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建国祭 3日目 ②

ご覧いただきありがとうございます!

ブクマ登録もありがとうございますー!



マーレへ飛んできました。

おお、夜のマーレも良い雰囲気です。

屋台村のような……!いい匂いです。


っと、いい匂いに惹かれる場合では無いのです。

皆と合流して、剣を探しに行かないとです。


「ミツキ氏ー!リーフ氏!」

「話は聞いたわよ〜」


通りの向こうからミカゲさん達がこちらへと近寄ってきました。皆勢揃いしてました、待っててくれたみたいですね。


「中々興味深い案件ですな」

「主人の剣を探すなんて、主人想いの墓守犬だね」

「そういう話好きだわ」

「ぜひ見つけてあげましょうね」


皆で視線を合わせて頷きます。

ミカゲさん達はパーティー組んだので、ユニオンを組みました。

では、慰霊碑の方向へ進むとしましょう!





マーレを出て崖沿いに南下します。

その間は情報共有です。


「お師匠様によれば、墓守犬の主人さんが戦いに赴いたのは約100年前のようです。その時の相手は悪魔の軍勢でした」

「…悪魔、なァ」

「悪魔もいるのねぇ」

「前にソル様から、悪魔も天使もこの世界を狙ってるって聞きましたなー」

「…そうなんすか」

「ユアストだと、彼等は脅威的な存在なのね」


この世界とはまた別の空間として、悪魔や天使の空間があると言ってましたね。


悪魔は良く敵として出てくるのを見かけますが、天使も敵として出てくるとは……空への対応手段が必要ですかね。

羽があって飛べるイメージですし。


「こちらの世界に侵攻するのは周期があるとお師匠様言ってました。それにソル様も、イベントの時にこちらの世界を狙ってるって言ってましたし、遠くない内に侵攻があると思います」

「……それは十中八九イベントなりますよな」

「…容赦なく住民に手を出すわよね」

「ルクレシア防衛戦イベも、防衛出来なかったらルクレシアへ被害があったかもしれないですもんね」

「運営、その辺り結構シビアよね」


シビア……確かにシビアです。

でもその分本気で挑めるような気がします。


…交友関係ほぼ住民ですし。

彼らの為、自分の為にも本気でやれます。


「意外とフラグが多いですなー」

「そっすよね」

「危なそうなのはボキっと折ってもいいかもしれないわよねぇ」

「イベントとは言え縁深い者への危害は見過ごせない所なんだけどね」


母は頬に手を当てながら、父は顎に手を当てながらそう言いました。

色々な所で色々なイベントがあると思います。

……王族のは偶然でしたが、何か防いでしまった気もします。


「……身近なものは、相対したらその都度対処しようと思います」

「それもボクらの物語ですよう」

「……おい、アレじゃねェの」


そんな会話をしていたら、レンさんが視線で訴えました。

レンさんの視線を追うと、崖近くに石碑が建ってました。


石碑に近付くと、花が供えてありました。

その前で、皆で手を合わせます。



よし、では探しましょうか。


「〈らしんばん座(ピクシス)〉」


一度見たので、探せるはずです。

記憶の赤い石の嵌め込まれた黒剣を思い浮かべます。

魔力を込めると、ピクシスの針がぐるりと回転しました。


「……あれ?」


主人さんは、崖下に落ちたと聞きました。

しかしピクシスの針は、崖とは反対側、こちら側を示してます。


「…あら、長い年月を経て誰かが持ち去ったのかしら?」

「モンスターなら出来ると思うよ」

「んーー反応に困りますな」


ピクシスを持ってぐるりと回ります。

……示す方向は変わりませんでした。


すると視界の端で、レンさんが地面に手を当てました。

?何か気が付いたのでしょうか。

魔力を流してます。


「……レンさん?」

「……空間がある」


目を閉じて地面に手を当てていたレンさんが、目を開けてそう言いました。


「割と広い空間が下にある」

「……まじですかぁ?」

「俺が嘘つくと思ってンのかよ」

「…思いませんわ!」


な、謎の地下空間!

少しわくわくします!


「……なるほど、じゃあ入り口は崖下にありそうねぇ」

「定番だよね」


父と母が崖下を覗きに行きました。

リーフくんもその後を駆けて行きます。


わたし達は崖っぷちに近寄りました。

……結構な高さです。あのサスペンスで追い詰められた犯人が警察と話してるような崖です。


「……結構険しいですね」

「あまり人の手が加えられてねェな」

「まあまさか地下空間があると思わないし、下に降りる手段も限られますしね」


暗いから尚更ですが、昼間でも崖下に地下空間への入り口があるとしても中々見つけにくい気がします。


「…ピクシス、その入り口を示す事は出来る?」


剣の為です。剣の為に入る延長線なので、示して欲しいですが!

そんな事を念じていると、淡く光って針が左にずれました。


「……ピクシス、ありがとう!!!」

「万能ね……」

「あまり人目につかせない方がいいっすね…」


ありがとうございますピクシス!!!

なんていい子(?)何でしょう……


ピクシスの示す方へ崖沿いに歩きます。

しばらく歩くと、ピクシスの針が真下を示しました。


わたしは皆を振り返って、頷きました。


「……とりあえずわたし、降ります?」

「……この高さから飛び降りたことはさすがに無いですな」

「さすがにゲームとは言え飛び降りるのは怖いわね」

「足場がゴツゴツしてるからダメージ受けそうっすね」

「…まァ何とかなるだろ」


わたしは【重力操作】もありますし、どうにか降りられる、と考えていたら、レンさんが躊躇いなく飛び降りました。


「レンさぁぁぁん!?」

「レン氏ーーー!?」


ドゴンッと音がして煙が晴れると、片手をプラプラ揺らすレンさんの影が見えました。

パンチで衝撃を相殺、したのでしょうか?


「……レンくんは思い切りがいいね」

「男の子って感じねぇ」

「……リーフ、あんたは慎重に行くのよ」

「俺はあそこまでの思い切りはまだ持てねえよ姉貴」


リーフくんは首を振りました。

レンさん思い切りが良いと言うか、躊躇いが一切無いです!

恐怖心とかどこか行きましたか!?


ピコンと軽快な音が響きました。

皆同じようにウィンドウを操作します。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ステラアーク』



レン:ある

レン:入り口



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



……ありました入り口。

皆で顔を見合わせます。


……ここは安心安全に行きましょう!


「〈ペガスス座(エニフ)〉」


空を飛ぶと言ったらペガスス座……ペガサスです。

魔法陣から純白の翼を生やした白馬が出てきました。

とっても綺麗です。


「よろしくね、エニフ。…二人なら同時に運べる?」


エニフは小さく嘶くと、力強く羽を広げました。

そして羽を消すと、わたしに背を向けました。


「…お父さんとお母さん乗る?」

「ここはミツキから行くのが良いわ」

「最初はミツキを乗せるべきだろうね」


そ、そうですか。

じゃあお言葉に甘えて……ふわりと【重力操作】で浮かんで、その背に跨がります。


おお、とても安定します。

あと一人なら乗れそうです。

ふとミカゲさんと目が合いました。


「…ミカゲさんも一緒に行きましょうか」

「お邪魔しますわ!」


両親、ジアちゃんとリーフくんが一緒に降りてくれば大丈夫そうです。


ミカゲさんへ手を伸ばし、ミカゲさんは身軽な動作で馬へと跨りました。


「エニフ、安全に崖下へ降りてくれる?」


エニフは軽く頷くと、羽を広げました。

おお、この羽、ホログラムみたいです。

乗り手が羽の邪魔しないのは良い事です!


軽く駆けて崖下へと飛び降りました。

そしてゆっくりと()()()()()()


す、すごいです!空を駆けてます!なのに振動がありません!

感動している間に、ゆっくりふわりと降り立ちました。

崖下ではレンさんが、エニフを見て一瞬目を見開きました。


「ありがとうねエニフ。崖上の皆も乗せて降りてきて欲しいの」


わたしとミカゲさんが降りたのを確認すると、エニフは軽く助走をつけると飛び立ちました。


「空を駆けてましたな…」

「でも揺れませんでした…」

「謎技術……」


素晴らしい技術です。

安心安全でした。


エニフはジアちゃんとリーフくん、両親を同じように乗せて飛んでくれました。


「ありがとうエニフ」


首元を撫でながら伝えると、小さく嘶いて消えました。

エニフと空の旅、してみたいですね。

………空の敵へは鞍を装着の上エニフといけそうですね。


「……アレだ」


レンさんが示す方向を見ると、人が一人やっと入れるような洞穴がありました。

……自然に出来たにしては不自然ですが、でも人の手によるものとはまた違うような……?


遠くから見ると、ただの洞穴にしか見えませんね。

皆それぞれ武器を構えて、頷きました。


「俺が行く」

「最後尾にはボクがなりますよー。これでも気配に敏感ですし」

「……この狭さだと私はあまり戦えそうに無いわね」

「ジアちゃんとりあえずわたしとリーフくんの間で進もう」

「ソラ氏とサクヤ氏は…」

「ミカゲさんとお話しながら行きたいわ」

「…喜んで!」



レンさんが躊躇いなく洞穴へと足を踏み入れました。

わたしも、その後を追って洞穴へと進みました。





「……真っ暗です」

「…明かりつけます?」

「……今の所何も気配はねェ。ミツキ、適当に炎魔法出せるか」

「はい」


カンテラみたいなアイテムがあるのはソル様の時に知りましたが、今のわたしは松明も持ってません。

とりあえずファイアーボールを何個か浮かばせます。

魔法はイメージです。


ファイアーボールで照らされた洞穴は、なんだか普通に洞窟のようです。

ピクシスの針は、変わらず洞窟の中を示しています。


「…何故こんなところに洞窟が……」

「少し隠されてる気もするし、人工的な感じもするわね」

「……採掘ポイントではないね」


モンスターの気配は無く、ただ道のように洞穴が続いています。

かなり曲がりくねっているような気がしますが……


それに少し湿っぽいような気がします。

海水が流れ込んでくるんでしょうか?


「……この湿っぽさ、海水がここまで流れ込んでくるとかじゃ無いですよね?」

「溺死フラグを立てるのやめて下され」

「でも確かに、所々藻のような物もあるわね」


貝殻もあります。

……潮の流れとかあるなら、早めに探索したい所です。


「…………まさかな」

「レンさん?」

「…いや、何でもねェ」

「……レンくんの考える事と同じ様な事、僕も思い付いたかな」


何か考え込む様子を見せていたレンさん。

その様子をみて父も苦笑しました。

な、何でしょうか!?わたしはわかりませんね!?


「……気配が無い内に進むぞ」

「は、はい」


レンさんは壁に触れながら迷い無く進みます。

素直に従った方が良いですね。


杖を握り締め、MPを消費しながらファイアーボールを浮かせます。





しばらく進むと、広い空間に出ました。

こんなに広い空間があるんですね……


手元のピクシスが淡く光りました。

この空間に、剣があるはずです。


「……おあつらえ向きに松明がありますぞ」

「……そっすね」

「一応見えるのは見えるけど、炎が灯ったほうが見やすいわよねぇ……」

「……つけます?」


【暗視】はありますが、真っ暗な洞窟でそこまでガッツリ見れませんし。


ひとまず近くの松明にファイアーボールで炎を灯します。

すると、何故か洞窟全体の松明に炎が灯されました。


それに驚いていると、この空間の片隅に鎧やらブイやら船やら……そういったものが積み重なっている一角が目に入りました。


……剣、埋もれてそうです!


「…あそこに埋もれてそうです」

「なんであんなに、ここにあるんすか」

「………ミツキ氏、リーフ氏ストップ!」


リーフくんと一緒にその山へ近付こうとした時、ミカゲさんから制止が入りました。


振り向くと、レンさんとミカゲさん、それに母が入ってきた洞穴をじっと見つめています。


………!何かを、引きずるような音と共にこちらに近付く気配!


リーフくんが斧を構えて戦闘態勢に入りました。

距離を取ってジアちゃんが、弓を構えたのが視界に入ります。


ズルズルとした音と共に、()も聞こえて来ました。



『………俺の住処に侵入してる奴らがいるなぁ〜?』

「!」

『……ここは俺の住処だぞ〜!!』



洞穴から顔を出したのは、つるりとした鱗を持ち、ターコイズブルーの色をした大きな大きな蛇のようなモンスターでした。



色々なゲームで家探ししてますけどね……大体ボコして回収しますよね……( ˘ω˘)


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初コメ失礼します。 ほぼ毎日毎朝主人公ちゃんが拝めて今日も空気が美味しいです。 これからも作者さまと主人公ちゃんを応援してます。 [一言] ほぉほぉ、青くて、大きくて、マーレの海の…
[一言] このメンツなら穏便に殴り合い(穏便?)で解決しそうね
[良い点] 更新お疲れ様です。 悪魔の生き残り···って訳じゃないですよね多分。そんなのがうろちょろしててお師匠さん達がスルーするとは考えにくいですし。 となると見た目通りのモンスターなんでしょうけ…
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