助っ人プレイ! ②
ご覧いただきありがとうございます!
忘れそうになるので補足で書いておきます。
ハイドレンジア(ジアちゃん):花ちゃん(リア友)
リーフ:二葉(花ちゃんの弟)
二人と共に門から出ます。
「その手伝ってほしい事って、レベル制限とかある?」
「……無いはずよ。依頼受注者のレベルに合わせられるって聞いたわね」
「そっか。わたし今レベル45だからレベル制限とかあったらどうしようかと」
「……レベル45!?」
ジアちゃんとリーフくんがこちらをすごい勢いで振り向きました。
「すごい上げてるじゃない!」
「まじすか」
「レベルの高いモンスターと戦うことが多くてね」
「……私はレベル19よ」
「俺はレベル26っす」
「二人は部活忙しいもんね」
わたしはゲームやる時間多めでしたからね。
部活の時間もある二人よりは自由にゲーム出来ます。
「……今回手伝って欲しいのは、私が受けた住民からの依頼なの」
ジアちゃんは今回の経緯を簡単に教えてくれました。
偶然ルクレシアで住民依頼を受けました。
それは武器屋のお爺さんで、とある素材を持ってこれたら弓を作ってくれるというものでした。
その素材はエルダートレントという木のモンスターから取れる枝で、レベルは20程度のモンスターでしたが、周りにトレント達がわらわら出てくるそうで、トレント達を対処しながらエルダートレントと戦うのに一人じゃ手が足りない!となったようです。
そこで弟であるリーフくんと共に行きましたが、切っても切ってもすぐ再生するそうで、これは燃やすしかない!となり、魔法使いであるわたしに助っ人の白羽の矢が立ったのです。
「私とリーフがエルダートレントと戦う間、周りのトレント達を燃やして欲しいのよ。あいつら、倒しても倒しても復活してきて鬱陶しいのよね。私の炎の矢だとそんなに燃えないわ」
「なるほど、木はよく燃えそうだね」
「まだ燃やせるようなアーツは習得出来なくて、魔法使いのフレもいねえっす」
顔を顰める花ちゃんとしょぼんとした雰囲気を醸し出すリーフくん。
まあピンポイントでフリーのウィザードとか見つけづらいかもですね。
わたしで良ければ燃やしますよ!
「おっけー!燃やすよ!」
「私の友人が頼りになりすぎる件について」
「姉ちゃんの友人がめっちゃ強かった件について」
「???」
「んんっ何でもないわ。じゃあその場所に向かいましょう」
「レベル上げするか……」
二人は武器を取り出します。
わたしは魔花の杖にしましょうか。
ジアちゃんのレベルに合わせるのだとしたら、ちょっとアストラル・ワンドだと強すぎるかもです。
杖を握ります。
トレントとやら、倒したらわたしにも枝もらえますかね?
ホームのために木材欲しいですね!
ひとまずアストラルウィザードの魔法は使わず、炎や水魔法と言ったウィザードの基本魔法を使うことにしましょう。
説明が!難しいので!
「じゃあミツキ、着いてきて頂戴」
「はい!」
「こっちっす」
リーフくんが斧を握りながら走り出します。
ふむむ、こちらに配慮してくれてるのか速度はそこまで速くないですね。
わたしもジアちゃんと共にリーフくんの後を追いかけました。
「オラァ!」
「ブヒィッ!?」
リーフくんがジャイアントピグへと斧を振り下ろします。
ジアちゃんは手元に魔力?MP?で矢を作り出し、それを弓に番えて放ちます。
姿勢がいい!さすが弓道部です。
安定して矢を放っています。
「ファイアーアロー!」
近寄るジャイアントピグは容赦なく燃やします。
二足歩行の豚さんはお呼びでないです。
「【スナイプ】」
ジアちゃんが放った矢が、ジャイアントピグの眉間を貫きました。
ジャイアントピグはぐらりと体勢を崩し、地面にぶつかる前に消えました。
おおお、すごいです。
なんて精密な技なのでしょう。
「ウォーターアロー!」
ジャイアントピグに水の矢を放ちながらリーフくんやジアちゃんのプレイをチラ見します。
よそ見はいけませんが、とても気になります!
‐ジャイアントピグを倒しました‐
ジャイアントピグのバラ肉、魔石(小)を手に入れました。
ふむ、すんなり倒せました。
この辺りのレベルは10〜15なので、一発で倒せますね。
「……やっぱり人が増えると戦闘の効率も良くなるわねぇ」
「めっちゃ助かりました」
「斧使いと弓使いの戦い方見たこと無かったから、すごく新鮮だった!」
リーフくんは軽々と斧を振るいジャイアントピグをリズム良く切りつけてました。
パワーと速さのある戦いをしてました。狼だからかすごく俊敏な動きでジャイアントピグの攻撃を避けて瞬間的にパワーを出せるような感じです。
ジアちゃんも弓使いとして木々で身を隠しながらジャイアントピグを狙い撃ちしていました。
目や腕といった場所を撃ち抜いてましたね……えげつないです。
そんなところもジアちゃんぽいですけどね。
ジアちゃんにとってはモンスターも的なのでしょう。
「斧って二本持ちとかも出来るの??」
「双斧使いなら出来ますね」
「そうふつかい」
「片手に1本ずつ斧持つヤツです」
「なるほど」
なるほど!そんなジョブもあるんですね。
リーフくんの持つ斧は、スピードに乗せる時は片手で、叩き切る時には両手で握ってました。
それもパワーを乗せるのに使い分けてるんですかねぇ?
確かに両手で握れば安定しますもんね。
最初の頃に杖で殴る時はわたしも両手で杖握りました。
プレイヤーと一緒にプレイするのは新しい発見があって勉強になりますねぇ!
「じゃあこの先に入り口があるから、行きましょう」
「わかった!」
ジアちゃんが指差す方向には、森があります。
なるほど、こっち方面は来たこと無かったですね。
街道からかなり逸れてます。
「ここはトレントの森って言われるトレント達が出現する森よ」
「森の木に擬態しているから気を付けて下さいっす」
「わかった」
擬態しているんですね……ちょっと注視して進みましょうか。
見分けがつくか心配です。
普通の木を燃やしてしまったら自然破壊ですからね!
森は鬱蒼としていて、光が差し込まない薄暗い様子です。
生き物の気配はしませんね……鳥の声も聞こえません。
ジアちゃんは声を潜めてわたしに話しかけます。
「エルダートレントは知性の高いモンスターで、会話が成立するわ」
「……それは強そうです」
「陽気で愉快なお爺さんみたいな木だけど、その攻撃は容赦なく、葉や根を使ってフィールドを縦横無尽に動き回るわ」
……それはまた厄介そうなモンスターですね。
特定の依頼、もしくはルートに沿わないと会えなそうなモンスターですね。
知性を持っているモンスターは、恐らくランクの高いモンスターですよね。
ふむむ、中々厄介な戦いになるかもです。
そして背後から近付いてくる気配を感じます。
振り向いて杖を向けます。
トレント Lv.21
アクティブ
【木魔法】【移動】【鞭術】
【隠密】【招集】
「ファイアーボム!」
「アァァァ……」
‐トレントを倒しました‐
トレントの枝、皮を手に入れました。
うめき声を上げてトレントは燃え尽きました。
全て燃やしてしまったので素材がどうなるかと思いましたが、貰えて良かったです!
……どこの、素材なんでしょう……?
「さすがミツキね。どうかしたかしら?」
「全部燃やしちゃったけど素材落ちたから不思議だなって……」
「それは考えるな感じろってヤツよ」
「ゲームの深淵は覗かないほうがいいっす」
ゲームの、深淵……?
触れないでおきましょう!
素材が貰えて嬉しいですね!!
「部位破壊するゲームじゃなくて助かるわ」
「それもそれで楽しさはあるけど」
部位破壊……?
そんなゲームもあるんですね。
ゲームは種類がたくさんありますねぇ……
と考えながら進んでいると、いかにもな木でできたアーチか出てきました。
怪しいですね……
「この先よ。準備はいいかしら?」
「うん!」
「じゃあ行くわよ」
ジアちゃんを先頭に、わたし達は森のアーチをくぐり抜けました。
月末、月初でちょっと忙しいので明日はお休みします!次は8/2に投稿いたします!
これからもこの作品をよろしくお願いします!




