いざレベル上げ! ③
ご覧いただきありがとうございます!
フォレストスパイダーは身体を震わせ地面へと倒れ伏しました。
……っ!ほんの僅か、HPが残ってます!
魔力が高まるのを感じます!
「アイツ産むぞ!」
「さっさと生命を散らすのだ!」
背後からケンタウルスさんとピーコックの声が聞こえてきます。
最後の最後で倒しきれないとは……!
(こおれ!)
(竜巻!)
『おりャー!』
「ウィンドボム!ウィンドボム!」
左右から雷撃と風の塊も飛んで行きました。
絶対に大変な事になります!
オーバーキルかもしれませんが、フォレストスパイダーを残さない勢いで皆で魔法を放ちます。
「…消えた」
(たおした!)
『魔法ノ鍛錬になっタ!』
しかしアナウンスは流れません。
ふと強風を感じて背後を振り返ると、ケンタウルスさんとピーコックの目の前で巨大な竜巻が、竜巻なのに静かにフォレストモンキーを巻き込んで螺旋を描いています。
「この辺りにいたフォレストモンキーは放り込んでおいた」
「ワタシ達では倒せないから、貴女がやることね」
「は、はい!」
ギッとかガッとか聞こえてきます。
ケンタウルスさんとピーコックは強い風の力を持ってるんですね!?
「【流星群】!」
竜巻に巻き込まれたフォレストモンキーを見つめながら、わたしは竜巻目掛けて星を降らせるのでした。
‐フォレストスパイダー、フォレストモンキーを倒しました‐
種族レベルが2上がりました。
種族レベルが50になったため、アクセサリー枠が一つ増えました。【ハイブースト】を入手しました。
任意の場所へステータスを割り振って下さい。
SPを4獲得しました。
メインジョブレベルが2上がりました。
契約召喚:ラクリマのレベルが2上がりました。
フォレストスパイダーの糸、眼、フォレストモンキーの毛皮を手に入れました。
おっと、怒涛のアナウンスです。
まだ森の中ですし、ぱぱっと振り分けます。
ミツキ Lv.51
ヒューマン
メインジョブ:アストラルハイウィザード Lv.22/サブ:薬師 Lv.12
ステータス
攻撃 55 +1
防御 78 (+51)
魔攻 162 +4 (+40)
魔防 76 +1 (+51)
敏捷 51 +1 (+15)
幸運 70 +3
ラクリマのレベルも49になりました。
レベル50になったら、キリがいいので何かありますかね?
結構今まで炎魔法に頼りきりだったのもありますが、わたしは威力は高いですが撃ちもらすことがあります。
フォレストスパイダーのほんの僅か残ったHPも、なんだか悔しいです。
新しく【ハイブースト】も覚えましたし、遠慮なく自分を強化しましょう。
「皆、良い戦いだったよ」
(ふふ、ぼくらもたたかえるよ)
(お供、お任せくだされ!)
「精々強くなることだね」
『ラクリマももっト強クなル!』
「密林や雨林での初戦ならまあこんなもんだろ」
いや湿気舐めてましたね………
森、燃やす!という考えでいたら足下掬われる所でした。
攻撃手段を増やせるなら増やしたい所です。
全体を満遍なく攻撃できる魔法を取得したいですね…
四大魔法も熟練度が上がれば、取得できるでしょうか。
「まだ時間あるから、注意して進もう」
素材も採集したいです。
ちょっと足元を注視しながら進もうと思います!
ケンタウルスさんを先頭に、再び密林を進み始めました。
ブロメリア
着生植物。水を溜め込む性質を持つ。
水分たっぷり
おお、これは写真で見た事ありますね!
まるで薔薇のような形の、木に巻き付いて育つ植物です!
これも素材なんですね……何に使えるかわかりませんが、採集しておきましょう。
何度かブロメリアを採集しながら進むと、ケンタウルスさんが顔を顰めました。
ポラリスやアンセル、プラエキプアが鼻を抑えました。
(くちゃい)
(この鼻を貫く強烈な香り…!)
皆鼻が良いですね……でもなんとなくうっすらと香るこの匂い……
ドリアン………!
一度嗅いだことあります!
何処かで生えてるのかもしれませんね。
……皆嗅覚良いので、辞めておきましょう。
「……臭いのしない方向へ進みましょうか」
「…おう」
ドリアンの匂いが感じなくなった頃、木にランが咲いているのを見つけました。
ラン
着生植物。素材としても使える。
水分と栄養たっぷり。最高の状態。
ほむ、素材なんですね。
採集採集っと。
結構その辺に素材あるもんですね。
あっバンブー!
ケンタウルスさんが槍先の刃で器用に切ってくれました。
竹細工とか作れるかもしれませんね!
わたしがケンタウルスさんを見たら、ケンタウルスさんはやれやれ、と言った顔をして近場のバンブーを伐採してくれました。
「ありがとうございます!」
「ミツキのお願いならしゃーないからなあ」
「ケンタウルスさんの好物は何ですか?」
「俺?」
ケンタウルスさんはうーんと考え込むと、にへらと笑いました。
「酒だな」
「お酒ですか……」
「酒と酒に合う料理が好きだな」
「……今度大人に頼んで用意しておきますね」
「お、本当か!」
目に見えてウキウキし始めました。
本当にお酒が好きなんですね。
ケンタウルスさんと素材を集めながら他愛もない話をしていると、遠くからわたしを呼ぶ声が聞こえました。
狩りに行ってくるー!って叫んだラクリマ達ですね。
引率のピーコックがいるので大丈夫だと思いましたが……
ケンタウルスさんとラクリマ達の気配がする方へ進むと、ラクリマの糸でぐるぐる巻になった何かがいました。
『襲っテきたカら、捕まえタ!』
「これは、なんのモンスターなのか……」
ラクリマがそっと糸を解くと、白目になった大きな蛇の頭が出てきました。
フォレストバイパー Lv.48
アクティブ 瀕死
【締め付け】【毒牙】【麻痺牙】
【脱皮】【隠密】【気配遮断】
…今にも倒れそうですね。
星座達が、偉い?偉い?ぼくたちで弱らせたよ?とキラキラな目で見てきます。
「…皆強いねえ!」
皆。抱きしめてわしゃわしゃと撫で回します。
きゃー!と言いながらも楽しそうなラクリマ達に、心臓がギュンッてしました。
「…早うトドメを刺しなさい」
「おう…楽にしてやれ…」
「…はい!ウィンドボム!」
呆れたようなピーコックの言葉と諭すようなケンタウルスさんの言葉に従って、フォレストバイパーに魔法を放ちました。
-フォレストバイパーを倒しました-
フォレストバイパーの牙、皮、魔石(中)を手に入れました。
ほぼラクリマ達が仕留めたような物ですがね!
というかお師匠様が言っていた虫系のモンスターはいませんね?
フォレストと名のつくモンスターはそこそこいますけど、この辺りに生息していないんですかねぇ……
そんな事を考えていたら、気配を探るのが疎かになったようです。
「ミツキ!」
「うあっ!?」
上から降ってきた何かの攻撃を受けて転がりました。
う、なんだか気持ち悪いです……!
どうにか起き上がると、ギチギチと歯を鳴らした大きなモンスターが、こちらを見ていました。
フォレストセンチピード Lv.53
アクティブ
【毒牙】【麻痺牙】【気配遮断】
【隠密】【木魔法】【捕食】
【締め付け】【挑発】
フォレストモス Lv.50
アクティブ
【誘蛾】【光魔法】【木魔法】
【麻痺鱗粉】【毒鱗粉】
森トンボ Lv.50
アクティブ
【飛翔】【風魔法】【捕食】
【木魔法】【空撃】
「〜〜〜〜!!!」
「ギチギチギチギチ」
「むりむりむりですうううう!!」
「チッおらァ!!立て、ミツキ!」
ケンタウルスさんがフォレストセンチピードとわたしの間に入り込み、槍を振るいます。
その間フォレストモスは空中で浮かび、森トンボは高く飛びました。
「立ちたいんですけどおおお腰が抜けてええ!」
「まじかよー誰か引っ張れー」
『ンもーー!』
見かねたラクリマが魔力糸で引っ張り上げてくれました。
とり、鳥肌がおさまりません……!
百足は、むりですうう!本当に動物なんですか!?
あとモス!!モスは翅のデザインが………!
涙出てきました。人と同じ大きさになるの辞めてもらっていいですか!?
なんかこう、生理的にむりなんです!
なのにそれが巨大化して出てくるなんて、夢に見そうです。いや見ます!
「【魔力強化(星)】!【魔力強化(月)】!【身体強化(魔)】!【ブースト】!【ハイブースト】!」
(と、とりあえずたおすよ!)
(ミツキ殿は虫型モンスターが苦手なんですなぁ)
「主たるものシャンとなさいな」
半泣きになりながら叫びます。
プラエキプアとキタルファはわたしを支えるように寄り添い、心配が伝わってきます。
「【二重詠唱】ウィンドボム!【二重詠唱】ウィンドボム!」
(こりゃだめそうだね)
(ミツキ殿、落ち着いて!)
「にゃぁぁぁ!!!【宇宙線】!」
突如真横から一拍が聞こえました。
びっくう!と肩を揺らしたわたしを、ケンタウルスさんが見つめます。
ひたすら闇雲に攻撃魔法を唱えるわたしを落ち着かせるために、一拍したようです。
「お ち つ け」
「……はひ」
「苦手なのは分かるが無闇矢鱈に打つのは得策じゃない。俺らも戦い辛いからな。せめて敵から目は逸らすな」
「……はい」
「目を瞑れば咄嗟に反応しにくくなるからな。距離を取れ。んでHP回復しとけ」
「わ、わかりました」
フォレストセンチピード達を視界に入れながら距離を取ります。
ラクリマが魔力糸でフォレストセンチピードを縛り上げ、ポラリスは尾に近い部分を凍らせます。
ケンタウルスさんはフォレストモスと森トンボを槍で牽制し、キタルファの雷撃が森トンボを貫きました。
HP……あ、半分に減っています。
毒状態になっていました。
最初の一撃で毒を貰ったみたいです。
キュアポーションとハイポーションで回復します。
…少しだけ落ち着きました。まだドキドキしていますけど。
苦手な虫型モンスターが出てきたので、大分混乱してました。
皆に迷惑かけてしまいました。
苦手なモンスターが出てきても、冷静に対処出来るようにならないと………
平常心、平常心です。
(竜巻!)
「蜃気楼」
『危なイ!【硬化】!』
(わ、ありがとうラクリマ!)
「オラァ!」
アンセルの竜巻、ピーコックの蜃気楼?は惑わす系ですかね。
ピーコックが上下に2体います。
ポラリスを狙ったフォレストセンチピードの尾の攻撃を、ラクリマがその身で庇いました。
そんなにダメージは受けてないようです。
ラクリマは直ぐ様フォレストモスと森トンボへ向けて糸と黒い球体を飛ばします。
森トンボは風で相殺し、フォレストモスは黄色のオーラを纏ってラクリマ達の頭上を浮遊します。
ラクリマとアンセルが風を起こしその場から退避しました。
プラエキプアとキタルファが背後から飛びかかってフォレストセンチピードの身体を地面へと押さえつけると、槍先を下に構えたケンタウルスさんが振り下ろしました。
「ギィィィィィッ!?」
槍に風がぶわっと巻き起こりました。
フォレストセンチピードは悲痛な叫び声を上げます。
……なんて頼りになりすぎる仲間たちなのでしょう。
わたしもこんな所で見ている訳にはいきません。
頬を叩いて、アストラル・ワンドをグッと握りしめました。
作者のメモを漁っていたら8年前くらいに考えていた創作のネタが出てきてウボァー!ってなりました。
とても恥ずかしくなりましたがすごい考えてたのでユアストで使います(白目)
これからもこの作品をよろしくお願いします!




