表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/369

大神官と

ご覧いただきありがとうございます!

皆さんの感想読ませてもらってニヤニヤしちゃいました( ◜ω◝ )


この方が、シアン様…

青いストラが、白い神官服に映えて目を惹きます。


「ミツキと申します。こちらは仲間のレンさんです。本日はお時間いただきありがとうございます」


立ち上がって、挨拶しました。

レンさんも一礼した雰囲気が伝わります。


シアン様は優しく微笑むと、周りにいた神官達に指示を出してそれぞれの職務へと戻されました。


「別室にご案内致しますね」

「よ、よろしくお願いします」


白い法衣?の裾を翻して進むシアン様の後を着いて行きます。

レンさんは冷静にシアン様を見つめています。


そして通された部屋は、青と白を基調とした上品な部屋でした。

窓から海が見える、落ち着いた部屋です。


「どうぞおかけ下さい」

「…失礼します」


シアン様の勧めでソファへと座りました。

あれ、レンさんは座りませんね。


振り返ると、左斜め後ろに立ってました。


「護衛なんで」

「……ふふ、優秀な友ですね」


気分を害した様子もなく、シアン様は微笑まれました。

リエラさんが紅茶とクッキーを置いて一礼し、部屋から出て行きました。


今ここには、わたしとレンさん、シアン様しかいません。


「さて面倒な自己紹介はサッと済ませましょう。イル・マーレ神殿で大神官を務めております、シアンと申します。ご無事で何よりです」

「渡り人のミツキと申します」

「……」

「友人のレンさんです」

「はい。リルファとサイファから話は聞いております」


そう言って紅茶を口に運ぶ姿は、とても様になっています。

あ、忘れない内にマレ様からのお届け物と伝言を渡してしまいましょう。


「シアン様、何かクッションのような物をお持ちですか?水晶玉を置けるような」

「……ではこちらを」


シアン様は部屋を見渡して壁に飾ってあったクッションを魔法で移動させます。

あ、よろしいのですねそれで…


マレ様から渡された球体を置きます。

ついでに鑑定もしちゃいましょう。



海の宝玉

海が閉じ込められた宝玉。

中では海が、その日の状況によって荒れ狂う様子を見せる。

海神の力が込められている。




ほあ……すごいです。

これをみたシアン様が動きを止めました。


「『其方達の祈りは我が宮まで届いている。怠ることなかれ、さすればマーレは守護しよう』との事です。」

「……」

「あれ、シアン様?シアン様ー?」

「……」


シアン様が微動だにしなくなりました。

マレ様からの伝言、聞こえてますかねこれ?


「……こっ」

「こ?」

「これはもしや、海神マレ様の」

「あ、そうです。先程大神官に渡してくれと頼まれましたので」

「………なるほど、リルファとサイファの話はこういう事でしたか」


シアン様は片手で頭を抱えました。

え、リルファさんもサイファさんもどんな事をお伝えされて…


「客人が海に攫われたとリエラから聞きましたが、そんな最初からマレ様に誘われるとは思いませんでした。ミツキ様とレン様は、マレ様以外に祝福を授けられていますね?」

「っ、わかりますか?」

「神に仕える我ら、大神官である私は特に察知する力は強いのです。イル・マーレの神官は、皆マレ様より祝福を授かっていますからね」

「そうなんですね…」

「ああ、でもイル・マーレはマレ様より神託を授かる事が多いので皆マレ様の祝福を授かっていますが、他の神殿は存じ上げませんね。……特に太陽神殿はここ何年かは、大神官と一部の神官しか神託を得られないと聞きますし……そろそろ風通しが良くなるかもしれませんね」


優しく微笑むシアン様……なんだか圧を感じました。

ソル様の神殿は確か、供物横流しの……考えるのは止めましょう。

わ、わたしは何もわかりませんね(白目)


「さて、今回は私に聞きたいことがあるとリルファから伺っています」

「は、はい。あの、渡り人も家や島を所有出来るのはご存知ですか?」

「ええ、渡り人の方々がこちらの世界へ滞在するのに用意されている、と」

「あ、そうだったんですね。それでわたしは島を所有しているのですが、その島にソル様やマレ様達を祀る祭壇を作りたいのです。仲間に使徒もいますので、神殿を建てた上で各々方の祭壇を作るか、それぞれ神殿と祭壇が必要なのか……どんな素材を使った神殿が良いのか、など聞きたいことがありまして」

「なるほど、中々興味深いですね。使徒もいらっしゃるとは」

「……使徒は、少ないですか?」

「少ない方ですね。……ですが私も使徒ですよ」

「えっ」


サラッと、サラッと言われました。

シアン様も使徒!


「私は大神官という職務についておりますが、(マレ)の使徒でもあります。各神殿の大神官は、使徒が務める決まりがあるのです」

「初めて知りました」

「ふふ、私の上に偉い人もいますよ?」

「そ、そうなんですね!?」

「ここはマレ様を祀る大元ですから」


なるほど、総本山でしたか。

それはマレ様と繋がるわけですね。


神殿の大きさも理解できました。

ここがマレ様を祀る一番の神殿って事ですもんね!


「話を戻しますと、神殿を建てる為に特別に使っているものはありません。必要なものは、信仰心と象徴です」

「信仰心と象徴…」

「私達は村や隣国まで行くことはありますが、その際必ずマーレの海水を持ち歩いています。神殿内で採取した物であれば、海神マレ様の力が混ざっていますから」


そういいながらシアン様は一つの小瓶を取り出しました。

話の流れ上、マーレの海水だと思いますが……


「……蒼いですね」

「イル・マーレの海水は蒼いのです。これはマレ様の力が混ざっていると一目でわかります」


蒼く透き通り、どこか揺らめいてキラキラと輝いています。

とても綺麗ですね。


「神官達はこれを持って行きます。長い旅になりますから、毎日マレ様に祈りを捧げるのに象徴がある方が届きやすいと言うのもありますからね」

「…届きやすい」

「なのでミツキ様も、象徴と信仰心……信じる心があればどのような建物にしても良いと思いますよ」


どんな建物でも……

なるほど、神殿でなくてもいいんですね。

そもそも神殿とは基本的には、神の住居を指すものでしたっけ………


皆様それぞれの神殿をお持ちです。

ソル様は隠れ家もお持ちでしたが、マレ様は宮殿でした。

コスモス様はどのような神殿かわかりませんが、そこまで拘らなくても良いのですね。


なれば……!

皆様が過ごしやすい別荘(神殿)を作りましょう……!


うん、なんだかしっくり来ました!

リルを稼いで、お師匠様から教えてもらった家具屋で最高級のソファやクロイツで最高級の絨毯を……!


「…何やらいい案が浮かんだようですね」

「はい!イメージが固まりました!」

「それは良かったです。……ちなみに、お聞きしたいのですが」

「はい!何でしょう!」

「…マレ様のお姿はどのようなお姿でした?宮殿のご様子は?眷属様方は竜様以外にどのような方々がいらっしゃるのでしょうか?」

「わっ」

「やはり海の中でしたよね?マレ様は何を食されていましたか?」


怒涛の質問です……!

マレ様、聞けばお答えして頂けると思いますよ!


「マレ様、お答えして頂けると思いますよ」

「このようなくだらない質問を……?」

「……わたしはマレ様に供物何がほしいか聞いちゃいました」

「……!して、マレ様はどのようなお答えを…」


目の前のシアン様が息を呑みました。

わたしなら手料理と言われましたから、シアン様達だと別のものを言うかもしれませんからね。


それにマレ様を崇拝するイル・マーレの方々に、手料理を所望されたと伝えたら何が起こるか……!


「ひ、ひみつですうう!人によって変わるようなのでええ!!」

「な、なんと……!」

「う、海の中には……」



そして先程の質問に勢いで答えていきます。

途中でレンさんが補足してくれたりしたので助かりました。

そして答え終わる頃にはシアン様はツヤツヤして、わたしは燃え尽きました。


「…大変参考になりました。ありがとうございます、ミツキ様、レン様」

「ぜーはー…いえ、お役に立てて良かったです…」

「…神官ってこんな奴等ばかりかよ」

「我らが神については何でも知りたいものです。お姿を見せることはありませんからね」

「無いのですか?」

「伝わるのはお声のみですね。神々はこちらへの干渉は過度にしませんから」


似たような事はソル様も言っていたような……?

作ることと送り出すこととか何とか…


「ですが今もこうして私達の事を見て、耳を傾けていただいている。それはとても嬉しい事です。我ら神官の信仰は揺るぐことは無いでしょう……こんなにもマレ様の力を感じる事が出来ますから」


シアン様は窓から見える海を見つめます。

……とても眩しいですね。


わたしもやる気出てきました。

必ずや立派な別荘を作ります!


「今日は本当にお時間いただきありがとうございました、シアン様」

「こちらこそ、とても有意義な時間でした。ありがとうございます、ミツキ様、レン様」


挨拶と握手をして、礼拝堂まで戻ってきました。



「リエラ様、本日はありがとうございました」

「いえ、とんでもございません。こちらこそ、海の奇跡を見せていただき感謝しております」

「また、マーレに来た時にはお祈りさせていただきますね」

「ありがとうございますミツキ様」


お互いに礼をして、笑い合いました。

それを見守っていたシアン様がこちらに歩み寄ります。


「今後何かあった時には、このイル・マーレ神殿大神官であるシアンが、貴方方の手助けをさせて頂きます。海で何かあれば、こちらをお訪ね下さい」

「はい、その時は是非」

「では、良い一日を」

「ありがとうございました」


深く頭を下げて、礼拝堂を後にしました。

さ、付き合っていただいたレンさんへのお礼やラクリマに海を近くで見せるとしましょうか。



日本人……いや日本人に限りませんがたくさん信仰しますから……八百万……何体祀っても良いですよね!!(圧)


これからもこの作品をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 太陽を祀るに相応しい神殿…デザインが太陽の塔を想像してしまいました(笑)
[良い点] 海からざっぱ~んゴロゴロと戻ってきて、 いきなりシュタっと立ち上がって平然とご挨拶とかw 神殿の人たちももれなくポカーン状態だっただろうなあw
[良い点] うん、わかってた。 ミツキがかかわると何か大袈裟な感じになるの。 [気になる点] 神様は柱で数えます。 [一言] 神様の円卓宴会場なんての妄想してみたり←
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ