ルクレシア防衛イベント②
ご評価やブクマ登録ありがとうございます!
回復したMPを全て消費して作ったMPポーションは60本になりました。
ひたすら鍋ぐるぐるしてキノコをみじん切り(アイテムでですが)するのは少しだけしんどいです。
時刻も12時半過ぎくらいになりました。
そろそろちょっとだけログアウトしなければなりません。
イベントの進捗は、と。
ルクレシアの防衛率:100%
モンスターの討伐率:43%
おお、皆頑張っているようですね。
イベントが始まって3時間半程度経ちますが、もうすぐ討伐率は半分になります。
すごい勢いで討伐されていってますね………
ログインするプレイヤーが増えたのでしょうか。
ひとまず30分くらいログアウトしなければ、現実の身体が空腹を訴えております。
ユアストは長時間のログインは出来ないので、こまめにログアウトしなければならないのです。
長時間ログインすると警告が出ます。
「リゼットさん」
「あら、もうこんな時間なのね」
「はい、なので30分程度、じ、自分の世界に戻っても大丈夫でしょうか」
わたしたちは『渡り人』ですので、とりあえず自分の世界に戻る、と伝えてみます。
「そうね、少しだけ休憩も挟みたいし、ミツキさんはミツキさんのしなければいけないことをやってちょうだい」
「はい、済ませたらすぐ戻ります!」
「いってらっしゃい」
ひとまずリゼットさんのお庭から通りに出てログアウトします。
人1人通らない街の中は、少しだけ寂しい感じがしました。
お父さんが用意したお昼はサンドウィッチでした。
ジグソーパズルに夢中になって、時間がなかったそうです。
「今ユアストで緊急イベントが発生しててね、食べ終わったらすぐ戻らないとなの」
「緊急イベント……なにやら大変そうだね」
「負けたら街が無くなっちゃうかもしれない防衛イベントなの」
「それは大事だ、頑張れ満月」
お父さんもジグソーパズルと戦ってくるよ。
そう言い残してお父さんはジグソーパズルとの戦いに戻りました。
わたしもお皿を洗って、ユアストへとログインします。
「リゼットさん、戻りました」
「おかえりなさいミツキさん」
リゼットさんはちょうど休憩が終わったようです。
お皿を片付けていらっしゃいました。
「……スタンピードが起こるのはとても久しぶりなの」
ポーションを見つめながらリゼットさんがぽつりと呟きました。
「久しぶり、ですか?」
「ええ、私も結構長く生きてるけど、ルクレシアでスタンピードが起こったのは初めて。かつて他の街にいた時に遭遇したことはあるのだけれど、ここまでの規模ではなかったもの」
「そうなのですか……」
たまにギルドの職員さんが、戦況を伝えに来てくださいます。
ポーションの消費が激しいので、在庫があればそれを持っていくようにギルドマスターから命令を受けて街中を走り回ってらっしゃるとか。
わたしもまさか初イベントが都市防衛イベントとは思いませんでしたけどね。
「戦ってくれている冒険者を回復するために、午後も頑張りましょうね」
「はい!」
ゲームの身体がお腹空いておりますのでちゃちゃっとコッコの串焼き(塩)でお腹を満たして、MPハイポーションでMPを回復させます。
午後もまたポーションから作っていきましょう。
皆様の回復のために、頑張ります!
現在のイベント進捗
ルクレシアの防衛率:100%
モンスターの討伐率:48%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「クソッ死に戻っちまった」
「あたしも倒されちゃったわ……」
ゲーム始めたてのLvが低い2人のプレイヤーは、Lvの低いモンスターを相手取ってコツコツモンスターを狩っていたが、合間に出てくる高レベルのモンスターの攻撃を受けてルクレシアへと戻ってきていた。
「モンスター討伐率ももうすぐ50%になる、ってのに」
「結構あたしたちモンスター倒したよね」
「死に戻ったらステ半分になるのキツイよなぁ……時間が経てば回復するんだろうけど。それまでの間にイベントが終わらんとも限らないしな」
「とりあえず1回ログアウトしよ、それでフレにも声掛けとこ」
「ああ」
死に戻ったプレイヤーはログアウトし、ほかの街で活動しているLv30以下のフレンドに声をかけたり、バッドステータスのまま戦闘しに行ったりするのであった。
「あ゛ーーー数が多いなァオイ!!!!このペースだと夜になるぞ!!!」
カレンはそう言いながら大剣を振るうのを止めなかった。
Lvの高い冒険者たちは順調にモンスターたちを討伐し、補助が得意な魔法使いたちもバフデバフを戦場で振りまいていた。
ちょうどモンスター討伐率が50%に達したとき、それは現れた。
およそ3mありそうな大柄な体躯、人と同じように鎧を身に纏い、大きな棍棒を片手に持った緑色した大きなモンスター。
「チッ高練度の鑑定持ち、鑑定しろ!」
「もうしてます!伝えます!」
カレンの掛け声に目隠しをした冒険者が叫ぶ。
彼は視えすぎるがゆえに布を目に巻いているが、優れた目を持っている。
NPCで鑑定持ちは、数少ないのだ。
ゴブリンキング Lv.28
アクティブ 激昂状態
【狂化】【号令】【棍術】【覇気】
【捕食】【剛力】
ゴブリンナイト(剣) Lv.20
アクティブ
【狂化】【剣術】
ゴブリンナイト(槍) Lv.20
アクティブ
【狂化】【槍術】
ゴブリンナイト(弓) Lv.20
アクティブ
【狂化】【弓術】
ゴブリンウィザード Lv.20
アクティブ
【炎魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】
「ここからが本番って訳だ」
カレンはゴブリンキングを睨みつけて口角を上げると、周りの冒険者たちに向かって叫ぶ。
「アタシがゴブリンキングのヘイトを稼ぐ!お前らはヘイト向けられない程度に攻撃しろよ!」
「おう!任せろ!」
「周りの雑魚は消し飛ばしておくわ!」
それに伴いプレイヤーたちの士気も上がる。
我先にとモンスターたちを倒し始めるのであった。
「ハハッぶっ殺してやる」
「いい実験台になりますわぁ」
「刀の錆になってもらおう」
「腕が鳴るわァ!」
血気盛んなプレイヤーたちはモンスターの大群へとその身を踊らせるのであった。
中々視点を分けるのは難しいですね。
カレンは高レベルだからこそ、手助けしたりヘイトを取ったりして戦場を駆け回っています。
でもこういうの書くのは楽しいです。
これからもこの作品をよろしくお願いします!