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建国祭 8日目 武闘祭本戦①

ご覧いただきありがとうございます!

ご感想もブクマ登録もありがとうございます!


おはようございます!

すこしだけ早起きしました。


いつものルーティーンを終わらせて、早くログインしたいです。

身体を動かしておきたいですからね!


急いでジャージに着替えて、通知を開きます。




Your Story ‐ミツキ‐




55ページ目




武闘祭に参加しました。

多くの渡り人と戦いました。まだ見ぬアーツやジョブを持つ渡り人との戦いはどうでしたか?


大切な仲間と共に、催し物を楽しみましょう。

良い建国祭を。



お疲れ様でした。







自分以外のプレイをみるのは新鮮ですからね!

昨日のフェアリー・ガードのフェアリーマスターの女の子のアーツとか、中々興味深いものでした!


もしも会ったら話してみたいですが、き、嫌われたりしてたら悲しいですね……


今日は今日で楽しみましょう。

お師匠様も、王様もご覧になりますからね……


よし、ランニングして、朝食食べましょう!







「ごちそうさまでした」

「ふふ、軽めにしておいたから食べるの速いわね」

「今日は本戦だし、なんだかね」

「そうだね。僕もログインして身体を動かしておこうかな」

「片付けたらログインするね」

「僕洗濯干してくるから、それが終わったらログインするよ」


各々家事を分担して、スピーディーに動きます。

母はアイテムボックスに料理入れてるので、先に向かわせました。


よし、片付け完了です!

軽く掃除もして、ログインです!






「おはようございます」

「おはようですわ!」

「はよ」


レンさんはガントレットを手入れしてました。

ミカゲさんはなにやら……立体パズル?をしてます。


「パズルですか?」

「大鎌の師匠から渡されたやつなんですけどねー。明らかにヤバいやつなんですが、師匠が開ければ一人前とか言うんでちょっと作業してます。ボクの想像通りのアイテムだと思うんですけど、ここでは恐らく世界樹のおかげで開けないので、何処かで試すしかないですな…」

「ヤバい奴なんですか……」

「ヤバい奴なんですよう………ヤバいので今日はやめます」


ミカゲさんはそのアイテムをアイテムボックスへとしまいました。

謎アイテムですね……


「温め終わったわ。朝食よ」

「わーい!リアルよりもユアストのがちゃんとしたご飯食べてますわぁ……」

「ちゃんと食べないと駄目よミカゲちゃん」

「はーい!」


母はアイテムボックスから丼を取り出しました。

丼!?


「王都に日輪の国から仕入れてる食器店があったわ。そこで買ったのよ」

「ご飯が美味しくなるやつ…」

「お米炊くのに炊飯器欲しいわね……飯盒でも良いけど」


アイテムボックスからご飯の山を取り出し、それぞれ丼へとよそう母。

まあ時間もかかりますからね……

炊飯器欲しいはわかりますが、もしくは土鍋ほしいです。


「土鍋探そう」

「そうね」


土鍋でご飯炊きましょう。

飯盒よりもたくさん炊けそうなので!


「陶芸師とかジョブあるのかな」

「おはようございますサクヤ氏!」

「おはようミカゲさん、レンくん」

「ちなみに陶芸師のジョブはありますよ」

「あるんですね……」


父も合流しました。

レンさんが父に頭を下げたのが見えました。


母が最後に溶き卵を投入しました。

ふおお!ふわりと香るお出汁の香り!


「さ、食べましょう」

「いただきます!」


皆でカツ丼を口に運びました。

…………ハッ!気付けば丼の中が空に!


皆黙々と口に運んだ結果自分でびっくりするくらい無心に食べてたようです。


「ごちそうさまでした…気付いたら食べ終わってた」

「気付いたら空でした…」

「今日も美味しかったよ」

「ゴチソウサマでした」

「お粗末さまね」


色々片付けしてから、皆で世界樹の元へと向かいます。


「今日の作戦は何かあります?」

「…特にねェな。いつも通りやるだけだ」

「今度は人数少ないですからね。強そうな人はレン氏に任せて、ボクらはどうにか1人ずつでも倒していきましょ」

「……」

「開幕全体魔法なら任せて下さいね!」

「対策考えても、防ぐの難しいわよね。ミツキの【天体魔法】」

「流星を砕ければ躱せそうだけどね。レンくんならやれそうだ」


【流星】や【流星群】は一応モンスターに向かって飛ぶので、追尾?性能があるんだと思ってます。

プレイヤーに向かって飛ぶのもわかりましたからね。


流星を攻撃すれば相殺できるのでしょうか。

今度の戦いで相殺されたら考えましょう。


「……今日は積極的に行きつつも援護も行いたいのですが、レンさんには邪魔になりそうですね」

「……俺への援護はいい」

「わかりました。レンさん以外のプレイヤーの攻撃動作の牽制をやってみます」


どうしても【天体魔法】はMP消費量が多いので、積極的には使いにくい所もあります。

パーティー戦であれば、援護もやってみたいのです。

プレイヤー同士のパーティー戦って何すればいいかわかりませんし……


「楽しくやりましょう?その方がきっといい思い出になるわ」

「はいですわー!」

「勿論勝ちに行くのには変わらないわ。いつでも本気よ」

「レンさん、何かあればバリバリ指示くださいね」

「……おう」


レンさんの指示なら間違いないと思います。

世界樹に水をあげます。


「……行ってきます」

「行ってきますー!」

「行ってくるわね」

「行ってくるよ」

「…行ってくる」


わたし達の頭の上を、枝が通り過ぎていきました。

……世界樹も何処か人間味がありますよね。考え方?がです。


わたし達はまたレンさんにパーティーを組んでもらい、武闘祭の会場へと向かいました。










「…人が多い」

「まあ見るわよねぇ」

「戦いの最中に歓声が聞こえるのかな。それだと少し気が散りそうなんだけれど」

「それは無さそうですぞ。観客向けの実況はするみたいですが」

「そうか……ありがとうミカゲさん」


ミカゲさんはいつも答えが返ってきます。

さすがです……わたしもちゃんと調べないとです……


っと、会場についたら何かポップアップが出て来ました。

本戦出場プレイヤーの方々へ………?


ふむふむ、なるほど実況………

たしかにほぼ初めてだと、実況あった方がわかりやすくなるのもわかります。


ですがうーん……アストラルウィザードの技は今の所唯一無二みたいな所がありますからね……


ちらりと母の様子を窺います。

母と目が合いました。


「お母さんは?」

「私は別に隠す程でも無いから、実況の許可を出したわ。コスモス様について知る事が出来るのはアストラルウィザードが一緒にいないと駄目だもの。他のプレイヤーには絶対真似できないわ」

「そう言われるとそうだね…」


コスモス様の神殿はありませんし。

プレイヤーはコスモス様の存在を知らないでしょうからね。


「私は今日の試合でバンバン使うわよ」

「僕も特にだね。誰にも真似出来ないだろうし…そもそもHPを共有するなんてプレイヤーほぼ知らないだろうから」

「お二人は違うベクトルで唯一無二ですよなー。ボクは暗殺者としては珍しくないですから、オッケーしました。レン氏は?」

「知られても特に変わらねェからな」


そうですよね……

まあお師匠様も好きに楽しんでこいって言ってましたし、見せびらかしてきます!って言って否定されませんでしたので、アーツ名くらいは許可しても良いかもですね。


「アーツ名くらいは許可しておきますかね」

「星座は喚ばないんですよね?」

「あれも召喚魔法に近いものなので、喚べませんね」

「そうでしたな……サモナーみたいなもんですしね」


なので喚ばないですね。

【天体魔法】を使います。【星光(ルミナ)】以外は使いましょうかね。

【惑星加護】も使います。ある意味皆へのバフですし!

リキャストタイムは対戦ごとにリセットしてくれるらしいので!


「ふふふ、大盤振る舞いです。【天体魔法】をお披露目の勢いです」

「ふふーボクも大鎌の斬れ味を見せびらかしますわ!」

「僕らも頑張ろうね、ソラ」

「…ええ、宇宙を見せてあげるわ」

「……つっっっよ」


綺麗に微笑んだ母を、ミカゲさんが拝みました。

宇宙を見せてあげる……なんてパワーワードなのでしょう。


「それにレベルが50超えたから、まだ皆に見せた事のないアーツもあるの。使徒に今の所ジョブ進化先は無いから、使徒のレベルが50を超えたところで覚えたアーツなのよね」

「僕も守護剣士がレベル40超えたら覚えたアーツがあってね。試しに使ってみようと思うよ」

「……ヤバい気配がしますわ」

「…とんでもない気配がしますね」


思わずミカゲさんと顔を見合わせました。

レンさんはそわってしました。武闘祭じゃなければ、戦いたいって思ってそうです。


「おや、そこにいるのはもしかしてミツキさんかな」

「!…カメリアさん!」


声をかけられて振り向くと、ソル・ネーソスでお会いしたカメリアさんが立っていました。


「久しぶりだね。元気にしていたようだね」

「お久しぶりです。はい、楽しくプレイしてます」

「そうか。…戦えるのが楽しみだね。その時は是非、全力で相手するよ」

「っ、その時は、胸をお借りします!」


わたしの言葉にカメリアさんは小さく微笑みました。

うお、少しだけレンさんに似てます。

そしてカメリアさんは、レンさんへと向き合いました。


「……」

「……勝ち上がってくるんだろう?」

「当たり前だろ。……首洗って待っていろよ」

「……ふ、いいだろう」


挑戦的なレンさんの言葉に軽く笑って、パーティーメンバーの元へと歩いていきました。


「……レン氏、カメリア氏と仲良くないんです?」

「姉弟なんてこんなもんだろ」

「そうですか……」


そうなのですか……

わたしは兄と仲悪くないとは思いますが、レンさんはカメリアさんと思う所があるようです。



『そろそろ時間だよー!』

『武闘祭本戦、己の力を示そうぜ!』

『今回はイベント担当ツェーンと!』

『実況担当のゼクスが担当するぜ!出場者の皆は実況への承諾ありがとうな!』

『殆どの出場者がオッケーくれたから、たくさん実況しちゃいまーす!』

『さて、もうすぐ本戦始めるわけだが』

『観客席にいるスペシャルゲスト!』

『『クリスティア王国国王様!』』


武闘祭会場が薄暗くなり、イベント担当のツェーンさんとツェーンさんと同じ大きさの男の子が現れました。

実況担当とかあるんですね……


そして二人の声に合わせて、一部の観客席が照らされました。

他の観客席とは隔離されており、騎士が配置されたVIPな観客席です。


はわ……王様の近くに、ローザ様と共に座ってるのもしやお師匠様……!

表情はあまりみえませんが!あ、ストール使ってくれてます。


『……クリスティア王国国王、シュタールだ。皆の武勇を楽しみにしている』


王様は、挑戦的にニヤリと笑いました。

観客席から悲鳴が聞こえましたね……観客席もよく見るとプレイヤーの中にNPCも混ざってますね。


『ふっふー!アピールチャンスだよ!』

『皆格好いい所見せ付けとけよ!』

『今回1回戦目の制限時間は15分!』

『決着つかなかったら残存HPで決めるからなー!』

『よし!じゃ対戦相手をランダムにえーい!』


少し気の抜けるような掛け声で、ツェーンさんが両手を上に上げると画面にトーナメント表が表示されました。


……うえええ左端に名前あります!

初戦から出番です……!


えっと、相手は……《チャイニー》というパーティーのようです。


『フィールドの準備をするよ!出場者は控室に飛ばすね!』

『個室だから戦闘の準備をするなり作戦会議するなりしろよー!』


その言葉を聞いた瞬間、モニターが置かれた応接室のような部屋に転移しました。


……ドキドキしてきました。

思わず両手を胸の前で組みます。


「……緊張してきました」

「ミツキ氏はあまり人前が得意じゃ無いんでしたっけ」

「はい。注目されるのが少し苦手で……」

「戦闘中は相手と、私達の声だけ聞いてなさいな」

「ほら、しゃんとして」


父に軽く背中を叩かれました。

丸くなってた背が、ほんの少し伸びます。

それをみたミカゲさんも、ニヤリと笑って軽く背中を叩いてきました。


「パワー注入ですぞー!」

「ひゃい!」

「緊張はしょうがないですから。でもそれでいつもの戦いが出来なければ後悔しちゃいますからね。ボクらも一緒にいますし、蹴散らしていきましょ!」

「…ありがとうございます、ミカゲさん」

「レン氏も気合い入れてあげて下さい!」


ミカゲさんがくるりと壁際にいたレンさんを振り返ります。

レンさんそのような馴れ合い絶対やりたくないと思いますが!?


レンさんは小さくため息をつくと、腕を動かしながら近付いて来ました。

や、やる気ですね!?


「か、軽く!軽くお願いします!」

「……ふ、おらよ」

「あいたっ」


バシッとした音が響きました。

背筋が伸びました。


……少しだけ軽くなりました。

自分で軽く頬を叩きます。


「レンくん」

「はい」

「私達も戦えるって所、ちゃんと見せてあげるわ」

「だから何かあれば、頼ってほしいな」

「……はい」


両親の言葉に、レンさんが頷きました。

そして母がこちらを振り返ります。


「ミツキ、ミカゲちゃんも」

「年が離れてるからって遠慮せず、何かあれば言ってほしい」

「…十分頼りにしてるよ」

「ボクも、すごい頼りにしてます」

「……ふふ、じゃあ今回の戦い、一番槍を任せてもらえるかしら?」

「僕らがかき乱してくるよ」


その言葉に、わたしとレンさん、ミカゲさんは顔を見合わせて、同じタイミングで頷きました。



『準備できたよー!』

『よし!じゃあ始めるか!』


モニターからツェーンさんとゼクスさんの声が聞こえてきました。

それと共に、控室に扉が出現し開きました。


「…行くぞ」

「はいっ!」

「はーい!」

「ええ」

「ああ」


それぞれレンさんに声を返して、扉を通り抜けました。



戦闘シーンあると少しだけボリュームアップしてます。

当社比ですが!稚拙な所もあるかもですが、主人公のプレイが伝わればと思います。


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新有り難う御座います。 ……開幕ブッパかな?
[一言] パズル解いたらなんか知識的な力が使えそうですね。某MMO作品で魔法ストックとかアイテムストックとか…。 本選描写楽しみです。
[一言] 死に関連する職業...立体パズル...まさかリンフォン?
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