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建国祭 1日目 ②

ご覧いただきありがとうございます!

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「討伐依頼とか、住民依頼で入手出来るんですよね」

「レン氏は討伐依頼よろしくですわ」

「ああ」

「ソラ氏とサクヤ氏も討伐依頼します?」

「そうしようかしら」

「レベル上げつつコインを集めたいね」

「……俺も、レンさんについて行っていいですか」

「構わねェよ」


では、わたしとミカゲさんとジアちゃんはどんな住民依頼があるか、困っている人がいたら積極的に話しかけましょうかね?


「ミツキ氏とハイドレンジア氏とボクで王都の散策しつつ依頼探しましょ」

「ええ」

「はい!」

「住民依頼もどんな感じなのかわかりませんので、探り探り行きましょうか」

「……後で情報交換のために、一度プレアデスに集合しましょうか」


わたしがそう言うと、皆頷きました。

人垣に背を向けて、わたし達は街の中へと進み始めました。



と、言っても今はパレード中ですし、住民はほぼそちらですね。

街の様子で変わったところが無いか、目を光らせながら歩きます。


……飾り付けられている事以外、あまり変わった様子は無さそうですが。

あまりじっくりと王都を見回ったことないかもです。


おや、猫です。

かわいい白猫ですね。


「……君は何か困ってることあるのかな?」

「……なぁ」


ちょっとしたジョークでもありました。

白猫は小さく鳴いて少し歩くと、こちらを振り向きます。


ま、まさか……



-イベント住民依頼 《猫の困り事》が発生しました-



「こ、困ってる!?」

「なんだってー!?」

「猫構うのに言ったんじゃ!?」

「そうですが!?」


アナウンスに驚きました!

と、とりあえずついて行きましょうか!

わたし達がついて来るのを確認すると、白猫はまた進み始めます。


「……白猫もまあ、クリスティアの住民、かな?」

「大まかに見れば……?」

「ミツキの視点と考え方は面白いわね」

「これは本当に偶然だからね……」


白猫の後を追って路地を進むと、路地に植えられた木の上で、似た白猫が蹲ってました。


「んなぁ」

「降りられなくなったんだねぇ……わたしが飛びますよ」

「?飛ぶ?」


ジアちゃんとミカゲさんが首を傾げました。

あ、詳しく説明した事なかったかもですね。


(【重力操作】)


重力操作でふわりと自分を浮かせます。

そしてある程度の高さまで上がって、猫に向かって手を伸ばします。


「大丈夫、大丈夫だからね。お迎えが来てるから、降りよう」

「…みゃあ」


恐る恐るこちらに飛び乗った白猫を抱えて、ゆっくりと地面へと戻りました。

そして地面へと降ろします。


少しだけ身体の大きい、案内していた白猫は小さな白猫に擦り寄ります。

そしてわたしを見上げて小さく鳴くと、木の根本の草むらを掻き分けて何かを咥えて戻ってきました。


「あ、ありがとう」

「なぁん!」


そして路地を2匹仲良く駆けていきました。

手元に残ったのは、1枚の銅コインでした。


「………これがコインですね」

「本当に依頼に近いものだったみたいですね」

「些細な人助けからきちんとした依頼までありそうね」

「2週間も開催されますし、これはやる事たくさんありますわ!」

「ええ、そうね。……それで、ミツキ、そのアーツ?について聞いてもいいのかしら?」

「あ、うん。これ【重力操作】だよ。浮かせるのも押さえつけるのもできるよ」

「高い所登りたいときに便利ね……」

「プレイヤーにも使えます?」

「レンさんを押さえつける事に成功しました!」

「ひえ、ミツキ氏恐ろしい子……!」


あの時はレンさんが指導してくださいましたので!

レンさんのおかげでコツも掴めました。


「……レン氏を押さえつけられれば恐らくほとんどのプレイヤーも押さえつけられそうですわ。武闘祭で使えます?」

「【星魔法】と【神秘(アルカナ)】は使えませんが、それ以外は使えるので使えると思います」

「戦闘の様子とか後で見れないかしら……みたいわ」

「ありそうですよな!」


なんて話をしながら路地を歩きます。

闇雲に歩いても何もわからないですね……


お師匠様かリゼットさんの所へ行って、建国祭について聞いてみましょうかね?

住人ならではの視点があるかもしれませんし。


「少しリゼットさんの所へ行って建国祭について聞こうと思うのです」

「リゼットさん?」

「薬師の師匠ですね。ルクレシアにお店を構えてます」

「なるほど、それもありですなー」

「リゼットさんの紹介もしたいですし!」

「……そうね、ミツキの師匠さん気になるわ」


という事で建国祭についてリゼットさんに聞こうと思います!

わたし達はルクレシアへと飛びました。


リゼットさんのお店に到着です。

お師匠様が晩餐会に呼ばれているので、もしかしたらリゼットさんも呼ばれているかもしれませんね。


扉にはOPENがかかってるので、お店はやってるみたいですね。


「……ここにもお店が?」

「あります」

「なるほど……」


扉に手を掛けて開けると、チリンとベルが鳴りました。


「……あら、いらっしゃい。ミツキさん」

「リゼットさん!」

「あら、お友達ね?」


カウンターで箱に何か詰めているリゼットさんがいました。


「パレードはちゃんと見ました!」

「そう。張り切っていたでしょう?」

「キラキラしてました……」

「ふふ、そうよね。さ、紹介して頂戴」

「はい。わたしの仲間です」

「ミカゲと申しますー!」

「ハイドレンジアです」

「リゼットよ」


ふわりと微笑むリゼットさん。

手元の箱は割と大きめですね。


「少しだけ、建国祭について聞いてもいいですか?」

「建国祭は、クリスティア王国が建国された時から続く伝統的なお祭りよ。この期間だけ王都を飾って、皆華やかに、活気的になるわね」

「お花綺麗でした」

「そうでしょう。……だから色々手が回らない事があるの。その時は遠慮なく住民に声を掛けてほしいわ」


なるほど、声を掛けて良いのですね!

ならば……


「リゼットさん、何かお手伝い出来る事はありますか?」

「ボクら、手助け出来る事を探してまして」

「この期間中、きっと皆さんやる事がたくさんあると思って」

「あらあら……じゃあ、一つ頼まれてくれるかしら?」

「一つと言わず二つでも三つでも!」


わたしの言葉にリゼットさんはくすりと笑いました。

ちょっと勢いが良すぎましたかね……


「前にミツキさんには、息子がいるって伝えたわね」

「はい。マルムのシャルトルーズさんと、マーレとミゼリアにもいらっしゃるとか」

「ミゼリアの《緑の箱庭》のビリジアンへ、これを運んでくれるかしら?建国祭の時期は、魔物の動きも活発になって討伐依頼も増えるのよ」

「《緑の箱庭》のビリジアンさんですね」

「ええ。お願いしてもいいかしら?」

「お任せ下さい!」


リゼットさんはわたし達3人を順番に見つめます。

わたし達は、同じタイミングで頷きました。


リゼットさんはカウンターに箱を3つ乗せて、色々詰め込みました。


「お礼はビリジアンから貰うように手紙をつけておくわね」

「はい!」

「じゃあ、よろしくお願いするわね」



-イベント住民依頼 《配達依頼》を開始します-



お、アナウンスが響きました。

ジアちゃんとミカゲさんが頷きます。


それぞれ箱を受け取って、アイテムボックスにしまいました。


「では、良い祝日を」


リゼットさんはそう言って手を振りました。

わたし達は頭を下げて、店を出ました。


そして王都へと飛びました。

ルクレシアでも、王都関連のものであればイベント扱いになるのでしょうか?


「住民に話し掛けて、手伝いを申し出るのもありっぽいですな」

「怪しくならない範囲で声掛けましょう」

「はい。そうしましょうか」


わたしは王都の《緑の箱庭》に行ったことが無かったので、ミカゲさんに案内してもらってます。


噴水広場を突っ切った方が早いとのことで、噴水広場に辿り着きましたが、人で溢れています。


「んんん人多いですな!」

「丁度パレード中なのもあるわね」

「逸れないようにお互いどこか握りしめましょ……」


ミカゲさんが眉間に皺を寄せながら人混みを睨みつけます。

イベントですしね……人の多さはしょうがないです。


どうにか人混みを通り抜けて、噴水広場の反対側に出られました。

ふう!身体を色んな人にぶつけてしまいました。


「リアルでもこんな人混みはねえですぜ……」

「クソね……」


二人からズモモモモ……と黒いオーラが出てます。

まあわたしも人混みは苦手ですね……


それでも歩みを止めないので、お店らしき建物に辿り着きました。


店内を覗くと、さすがに人は少ないですね。

皆パレードを見てるのでしょう。


さて、ビリジアンさんは……


「あの、リゼットさんからビリジアンさんへお届け物があるのですが」


とりあえずリゼットさんに似た雰囲気を持つ方は見当たらないので、店員に声を掛けます。

マルムでも店員さんから声掛けましたからね……


「…お、リゼットさんのお弟子さんか。じゃあ本物だな」

「ほ、本物です」

「最近なんかビリジアンさんに寄ってくる渡り人が多くてなぁ……ビリジアンさーんお客さんだぜー」


寄ってくる……?

わたしは二人と顔を見合わせます。


「………俺に、客?」

「リゼットさんのお弟子さんだって!」

「…もしや母さんの言ってた渡り人か」


カウンター裏の小部屋から一人の男性が出て来ました。

……なるほど、渡り人が寄ってくる理由がわかりました。

シャルトルーズさんと似たような緑色の髪、柔らかな目元、歳を重ねた男性の格好良さを兼ね備えています。


男性はわたしの首元のブローチをみて、表情を緩めました。


「ミツキと申します。二人はわたしの仲間で、リゼットさんから同じようにお届け物を預かっています」

「ミカゲと申しますわ」

「ハイドレンジアといいます」

「ここの店長で長男のビリジアンだ」


リゼットさんから預かった箱をカウンターへと置かせてもらいます。

ミカゲさんとジアちゃんも箱を置きました。


「ありがとう。確かに預かった」

「よろしくお願いします」

「これが礼だ。…母さん共々よろしくな」

「はい!」


銅コインをそれぞれ1枚ずつ貰って、ビリジアンさんに挨拶して、緑の箱庭を出ました。


これでわたしは銅コインが2枚になりましたね。

ミカゲさんとジアちゃん合わせて4枚です。


武闘祭への参加に銅コインが10枚必要ですし、銅コインはあと6枚集めないとです。


「銅コインは武闘祭に参加するのに10枚必要ですもんね」

「レン氏が集めそうですな」

「確かにレンさんなら、参加費自分で稼ぐわよね」


レンさんなら……稼ぎますね。

今頃怒涛の勢いでモンスター倒してるかもしれません。


わたし達も、街中を探索しましょう!








-その頃のレン達-



「置いてかれンなよリーフ」

「…俺も狼としてスピードとパワー伸ばしてるんで、追い抜くかもっすよ」

「……ハハッ面白ェ」


レンの隣をすり抜け、強く地面を踏み抜いて高く跳び上がったリーフは、両手で握りしめた斧を勢い良くモンスター毎地面へと叩きつけた。


「いいパワーだね」

「っす。ありがとうございます」

「切磋琢磨ね」


片手を日傘で塞がれながらも、モンスターをサクヤの方へ蹴り飛ばすソラと、そのモンスターを無駄の無い動きで切り刻むサクヤ。


レンはリーフの様子を見つつ、近寄るモンスターを片っ端から殴打し蹴り飛ばした。



平日はイベントあまり出来ないので……やれる内に詰め込むのです( ˘ω˘)


設定混ざって何故か王都にリゼットの店が!

存在しない記憶……強引ですが直しました……!




ご感想頂いて思いましたがご都合主義にかまけてご都合良すぎるのもあんまり面白くないですね……

また最初から少しずつ改稿しております。

最初の頃はかなり書き方が迷走してていま読むとウボァー!って思いますが、描写増やしたり削ったりしてどうにか形にしようと思います。大まかなストーリーは変わらないです!


皆様がこれからもミツキの物語を読みたいと思って貰えるように、作者邁進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!


更新のペースは変わりませんので、どうぞこれからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] まさか冗談で猫に困ってる?と聞いて本当に困ってたとは誰にも予想出来ないよね……………(これ主人公以外だとよっぽど猫好きしか受けれないのでは?)
[一言] 一応提案してみます。 『小さな冒険』…街中で出会った子供を連れて街中を巡り歩き最後に墓地に連れて帰る、生前楽しみにしていた思いを成就させる。 『ピエロの本当に困った事』…大事な道具を忘れて困…
[一言] 猫ちゃんもたしかに住人……!夫婦なのか兄妹なのか……仲良さそうでほっこりですが 動物好きな人とかじゃないと話しかけないでしょうから助けられて良かったですね! 戦闘組も楽しそうです!コインすご…
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