建国祭 6日目 ②
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途中休憩を挟みながらエリペ鉱山に辿り着きました。手前の森で少し様子を見ます。
モノセロスもエニフもすごい体力あります。
ここまで駆けてもあまり疲れてないようです。
【星魔法】の熟練度が最大になって、力が全解放されてるからでしょうか。
スピードを落とすことなく、モンスターを無視してここまで駆けて来れました。
首元を撫でて労ります。
モノセロスも世界樹の葉を食べますかね?
モノセロスから降りて、モノセロスとエニフに世界樹の葉を差し出します。
もっしゃもっしゃと世界樹の葉を食べたので、葉を食べることはわかりました。
父も背と首元を撫でてます。
「移動の手段として騎馬がいるのは助かるね」
「馬車があればぎょしゃ座で無敵になれるんだけど、わたしは皆と駆けるのが楽しいんだよね」
「そうだね、同意するよ」
でも手段として馬車も保有しておきたいですね。
何があるかわかりませんから。
モノセロスとエニフを還して、ここからは歩いて行きます。
プレイヤーの気配もそこそこありますからね。
「…プレイヤーの気配割とあるね」
「さっきまで掲示板で情報集めていたけど、ここには鉱石採掘ポイントと、ゴーレムが出現するダンジョンがあるみたいだね」
「ダンジョン……お母さん待つ?」
「採掘は採掘でダンジョンと分かれてるみたいだから、採掘しながら待とうか」
そうしましょう!
鉄鉱石も案外転がってるかもしれませんし。
プレイヤーの横をすり抜けて鉱山に近寄ります。
右がダンジョンで、左が採掘の為の洞窟のようです。
「採掘し尽くすとか無いのかな」
「それがあると困ってしまうね。恐らく一定時間でリポップするけど、場所は変わるんじゃないかな」
「リポップ……?」
「一定時間経つと倒したモンスターや採った素材が復活することかな」
「なるほど」
プレイヤーの数を考えると、皆で狩ったら無くなってしまうかもですもんね。
不公平になってしまいます。
まあ復活するのであれば遠慮なくもらいましょう!
「じゃあお父さんについてく」
「面白くないかもしれないけれどね」
「どんな感じか見てみたいから」
一旦父と共に採掘のための洞窟へと足を踏み入れました。
松明が置かれた薄暗い洞窟です。
プレイヤーがツルハシ、ハンマーを用いて壁を叩いてます。
素通りして、プレイヤーのいない場所へと歩み寄ります。
「採掘師専用なのかな。スキルに【鉱石感知】というものがあってね、これは壁に触れながら使えばどこに鉱石があるかわかるものなんだ」
ハンマーを片手に握りしめて、片手を壁にぺたりと触れます。
なにやら魔力が流れました。
わたしには何もわかりませんね……
「鉱石がある部分がきらりと光るのさ。少し離れててくれ」
父が思い切りハンマーを壁に打ち付けました。
………鬼人のパワーだからなのか、採掘師がこんな感じなのか。
ドカンと大きい音と共に目の前の壁が崩れました。
あ、あぶない……
「……力強すぎじゃない?鉱石壊れてない?」
「そう思うよね。でも大丈夫っぽいんだよね…ほら」
父が瓦礫の中から何か持ち上げました。
鉄鉱石
鉄鉱の原料となる鉱石
本当です…
普通に鉱石です。
ぶっちゃけただの石にしか見えません。
わたしも瓦礫を手に取ります。
石
普通の石
無言で避けました。
これはもう手に取って鑑定を繰り返しましょう…
本当にぶっちゃけると、ちょっと違うかな〜?くらいにしか見分けがつきません。
5個手に取ったらそのうち2つは普通の石でした。
……思わず真顔になりました。
父は迷わず手に取りアイテムボックスへとしまいます。
「なんでそんなに迷わず手に取れるの?」
「これでも採掘師だからね。今まで多くの石を見てきたのもあるけれど」
「採掘師だからかぁ……」
それは父の磨かれた観察眼です。
むむむ、わたしも石を手に取って見つめます。
あまり石をここまでじっくり見る機会なんてありませんでしたからね。
これも勉強です。
父と共に、ひたすら石を採集しました。
「……ソラがログインしたみたいだね」
「あ、じゃあお父さん迎えに行ってあげて。わたしダンジョンの近くで待ってるよ」
「すぐに戻るよ」
採掘の洞窟から出て、ダンジョンの入り口に近寄ります。
近寄ると、ダンジョンの説明が出てきました。
なるほど、鉱石ダンジョン……
黄金のダンジョンというリル取得専用のダンジョンにはまだ行ったことありませんが、ここのエリペ鉱山は鉱石専用のダンジョンみたいです。
1日1回しか挑めません。それは黄金のダンジョンと変わらないみたいですね。
モンスターを倒しても経験値は貰えませんが、大量に鉱石を入手出来るそうです。
推奨レベル毎に階層が異なり、レベルが上がるほど入手出来る鉱石も種類も増えます。
詳しく階層をタッチしてみると、求めている御影石と石灰岩はどの階層でも入手できますが大理石はレベル60からのモンスターが出現する階層でしか入手できないようです。
ぐぬぬ、レベル60から………レベル56のわたしで行けるのでしょうか。
両親は結構レベル上げしに行ってたと思いますが、どれくらいまで上げたのか聞かないとです。
……初めて挑みますし、レベル50からの階層に挑むのが良いですかね。
しかも出てくるモンスターの一覧まであります。
ロックゴーレム、アイアンゴーレム、スチールゴーレム………
ゴーレムオンリーですね???
硬そうなイメージです。
父の剣とか大丈夫ですかね?母の拳も痛くならないですかね??
「ミツキ」
「待たせたわね」
「全然だよ」
モンスターの一覧を眺めていたら両親が声掛けてきました。
母がニコニコと話しかけてきます。
「ここはどんなモンスターがいるのかしら?」
「ゴーレム系だって。…拳、大丈夫そう?」
「いつも重力纏っているから、拳へのダメージは少ないのよ。今回はどこまでやれるか試せるかもしれないわね」
「僕もどこまで斬れるか楽しみだよ」
「……二人ともレベル何処まで上げたの?」
「私は52ね」
「僕は54」
「追い付かれてる」
「レベルが上がるとモンスターが更に倒しやすくなってね」
「そうね。レベルもやはり上げないといけないわね」
こ、この短時間でそんなにレベル上げを!?
むしろ恐ろしい夫婦ですね!?
効率の良いレベル上げでもしてるんですか!?
「そうね……ボスっぽいモンスターを倒してるだけよ」
「なるべくレベルが高い、単体のモンスターだね」
「群れを討伐して出てくるボス個体っぽいのもいい経験値よね」
「フィールドボスも、出会ったら挑みに行ったね。夜なら君は自由に戦えるし」
「伸び伸びと戦えるわ」
こわ………両親の思わぬ戦闘狂な一面をみました。
挑むのに躊躇いが無いのはなんの経験からでしょう??
今はおっとりとしてるような二人ですが、昔はやんちゃだったんですか???
「階層毎に出てくるモンスターが変わるんだって。大理石はレベル60から」
「大理石?」
「神殿の材料で、御影石が50、石灰岩が50、大理石が100必要なの」
「……結構な量が必要ね」
「無難にレベル50からの階層から試すのがいいかなって」
「1日1回か……モンスターを倒した数で貰えるリルが増える黄金のダンジョンと似たような物かな」
「行ったことあるの?」
「あるわよ。じゃないと家具も揃えられなかったわ」
母も結構家具買ってましたね。
黄金のダンジョンでリル集めしてたようです。
「今回はお試しとしてレベル50の階層に挑んでみようか」
「うん」
「そうね。パーティーに加えてもらえるかしら」
「待ってね」
母をパーティーに加えてからダンジョンへ入る入り口の列へと並びます。
プレイヤー、割といました。
でもスムーズに列は動いていきますね。
「はやく神殿作り上げたいんだよね」
「何か理由でもあるのかしら?」
「えっとね…」
そういえば両親にはまだ伝えてなかったかもです。
……ここは人の耳がありますから、3人のチャットを作ります。
イベントで出会った、ソル様の眷属であるデイジーさんについて文章で伝えました。もちろん祀るの最優先ですけれどね。
「……なるほど」
「これは頑張って石材集めないとね」
「手紙とか、お菓子とか送りたいなって」
「素敵だわ。お母さんにも後で紹介してね」
「僕にもね」
「うん!」
デイジーさん、元気にしてますでしょうか。
きっと今日も果樹園の手入れを頑張ってるのでしょう。
少しずつでも神殿を形にしたいところです!
そう考えていたら、わたし達の番になりました。
‐エリペ鉱山 第五階層 に入りますか?‐
はい
いいえ
ここは はい を選びます。
慣れた浮遊感と光に包まれ、わたしは目を閉じました。
両親はそれはもうやんちゃしてた年代でしてよ( ˘ω˘)
それに二人なら何処までも行けるんじゃ( ◜ω◝ )
これからもこの作者をよろしくお願いします!




