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建国祭 2日目 ①

ご覧いただきありがとうございます!


おはようございます!

眠い目をこすりながら起き上がります。


制服に着替えながら、ユアストからの通知を開きます。



Your story -ミツキ-




49ページ目




クリスティア王国で建国祭が始まりました。

様々な依頼を熟したり、住民と縁を紡ぎました。


特別な食や催し物があるようです。

国をあげての催し物です、どうぞ隅々まで探索してください。


良い建国祭を。

お疲れ様でした。






良い建国祭を、は使われる挨拶なのですね。

皆さん言ってました。


これは隅々まで探索しないといけませんね……2週間、イベントを楽しみ尽くさねばです!


さて、今日も1日頑張りましょう!










「あの後王都を探索してたんだけど、結構お店見てるだけで時間消えたわ」

「わかる。わたしも素敵なパン屋さん見つけてさ、すんごい美味しいパンたくさん買ったの」


お昼休み、花ちゃんとお弁当を広げます。

教室はざわざわしてますので、わたし達の会話はあまり聞かれてません。


「最初は携行食とか食べてたけど、一度料理食べると食べられなくなったわ」

「あはは……レンさんも言ってたような。味がないんだっけ?」

「そ。満腹度だけ上げる味のない固形物よ」


それは……ちょっと食べたくないですね。

毎日なにかしら食べているわたしですが、味のない固形物は遠慮したいですね。


「土曜日は試合あるけど、日曜日は無いから。満月達の応援するわ」

「勝ち抜ければね」

「…結構あのパーティーならいけると思うわ。レベルも高いし、連携も出来るだろうから」

「皆強いよね!」

「満月もよ。容赦なくボコボコにしなさいね」

「……善処します」

「それ日本人やらない奴じゃない」

「対人戦ってやったことなくて……人に向けるの躊躇しそう」


そこが少しだけ不安です。

わたしも攻撃受けると痛いですし、相手も痛いはずです。


「……まあそこは割り切るしか無いわね。目的があるのだから、躊躇なんてしてられない所もあるわ」

「うん、それは理解してる」

「その辺りはレンさんやミカゲさんに任せるのもいいと思うわ。あの二人戦い慣れているし、ソラさんも対人戦だととても強いわよね」

「…最近お母さん格闘技の雑誌読んでた」

「…それは確実に実践するわよね」

「お父さんも最近剣を使うアニメとか映画とかをよく見てるみたい」

「さすがだわ……私も弓を使うゲームとかアニメとか見ようかしら」


両親はハマるととことん極めるタイプです。

魔法はイメージ……わたしも天体現象の動画見ましょう。


「じゃ、お互い頑張りましょうね」

「うん!」


その後は洋服の話をしたり、花ちゃんがハマってる漫画の話を聞いたりしてお弁当を食べすすめました。




部活に行く花ちゃんを見送って、帰宅しました。

冷蔵庫を覗くと卵の賞味期限が近かったので、炒飯を作りました。

混ぜて炒めるだけって良いですよね……うまうまです。


ササッと両親の分も作って残して、サッとお風呂も済ませます。

明日の準備と髪の毛も乾かして、と。


よし、ログインです!





目を開けると、世界樹にもたれかかってました。

頬を撫でる風が気持ちいいですね。ここでログアウトしたんでした。


昨日パン屋さんで買った揚げハムパンを口に運びます。

……美味しすぎる。パンはサクサクなのに中はふわふわ、ハムチーズ挟んでいるの大勝利です。

うま……


星を見上げながら食べていると、視界に葉が揺れます。

《枝》が枝を揺らしています。




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:何食べてるんだい?美味しそうだね!




……世界樹、好奇心旺盛ですね??

ふむ、お供えしてあげますか。世界樹もプレアデスを守る仲間ですからね。


「では、食べてみます?」


わたしの言葉に枝をわさわさ揺らし始めました。

その様子が少しおかしくて、わたしは笑いながら揚げハムパンを世界樹へと差し出しました。


枝が触れると、わたしの手から消えました。

不思議……




プレアデスの《枝》

世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝

《枝》:!揚げてあるのに油っこくなくて、サクサクなのにふわふわ!ハムとチーズの組み合わせって素晴らしいね!




プレアデスの世界樹がグルメになっていきますね…

美味しそうでよかったです。


わたしも食べすすめます。んむ、美味し……ごちそうさまでした!

世界樹に以前汲ませてもらっていたサダルスウドの水もかけておきます。


よし、では依頼を求めて王都へ向かいましょうか。

あ、昨日預け忘れたポーションを保管庫に入れてから行きましょう。


わたしはホームへと歩き出しました。

ホームの周りも手を加えたいんですよね。

菜園とか、花壇とか。

オリーブも素材として欲しいので植えたいので、その時はスピカさんに相談しますか。


ホームに辿り着きました。

扉を開けようとしたら、先に開きました。


「わぷ!?」

「うお」


あいてっ

鎧が……おでこに……!


「……大丈夫すか、ミツキさん」

「うう…大丈夫だよリーフくんごめんね」


ホームから出てきたのはリーフくんでした。

部活が早く終わったみたいです。


「ミツキさんはこの後どうするんすか?」

「保管庫にポーション入れたら、王都で依頼探そうかなって」

「……それ、俺もついて行っていいですか?」

「全然大丈夫だけど…リーフくん、わたしと二人で大丈夫?」


ポーションを保管庫に詰め込んで、リーフくんを振り返ります。

いつもジアちゃんやクランメンバーと一緒の時にしか話したことありませんからね。

リーフくんから見たらわたしはジアちゃん……姉の友達という微妙な立ち位置です。


「っす。あんま話したこと無かったですし、ミツキさんと一緒に依頼やるのも姉貴と弓作りにトレント倒しに行ったくらいですから……クラメンとは仲良くしておきたいっす」

「……そうだね。わたしもリーフくんと依頼やりたいな」


真っ直ぐな瞳でこちらを見つめるリーフくん。

うおお、眩しい……いい子です……


わたしもメンバーとは仲良くしたいですし、一緒に依頼熟すのも連携の練習になりますしね!


「じゃあミゼリアのギルドに行こうか」

「っす」


リーフくんとパーティーを組んで、ミゼリアのギルドへ飛びました。



「昨日はギルドに普通に依頼は並んでいたの?」

「そっすね。報酬がリルに加えてコインになってました」


なるほど。

それはわかりやすいですね。

わたし達で倒せる討伐依頼か、なにか王都内でやれる依頼とかあるといいのですが……


ギルドへ入ると、プレイヤーで溢れていました。


「うわ……」

「うわ……」


リーフくんと一緒に顔を顰めました。

受付カウンターも長蛇の列です。


「……とりあえず、依頼だけ見てみる?」

「そっすね……ミツキさん流されるとアレなんで腕とか掴んでおいてください」

「わかった」


確かにこの人の数だと、小さいわたしはリーフくんから逸れる自信があります。

リーフくんの片腕をしっかりと両手で掴みました。

………もふもふ!!!


リーフくんは狼の獣人なので、上半身は鎧のようなものを纏ってます。斧を振るうからか、肩周りは何もないですが……


す、すごいもふもふです……獣人ってもふもふなんですね……


「……」

「ハッごめんリーフくん変態みたいな目付きでもふもふ見ちゃった」

「いや、姉貴にも、ソラさんとかにも撫でられたんでいいっす……」

「うちの母がごめんねええ」


リーフくんに連れられてどうにか依頼ボードの前に辿り着きました。

うーん、めぼしいものは無さそうですね。

恐らくプレイヤーが持って行ってるのでしょう。


「一定時間経ったら別の依頼が貼り出されると思うっす」

「そういう仕組みなんだね…」

「結構依頼はリアルタイムで更新されるっす。夜しか出ないモンスター狩る依頼、逆に朝の一定時間にしか出ない依頼とかあるらしいっすよ」

「リーフくん物知りだね…」

「攻略情報っす」


全然気付きませんでした……

とりあえず貼られてる依頼をやる、しか考えてませんでしたからね。


……今は夜ですし、そのような夜限定の依頼をやってみてもいいですね。


「……ミツキさん、気になる依頼見つけたっす」

「なになに?」

「この、王都外れの墓場の異変を調べるって依頼っす。一応討伐依頼扱いですね。説明の所に建国祭の喧騒で〜って書いてあるんで、イベント関連の依頼かもです」


リーフくんの目がキラキラしてます。

……夜に、墓場の異変……??討伐依頼扱い……?

それゴーストバスターってことです??イベント関連なんですね??


「……あ、ミツキさんホラー苦手でした?」

「いや、まあ多分大丈夫だとは思う……虫のが苦手だから」

「王都内だから戦闘があるかはわからないっすけど、ゴーストだったら気になるっす!」

「……リーフくん、ホラー好き?」

「好きっす!」


……リーフくんの尻尾がブンブン動いてます。

まあ異変を調べるくらいなら、わたし達で出来ますかね。


「うん、その依頼受けてみようか」

「っす!受けてくるんで何処かで待ってて下さい」

「……んー、じゃあ外で待ってるね」

「了解っす」


リーフくんはそう言って受付カウンターの列に並びに行きました。

いい子だ……今回はリーフくんにまかせましょう。

人が多くて人酔いしそうなので、外で待ってましょう。







「ミツキさん、お待たせしたっす」

「いや、大丈夫だよ」


10分くらいギルドの外で待っていると、リーフくんが出て来ました。

この時期の王都のギルドは大変ですね。


「その墓場の場所は?」

「王都東の外れっす。マップにアイコン出てるんで、そこに向かおうと思います」

「わかった。案内よろしくね?」

「っす」


「………リーフ?」


そう言って歩き始めた所、後ろから声がかかりました。

リーフくんは後ろを振り向くと、その人物の姿を見て目を細めました。


「…何だお前か。何の用だ」

「見かけたから声を掛けただけだよ。……その人は?」

「…別に関係ないだろ。俺は依頼があるから行くから」

「…あ、うん。またな」


ヒューマンで、身軽な格好をした少年がリーフくんに話しかけます。

リーフくんはそれに淡々と答えて、わたしを誘導しながら道を歩き始めました。


ある程度歩くと、リーフくんが口を開きました。


「……前に姉貴から聞いたことあるかもしれませんが、勧誘してくる、ノルマのあるクランがあって」

「…ジアちゃんから聞いたことあるね」

「あいつはそのクランに入ってるんですけど、……バスケ部の、仲間だったんすよ。でも、あいつはクランのノルマのために、バスケ部辞めたんすよ」

「えっ」

「それ以来あんま話してなくて。何となく気まずいんすよね…」


そ、れは……なんというか……

中々反応しづらい話ですね……


「…まああいつ、流されやすい所もあるんで。でも俺はバスケ好きっす。でもこのゲームも楽しくて好きっす。だからどうにか両立させようと思ってるんです」

「…そうだね。難しい事もあると思うけど、好きなものには嘘吐けないし、やれるだけやってみて良いと思うよ」

「あざっす」

「…具体的なアドバイスは出来ないけど、ちょっと時間を空けてもいいんじゃないかな。今はお互い気まずいと思うから」

「……そ、すね。そうします」


人間関係の悩みはいつでもありますからね。

相談受ける側?としてはほんの少しだけ年上なだけですが、少しはリーフくんの為になりましたかね。


「……聞いてくれてありがとうございます。もうすぐ墓地っす」

「よし、とりあえず調査頑張ろうね」


こくりと頷いたリーフくんと共に、ほんのり暗い王都の中を二人で進みました。



イベントはミツキ単独でもやりつつクランメンバーとも絡ませたいなぁと思っております( ˘ω˘)


これこらもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 まぁミツキよアレだ、ハイ○西川の台詞を借りるなら「割りきれよ…。対人とはいえゲームで、今はお互い恨みっこなしのプレイヤーなんだからな。でないと…コイン貰えないぞ」って…
[気になる点] 世界樹さんに嫌いな物はあるのですか?食べられないものでですけど。(塩の塊でもレポートしてくれそうですけどね♪) [一言] 吸血鬼の格闘家…有名なのだと男性でいますよね。闇の祝福をうける…
[一言] 更新有り難う御座います。 質の悪そうな所やな……。
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