっ!?」

「うるせえよセシー!」


こちらへと駆け寄ろうとしたセシーさんの首根っこを掴んだギンさんと、苦笑するミューレさん。

それと後2人、戦闘でみたプレイヤーがいます。


「昨日はすみませんでした」

「いやこちらこそ巻き込んじまって申し訳ない」

「本当にごめんなさいね」

「いえ、あれはしょうがないと思いますし、わたしも負けちゃいましたから」

「…僕達もあの竜巻に倒されちゃったもんね」

「あ、私はシルバーウルフ所属の石楠花(しゃくなげ)です。コイツはキトです」

「ステラアークのミツキです」


フードを被った小柄な少年と、軽鎧を身につける少女が自身を指差して自己紹介してくれました。

同じく自己紹介します。

以前会った時にはいませんでしたね。


「ミツキさん、お詫びもかねてなんか欲しい素材とかないか?」

「欲しい素材は、思いつくものは無いですね……あ、今度何かあった時に助けていただければ」


わたしがそう言うと、シルバーウルフの面々はぽかんと口を開けました。


「……ミツキさんがそれでいいなら、いつでもどこでも駆け付ける所存」

「……腕の中の君も、手助けありがとうね」

「もっとこうお金寄越せとか言ってもいいのよ……?」

「モンスターキャリーすんのはアウトだからな……本当にすまない」

「て言うか君かわいいね??大人しいね??素晴らしいですね??」


偶然出会っただけですが、すごくシルバーウルフの皆さんが反省されています。

そういうもの、なんですかね?

そしてセシーさんがラクリマを見つめて、すごい変態みたいになってます…


「と、とりあえずフレンド登録しましょうか。もし人手が必要になったりしたら、お声掛けさせていただきますから!」

「……ありがとう。いつでも声をかけてくれ」

「わはー!ミツキさん今度もふもふについて語り合いましょうね!」

「ミツキさん、時間取ってもらってありがとう」

「…それでは」


ミューレさんに引きずられながら、セシーさんが離れて行きました。

……すごく、末っ子です。


シルバーウルフの面々を見送って、昨日の依頼の達成報告をするのに列に並びます。

ノワールには負けましたが、マッドエレファントには勝ちましたからね!


マッドエレファントを討伐したので、25,000リルと銀コインを1枚手に入れました。

よし、では森を探索して魔力草と魔力キノコを採集しましょう。


森……ルクレシアの東にある、ネブラの森に行きましょう。

レッドグリズリーと出会った森ですね。

わたしはネブラの森へと転移しました。







久しぶりに来たネブラの森入口です。

ここに来るまで、ちらほらプレイヤーを見かけましたが、レベルが低めのプレイヤー達でした。


出現するモンスターのレベルも5〜15ですからね。

今のわたしには近寄って来ないです。


「〈おおいぬ座(シリウス)〉、〈へび座(サーペンス)〉」


シリウスとアリアを喚び出しました。

わたしと一緒に採集です。


「……んあ、俺もか?」

「♪」

「…まあ、探すのは得意だけどよ」


よし、根こそぎ……は駄目ですね。

採集するのに最適なものだけ狙いましょう。





周りの気配を探りつつ、根本に生える魔力草や魔力キノコを採集し続けます。


時折アリアはスルスルと地面を移動し、口に魔力神草を咥えて戻ってきます。

いや本当に優秀ですねアリア……!


わたしが1つずつ手に取っている間、アリアは迷う事なく1つの魔力草の元へと移動します。


アリアが魔力草の前で立ち止まってこちらを見上げるので、隣で膝を突きます。



魔力神草

魔力草の群生の中で稀に見つかる。

葉の先まで魔力浸透している。超元気。




………見分けつきません……!

以前アリアが見つけていた月光神草もわかりにくかったですが……!


月光神草は蘇生薬の素材でしたが、魔力神草はもしかしたらフルポーションの素材かもしれませんね……!


そっと採集して、すぐにアイテムボックスへと仕舞います。


『ミツキ、これハ?』

「……すごい絶好調な魔力草!ありがとうラクリマ」

『エヘヘ』



そうしてシリウスとアリア、ラクリマの助けを借りながら、依頼分以上の魔力草と魔力キノコを集める事が出来ました!


「ありがとうねシリウス、アリア、ラクリマ」

「ゆっくりするのもいいもんだ」

『見つけルのも、楽しイ』


シリウスの背中を撫でていると、アリアはご機嫌にわたしの手に巻き付きます。

ラクリマも目の前の花を眺めて、ニコニコしてます。


よし、では散歩して帰りましょう!

この辺りでは【隕石(メテオライト)】を使えるモンスターはいないと思いますが、もしこちらを襲ってくるなら迎撃しながら帰ります。




「……この星の配列にも意味はあるのかなぁ」


現実とは全然見える時期が違いますからね。

立ち止まって空を見上げていると、シリウスがこちらを見上げました。


「そりゃあるぜ。絶好調て奴だな」

「……へ、あるの!?」

「星の力が身体に満ちるって感じだな。すげえ絶好調になるんだよ」


そ、そうなんですね……!

じゃあ、今日はペガスス座(エニフ)が絶好調、と!


なるほど、そういうコンディションもあるんですね……勉強になりました。


「まあ俺達は夜に絶好調になるからな。サモナーの召喚獣も、寒いのに強いやつとか速さに秀でているやつとか居るからな。それぞれ得意なことが異なるだけだろ?」

「そう、だね」

「俺達は召喚者のためにどんな相手でも全力で戦う。それは忘れないでくれよな」

「…うん、頼りにしてるよ。勿論ラクリマもね!」


足元でジッとしてるラクリマに声をかけると、なにかを考え込むように、花を見つめています。


「……ラクリマ?」

『……ラクリマ、あの黒い鳥に負けテ、悔しイ。ラクリマ、ミツキ守れナかっタ』


ラクリマはポツポツと言葉を紡ぎます。


『ラクリマにもっと、力があレば、もう少シ戦えたノかなっテ』

「……わたしも、もう少し強ければって何度も思ったよ」

『……あの翼ガ、羨ましイって思っタ。だかラ…』


ラクリマは、決意を秘めた目で空を見上げます。


『……ラクリマ、空中ノ覇者になル……!』

「……………覇者?」

「……なんだって?」


わたしとシリウスが首を傾げました。

は、覇者……?


『力が強けれバ、ミツキの手助けもっト出来ル!』

「お、おう。そうだな」

『だからラクリマ……成体に、なル』


思わず、息をのみました。

大きく目を見開いたわたしを、ジッと見つめるラクリマ。


……ラクリマの決意は、揺るがなそうです。


「……ラクリマがそうしたいのであれば、わたしに反対する理由は無いよ」

『……いい?』

「勿論。ラクリマが決めたのなら、わたしは応援するもの。世界樹の近くでなら安心安全かも?」

「世界樹で羽化すりゃいいだろ。一番安全だからな」


シリウスもそう言うので、もし蛹化するなら世界樹に相談して、そこでラクリマを見守りましょう。


「……とりあえず島に戻ろうか。ギルドで報告だけしようかな」

「じゃあ俺は還る。アリアも還るってよ」


シャーッと小さく鳴いて、アリアは戻りました。

ラクリマを抱き上げて、ギルドで報告をしてから島へ戻りました。






世界樹の元まで歩いてきました。


「…ラクリマ、もう蛹になる?」

『…ミツキと冒険するなラ、早い方が良いかナって』

「そっか。……世界樹、ラクリマが羽化するのに、世界樹で蛹化してもいい?」





プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:構わないよ、世界樹は拠り所だからね。彼女が蛹化してる時はぼくが守るよ




「……って言ってるよ」

『……ありがト』


ラクリマがお礼を伝えると、世界樹はわさわさと揺れました。


『成体になるノにパワー使ウから、時間かかルと思う』

「そっか……待ってるね。リボンは外しておくね」

『うン』


ラクリマからリボンを外すと、ラクリマはわたしの腕から降りて世界樹を登ります。


『……ミツキ、ありがト』

「こちらこそ。……待ってるからね」

『うン!待ってテ!』



そう言うとラクリマは淡い光に包まれ、蛹化しました。



宇宙蝶(コスモ・バタフライ) 〈ラクリマ〉Lv.56

特殊状態:蛹化


羽化まで:167時間59分




!?


え、えっと、24時間で割ると、恐らく7日間、ですよね!?


まさか1週間とは……驚きました。

クランのメンバーに、スクショとメッセージを入れましょう。


「……世界樹、ラクリマをよろしくね」




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:任せて!邪悪なるものも退けるからね!




世界樹になら安心して任せられますから。

…新たな姿となるラクリマに恥じないように、わたしもわたしのできる事をやりましょう。


わたしはしばらく世界樹とラクリマの様子を眺めて、ログアウトしました。







「……いろいろな場所へ、皆で行きたいなぁ」


SNSで皆のユアストの投稿を眺めます。

まあひとまずは建国祭ですけどね。


明後日には慰霊を行って、明々後日には建国祭が終わります。

長いようで、短く感じますね。


……かつての星詠みの一族が住んでいた所は、どんな所なのでしょう。


少しだけ、緊張します。

わたしが何かやる訳では無いのですが…


とりあえず、明日はラクリマの様子をみて、レベルを上げます。

新しい天体魔法も試すのに、討伐依頼を受けましょう。



……今日はもう寝ましょうか。

おやすみなさい。




おや、ラクリマのようすが……?


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




ギルドランクD


クラン《ステラアーク》所属:クランマスター


ランクアップまで

採集依頼 13

討伐依頼 16


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― 新着の感想 ―
[一言] そうかーラクリマは羽化する覚悟ができたのか。 世界樹の葉をもりもり食べた上で世界樹に守られて羽化するって、特殊進化しそうな気もしなくもなくw ところで大きさはどうなるんだろう。 可変じゃない…
[良い点] 更新お疲れ様です。 あいつ強かったですからね…もっと強くならなきゃ戦いにもならないでしょうしね。ラクリマも強くなる為に進化頑張れ! それでは今日はこの辺りで失礼致します。
[一言] 聞き流してもらって全然構わないです 私はあなたの紡ぐ物語が好きだし、これからも続けて欲しいと思っています なんとなく、ぼやっと感じたことを言うだけなので、不快に思われたら謝罪しますし、話を更…
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