女神様とキャラメイク
続きました。
拙い文章ですがよろしくお願いします。
ふと、目が覚めるような感覚を覚えて目を開けると、そこは宇宙空間でした。
「なにここ!!!!!!最高!!!!」
360度ぐるぐる回ったあとひたすらにその空間を眺めていました。
「ふふ」
綺麗な声が聞こえて振り返ると、足元まで伸びる白銀の髪、純白の衣を纏った女性が立っていました。
「この場所はプレイヤーの心に刻まれた風景を反映する、という機能があるのですが。このように全てを心象風景で塗り替えられたのは初めてですね」
周りを見渡してわたしに向かって微笑みました。その微笑みに見惚れていると、女性は咳払いをして指を鳴らしました。
するとこの宇宙空間に、イスとテーブルが出現しました。
「ようこそ、Your Only Story Onlineへ。わたくしはあなたたちを送り出す役割を持つ流転の女神、ローティと申します。わたくしはあなたの訪れを歓迎します。それではキャラクターメイキングを始めましょうか」
お互いに椅子に座った時、わたしの目の前にディスプレイが出てきました。
事前に予習した通り、決めてきたものをそのまま選びました。
ミツキ Lv.1
ヒューマン
メインジョブ:見習いウィザード/サブ:見習い薬師
ステータス
攻撃 10
防御 10
魔攻 10
魔防 10
敏捷 10
幸運 10
ジョブスキル
【炎魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【調合】【調薬】【精製】
パッシブスキル
【鑑定】【遠視】【気配察知】【隠密】【】【】
このゲームはキャラメイクで選べるのはパッシブスキルのみです。
ジョブを選ぶと、そのジョブに対応したジョブスキルが最初に選ばれるからです。
わたしは優柔不断なので最初から用意されてるのはありがたいですね。
わたしはメインジョブにウィザードを選んだので、炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法を最初から使うことができます。
そしてスキルレベルではなく、このゲームは熟練度によって使えるアーツが増える仕組みです。アーツというのは技名のことです。
なのである程度熟練度が上がるまでは、【炎魔法】であればファイアーボール、というアーツしか使うことができず、命中率も若干下がってしまうのです。
レベルアップした際のスキルポイント(SP)を使うことによって、アクティブスキルやパッシブスキルを覚えることができます。
種族も最初に選べるのは
ヒューマン
エルフ
獣人
ドワーフ
の4つです。
ヒューマンのステータスは平均的なものですが、エルフだと魔攻、獣人は敏捷、ドワーフは攻撃にステータスが寄っています。
今後レベルアップすると、選んだジョブにあわせたステータスが伸びていくようになります。
わたしは最初からヒューマンと決めていたのでヒューマンにしました。身体の感覚が変わるのは避けたいですからねぇ。
パッシブスキルは6つ選ぶことができます。選んだのは冒険に必要そうな【鑑定】と、ひっそり天体観測を行うのに必要そうな【遠視】【隠密】、戦闘に必要そうな【気配察知】です。
敵にバレないようひっそりと天体観測をしつつ、【気配察知】ですぐ敵に気づければ逃げることができそうなので!
残りの2枠は、ランダムで選ぶことができるようなのでランダムを選んでみようと思います。
こういうガチャみたいなの好きなんですよね。
次に見た目ですね。
わたしは今肩にギリギリ付かない長さなので、印象を変えるために背中の辺りまで伸ばします。
色も変えられるようなので、髪色は好きな群青色、目の色は星のような金色にしました。
身長はそのままで、……………お胸の大きさも変えられるとな。いや、変えない!!このまま!!いいもん!!大きくないほうが動きやすいですから!!!
OKを押すと、真横に色味を変えたわたしの姿が映し出されました。
「………うん、いい感じ」
「とてもよくお似合いです」
「ありがとうございます!」
キャラメイクが終わるまで待っててくれたローティ様に褒めていただいたのでこれでいきます。
「では改めまして、ようこそ。Your Only Story Onlineへ。ミツキ、あなたはハーセプティアで何かやり遂げたいことはありますか?」
やり遂げたいこと……それは、もちろん。
「天体観測です!」
「天体観測、ですか」
「はい!わたしは天体観測が大好きで、生活の一部、わたしの人生なんです」
CMでみたあの星空が忘れられなくて。
一目惚れ、と同じような感覚です。
そんな星空の下、別の世界を冒険してみたいのです。
「これはもう運命だな、と!あの瞬く星の美しさを知ってしまったので、わたしは天体観測をメインに冒険をしたいのです」
「……ふふ。そうですか」
ローティ様は微笑みながら話を聞いてくれました。否定の言葉が出なくて嬉しいです。
「ならばわたくしからちょっとしたアドバイスです。貴方の物語に介入する事は許されませんが、とても強い熱意を感じましたので、アドバイスくらいさせて下さい」
ローティ様は内緒話をするように口元に手を当てると、
「種族レベルが10になるまでの間に、一定時間ずっと星を見つめ続けるといいことがあります。いいことがあったあとに、図書館へ行ってみてください」
「一定時間、星を見つめる……そういうの大得意です!ありがとうございます!」
ローティ様はにっこりと笑うと、立ち上がったのでわたしも同じように立ち上がります。
「では、そろそろハーセプティアへと送りましょう」
「はい、ありがとうございました!ローティ様!」
ローティ様がわたしの前で手を横に振ると、私の身体が光に包まれました。
「ミツキ、あなたの道行きに祝福あらんことを」
超絶書き溜めタイムに入りますので、次の更新は3月5日を予定します。そこからはたくさん更新できるよう尽力します。