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装備とグレードアップ

ご評価、ブクマ登録ありがとうございます!



「お疲れ様ですわ」

「はい、ミカゲさんもお疲れ様です」

「順調にレベル上がったみたいですな」

「それは良かったです」


ジアちゃんとリーフくん、途中から母たちの様子はみてませんでしたが、父も母も健在です。良かったです。


「ジアちゃん、リーフくんお疲れ様」

「ミツキもお疲れ様。レベルが42になったわ」

「俺は45になったっす」

「わ、レベル上がったね」


確か30前半のレベルだったはずです。

すごい上がりましたね!


「皆、お疲れ様」

「お疲れ様〜」

「ソラさん、サクヤさんもお疲れ様っす」

「お疲れ様。レベルは?」

「私は40ね」

「僕は43になったよ」

「やはり強い人に引っ張ってもらうと効率が良いわねぇ」


わ、皆レベル40越えたみたいですね!

これならすぐにわたしは追いつかれてしまいそうですね。


兄には後で頑張って貰うとしましょう。

レンさんと話すサジタリウスさん、サジタリウスさんの背に乗るラクリマの元へ歩いていると、何か鳥が飛んできました。


手を出すと、その手に留まります。

すると手紙になりました。


「わ」


恐る恐る開くと、そこには文字が浮かんでいました。





渡したい物があるから仲間をつれて来な

時間は問わないよ


エトワール





とシンプルに書かれていました。

これはお師匠様からの手紙……!


皆に声をかけようと振り向いた所、レンさんとミカゲさんの元へ赤い鳥が現れました。

同じように手紙になり、レンさんとミカゲさんはそれに目を通します。

わたしはレンさん達に近寄ります。


「おや、装備が出来たみたいですな。レン氏も?」

「あぁ」

「ミツキ氏は?」

「わたしはお師匠様から皆を連れて来るようにと」

「……ボクらもです?」


ミカゲさんは目を瞬かせました。

両親とジアちゃん、リーフくんはお師匠様にまだ会ってないかもです。


紹介するにはいいタイミングですね。

時間は問わないとのことなので、先にブティックに向かって装備を受け取るのも良いです。

スカーレットさん達の紹介もありますし!

サジタリウスさんとラクリマは還しました。…今度お礼しないとです。


「先にブティックに向かいましょうか」

「…いいのか」

「時間は問わないと書いてありますので、ブティック寄ってからでも大丈夫だと思いました。それに皆にもブティックは紹介したいですね」

「わかった」


両親とジアちゃんとリーフくんに向き合います。


「これからわたしのこの装備を仕立ててくれたブティックに向かうんだけど、皆来れる?」

「行けるわ」

「うっす」

「ええ、是非」

「僕も行きたいな」

「決まりですな!ボクらは行ったことあるんで、それぞれ連れて行きましょうか。ハイドレンジア氏、これ掴んでくださいな」


ミカゲさんが近くにいたジアちゃんに白衣の裾をつかませます。

リーフくんはレンさんが連れて行ってくれるみたいなので、両親にポンチョを掴んでもらいます。


そして懐中時計を取り出して、ブティックを選択しました。









地面を踏みしめる感覚で目を開けると、ブティックの近くに到着しました。

皆揃ってますね。


さ、レンさんとミカゲさんの新しい装備がどうなったのか、楽しみです!


扉を開けて中へ入ると、スカーレットさんとクレハさんは対応中でした。

洋服をみて待ちましょう。


「あ、お母さんこれ似合いそう」

「あら素敵なワンピース……ソプラヴェステも良いけど、私はエンパイアドレスタイプのが好みね。動きやすいし」

「なんて??」

「ソラ氏詳しいですな??」

「友人が西洋ドレスについて調べていた時期があったのよ」


呪文にしか聞こえませんでした。

西洋ドレス……絵画で見るドレスですよね。

普段着として着てる時代があったのすごいですよね。


「しっかりした装備だから、見て回るといいよ」

「そうね……レベルも上がった所だから、少し見て回るわね」

「和装はあるのかな?」


両親はそう言いながら店内を進みます。

ジアちゃんも動きやすそうなカジュアルな上着を手に取ってます。

普通にアパレルショップですよね。


イメージしてた防具屋は、武骨なお爺さんがいる鎧とか飾られた一軒家みたいなイメージでした。


にしてもこの全ての洋服……装備をスカーレットさんとクレハさんが作られたのはすごいですね。

恐らく住民が買われるので、普段着として着られる防寒、防暑対策が取られたものが多く並んでいます。


普通に暮らすならありがたいですよね。

好きな服一年中着たいです。


値段もリーズナブルですし。

むしろわたしの装備に付与されているスキルがあまりに異様と言いますか……?


ちょっと久しぶりに鑑定しましょう。





コズミック・ローズ

スカーレット・クレハによって創られたプレイヤー専用装備。

動きやすさとプレイヤー好みに合わせて作られているため、プレイヤーの動きの邪魔になることはない。

【再生】【清潔】【全耐性(小)】【破壊不可】【物理防御(小)】【魔法防御(小)】

防御・魔防 +種族Lv



コズミック・ポンチョ

スカーレット・クレハによって創られたポンチョ。

袖口がゆったりしているため腕を振り上げても腕の邪魔をしないつくりとなっている。

【防寒】【防暑】【隠蔽】【自動回復】





……久しぶりに見ても意味わからないですね。

あの頃のわたしには過ぎた逸品かもしれませんでした。

今はこの装備に釣り合うようになっていると信じています。


「やあ皆待たせたね。来てくれてありがとう」

「さ、こっちにおいで」


いつの間にか店内にはわたし達だけになってました。

そしてスカーレットさんとクレハさんが手招きします。


「初めましての人もいるね。俺はスカーレット、このブティックの店主さ」

「私はクレハ、スカーレットの妻で店員だよ」


スカーレットさん達の言葉にジアちゃんとリーフくんが目を瞬かせました。

リーフくんが2度見します。


「!…!?」

「似合う似合わないなんて気にしなくていいだろう?着たいものを着る、それで十分さ」

「お、お似合いっす」

「ありがとう」


まあ最初は驚きますよね。

わたしも驚きました。リーフくんは反応が素直です。


「さ、奥へどうぞ。用意してあるから」


スカーレットさんが奥の部屋へ入り、クレハさんが皆を誘います。

奥の部屋に入ると、トルソーに2着の装備が飾られています。


大まかな作りは今レンさんが着てる物と似ています。

ノースリーブの黒インナーは見えにくいですが、首元に小さな黒い石が嵌め込まれています。

フード付きのタクティカルベストは少しショート丈になってますが、ポケットの数が少し減ってますね。

カーゴパンツは太腿にベルトが巻かれてます。

そこにも小さな黒い石が嵌め込まれていますね。


いや真っ黒ですね!

吸い込まれそうな黒さです!


「レン、君のは黒竜の黒鱗、黒曜石と砕いた闇冥石(あんめいせき)で作り上げたよ。闇を吸収するから暗闇でも活動しやすいし、君が今後得る力との相性もいいよ。()()に特化した性能に作り上げたからね」

「………何処まで知ってる」

「ふふ、俺は作る相手の事を考えて作るのが仕事だからね。着心地もそうだけど相手の力に合わせて作り上げるのがスカーレットの真骨頂さ」

「………感謝する」


とても綺麗に笑うスカーレットさん。

レンさんは何か考える素振りを見せましたがその装備を受け取りました。


そしてウィンドウを操作すると、瞬時に装備が変わりました。

雰囲気はほぼ変わらないですが、レンさんにしっくりきてます。


「腕周りの可動性は問題無さそうかな?」


スカーレットさんの言葉に腕を回したり上体を動かします。

脚を開いたり腿を上げたり色々確認してますね。

そして頷きました。


「…問題ない」

「それは良かった」


レンさんはウィンドウを操作しました。

恐らく代金を支払ったのでしょう。


「じゃあ次はミカゲさんだね」


クレハさんがミカゲさんを手招きします。

トルソーには、グレーのシャツに紺色のネクタイ。

ショートパンツには太めのベルトが巻かれていて、何やら色々吊り下げられそうな金具がついてますね……


黒のニーハイソックスには太腿の部分に細かな装飾がされてますね。

そして白衣は……何やら厚めですね。ポケット多めです。


「錬金術師と暗殺者って聞いていたからね。その辺りに特化するような付与をしてあるよ。ポケットも表と中に試験管サイズのポケット増やしてみたんだけどどうかな?」

「バッチリですわ!これなら戦闘中にアイテムボックス開かなくても、ある程度の爆発薬を携帯できます」

「ミカゲさんも腕周り確かめてくれるかな?」


クレハさんから装備を受け取ったミカゲさんが瞬時に着替えました。

そして腕を広げたり回したり、レンさんと同じように感覚を確かめていますね。


「……全然服が突っ張る感じとか無いですね。腕を動かしやすいです」

「それがブティック 《スカーレット》の真骨頂さ。服が動きを邪魔するなんて許せないからね」


ミカゲさんもウィンドウを操作します。

クレハさんは笑顔で頷きました。


スカーレットさんとクレハさんの技術は素晴らしいです。

そんな事を思いながら眺めていると、スカーレットさんと目が合いました。


「あ、ミツキさんも装備をちょっとグレードアップしたいんだけど」

「へ?」

「すぐ終わるから」


ちょいちょいと手招きされてスカーレットさんの元へ近寄ります。

いつぞやかも立った魔法陣の上に立たされました。


「えーっと、これとこれと……」


糸や素材を次々と魔法陣の上に乗せます。

え、見たことない素材なのですが!?


「あ、あの」

「おっと動かないでおくれ。魔法が発動している間は危ないからね」

「……これで最後だ。スカーレット、やってくれ」

「ありがとうクレハ」


スカーレットさんがクリスタルへ魔力を込めると、灰色の蜘蛛が出現しました。

ラクリマを連れてきた時に挨拶した、マナ・スパイダーですね。


「さ、フィム。織り上げようか」


スカーレットさんはその手に針を出現させました。

……30cmほどの大きさの針です。


そこにマナ・スパイダーが作り上げた糸を通します。

それをまるでリボンのように扱いながら、わたしの周りをぐるぐると回ります。


優雅に踊っているみたいです。

魔法陣は淡く光り、足元に置いてあった素材はいつの間にか消えました。


スカーレットさんは楽しそうに、微笑みながら手元を動かします。

その手は何かを取捨選択するかのように宙をなぞって指を動かします。


「《完了(フィーニス)》」


スカーレットさんがそう唱えると、光が収まりました。

表面上、特に変わった所はありませんね。


「よし、成功だ」

「ちゃんと付与できたな」

「俺だからね、当然」

「あ、ありがとうございます!お代は…」


と、唐突に行われましたがグレードアップは嬉しいです。

見たことない素材でしたし、いくらでも出しますが……!


「ああ、いらないよ」

「!?」

「というかプラムのお礼もあってね。今後メンテナンスとアップグレードは無償で行わせてもらうから、時々店に来てくれ」

「ひょえ」

「俺との約束だよ?」


にーっこりと笑われました。

……これは来なかったら追いかけて来そうな気配がします。


て、定期的にお伺いしましょう。


「さて、改めて俺はスカーレットさ。ようこそブティック 《スカーレット》へ」

「ミツキさんの大切な仲間なのだろう?ぜひ装備はここで仕立ててほしい」

「初めまして、ミツキの父のサクヤです」

「母のソラです」

「これは驚いた。ミツキさんのご両親……ミツキさんにはとてもお世話になってね」

「とても感謝しています。ぜひご両親もこちらで仕立てていただきたい」

「こちらこそミツキがお世話になっています。とても有り難い話です。ね、ソラ」

「ええ。ミツキ共々よろしくお願いしますね」


柔らかく微笑んだスカーレットさんとクレハさんの視線がジアちゃんとリーフくんに向きます。


「…私はハイドレンジアです」

「リーフです」

「よろしくね」

「気に入った服はあったかな?」


皆の会話を横目に、わたしは装備を詳しく確認します。




コズミック・ローズ ★

スカーレット・クレハによって創られたプレイヤー専用装備。

動きやすさとプレイヤー好みに合わせて作られているため、プレイヤーの動きの邪魔になることはない。

【再生】【清潔】【全耐性(中)】【破壊不可】【物理防御(中)】【魔法防御(中)】【MP消費軽減(小)】

防御・魔防 +種族Lv



コズミック・ポンチョ ★

スカーレット・クレハによって創られたポンチョ。

袖口がゆったりしているため腕を振り上げても腕の邪魔をしないつくりとなっている。

【防寒】【防暑】【隠蔽】【破壊不可】【再生】





なんか星マークがついたと共に色々増えてますね……

ポンチョの【自動回復】が消えて【破壊不可】と【再生】がくっつきました。

それに防御も(中)へと上昇してます。


アップグレード……すんごいです。




「……オーケー!装備はスカーレットとクレハが承ったよ」

「出来上がったら連絡するから、この紙に魔力を流してくれ」


装備の確認をしていたら両親とジアちゃん、リーフくんが装備の相談をし終えたみたいです。


装備は大切ですからね。

スカーレットさんの所はとっても信頼出来ます!


では、そろそろお師匠様のところへ向かいましょうか。


スカーレットさんとクレハさんに挨拶して、わたし達はブティックを出ました。




レベル上げもして、装備のグレードアップもした……準備はいいぜ……!あとは魔法だけだ……!


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 初入店のリアクションはないのか? 前回レンとミカゲめちゃくちゃ驚いたなのに… …もしかして四人は自力で入店条件クリア?
[一言] 更新有難う御座います。 ミツキmark2!
[一言] 段々と強くなっていきますね。 トップ陣もこーいうNPC達と交流すればまだ強くなれそうですけどね。
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