ルクレシア防衛イベント④
評価のポイントが見たことないポイントになってて驚きました。皆様のおかげです!ありがとうございます!
これからも頑張ります!
こんばんは。
夜になってしまいました。時刻は18時です。
イベントの進捗状況はこんな感じです。
ルクレシアの防衛率:100%
モンスターの討伐率:91%
討伐率の進みが速いですね!
プレイヤーの参加が増えたのでしょうか。
皆様が討伐してくれてるおかげで防衛率は100%のままです!
わたしはMPポーションを70本つくりました。
ポーションを作るよりは魔力キノコをアイテムで刻む分ちょっと時間がかかりますね………
このままのペースならあと2時間くらいで、イベントは終わりそうな気がします。
イベントが終わるまで頑張りたいので、外部の端末にメッセージを送っておきます。
【大切なイベントをしています。ログアウトする時間が遅くなります】
よし、これで大丈夫でしょう。
この辺は家族は寛容なので、ありがたいです。
わたしはリゼットさんの様子を窺います。
わたしと同じ時間でわたしの倍以上ポーション類を作ってらっしゃるリゼットさんの手元は最初とペースが変わっておりません。
普通にポーションを作るより、ランクが高いポーションを作ってらっしゃるので、作成の手間は多いはずです。
されど作られるポーション類の品質は下がらず、量も変わりません。
きっとこれがリゼットさんが今まで培われた経験の成果なのでしょう。
とても素晴らしいです。
翠玉の称号を持ってらっしゃるので、普通の薬師でないのは確かです。
そもそも普通にポーション作ってらっしゃいますが、何か魔法を使うとかアイテムや素材を入れなくても出来上がるポーション類に補正が付くのはなんなんでしょう。
とても気になります。
リゼットさんの弟子として恥ずかしくないように研鑽を積んで、お話ししてくださるようだったら、お聞きしてみましょう。
よし、ポーション作りを再開しましょう。
MPハイポーションでMPを回復して、今度はポーションを作ります。
シルキーさんがスタンバイしてくださっているので、急いでかつ丁寧にポーション作成しましょう。
このポーションが冒険者たちを助けてくれますように。
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いつしか、ゴブリンキングとの戦闘はレンとの一騎打ちのようになっていた。
ゴブリンキングの周りにモンスターはおらず、レンの周りに冒険者たちの姿もない。
みなモンスターの出現元まで戦線を移動しているのだ。
モンスターをルクレシアから離すには戦線を動かすほうが効率的だ。参加するプレイヤーも増えたため、モンスターの殲滅率は上がっていった。
レンとしてもレベルでは劣っているが、負ける気はサラサラない。
ゴブリンキングは、目の前の敵を倒したい。
お互いにお互いを見据えていた。
ゴブリンキングのHPは残り1ミリ程度、風前の灯火である。
その残り少ないHPを燃やすかのように、ゴブリンキングは雄叫びをあげた。
「グオオオオオオオオオオッ」
「いいねェいいねェ。戦いってのはこうでないとな」
その顔に浮かぶのは狂気的なまでの笑顔だ。
お互いに魔力を込めて右腕を振りかぶり、次の瞬間大きな爆発が起きた。
煙が晴れるとそこには、腕を振りぬいた状態のレンの姿があった。
「そこそこ楽しかったぜ」
レンはそうつぶやくと、モンスターの移動の跡を追って走り去っていった。
(あのレベル差でよくもまぁそこまで……しかもまだ戦う気でいるわ)
その様子を遠くから眺めていたのは、ギルドの受付担当サイファだ。
彼女はギルド職員であるのと同時に諜報、潜入を得意とする暗殺者なのである。
万が一レンがゴブリンキングを倒せなかった際にとどめを刺すために待機していたが、ゴブリンキングが倒れ消滅したのを確認し、音もなく姿を消したのであった。
そしてカレンたち冒険者と多くのプレイヤーたちは、先の草原で戦場のモンスターが全て魔法陣へ吸い込まれていくのを注意して眺めていた。
「おい、カレンこいつは」
「十中八九ラスボス召喚のためのエサだろうな」
「だよなぁ………」
「夜の戦闘に慣れてないやつはスキル持ってなければ取るなりなんなりしろよー」
あたりは闇に包まれている。
完全に日が沈んだ戦場は、下弦の月明かりに照らされている。
(こんな大規模な魔法陣誰がこんなところに設置したんだか)
カレンは眉間に皺を寄せて魔法陣を睨みつける。
すると、魔法陣が赤黒く光り始めた。
「お前ら!戦闘準備!」
カレンの号令で冒険者たちはそれぞれ己の武器を構える。
黒い煙と共に魔法陣から出てきたのは………
ドラゴンゾンビ Lv.36
アクティブ
【腐食】【ブレス】【捕食】【炎魔法】
【闇魔法】【噛みつき】【斬撃耐性】
【狂化】
「おいおいふざけんなよ」
カレンはドラゴンゾンビを睨みながら頭を抱えた。
「こんなところにいていいモンスターじゃねえだろうが」
「ギルドマスターに応援要請するがいいか」
「ああ。光魔法が使えるやつが必要だ」
「近くにいればいいんだが、」
「皆様、お待たせしました」
騒がしい戦場の中でも透き通る可憐な声が響き渡る。
純白の修道服のような服装をした少女は、両膝をついて胸の前で手を組むと、
「悪しき気配が降り立つと、主より神託を授かりました。主よ、悪しきものと戦う皆様にどうか破魔のご加護を」
少女の祈りに応えるかのように、戦場に白い光が降り注ぐ。
それは冒険者やプレイヤーの身体へ吸い込まれ、うっすらと彼らの身体を覆った。
「聖女様、我らの後ろに」
「はい、後は頼みましたよ」
「お任せください」
彼女の傍らに寄り添うのはシンプルだが使い込まれた鎧を着込んだ女性である。
「あ、あれは」
「お前知ってるのか?」
近くでみていたプレイヤーが小刻みに震えている。
「聖女のロールプレイをするために奉仕を繰り返し聖女に弟子入りして聖女として認められた聖女ちゃん、モモカ!」
「聖女ちゃん」
「その聖女ちゃんの護衛としてどこへ行くにも供をする騎士団に所属するロールプレイ女騎士、シンディ!とプレイヤー騎士団たち!」
「ロールプレイ女騎士とプレイヤー騎士団」
「普段は王都で活動してるのにこんなところでみられるなんてな〜!!」
モモカを下がらせたシンディは、その片手剣をドラゴンゾンビへと向ける。
「ギリギリイベントに参加できるレベルで良かった。我らもルクレシアには世話になった。聖女様の御心の為に、成敗してくれる」
思わぬプレイヤーたちの参戦により、戦場はさらに混沌の渦にのまれるのであった。
「リーダーはーやーくー!絶対アレラスボスとの戦いだよぉ!始まっちゃうよぉ!」
「足遅いよーーーーープレイヤーで初めてルクレシアで自警団組織してその隊長になったくせにーーー!」
「お前らと違って俺の身体はでっかくて重いんだぞーー」
「お前らリーダー馬鹿にしてんじゃねーーーぞ!」
リーダーと呼ばれた大柄な男たちは、戦場へと急いでいた。
彼らが戦場にたどり着くまで、あと………?
思ったより戦闘パートに力入れすぎて終わらなさそうなので、次の投稿はプレイヤー総出でラスボスをボッコボコにするストーリーにします。
いろんなプレイヤーがいるなぁくらいの気持ちでお楽しみください。




