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建国祭 8日目 晩餐会

ご覧いただきありがとうございます!

ミツキの物語をお楽しみください!



両親もログアウトしてたので、早めに夕食を済ませたりお風呂入ったり、学校の準備を終わらせました。


ホームにアンドロメダさんの姿はありませんでしたが、冷蔵庫の中にサンドウィッチやキッシュといったものが入ってました。


おお、すごい美味しそうです。

……明日貰うとしましょう。

ラクリマを喚び出して、世界樹の元へ向かいました。


変わらずオフィウクスさんが、世界樹を見ては何かを手元の紙に書き込み、ブツブツ唱えてます。

ずっとここにいたんですかね……


「……なんだ」


あっ見つめていたら声をかけられました。

目線は紙ですが。


「……何か必要なものはありますか?調合室は作る予定ですが」

「……何かあれば自身の工房を展開する。特に無い」

「わかりました」


自身の工房……?

何かお持ちなんですね?


……会話が終了してしまいました。

ラクリマを膝に乗せて世界樹に背を預けます。


「世界樹は何か欲しいものとかは?」


世界樹はわたしの言葉に葉を揺らします。




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:ぼくはいつも願われる側だからね。欲しいものとか考えたことは無いけれど、いつも供物をありがとうね




「こちらも葉を貰っていますから」


わさわさと葉を揺らしています。

何かをもらうときには何か渡さないとですからね。


あ、お師匠様にラクリマへのアクセサリー作ってもらわなければです。

お師匠様へ依頼させてもらいたい所です。



「ミツキ氏ー!ラクリマー!」


ミカゲさんが手を振りながら駆けてきました。


「超高級そうな絨毯がホームに敷かれてましたが!?」

「あ、あれは150,000リルくらいなので」

「……意外と安めですな」


そうなのです。安めだったのです。

建国祭セールでした。


「ボクの部屋はベッドとソファだけですからね。リビングはあったかくていいですね」

「そうなんですね……わたし小物も揃える気満々でした」


マイルームは飾りたくなる、それがわたしです。

花瓶とか買ってきて花でもかざりたいです。


「いいと思われますわ!ボク寝るだけですし、リビングにいる方が多いですから」

「何か置きたいものあれば全然増やしてもらっていいですからね」

「結構皆自由にやってますからねー」


そんな話をしながら待っていると、皆が集合しました。

……では、いざ行かんクリスティア王城です。


転移って何人まで連れていけるのでしょう。

人数わけて連れて行きましょうか。


「じゃあクリスティア王城の裏門へ向かいましょうか」

「ボクミツキ氏が飛んだらミツキ氏の元へ飛びますわ」

「!その手がありましたね」


プレイヤーの元へ飛べるんですね!

便利です!じゃあ向かいます!


ラクリマを抱きかかえて、懐中時計で王城の裏門へと飛びました。




到着しました。

ふむ、ここは結界の範囲外ですね。

人気もありませんし、ここで待ちましょう。


待っていると、次々と目の前に現れました。

なるほど、こんな感じなのですね。


「近くで見ると荘厳ねぇ」

「美しい城だね」

「一時プレイヤーが一人だけ城に入るのを見たって掲示板で騒がれていたわよね」

「NPCと入ったって奴だよな」

「わたし以外にも入ったプレイヤーいるんだねぇ」

「……ミツキなのね」

「あれ、墓穴?」


と、とにかく入りましょう!

招待状と通行証を取り出して、門へと近付きます。


「……はい、確認いたしました。どうぞお入りください」


兵士が開けた扉をくぐると、白衣を着た女性が立っていました。


「……モンクスフードさん?」

「そうですぅ!ミツキさんお久しぶりですぅ!」


世界樹の研究をされてるモンクスフードさんです。

……もしやイオさんに案内でも頼まれたのでしょうか?


「イオ様に頼まれましてぇ……私が案内させていただきますねぇ」

「はい、よろしくお願いします」

「皆様も初めまして。世界樹の研究をしているモンクスフードと申します」


モンクスフードさんは挨拶すると、歩き始めました。その後について王城を進みます。

何もかもが高そうに見えます……


ハッ!?でも内装の参考になります。

視線を動かしながら進むと、モンクスフードさんが立ち止まりました。


「こちらのお部屋ですぅ」

「ありがとうございました」

「いえいえ。今後世界樹で何かあればお伝えしますねぇ」


そう言うとモンクスフードさんは小走りで廊下を戻って行きました。

世界樹の元へと戻るんですね……?


「招待状を拝見します」

「はい」


全員分の招待状を確認した騎士は頷くと扉を開けました。

中は小さめな広間となっていました。


促されるままに室内へと進みますが、これは……


「……結婚式みたいな」

「同じ事思ったわ」

「確かに披露宴」


恐らく王様が座るのであろうお席に対して、こちら側にテーブルが並んでいます。


とりあえず壁側で立って待つとしましょう。

母はドレスなのでまだ浮いてませんけど、わたし達はガッツリ装備!ですからね。


「お母さんそこ立ってみて」

「?ここかしら」


適当に絵画の前に立ってもらいます。


「……うん、とても貴族だった」

「ドレスだものねぇ」

「ソラ氏お似合いですな…」


わたしとミカゲさんとジアちゃんがあらゆる角度から母を撮り始めました。


男性3人は苦笑して集まって何か話ししてますね。


「…何してるんだい」

「お師匠様」

「ミツキさん、お久しぶりです」

「ジル様!」


お師匠様と一緒に、ジル様がいらっしゃいました。

メーア様の件以来ですね!


「ミツキさんの仲間の方々ですか?」

「はい」

「初めまして。ジル=ヴァルフォーレンと申します」


皆次々と自己紹介しました。

ジル様は装備を見て目を輝かせています。


「父は王と共に来ますよ」

「そうでしたか」

「それまで是非、皆様の冒険のお話を聞かせていただけませんか」


ジル様の言葉に、皆顔を見合わせましたが頷くと思い出すようにこういう戦いがあったと話をします。


わたしはお師匠様に近付きます。


「お師匠様、少しお伺いしたいのですが…」

「なんだい」

「ラクリマにも、これと同じ様なアクセサリーを作っていただけませんか?」

「…そうだね。お前さんも仲間だったね…構わないよ」

『!ありがト!』

「あと、オフィウクスさんの能力についてなのですが…」

「……奴か」


お師匠様が顔を顰めました。


「渡り人であるわたし達を蘇生する事は可能のようですが、この世界で生きる皆様は……」

「神の力で復活するんだったね、渡り人は……」


お師匠様は一度目を閉じると、再び開いてわたしを見つめます。


「ワタシ達ハーセプティアの生命を蘇生する事は不可能だろう」

「不可能、ですか?」

「可能であるのならば、星詠みの一族は滅んでいないよ。出来て延命処置くらいだろうね」


っ、そう、ですね。

オフィウクスさんの能力があれば、それこそ星詠みの一族は今もなお健在だったでしょう。


「奴の回復力は高すぎる……プリーストの株を奪うくらいにはね。ワタシも喚び出した事はそう多くない」

「世界樹に興味津々でした……」

「そうかい……死者蘇生なんて御業はそうそう使えるものでは無いだろう。それこそ神の技だろうからね」


……またルクレシア防衛戦みたいなイベントがあったら、絶対に住民に被害を出さないようにしないとです。



「…さて、そろそろ時間だよ」


お師匠様の言葉と共に、扉が開きました。

王様とローザ様、リヒト様とメーア様、そしてギルベルト様とイオさんが入ってきました。


「よく来てくれた。公式な場では無いから、気にせず楽にするといい」


王様の言葉に、お師匠様が席につきました。

恐らく7人席のここがわたし達が座っていいはずです。


皆と目を合わせて座ります。

すると次々と料理が運ばれてきました。


す、すごいきらびやかです。

おしゃれ……

ポンチョを脱いで、ラクリマを膝に乗せます。


ラクリマに分けながら料理を楽しんでいると、人の気配を感じて顔を上げます。


「ひょえ」

「それはお前の召喚獣か?」

「は、はい。元は夢見蝶(アイリス・バタフライ)という幻獣でしたが、今はコスモス様の力が混ざって宇宙蝶(コスモ・バタフライ)という種族になってます」

「ほう…話には聞いていたが」


わたし達のテーブルに近付いてきた王様が、ラクリマと見つめ合います。

ラクリマも目を逸らさずジッと見てます。


「……吸い込まれそうだ」

『ム…この人、強イ』

「ハハ、わかるか。……皆も、見所がありそうだ」


王様の視線が一周しました。

挑戦的に笑うと、お師匠様のテーブルの方へと向かいました。


「…本当にフットワーク軽いですね」

「……今、褒められたのよね?」

「見所がありそうって言われましたな…」


レンさんは気にせず料理に手を付けてます。

父も黙々と食べてますね……


「……さて、そろそろいいか」


ある程度食べ終わった頃、王様の言葉にお皿が下げられました。


「皆に集まってもらったのは他でもない、建国祭のフィナーレ前に行う慰霊についてだ」


慰霊……

お師匠様も言ってましたが、建国祭で慰霊……クリスティアの今までの兵士達に、でしょうか?


「イオ、彼女達にもわかるように説明を」

「はい。ミツキ様はご存知だと思いますが、かつて霊峰には星詠みの一族と呼ばれる民が住んでおりました」


イオさんが、わたしがアストラルウィザードになる時に読んだ手記の内容を簡素に読み上げます。

皆手を口に当てたり、眉間にシワを寄せたりしています。


「…かの帝国は滅んだ。歴史に名を刻むことも許されずにな。その帝国の跡地に建国されたのがクリスティアだ」

「帝国の家系は潰えましたからね。王都ミゼリアは、かつて帝国の帝都であった場所に建てられています」

「建国を祝うと共に、星詠みの一族と帝国、そしてクリスティアの民の為に代々慰霊を行っているのだ」


……なる、ほど。

かの帝国は、クリスティアに在ったのですね。

そう遠くない場所だとは思っていましたが……


「慰霊は霊峰の頂上で行う。建国祭で冒険者が数多く集まる今は、俺も王都を空けやすいからな」

「ヴァルフォーレンは霊峰に踏み入る事により活発化するであろうモンスターへの対処を行う。冒険者達も手配済だ」

「頂上への案内はエトワールへ任せる」

「はいはいわかったよ。ミツキを連れて行くから王都にはヴァイスを残すさ」

「ミツキの仲間達も頂上へついてくるかモンスターの討伐に加わるかは選んでいい」


唐突に選択肢です。

わたしはついて行く側ですからね。


「俺は頂上に行く」

「お花が必要ですもんなー。ボクも行きますわ」

「……私はレベルが足りないから、討伐に参加したいわ。それでもレベル足りないと思うけれど」

「俺も討伐に参加したいっす」


レンさんとミカゲさんは頂上ルートですね。

ジアちゃんとリーフくんは討伐について行くようです。


「……そうねぇ、コスモス様の使徒としては頂上に行きたいわ」

「僕は君の騎士でもあるからついて行くよ」


両親も頂上ルートのようです。

コスモス様、星詠みの一族に対して思う所がありそうなんですよね。


「では正式に依頼を出す」

「ここに」

「ギルドカードを翳せ」



‑ 《ステラアーク》への指名依頼 〈慰霊の祈り〉 を 受注しました‑



イオさんが持ってきた水晶にギルドカードを翳すと、アナウンスが流れました。

なるほど、わたし達への指名依頼という扱いなのですね。


「建国祭14日目の朝9時にヴァルフォーレン侯爵領へ来るといい。前日から泊まりに来ても構わないが」

「ひょあ、ぎ、ギルベルト様」

「妻もミツキさん達に会いたがっていた」


前にお邪魔した時にはお会い出来ませんでしたね。

ジル様のお母様……どのような方なのでしょう。


「ほ、ホームがありますので……お気持ちだけ」

「ならば食事を用意しよう」

「ミツキさん、是非皆様もいらしてください」

「まあ、ミツキ様もいらっしゃるの?」


ジル様が目をキラキラさせています。

その後ろからメーア様が顔を覗かせました。


「わたくし達王族の責務ですので、わたくし達も共に向かいますわ」

「ローザ様やリヒト様もですか?」

「ええ。お父様がいるから、心配はいらないですよ」


Sランクの冒険者ですもんね……

わたしはついて行くだけで精一杯だと思います。


「簡単に食べられるものを用意しておく」

「あ、ありがとうございます」

「強面の冒険者達に食べつくされる前に食べに来るといい」


ギルベルト様は笑いながらそう言って、王様の元へ向かいました。

みんなの食事なのですね。顔合わせも兼ねてるのかもです。


「み、ミツキ氏のお師匠さん、一つ聞きたいことがあるのですが良いですか?」

「構わないよ」

「……冥界の行き方とかご存知ですか?」


緊張した面持ちで問いかけたミカゲさん。

そして静まり返る広間。

お師匠様も目を丸くしています。


「…………えっ、ボク不味いこと聞きました?」


ミカゲさんが顔を青くしてこちらを振り返りました。




ここまで物語書いたこと無いので振り返るために見返すとき中々見つけられなくて困りました( ˘ω˘)


最近寒いので皆様体調お気を付けくださいね!

次回は11/17に投稿いたします!


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] やはり冥界渡りは計り知れないみたいですね。
[一言] このメンツに緊張感漂わせるだけで心臓がキュッてなりそう…
[一言] たまにはミカゲちゃんが爆弾を投げ込んでもよい、自由とは物語とはそういうものだ……いつも投げてる?それは戦闘時だから(震え声)
感想一覧
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