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建国祭 11日目 ③

ご覧いただきありがとうございます!



巨大な鳥が宙を舞いながら、眼下のパーティーへと魔法を放ちます。


この距離でもかなり大きいです……!

もしやあれが、目撃情報のあったノワールというモンスターでしょうか!?


「……ッ!そこのプレイヤー!巻き込まれたくなければ離れろ!」

「!」

「ってアレ、もしかしてミツキさん!?」


モンスターの起こした羽ばたきによる暴風で、1人のプレイヤーがこちらへ飛ばされて来ました。



‐屍喰らいの黒鴉(ノワール)と遭遇しました‐



響いたアナウンスに杖を握り締めます。

そして目の前のプレイヤーをよく見ると、お互いに目を見開きました。


「…《シルバーウルフ》の、ギンさんですか?」

「っああ!ってそんな所じゃなかった。君も捕捉される前にここから……!」

「…いえ、恐らくもう捕捉されてますね」


アナウンス流れましたし。

MPポーションで回復しつつ、ひとまずラクリマを召喚します。流れで世界樹の葉を渡しました。

アルフェルグ達は召喚したまんまですし、このまま戦いましょう。


……正直、逃げられる気もしませんからね。

恐らく追い付かれます。


「サジタリウスさんの脚で逃げられますか?」

「…恐らく無理でしょうね。アレは獲物を追い詰めるのに秀でています」

「……なら、迎撃ですね。ギンさん、ユニオン申請出しますね」

「…すまない、巻き込んでしまった」


申請は受理されたので、黒い大きな鳥を見据えます。




屍喰らいの黒鴉 〈ノワール〉Lv.73

アクティブ

【???】【???】【???】

【???】【???】【???】




「レベル高!?」


見えた情報に顔を顰めます。

圧倒的に格上です!


「ギンさん達シルバーウルフの皆さんはレベルどのくらいですか?」

「60ちょいだ!」

「すみませんわたし59です!」


これは不利ですが……!

とりあえず足掻いてみるとしましょう!逃げられませんし……!


ひとまず地面へと、落とせるか試します!

転職したので威力上がっているはずです!


早速覚えたてのアーツを使う機会です。

【惑星加護】はリキャストタイムあるので使えませんから…!


(【身体強化(魔)】【ブースト】【ハイブースト】【魔力強化(星)】【変光星】!)




特殊状態:【変光星】3等星 残り14分




ステータスを素早く確認し、特殊な状態になったことを確認しました。

詳しくみると、全ステータス1.7倍と書かれていました。


全ステータス!強いです!これなら!


「ギンさんはわたしに構わず皆さんの元へ!」

「…ッわかった!ありがとな!」

「ラクリマ!起きたそばからごめんね!引っ張れる!?」

『大丈夫!』


(【重力操作】!)


ギンさんはノワールの元へと、剣を構えて走り出しました。

そしてすぐにノワールへ向けて、片手を向けます。

わたしの隣で、ラクリマがノワールへと糸を伸ばしました。


「ギィッ!」

「何だァ!?」

「《ステラアーク》のミツキさん!巻き込んじまった!前にセシーが迷惑かけたプレイヤーだ!」

「えっミツキさん!?」

「戦闘に集中なさい!」


んぐ!抵抗されてます!

これは、力強いです。地面へと完全に落ちないですが、動きは止められました。


拮抗してる感じですがね!

MPを継続的に消費して、【重力操作】を維持します。


『ムゥ!重い!』

「私達は彼らの攻撃の援護をしましょう」

「は、い!」

「「いくぞー!」」

「よっしゃー!」


サジタリウスさんが数本の矢を番え、ノワールへと放ちます。

そしてアケルナルの道をアルフェルグとアルタブが泳いで行きました。


「っと、敵!?じゃないな」

「私達はミツキの仲間です。援護します」

「よ、よくわからんが助かります!」

「ヴァル、グレイ!行くよ!」


セシーさんの声とともに、ライオンとウルフが駆け出します。

そういえばテイマーの戦い方、じっくり見た事はありませんでした。


そんな余裕も無いですが!


「っ!」

『ムッ!』

「ガァァァァッ!」


ノワールは唸りを上げると、翼を広げました。

ぐぬぬ、【重力操作】が弾かれました。


やはり自分より強い相手には、難しいですね!


(【流星(メテオ)】!)

『食らエ!』


ラクリマが放つ光の矢は空中で躱されます。

シルバーウルフの面々も、ノワールが空中にいるからか魔法や、飛ぶ斬撃?で攻撃してます。


まだノワールのHPは9割くらいあります。


(【宇宙線(コズミック・レイズ)】!)


宇宙線がノワールに刺さり爆発します。

デバフとして、回復阻害がついたのが見えました。


その時、ノワールが翼を羽ばたかせるとフィールドに竜巻が出現しました。


四方八方へと移動する竜巻に、シルバーウルフの面々が吹き飛ばされました。


なんて、威力…!

離れたところにいるわたしにも、強風が襲ってきます。


「うぐ、〈かんむり座(アルフェッカ)〉!」


風に耐えながら、アルフェッカを喚び出します。

恐らく頭上に冠があるはずです。


「【彗星(コメット)】!」


とりあえず攻撃するしか無いです…!

神秘(アルカナ)】も、出し惜しみなんてしてられません。


「【0:愚者(ザ・フール)】!」


手のひらの上で愚者のカードが消え、身体が淡く光ります。


「【愚者の好奇心(フール・キュリオス)】!」


よし、これで、5回はMP消費無くアーツ使えますし、ダメージも無効になります!

ただ転職してアーツの使用回数が増えたはずなので、何回かはわかりませんね!


息を吸い込んだ瞬間、ノワールと目が合いました。


「っえ、きゃあ!?」


そしてその瞬間、大きな衝撃を受けて背後へと吹き飛ばされました。

い、たくはないですが、衝撃はあります!


急いで起き上がると、ノワールが目先の頭上からこちらを見下ろしていました。


「っ、【宇宙線(コズミック・レイズ)】!」

「ガァァァァァァッ!」

「っとあぶな!?」


なにやら黒い雷みたいなのが落ちてきました!

ノワール、風も雷も使いますが、黒いのは闇魔法でしょうか…!?


ぐぬぬ、多彩な攻撃を!

そしてノワールは急降下すると、アルタブへと体当たりし、また宙へと戻ります。


「アルタブ!」

「いってぇぇぇ!ごめんミツキー!」


そう叫ぶとアルタブはその姿を消しました。

一撃でアルタブが還る程のダメージを……!


「「もー!攻撃当たらなーい!」」

「クソ、硬えなァ!」

「本当に戦い辛いわね……!」

「これ負けイベかって思うくらい強いなあ!」

『ムゥ!鬱陶しイ風!』


シルバーウルフの皆さんが戦闘に復帰しました。

かなり遠くまで吹き飛ばされていたように見えますからね。

でも結構ダメージ受けてるみたいです。


……ここまで格上で、攻撃の効かない敵と戦うのは久しぶりです。

ならば、試せるものは何でも試すとしましょう!

【星装】も使えますし!



「サジタリウスさん!」


わたしに呼ばれたサジタリウスさんが、落雷を避けながらわたしの元まで戻ってきました。


「サジタリウスさんを、【星装】してみたいのですが、使ってみても大丈夫ですか?」

「…ふむ、まあいい的になるでしょうね。試すには良いかと」


ふと笑ったサジタリウスさん。

よし、もうここまでくれば戦闘を楽しみます!



「【星装】いて座(サジタリウス)


サジタリウスさんの姿が消え、わたしの身体が淡く光ります。





ミツキ Lv.59

ヒューマン

メインジョブ:アストラルアークウィザード Lv.1/サブ:薬師 Lv.15


ステータス

攻撃 60

防御 88 (+59)

魔攻 185 (+40) 【+59】

魔防 85 (+59)

敏捷 56 (+15) 【+59】

幸運 90



特殊状態:星装 いて座 〈残り14分〉

使用可能:【弓矢生成】、【賢人の知恵】、【星の射手(アステル・シューター)】、【南斗六星】




あああああ見たことないアーツばかりですが詳しく見る時間もないですうううう!!


(ふふ、落ち着いて。杖を置くと飛ばされるかもしれませんね…仕舞いましょうか。【弓矢生成】で弓と矢を顕現してください)

「は、はい!【弓矢生成】」


アーツ名を唱えると、手元に弓矢が現れました。


(見様見真似で構いません。矢を番えて)


…思い浮かぶのは、弓道場で矢を引く花ちゃんです。

それを思い出しながら、矢を番えます。


(後は魔力を込めて放つだけですよ。どうぞ星の射手の一撃を)

「……はい!」



シルバーウルフの面々へ攻撃を放つノワールに向けて、わたしは弓矢を構えました。


「【星の射手(アステル・シューター)】!」


それは美しく流れる彗星のように、真っ直ぐに吸い込まれるようにノワールへと直撃しました。




「ギャアア!?」

「当たった……!」


HPが1割減りました……!

そしてすぐさまアストラル・ワンドを取り出して、移動します。


(中々良い軌道でしたね)

「はい!【彗星(コメット)】!」


んぎゃ!

フィールドの竜巻が増えて、落雷も増えました!


よ、避けられません!

このままだとダメージ無効がすぐに終わりま……した!


「きゃあ!」


竜巻に巻き込まれて吹き飛ばされました。

いっっったいです!HPがすごい削れました!


そして顔を上げた瞬間、目の前に雷が落ちました。



が、次の瞬間HPが完全回復しました。

こ、これは前に食べた太陽のプラムの効果ですね…!


HPは回復しましたが、MPはさすがに回復しませんね。


いつの間にかシルバーウルフの皆さんは見えないです。

……このフィールドを縦横無尽に動き回る竜巻と落雷に、戦闘不能になってしまったのでしょう。


そしてわたしが戦闘不能になった事で、ラクリマや星座達の召喚もリセットされたようです。


竜巻の隙間から、宙に浮かぶノワールの姿が見えました。

その瞳は、こちらを真っ直ぐ見つめています。


残りのMPは2割くらいです。

最後に使っておきましょう。


「【宇宙線(コズミック・レイズ)】ッ!」


杖をノワールへ向けた瞬間、フィールドで光が弾けました。









‐称号 黒鴉(ノワール)の興味 を入手しました‐



アナウンスに目を開くと、ホームの自分の部屋にいました。


むう……あの攻撃はHPが減ったら打ってくる技なのか、デフォルトで使ってくる技なのか。


何か止める方法がありそうですが、全くわかりませんね!


このままログアウトするのも良いですが、ひとまず戦闘の振り返りでもしましょうかね…


世界樹の所へ行きましょう。

落ち着きますからね。






「あ、お裾分けするね」


プレアデスの世界樹に向かってデンジャーティガーのバーガーを差し出します。

世界樹はグルメですからね。いろいろなものを捧げておきましょう。



世界樹は一度大きくわさわさ動くと、枝でバーガーを撫でるように触れました。




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:こ、これは……!柔らかなバンズに肉汁が染み込まないように挟まれたレタスはシャキシャキで、少しピリ辛なソースが肉汁と混ざり合ってまろやかに……!美味しい!




気に入ったようです。

今度またグレナダさんの屋台を覗きに行きましょう。



さて、得た称号を確認します。



黒鴉の興味

黒鴉が興味を持った証。黒鴉との遭遇率が上がる。




……えっ

それもそれで何というか、困ります……ね?


レベル上げないと勝てる気がしませんし!

ヘラクレスさんやオリオンさんを喚び出したとしても、わたしが負ける気がします。


ぐぬぬ……まあその時はその時、やはりレベル上げないとです。


世界樹の根本で体育座りをして戦闘を振り返っていると、人の気配を感じたので顔を上げました。



「ミツキ氏」

「ミカゲさん、レンさん」

「……なにやらしょんぼりしながら歩くミツキ氏を見かけたので様子見に来ちゃいましたが……もしやフラグの通りに、モンスターと戦った感じですか?」

「その通りですね……負けちゃいました」

「……へぇ、お前がか」

「ミツキ氏で負けちゃいますとボクには無理ですなぁ……どんなモンスターだったか聞きたいですー」


わたしの目の前に座り込んだ2人に、ノワールの様子を伝えます。

フィールドに吹き荒れる竜巻と落雷の話に、2人共嫌そうな顔をしました。


「うへぇ……初見殺し……」

「……チッ、空飛ぶ奴は面倒だな」

「全然止め方とかわかりませんでしたね……なのに、黒鴉の興味なんて称号を貰ってしまって、遭遇率が上がってしまいました」

「それはヤバいですな…」

「…ミツキと行動すれば戦えンのか」


ミカゲさんは遠い目をして、レンさんはそわっとしました。

戦えるかもしれませんがちょっと地力の差がありますので、今は戦いたくないですね……!


「2人共、建国祭はどうですか?」

「んー、ボクはここぞと依頼ばかりやってますなー。たまに珍しい依頼とか混ざってますし。レン氏は?」

「……俺も依頼だ。簡単な依頼が多いからな、やりやすい」


やはり依頼ですよね。

……明日は魔力草と魔力キノコを取りに行かないとです。

わたしも依頼をこなさないと……

でもキリがいいのでレベルも上げたい所です。


まあ探しながら、モンスターを倒せば経験値貯められるはずです。

明日は採集メインで、出来ればレベ上げ、という事にしましょう。


「…そういえば、大理石はいくつ必要なんだ」

「神殿の分であれば、大理石は100必要ですね」

「…ふむ、あと60ちょいですなぁ。ゴーレム倒さねば」


ギルドメニューで保管庫を確認すると、大理石が38個も入っています。

あの中々の手に入らない大理石が……!?


「…知らない間に増えてますね」

「レン氏でしょう。ゴーレムとか殴りやすそうですし」

「………」


レンさんが視線を逸らしました。

いや大変助かります、ありがとうございます!


「あ、じゃあボクこの辺で失礼しますわ」

「わたしもこのステータスだと何かするのは気が引けるので、ログアウトしますね」

「……じゃあな」

「お疲れ様でしたなー」

「おふたりとも、お疲れ様でした」



それぞれホームに戻って、ログアウトしました。

ステータス半減も中々デメリットですからね。

ギルドへの報告は明日することにします。



ベランダで軽くストレッチをします。

……遠くから雷が鳴っているのが聞こえてきました。

ノワールの落雷を思い出します。

…なぜ興味を持たれたのかはわかりませんが、次はもう少しダメージ与えられるようにしたいですね!



よし、寝ましょう。

おやすみなさい。



そんなレベル高いモンスターがフィールドを飛んでたら嫌ですけどね……


これからもミツキの物語をよろしくお願いします!



称号

翠玉薬師の弟子

星の視線

星詠みの魔女の弟子

太陽の祝福

特別な名付け人

クリスティア王家の友

特殊な浮島の主人

富豪

先抜け跳躍者

海の祝福

天空竜の祝福

黒鴉の興味 new!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 賢者の力を得ても敵わぬ相手とは?!どの様にリベンジするのか、楽しみですね。 [気になる点] 世界樹さんに「ラーメン」を捧げたらどんなコメントが返って来るのかな? [一言] これは、「金羊の…
[一言] 鴉といえば、おおくま座の尾の延長上にあるスピカ、その後ろにいるカラス座だよね。
[一言] 更新お疲れ様です。 そろそろミツキちゃんの種族名が、ハイヒューマンとか天人に近づいてる様な気がしてきました・・・(^^;)
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