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建国祭 3日目 ⑤

ご覧いただきありがとうございます!

ブクマ登録もご感想もありがとうございます!



「副ギルドマスターのアレン様に報告に来ました」

「……はい、確認致しました。少々お待ちくださいませ」


ギルドカードを渡してそう言うと、女性はギルドカードを翳し、そしてわたしにギルドカードを返しました。

そして奥の部屋へと入りました。

きっとアレンさんに声を掛けに行ったのでしょう。


コルテさんは今日はいるのでしょうか。

騎士だと言っていましたし、さすがにいないかもしれませんね。


「…申し訳ございません。10分程お時間頂いてもよろしいでしょうか」

「わたしは大丈夫だけど、リーフくんは?」

「俺も大丈夫っす」


時刻はもうすぐ21時半、といったところです。

19時すぎに始めましたし、割と時間経ってましたね。


「その辺りで待ってますね」

「はい。ありがとうございます」


リーフくんと壁際に寄ります。

チャットで、ギルドで報告したらプレアデスへ戻る事を伝えます。


「……リーフくん、武器の手入れとか出来る?」

「鍛冶場があって、道具を充実させれば出来ると思うっす」

「おお、もし出来たらお願いさせてもらってもいい?」

「任せて下さいっす」

「わたしも調合部屋欲しいんだよね」


リゼットさんみたいに、部屋のものごっそり持ってくるのは至難の業ですがね……

調合部屋を作って、道具を充実させたいです。


「お師匠様から家具のお店への紹介状も貰ったし、早くホームに家具も揃えたいし」

「殺風景っすよね」

「皆普通にログアウトしてるのかな?」

「部屋貰ったんで、そこに俺は寝袋敷いてます」

「……部屋の中で寝袋はシュールだね」

「ベッド欲しいっす…リル貯めてるんで、集まったらその店紹介してください」

「うん」

「……でもミツキさんの師匠さんの紹介ってこわいっすね」

「……考えないようにしてたんだよねそのあたり」


リルはたくさん用意しておきましょう。

それが良いです。


「……あ、ハーセプティアの地図っす」

「地図?」


リーフくんの示す方向の壁に、大きな地図が貼られていました。

近寄って眺めます。


「……まだクリスティアとレダンしか行ってないのに、色々あるっすね」

「まだリリースして1年も経たないもんね」

「…まだ行ったこと無い場所がたくさんあるなんて、ワクワクするっす」

「わたしもだよ」


この異世界旅行みたいな冒険を、いつの間にかとっても楽しみにしてました。

その中で好きな事を追求できて、好きな事やれるのは最高です。


プレアデスに天体ドームも作りたい所ですけど、このゲームに天体ドームの概念があるかどうか……

普通に空見上げられますしね。


「リーフ様、ミツキ様、お待たせ致しました。ご案内致します」

「はい」


先程の受付女性が声をかけてきました。

女性の案内で辿り着いたのは、昨日と同じ部屋でした。


ソファに座りながら待つと、ノックの音が響きました。


「はい」

「失礼、お待たせしました」

「失礼するよ」


少し草臥れた様子のアレンさんと、軍服を着たコルテさんが入ってきました。

アレンさんは水晶を操作し、目の前のソファに座りました。

コルテさんも優雅にソファに座ります。


そして受付女性がティーセットをそれぞれの前に用意して、部屋から出てきました。


「……さて、墓守犬の調査報告の件でしたね」

「はい。報告に来ました」

「ではお聞かせいただけますか」


淡々と起きた事を報告しました。

下手に隠し事も出来ませんので、簡素にですけどね。


「…と言う訳で、墓守犬に頼まれた剣を見つけたので、墓前に供えて終わりました」

「………なる、ほど。報告ありがとうございます」

「主人想いの墓守犬か……そっとしておくべきだな。彼らに手を出すと痛い目見るのはこちらだ」

「…クリスティアの人間として、感謝申し上げます」

「ああ、感謝を」


アレンさんとコルテさんが頭を下げました。

それにわたしとリーフくんは慌てます。


「いえ、わたしもクリスティアにはお世話になってますし」

「そっす。…俺達が墓守犬から依頼受けたのも偶然っす」

「過去に戦ってくれた彼らのおかげで今クリスティアが存在していますから。そして今手を貸して下さってる貴方方渡り人の存在も」

「どうしても手の届かない時があるから、助かってるんだ」


……こう面と向かってお礼を言われることは無いので、なんだかむずむずします。


「…その言葉を頂けて、とても嬉しいです」

「これからも頑張ります」

「はい、共によろしくお願いします」

「騎士団の人間として、今回の件は騎士団長には報告させて貰うが、いいかな?」


き、騎士団長……!

面識が無いのでどんな方かわかりませんが……


「面識はありませんので、コルテ様の良いようによろしくお願いします」

「っす」

「はは、顔は怖いがきちんと見定めて下さる方だ。良いように言っておくさ」


ウインクと共にそう言われましたが、早々お会いする方では無いのでスルーしておきましょう。


「では依頼は達成として、こちらで受理させていただきますね」


ギルドカードを水晶に翳したアレンさんは、目の前でウィンドウを操作します。



‐指名依頼を達成しました‐

達成報酬として300,000リルと銀コイン5枚を手に入れました。




「えっ」

「えっ」

「どうかしましたか?」

「い、いえ二人での達成報酬だと思っていたので」


リーフくんも隣で高速で頷いてます。

半分に分けるつもり満々でした。


「…お二人のギルドランクではそのつもりでしたが、報告内容を鑑みまして増額させて頂きました」


コルテさんがいい笑顔を浮かべてます。

依頼者コルテさんですよね!?

コルテさんのお金とかじゃ、無いですよね!?


「あ、ちなみに墓守犬の主人の名前とか聞いたかい?」

「…何かに必要ですか?」

「家系が生存していたら、お伝えしなければならないからね」


な、なるほど?

リーフくんを見ると、リーフくんは横に首を振りました。


「……名前は知りませんが、剣を視た時、第一騎士団 第3小隊 小隊長と書かれていましたね」

「……わかった。教えてくれてありがとう」


コルテさんが頷きました。

これで報告は終わりですね。


「……では、そろそろ失礼してもよろしいでしょうか?」

「ええ、本日はありがとうございました。良い冒険を」

「良い冒険を」

「「失礼します」」


頭を下げてリーフくんと共に部屋を出ました。

じゃあ、プレアデスに向かいましょう!


「プレアデスに戻ろっか」

「はいっす」


お互いホームを選択して、プレアデスへと飛びました。





‐その頃のギルド応接室‐



「……いやはや、とんでもない冒険者達だったな」


コルテは紅茶を口に運びながら、先程の狼獣人と少女を思い出す。

報告内容も驚いたが……


「やはり見間違いじゃなかったな、アレン」

「……そのようですね」


隣に座る仏頂面した男に話しかける。

多忙極める副ギルドマスターであるアレンは、何やら考え込んでいた。

…少女の首元を飾るブローチは、紛れもなく異名持ちの証だった。


「見所のある冒険者じゃないか」

「ありすぎると厄介な奴らが目をつけるんですよ。…ブピッド伯爵家とか」

「……貴族達が渡り人を私兵として雇ってるのは本当なのか」

「面倒な事に。彼等リルだけは持ってますから」

「ふむ…」

「とりあえず騎士団長への報告書は作りますが、貴女からもお願いしますよ、コルテ()()()

「はいはい」


アレンから名を呼ばれたコルテは、どう報告するか頭の中で纏めるのだった。






‐ミツキ視点‐



プレアデスに到着しました。

皆の反応は世界樹の近くにあります。


……すっかり世界樹がリビングみたいな集合場所になってます。

まあ一番安全かもですが。


「皆世界樹近くにいるみたいだね」

「あそこ落ち着きますよね」

「マイナスイオンとか出てるかもね」

「めっちゃパワースポットだと思うっす」


世界樹ですもんね!

リーフくんと小走りで世界樹の元へ向かいました。



世界樹の元へ辿り着くと、そこで皆が七輪囲んで会話してました。

……!これは、この匂いは……!


「じゃがバター!!」

「あら、おかえりミツキ、リーフくん」

「おかえりなさいリーフ、ミツキ」

「おかえりですわー」

「あ、レンくんこれ食べれそうだよ」

「…ありがとうございます」


レンさんも引っ張りこんでじゃがバターしてます!

美味しそうです!


「報告聞きながら食べようと思って」

「ちゃんとミツキとリーフの分もあるわよ」

「あ、ありがとう」


皆の輪の中に入って、座ります。

そしてじゃがバターを受け取りながら、報告しました。


「白金コインでしたか!」

「まあそうよね」

「達成まで色々な段階があったものね」

「コイン見せて欲しいですわ」


ミカゲさんが目をキラキラさせながらそう言うので、リーフくんが手の上に白金コインを置きました。


「ふむ、これが白金コインですか」

「確かに銀コインと色味は違うわね」

「難易度とか段階多いものは白金コインの依頼なのかしら」

「…今回のは剣見つけられたのもあるだろうな」

「後は攻撃不能な敵をどうにか出来たのも大きいですわ」

「私達の行動次第で本当に変わるわね」


それです。

選択肢が本当に多いです。

ユアストの作り込みとんでもないです。


もしわたしが星のキュアポーション持ってなかったら、こうなってなかったと思います。


「……あとこれ」

「謎の箱ね」


リーフくんが輪の真ん中に置きました。

バルトから貰ったやつです。

沈没船から引き上げたって言ってましたね。


「……開けるんすか」

「いや開ける流れですよリーフ氏」

「そうよ。これは開けるわよ」

「……うっす」


皆が少し離れました。

リーフくんが恐る恐る開けました。


……特に何も起こりませんでした。

皆が何事もなく戻ります。リーフくんにジト目で見られました。

いえあのこう言うのは何か出てくるって兄のゲームで見ましたし……


「……なんすかこれ」


箱の中は、沈没船から引き上げられたにしては濡れてないですし、手紙やら小さな箱やら入ってますね。


「んー……沈没船のキーアイテムかもしれませんな」

「今後何かしらのイベントかストーリーに関わる物かしら」

「…手紙とか怪しいっすけど。……『サラサへ』?」

「『サラサへ』?人の名前っすよね」


サラサ?

………………………サラサ!?

わたしは身を乗り出します。


「うお」

「す、少し見せてくれる!?」

「はいっす」


リーフくんから手紙を受け取ります。

わたしは丁寧に、手紙を開きました。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『サラサへ』


愛しいサラサ、元気にしているかな。

僕は今日も船の上にいるよ。


寄る所寄る所で、君の名を付けたアクセサリーを作っているんだ。この間は君の瞳のように煌めく素敵な鉱石を見つけてね、首飾りにしたんだ。


それは《サラサの綺羅星》と名付けたよ。

今まで耳飾りとブレスレット、ティアラを作ったんだ。


次に向かう日輪の国で、絹という素材を使ったドレスを用意したんだ。それは《サラサの羽衣》って名付けようと思ってるよ。


それを受け取ったら、君の元へと帰るよ。

そうしたら、やっと君と一緒になれる。



《サラサの祈り》のティアラ

《サラサの明星》の耳飾り

《サラサの綺羅星》の首飾り

《サラサの輝き》のブレスレット

《サラサの羽衣》のドレス



君に送った硝子の靴に、とても似合うと思うんだ。

それを纏った君を見るのが楽しみだよ。


海の上より愛を込めて


グレイより



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



………見覚えがありすぎる単語がありました。

そっと手紙を閉じます。

そして無言で箱に戻します。


「………いや今の絶対何かありましたよね!?」

「何事もなく戻したけれど、その反応、何かあったわね?」

「それはこのティアラと、ピアスとブレスレットに関係あるものかしら?」

「…………………ありま………あれ、なんでこれだけ別の場所に?」


な、何故サラサの綺羅星だけが、何処かのダンジョンで見つかったのでしょうか。

謎が深まってしまいました。


「以前ギルドのNPCから、鑑定のお礼に《サラサの綺羅星》というアイテムを貰ったのですが、曰く付きでして」

「曰く付き」

「ここに3つもあるのに、なんで首飾りだけ別の場所にあったのかと……」

「…………………」


場がシーンとなりました。


「何それ知らん、こわ………ってやつですわ」

「わたしも怖いです。これ着けたら何処かへ誘われるらしいです」

「……!」

「リーフくん目を輝かせないで…」


これもキーアイテム……!?

一緒にしておきましょう。持ってるの怖くなりました。

そっと同じ箱に入れます。


「……封印!」

「いやほんとミツキ氏何持ってるのか…」

「そういう意味ではレンくんもダンジョン踏破してるし、色々ありそうだよね」

「…全て保管庫に入れてあります」

「まじかよ保管庫分けましょうよレン氏」

「アイテム用の保管庫、必要かしら…」


そんな事を色々話していたら、遅い時間になりました。

まだ平日ですし、そろそろログアウトしましょうかね。


「……そろそろログアウトします」

「わ、もうこんな時間なのね」

「明日早いんだった。ボクもログアウトしますわ」

「私とサクヤは、レベル上げるためにもう少しだけ挑んでくるわ」

「せめて50には上げておきたいからね」


両親は軽く運動して、何処かへ飛びました。

向上心高めですね。


…わたしも明日は討伐依頼を受けましょうか。

ラクリマのレベルも上げたいですし。

今回の依頼で討伐依頼が20から19になりましたが、先が長いです。


「まだ建国祭は始まったばかりですし、楽しみましょう」

「それなですわ!」

「レンくんも頑張ろうね」

「武闘祭までにもう少しレベル上げるわね」

「…ありがとう、ございます」

「姉貴、俺らもレベル上げたい」

「そうね。明日タイミング合ったら行きましょ」


皆やる気満々です。

わたしも明日は建国祭の討伐依頼をやります!

では、お師匠様の所へ戻りましょう。


皆に挨拶して、お師匠様の家へ飛びました。


「戻りましたお師匠様」

「おかえり」

「明日ゆっくりとご報告しますね!」

「あいよ、お疲れ様」

「おやすみなさい」


ベッドに倒れ込んで、ログアウトしました。






「綺羅星………」


空に美しく輝く多くの星、だった気がします。

今日の空も、ある意味綺羅星です。


確かにあの首飾りは、星空を閉じ込めたような首飾りでした。

……些細な貰い物も色々繋がって驚きです。

ユアストにはいつも驚かされます。


明日も楽しみです!

よし、おやすみなさい!



イベントまだまだ続きます〜!

はてさて何が起こりますかね……ミツキの物語も並行して進みます。


明日はお休みさせてもらいますので、次回は10/20に更新します!


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] たぶんの予想になるのですがこのサラサシリーズは日輪の国に渡り人が到着待ちな気がします。(おそらく羽衣かガラスの靴に呼ばれてるのでは?) もしかしてダンジョンの貴重なアイテム一部は遺品…
[気になる点] サラサシリーズはどの辺りで出てきましたっけ? すみません忘れてしまいました
[良い点] 謎が謎を呼ぶw ミツキだけだとホラー系のイベントは避けてしまうかもしれないし、今回はチームプレイのいい所が出ましたね。 しかしリーフくんいい子だなw [一言] 世界樹へのお供えはデフォだと…
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