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報告と相談と

ご覧いただきありがとうございます!

200話です!長くお読みいただきありがとうございます!

これからもまだまだミツキの物語は続きます。

ミツキの物語はどんな風に綴られていくのか、楽しみにしていただけると嬉しいです。



食パンにレタスハムチーズを乗せて食べました!

片付けを済ませ、パパっと自分の部屋の換気と掃除もしてログインしました!


《枝》の近くでログアウトしたので、目を開けると根本に座っていました。

そして、《枝》の近くで、ミカゲさんが寝転がってました。


「ミカゲさん」

「っとミツキ氏。ログインしてきたんですな」

「はい。さっきまでここで七輪を使って蛤焼いてまして」

「世界樹の近くで焼き蛤???」


ミカゲさんが宇宙を背負いました。

す、スペースがありますので!


「まあ蛤ってことはマーレに行ってきた感じですな?」

「はい!海の幸買って来ました」

「マーレの海鮮丼、確かに美味しかったですわ…」

「ラクリマも美味しく蛤食べてました」

「………まあファンタジーですしね!」


はい!ファンタジーですので!

謎な事はファンタジーで片付けられます……


「そういえば、リル稼げました?」

「稼げましたぞー。一日1回しか潜れないのですが、倒したモンスターの数とランクで獲得出来るリルが変わるのですよ」

「そんなダンジョンがあるんですね」

「リル稼がせろー!って言われた運営がじゃあ……って出してきたのがそのダンジョンですな。最低でも100万リルは稼げるんですわ」

「わ、すごいですね」

「ボクは今回は500万リル稼げたので、ミツキ氏にひとまず100万リル渡しますわ」

「ひゃっ!?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



- プレイヤー ミカゲ より 直接取引 の申請がされました-



クランホーム増築代:100万リル



受け取りますか?

はい

いいえ




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「こんなやり取りも出来るんですね」

「まだプレイヤーへの振込機能は未実装ですからね。ささ、受け取って下され」

「わ、わかりました」

「増築代ですから!」


はいを押して受け取ります。

手持ちに100万リル増えました。


ふおお大金です。口座に入れておきたいですが、家具揃えるのに必要ですね。

死なないように気を付けましょう。

お金減りますから!


「ミツキ、ミカゲさん」

「ジアちゃん」

「さっきぶりですわ」

「ええ、ありがとうミカゲさん」


一緒に戦った事で少しだけ距離が近くなったようです。

良かったですね!


「ミカゲさん、レベル高いから俺達もレベル上がって助かったっす」

「リーフくん」

「お疲れ様っす」


ぺこりと頭を下げて声をかけてきたリーフくん。

そして《枝》を見上げます。


「……こうしてみると普通の樹なんすけどね」

「はは、そうだよね」

「すごいっす」


何も言わなければ立派な大樹です。

ちょっと瑞々しく、おおらかに育ってますけどね。


そんな事を会話していたら、両親もレンさんも近付いてきました。

ラクリマを喚び出して抱き上げます。


「よし、揃ったみたいですし!」


ミカゲさんがぐるりとわたしを振り返りました。

ちょっとびっくりしました。


「ミツキ氏の報告を聞きましょうか」


その言葉に、レンさん以外がこちらを向いて頷きました。

わたしは軽くラクリマを抱きしめて、目線を逸しました。







「「「はァ!?」」」

「まぁ」

「ミツキ、怪我はしなかったかい?」


わたしのことを純粋に心配してくれるのは父でしたね…

イル・マーレ神殿でマレ様に誘拐され、お会いしたことを伝えるとこの反応でした。


「イル・マーレ神殿はとても信仰心が強いと思います……マレ様の力があんなに身近に感じられますしね。逆にソル様の所は怪しいみたいです」

「ほあ……ステイステイ整理させて下さい」

「どうなってるのよ……」

「ミツキさんはホイホイって奴ですか??」

「そのつもりは!無いですねぇ!」

「じゃあきちんとお祀りしないといけないわね」

「そうだね、ミツキの事を気にかけて貰ってるみたいだからご挨拶しないと」

「とりあえず礼拝堂は最高級の家具で揃えます。お師匠様から家具屋の紹介状頂いてますからね」

「紹介状が必要な家具屋isヤバそう」


各々いろいろな反応をします。

この流れで《枝》の事伝えていいんですかね……?


「《枝》の事も伝えたいんですが」

「まだマレ様ショックから抜け出せないのに!?」

「…この樹の事よね?」

「うん」


先程の焼き蛤の件で《枝》と話した事をそのまま伝えます。

伝え終えると、皆口を開けてぽかんとしました。


「〜〜〜!!」

「ついにミカゲさんが言葉を発しなく……」

「ボクじゃ突っ込みきれないですわぁぁあ!」

「聖域……聖域……?」

「というか世界樹も焼き蛤を……?」

「本当にとんでもない島ですねぇ!!!」

「ここが一番安全って事でいいのかな?」

「そうみたいね」

「…はァ…」


マイペースなのは両親だけです。

阿鼻叫喚って奴ですね……


「何かあったらプレアデスへ逃げ込めば助かりそうですな……」

「それが個人の所有する島にあるって本当に有り得ないわ……」

「ミツキさん他にヤバイものお持ちじゃないっすよね…ないっすよね…!?」

「も、持ってないはず」

「…諦めろ。周りが寄ってくるタイプだろミツキは」

「本当にミツキ氏はホイホイですわーーー」


そんな寄せ付けますかね…

そのつもりは全く無かったです、本当です!


「…ふぅ…落ち着けミカゲ……」

「ミカゲさん?」

「メンタルを育てないと……ミツキ氏に着いていくには諦めも肝心ですな……」


フッと笑ってどこか遠くを見つめ始めました。

ジアちゃんもリーフくんもため息つきました。


ちょ、そろそろ泣きますよ???


『…ミツキ、眩しイから』

「えっ」

『近付キたくなルの』

「えっ」

『星の魔女ハ、星だかラ』


ラクリマが腕の中からわたしを見上げてそう言います。

それは比喩的な……?それともその言葉通りで……?


「…本当に飽きねえ奴」

「褒めてるんですよね??」

「おう」

「ボクらはミツキ氏に振り回される運命って事ですな納得」

「ミツキ、そう言う所あるわね」

「姉ちゃんが言うなら違いないっすね」

「あらあらミツキが星っていいわね」

「嬉しいね」


ミカゲさんは親指を立てて頷きました。

何か納得されたようです。


「…情報の整理は後でやります。レン氏の相談とは?」


ミカゲさんの言葉に皆の視線がレンさんへ向きます。

レンさんは考えるように目線を逸らして、瞬いてわたし達へ視線を戻しました。


「レベルが59になると、メインジョブのレベルが最大になる。特殊な進化先があって、特別なアイテムが必要だ」

「ほうほう」

「そのアイテムを手に入れるには霊峰に入る必要がある。ただそれは王族やら貴族やらの承認が必要で、今度のイベントで開催される武闘祭で優勝すれば、王族に報酬を強請るチャンスがある。…それが欲しい」


レンさんはそこまで言い切って、とても言いにくそうに視線をずらしました。


「…力を、貸してほしい」


皆虚をつかれたように目を丸くして、次の瞬間にはニヤリとした表情を浮かべました。


「ははーん、レン氏が、そこまで言うなら、ボクとしては手を貸しても良いですわ!」

「私達で役に立てるかわからないけれど、手伝いはいくらでもするわ」

「全然やるっす」

「僕らも手を貸すよ」

「同じクランの仲間だものね」


皆即答でした。

レンさんはそれを驚いた様子で見て、微かに笑いました。


「わたし達は同じクランです。ですがクラン云々の前に、フレンドで仲間ですから。全然頼ってくれて良いのです!」

「…おう」

「レベル上げ、頑張りますよ!この後の時間しかありませんが!」

「…サンキュ」


やりますよ!!

というかプレイヤーと戦うのは初めてですね。


「恐らくソロとパーティーでそれぞれ参加できると思うが」

「パーティーだとしたら、プレイヤーは6人まででしたか」

「ああ。召喚師なら召喚も出来ない。ソロでも5体までの制限が付く」


召喚師は召喚獣もパーティーメンバーにカウントされるんでしたか。

なので、召喚師はソロで活動するプレイヤーが多いのだと聞きましたね。


「……店で会ったあの王、自分で見定めたものしか信じないタイプだろうからな。ミツキ経由じゃなくて、正規な手段を使った方が相手にするだろう」

「……確かに、シュタール王はそのあたりの妥協は無さそうです」

「いかにこちらに興味を持たせるか、ですな」

「ミカゲさん」


いつの間にかわたしの背後にミカゲさんが立ってました。

すこし驚きました。


「レン氏、聞いてもいいです?そのジョブの特殊ルートって誰かに会ったんです?それとも何かイベント踏みました?」

「会った」

「会った方ですか………」

「……ミカゲさん、心当たりあります?」


レンさんの言葉を聞いて考え込むミカゲさん。

ミカゲさんは、前から何やら特殊なルートって言ってましたよね。


「……ボクも不思議なお爺さんに鍛えてもらってるんですよね」

「俺は妙な子供の姿をしていた」

「お二人ともわたしの事そんなに言えないのでは……?」

「不可抗力ですな……」

「…ちなみにレンさんは何か、目をつけられると言うと悪く聞こえるけれどこれが原因だと思い当たる所はあるかしら」

「ミカゲさんもあります?」


近くに居たジアちゃんがレンさんに話しかけます。

リーフくんもミカゲさんに近寄りました。


「…俺は敵もフィールドも気にせず壊しまくったな」

「???」

「次から次へとモンスターが湧くフィールドだった。転がる岩も地面も木も全てブッ壊したら話しかけられた」

「わお過激ですわ」

「お前はどうなんだ」

「ボクです?ボクは山の中で気配を消す練習してて話しかけられましたね。武器が大鎌なのも興味を持たれる一つだと思いますなぁ」

「……色々な要素が重なって、レンさん、ミカゲさんだから話し掛けられたって所でしょうか」

「恐らくそうですな。結構、()()()()()と思います」

「……誰に?」

「そりゃ概念的存在ですよ。今もミツキ氏の事をコスモス様は見られるんでしょ?」

「はい、前死にかけた時に見ていてくださった時あります」

「それを見てくれたって言える所が、ミツキ氏の凄い所だと思いますわ。……まあ話を戻しますが、彼らは恐らくユアストの中でも高位のNPCだと思います。言い方は悪いですが、結構好き勝手してると思うのです」


ミカゲさんは顎に手を当てながらこちらを見つめます。


「ユアストのNPCは、()()()()()()()()()()()と思う時がありますし、本当に神様に近い存在だと思うので、恐らく世界を見渡せるはずです」


わたしは無意識に空を見上げます。

……太陽は変わらず、このハーセプティアを照らしています。


あれがソル様であれば、ソル様はずっとハーセプティアを見てますね。


「例えばリーフ氏がボクの真似しても、興味を持たれなければ話しかけられる事も無いでしょう。リーフ氏にはリーフ氏を見ている誰かがいるかもしれませんしね」

「ジアちゃんもエルブさんから【木魔法】教わったりしてて、珍しいよね」

「……結構、森での特殊な依頼が増えたわ。この弓を作ってくれたお爺さんも、何だか一般人じゃ無さそうだし」

「…俺も何かやってるかもしれないっすけど、皆さん見てるとそんなでもないなって思うんすよね」

「リーフ氏、それ多分周りからみたら普通じゃないですぞ」

「感覚麻痺してるわよそれ」

「えぇ……」


リーフくんが本気で困惑してます。

皆わたしとどっこいどっこいじゃないですか???


わたしは腕の中で眠っているラクリマを起こさないようにしながら、少しむくれて見せます。


これが、わたしの普通です!


日輪の国に行くまでプロットがあるのですが、200話まで書いてまだ半分にもたどり着いてませんでした( ˘ω˘)

これだと日輪の国に行くのに後100話以上かかってしまう……でも寄り道たのしいんですよね……おそらきれい。


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえばミツキとレン、ミカゲは年齢関係どうなってるんだろ?(なんとなくレンが年上っぽいのとミツキとミカゲが同じぐらいかもしくはどっちかが上か下で驚かれるパターン予想) [一言] なん…
[一言] 200話おめです〜。 お兄ちゃん帰ってきたら浦島太郎状態不可避。
[一言] 200話おめでとうございます♪ 五十歩百歩というかどんぐりの背比べというか、ミツキ以外のメンツも大概ですよね(笑) ゲーマーとして慣れてる人達はそっちはそっちで普通に強くなっていってるでし…
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