わたし達のホーム ②
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読者の皆様感謝申し上げます!皆様のおかげで連載続いております!
「………まだ何もありません!!」
扉を開けたらリビングと思われる空間が広がっていましたが、勿論何もありませんでした!!でも広いです!
ログハウス風なので勿論木の壁です!温かみがありますよね……
キッチンとリビングは繋がっているようです。
そして奥に廊下が伸びていて、それぞれ左右に扉があります。
すごいです……!
お師匠様の家みたいに見た目と中身の広さが全然違います……!
過ごしやすく、休息できるホームにしたいですね!
「結構本気で家だな……」
「うわ、部屋ひっろいですわー!」
「ミカゲさんは元気だな……」
「でもわくわくするわね、あなた」
「自分の部屋は好きにカスタマイズしたいね」
ミカゲさんの言葉が気になったので、手前の部屋を覗いて見ます。
大きめの窓がある広い部屋です!カスタマイズしがいがありますね!
「あら、12畳くらいの広さがあるわね」
「俺の部屋より広いじゃん…」
わたしの後ろからジアちゃんとリーフくんが部屋を覗きます。
わたしの部屋よりも広いですよ……
ここに調合用の部屋とか、必要な部屋を増やしていくのが良いですね!
コスモス様とソル様用の祭壇も作らないとです。
敷地内なら外……中だとあまりに俗世的ですかね……?
礼拝堂を視野に入れましょう。
「ボクは錬金部屋増築のために働きますわ……」
「…俺も鍛冶師なんで、鍛冶場とか作れるように頑張るっす」
「リーフくん鍛冶師なんですな!?」
「うっす」
なんと!リーフくん鍛冶師でしたか!
そういえばサブジョブについては聞いてませんでしたね。
「ジアちゃんは?」
「私は彫金師よ。興味あって」
「彫金師……!」
「アクセサリー黙々と作るの楽しいのよね」
サブジョブもたくさん種類がありますね!
ユアストってすごいですね……細かいです。
作業部屋とかあるといいですよね……
「作業部屋は自分で稼ぐからミツキは何もしないでいいわよ」
「うお、心が読まれたような?」
「クランマスターにおんぶにだっこはプライドが許さないわ。恐らく他のメンバーも自分の分は自分でやりたいタイプでしょう」
自分の分は自分で……そうですよね。
あんまり押し付けてしまうのは駄目です。
そんな最初からいきなり進めるのではなく、ゆっくりやりましょう……
…でも、でも!
「このリビングだけは休息できるようにテーブルとかソファとかラグとかクッションとか用意したいです……!」
「……それはわかるわ」
「わかりますなー」
「キッチンも器具揃えたいですし、庭もラクリマや星座達が過ごせるように手を加えたいですーーー!」
「キッチンはミツキの城にしてもいいと思うわよ〜ミツキがいない時は使ってもいいのかしら?」
「いいよ!!」
母の料理がゲームでも食べられるとなると更に現実味が出てきますね。
料理を作って冷蔵庫に入れておけば、皆食べられますね!
「お腹空いたら倒れちゃうもの。簡単に摘めるものとか置いておくのもいいわね」
「確かに。保存食じゃないけど料理作っておこう」
「ええ」
「僕も手伝うよ」
母と頷きあっていると、父も参戦してきました。
家族は一応料理作れますし、空腹で倒れることは無くなりますかね……
クロイツの街で絨毯探しましょう。
王都で家具を見繕うのもアリですね……王都には良い家具ありそうです。
そんな事を考えていたら、兄とミカゲさんがジト目でこちらを見ていました。
ビクッとしました………
「ミカゲさん…金持ちが絶対いい家具揃えようとか考えてますぜ……」
「もふもふでふあふあなソファとか考えてそうですよね……」
「…二人はわたしを何だと思って……?」
「次にホームに来たらモデルルームになってそうで怖いんですよぉ!」
「俺もそう思う」
そ、そんな…
わたしは助けを求めてレンさんを見ましたが、首を横に振られました。
そんな………
「…ま、まあ何はともあれ祝!クランホーム!って所ですな!」
「っはい!」
そうです、念願のわたし達のホームです。
夢のマイホームってやつですね!
「何かあっても、無くても手助け出来ればと思います。個々に好きな事してもらって、遠慮なく頼って下さい!」
「よろしくお願いしますわー!」
「よろしくね」
次々と挨拶をして、解散となりました。
そろそろいい時間ですからね。
わたしもお師匠様にホームを建てたことを伝えないとです。
長らくお世話になりましたから、お礼の品を用意しなくては……
クロイツで何か見ましょう。
明日はミカゲさんから瓶を買い取ってポーション作りをしたいと思っていた所なので、クロイツでサッとみて戻ってきましょうか。
あ、今のうちに素材保管庫に、アイテムボックスを圧迫していたモンスターの素材を放り込みます。
わ、半分近くスッキリしました……!
素材保管庫の容量は1500との事です。
これもメンバーが多いところだと少なく感じてしまうかもですね。
よし、お師匠様の家に向かいましょう。
ホームにいると家具と内装のデザインを考えるのにたくさん時間を使ってしまいますからね!
「ホーム建てました!」
「お、ついに建てたのかい。おめでとう」
「ありがとうございます!」
「建築祝いでもやろう」
「いえそんな…むしろお師匠様の家にたくさんお世話になりましたから」
「弟子が家を建てたんだ。祝うのが師匠ってものさ」
そう言ってニヤリと笑うと、お師匠様はサラサラと紙に何かを書きました。それを折り畳んで、わたしへと差し出します。
わたしもこの時にスフィア様のメモを渡しました。
「馴染みの家具屋さ。この部屋の家具も、ミツキに貸しているゲストルームの家具もそこで見繕った」
「!」
「リルを用意して仲間と行きなね」
中々モダンなデザイン家具のお師匠様の部屋、すごく好みでしたので嬉しいです!
……これが地図と紹介状も兼ねてるということに気が付いたので、スフィア様みたいな方のお店かもです。
リルに余裕を持って訪ねるとしましょう。
「……もうそっちのホームに移るのかい」
「あ、いえまだ、ベッドとか無いので、当分はお邪魔してもいいですか」
「構わないよ。……ほれ、お使いの駄賃さ」
家具を揃えるのは時間をかけることにします。
目標はレベル上げとホームのカスタマイズです!
そんな事を考えていると、お師匠様から葉を5枚貰いました。
……世界樹の葉ですね。
「そういえば世界樹の苗木を貰ってたろう。植えるといいさ」
「!そうですね!」
「まあスピカに世話させておきな」
ホーム建てたので、世界樹の苗木も陽のあたる場所に植えることにしましょう!
休みの日に朝からログインして、島の手入れしましょうかね。
…そろそろログアウトしますかね。
遅い時間になってきました。
「ではおやすみなさいお師匠様!」
「おやすみ」
挨拶して部屋へ入ります。
そしてログアウトしました。
「少し部屋が寂しくなる、なんて、ね。…独りには慣れているはずなんだが、アタシも耄碌したかねぇ」
「…エトワールも人の子なのね」
「どういう意味だいスピカ」
「ふふ、良いことだわ。おばあちゃんみたいにたまに遊びに来てもらえばいいじゃない」
「誰がババアだい」
「んもう!ミツキから見たらお祖母様みたいでしょエトワールは!」
「フン」
「まあ寂しくなったら私達もいるし、ね?」
「…わがままなお前達より弟子を見ていた方が楽だね」
「まっ素直じゃないんだから!」
エトワールとスピカは、少女が世界を渡った事を感じながら、お互いに軽口を叩き合っていた。
エトワールは、小さく溜息をついた。
弟子の旅立ちのようで少々感傷に浸ったが、あの子は早々疎遠にならないだろうと思う。
エトワールは通信手段を考えながら、目の前の本へと意識を戻すのであった。
「ありゃ、小雨だ……」
窓から外を見上げると、どんよりとした雲が空を覆っていました。
明日に備えて寝ますかね。
朝には兄の見送りもありますから。
では、おやすみなさい。
ホームの何処に何を置くって考えるの楽しいです( ˘ω˘)
そして少し寂しく思うお師匠様でした。ミツキがいる日常に慣れたら、ちょっと寂しいですよね。
これからもこの作品をよろしくお願いします!




