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イベント作戦会議と試し撃ち

ご覧いただきありがとうございます!



「なんて出会いもあってね」

「あの時は驚いたわね。あ、このドレスがそうよ」


母は立ち上がってくるりと回りました。

確かに美しいですが……!


「ちなみに後であの辺りに近付いた時、別のプレイヤー達が付近を散策していたけど、教会をスルーしていたからね。恐らくヴァンパイアと他種族の夫婦でないとフィールドに踏み込めないみたいだよ」

「それは今の所両親しか知らないな……」

「……親が親なら子もこうなる訳か」

「レンさん??」


レンさんが頭を抱えて小さく呟きました。

聞こえてますよ??


「とんでもない話だったわね……」

「ヴァンパイアの女王とかいるんすね」

「ええ。そういう意味ではリーフくん、それにジアちゃん」

「?なんですか?」

「うっす」

「恐らくこのようなイベントは種族毎にあるわ。リーフくんなら獣人の国……レダン帝国で起こるかもしれない。ジアちゃんならエルフの集まる何かがあれば、そこでかしら」

「なるほど……」

「一理ありますな……」


なるほど、種族に関係あるイベントですか……

それは中々興味深いです。


「その剣を手にしたからなのか、見習い剣士のレベルがMAXになったら新しいルートが出現してね。それが守護剣士というジョブさ」

「響き的には、防御が伸びそうだね」

「防御と魔防に補正がつくよ。庇う系やカウンター系のアーツが多いかもしれないね」

「なるほど……前にサクヤ氏がタンクも出来るって言ってたのはそのジョブが理由なんですな」

「その通りだよ」

「見た目が剣士なのに防御職とか、戦略の幅が広がりますな!」

「勿論攻撃も任せてほしいな」


剣士で防御職は初めて見ると騙されそうですね……わたしは騙されますね!


中々オールマイティな闘い方しますね、父。

普段おっとりとしてるので、あまり想像できないんですよね。

母もですが。


現実で戦う姿は見ませんからね!


「まあ実際問題、武闘祭には出るとして、メンバーどうします?」


ミカゲさんの言葉に、みんな考え込みます。

ちょっとイベントバナーでも見てみますかね。


えっと、建国祭で行われる武闘祭について……



--武闘祭について--

武闘祭は、各グループ毎にバトルロワイヤルを行います。

各グループ毎にバトルを行い、勝ち残ったプレイヤー/パーティーは武闘祭予選への参加権を手に入れる事が出来ます。


以降トーナメント方式にてバトルを行ないます。

優勝者には豪華賞品がございますので、奮ってご参加下さい!


バトルロワイヤルは建国祭7日目に行い、8日目に決勝戦を予定しております。

それまで皆様ある程度のイベントコインをご準備下さい。

参加に銅コイン10枚必要となります。





「……7日目ってことは土曜日でしょうか。日曜日から建国祭が始まりますし」

「2日間で終わらせるのね……」

「運営的にはそこまで参加するプレイヤーが多くないって思っているのかもしれないわね」

「アクティブなプレイヤーは少なくないとは思うんですけどなー」

「武闘祭までに銅コインを10枚集めないと駄目みたいですね」

「……待って、土日って言ったわね」

「…あれ、姉ちゃんもしかして」

「…リーフも私も練習試合入ってるわ」

「なん、だと……」


ジアちゃんとリーフくんが項垂れました。

土日は練習試合入りやすいですもんね……わたしは部活に入ってないのですが……


「……弓道は人生だけど、こればかりは憎らしく思うわ…」

「俺もバスケ好きだけど……参加したかった……」

「…ジアちゃん、リーフくん、がんばれ……!」

「頑張るわ…」

「この怒りをぶつければ…」

「…じゃあ二人の代わりに私とサクヤが参加するわね」

「居ないよりは居た方が戦術の幅が広がると思うんだ」

「他の曜日の建国祭は意地でも参加するわ」

「俺も夜参加するっす」

「試合が終わったら真っ直ぐ家に帰るわ!」

「せめて応援するっす!」

「明日一緒に集めようね、コイン」

「ええ」


部活もゲームも頑張る二人は偉いと思います。

二人の分も武闘祭は頑張ります!


「武闘祭参加メンバーはレン氏、ミツキ氏、ソラ氏、サクヤ氏、ボクですな」

「個々に戦うにしても、恐らくその方がバランス良いと思います」

「そうね…サクヤ、貴方は状況に応じてミツキの護衛も頼めるかしら。ウィザードは狙われるのでしょう?」

「…敵に居れば魔法の多彩さは邪魔だと思います」

「任せて。ミツキへの攻撃は僕に寄せるよ」

「レン氏はまあ特攻、ソラ氏は遊撃、ボクは気配消しつつ遊撃と撹乱ですかねぇ……相手がエクリクシみたいなガチ勢だと本気で戦わないとレベル差で押されそうですが」

「バルムンクが出るか出ないか、それ次第か」


……プレイヤーについてはわたしはあまり知りません。

SNSで情報収集しておくべきですかね……


掲示板とか、そういう情報集めるのに良いかもです。


「……まあその辺りは様子見しましょう」

「僕とソラはこの後レベル上げしてくるよ。少しでも上げておけば耐久力も上がるからね」

「ええ、夜なら都合がいいわ」

「い、いってらっしゃい」


いい笑顔を浮かべて両親は瞬きの間に消えました。

なんかすっごいレベル上げそうです。


その内追い付かれそうな気がします。

…わたしも一回魔法の試し撃ちしたいですね。


「後はイベントが始まってみないとわかりませんなー」

「明日のお昼からですもんね」

「メンテも長いですし……」

「でも王様達のパレード楽しみです」

「……パレード、っすか?」


リーフくんが首を傾げながらこちらを見つめます。

あ、そうかパレードの事は知りませんでしたか。

わたしもリゼットさんから聞きましたからね。


「建国祭の始まりで、王都ミゼリアでパレードがあるんだって」

「……そこで例の王様とやらを拝めるわけね」

「顔は見ておきたいっすね」

「ログインしたら王都へ向かうわ」

「一緒に行く?」

「……コイン集めするんだものね。待ち合わせしましょう」

「ひとまず皆で集まっておいたほうがよさそうですな!」

「両親には後で言っておきます。…レンさん、頑張りましょうね!」

「…おう」


ツェアシュテーレンの花の事も気になりますが、イベントですし!目一杯楽しみたいですね!


「よし、ではわたしも魔法の試し撃ちしてきます」

「ボクもレベル上げしてきますわ」

「リーフ、私達もレベル上げ行くわよ」

「レン氏は?」

「適当に倒してくる」

「じゃあ明日はホームに集合でお願いします!」

「了解!」


そう約束して、皆と別れました。

ユニオンもパーティーも解除されましたね。


さて……夜の砂漠、行っちゃいましょう!







ココレ村に飛んできました!

ふおお、夜の砂漠は気温が下がって少しひんやりしてます。

さむ!という程ではないので問題ないですね。

ポンチョのおかげです。


空を見上げると、とても綺麗に、鮮明に星が瞬いていました。

ココレ村の灯りがあっても、とても鮮明に見えます。


すっっごいです!

スクショスクショです。


人工的な灯りが無くなるまで、離れましょう。

そして魔法の試し撃ちをするのです。



「〈おおいぬ座(シリウス)〉」


シリウスにお供を頼みます。

あと、ラクリマも。


『…まタ、レベル上げ?』

「うん。魔法の試し撃ちがしたくてね」

(新しい魔法を教わったのか)

「そう!MPも回復してるから、ちょっと試してみようと思って。お供お願いね」

(おう)


あ、それに称号の確認してないです!

色々あって吹っ飛びましたね……


マレ様の祝福と天空竜の祝福を確認しましょう。

シリウスに警戒を頼んで、ステータスを開きます。




海の祝福

海神マレによる祝福

海の上を歩く事ができ(継続時間:30分)、【水泳】【遠泳】【水中呼吸】に補正がかかる



天空竜の祝福

天空竜による祝福

与える空中・落下攻撃ダメージが1.5倍になり、受ける空中・落下攻撃のダメージを軽減する






な、なな、なん!?

海の上を歩く事ができ!?


天空竜の祝福もすごい限局的ですが有用ですね!?


「祝福ってすごいや……」

(加護程じゃねえけど、役立つよな)

「加護?」

(祝福よりもデカい恩恵が得られるぜ)

「それは貰うの怖いね……」


祝福より上の加護は、今の所は貰える予定は無いです!

無い、はずです!


さて、試し撃ちです!

移動しましょう!





夜の砂漠を進みます。

本当に星が鮮明に見えて美しいです。


『綺麗だネ』

「ラクリマの瞳と同じようだね」

『ラクリマの瞳、あんナ感ジ?』

「うん」


ラクリマは腕の中で、その瞳を瞬かせます。

吸い込まれそうな銀河の瞳です。

さすが宇宙蝶……


(お、奴さんがこっち来たぜ)

「わかった」


わたしの反応を見てラクリマがふわりと浮きました。

さて、どんなモンスターか……





レッドハイエナ Lv.53

アクティブ

【威嚇】【炎魔法】【統率】

【風魔法】【爪撃】【悪食】





……ハイエナの群れですね。6体はいます。

耳の辺りと口元から炎が漏れてます。

そこがレッドたる所以でしょうか。


まあレベル上げに良さそうです。

お師匠様から教わった【天体魔法】を使います。



(【ブースト】【ハイブースト】)

「ガァッ!」

(【真空空間(ヴォート)】!)


唸り声とともに吐き出された炎は、わたしの目の前2m程で消えました。

案外、範囲が広いですね!


MPは徐々に、ゆっくりですが減ってます。

まあこれくらいなら、回復しながら使えそうですね。


シリウスがこちらへ向けてレッドハイエナを追い込みます。

追い込まれたレッドハイエナはわたしに向かって飛び掛ろうと地面を駆けますが、ある距離から急減速しました。


まあわかりやすい!

左右から飛び掛ってきたレッドハイエナも空中で静止する勢いで減速しました。


(【流星雨(レイン)】!)


っ!MP減らないです!


(【流星雨(レイン)】!)


2度目の願いは、MPが減った事を確認しました。2割くらいですね!

そして次の瞬間、わたしの周りに星の雨が降り注ぎました。


「ギャンッ!?」

「ガッ!?」

(うおあぶねっ)


このゲーム同士討ちは無いはずですが!

シリウスは器用に星の雨の間をすり抜けます。


『わ、すごイ』

「お師匠様に貰ったリングのおかげでMP消費半減してるからMP管理がしやすいな。ラクリマにも何かアクセサリーをお願いしようね」

『!うン!あリがト!』


ラクリマ女の子ですし、おしゃれしましょ!

流星雨が収まると、ハイエナ達は死屍累々で砂漠に倒れていました。


わぁ……威力高いですね……

じゃあ、とりあえずもう一個の魔法を……

死屍累々のレッドハイエナ達から距離を取ります。


(【彗星(コメット)】)


空から落ちてきた青白い光の塊は、レッドハイエナに衝突し砂漠を凍らせました。


ひんやりと冷気が伝わってきます。

使用MPは3割です。中々多めですが、納得の威力です。

なんせ半径5mくらい凍ってます。


「わぁ……」

(さむ)

『ひんやリ!』




-レッドハイエナを倒しました-

種族レベルが上がりました。

任意の場所へステータスを割り振って下さい。

SPを2獲得しました。

メインジョブレベルが上がりました。

契約召喚:ラクリマのレベルが1上がりました。




……レベル上げに良いですね!

さっとステータスを操作します。





ミツキ Lv.55

ヒューマン

メインジョブ:アストラルハイウィザード Lv.26/サブ:薬師 Lv.12


ステータス

攻撃 56

防御 84 +1 (+55)

魔攻 166 +2 (+40)

魔防 81 (+55)

敏捷 52 +1 (+15)

幸運 77 +1



よし、これで良いでしょう。

順当に行けば、あと4レベルでジョブが進化できるはずです。



「シリウス、ラクリマ、着いてきてくれてありがとうね」

『見ルのも、勉強なル!』

(俺は番犬としても優秀だからな)

「頼りになりすぎる……今日は色々あったから、もう休もうかな」


わたしはラクリマを肩に乗せて、シリウスに触れながら懐中時計を操作しました。






目を開けると、お師匠様の家の前です。

ラクリマをクリスタルに戻して、シリウスを還します。


いや、今日は世界樹からイル・マーレ神殿、マレ様からの祝福、パワーレベリング、お師匠様からのプレゼント、天空竜へのおもてなし………


があったんですよ!濃い!

ゆっくり休みましょう……


明日は建国祭が始まりますし!

パレード楽しみです。


「お師匠様、戻りました」

「おかえり。魔法は使ったかい」

「レッドハイエナ達を死屍累々にしました」

「その調子で使い慣れるように」

「はい!」

「明日は建国祭だ。ゆっくり休んで向かうといい」

「はい!おやすみなさい」



お師匠様に挨拶して部屋に入ります。

そしてベッドに横になり、ログアウトしました。




「あ、お父さん、お母さん」

「あら、満月」

「今日はもう終わりかい?」


ベランダに出て空を見上げようとしたら、隣の部屋のベランダで両親が空を見上げてました。


「明日は建国祭のパレードがお昼にあって、皆一緒に行こうと思うんだけどお父さんとお母さんはどうする?」

「あら、なら一緒に行くわ」

「早めのお昼して、朝のうちに掃除とか終わらせようか」

「うん!」


勢い良く頷いて空を見上げます。

こちらの世界は夏の星座のままです。


……まだ半分くらい喚び出してない星座がいます。

全員、喚び出したい所ですが水の生き物関連の星座達を陸で喚びだすのは少し抵抗あるんですよね。


やはりエリダヌス座でしょうか……


「満月、身体を冷やさない内に入るのよ」

「はーい」

「おやすみ、満月」


そんな事を考えていたら、両親は部屋に戻りました。

わたしも朝のうちに自分の部屋の掃除とか終わらせます。


今日は休みましょうか。


おやすみなさい。


ハイドレンジアとリーフの見せ場はちゃんとあるんだ……!弓使いと斧使いじゃないとやれない奴が……!


あと太陽嵐はソロだとリスク高いので今度使いますね( ˘ω˘)


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新有り難う御座います。 リーフは木~を切る~♪(予想)
[良い点] ミツキ……色んな方が見守ってるからね、そのうち加護は貰えると思うよ…… [気になる点] 1回目の流星雨が発動しなかったのは無詠唱の失敗ですか?
[良い点] 更新お疲れ様です。 天空竜の加護、魔法職やテイマー職には結構大きいですね。重力系の魔法とか、テイムモンスターに空中からポイっさせるだけでダメアップですし。 後は···格ゲーキャラみたくイ…
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