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VS 《ラクリマ》 ①

ご感想、ご評価ありがとうございます!

まさかの50万文字書いてました。これも読んでくださる皆様のおかげです。ありがとうございます!


今回モンスターが話す際に、片仮名が混じるので少し読みづらいかもしれません。



虫は苦手ですが、目の前のフォースキャタピラー、ラクリマと呼ばれたモンスターは、大きくまるっとちょっとデフォルメキャラのような姿をしていますので、嫌悪感は無いです。


………無いです、が。


「た、戦いづら……」


ミカゲさんがぽつりと呟きました。

……わ、わたしもそう思います。

なんてものを戦う前に聞かせてくれたのか。

戦いづらいと言っていたのは、これを聞いたら戦いづらいだろうって事、何でしょうか!?


あと、幻獣って何ですか!初耳です!

あ、アイリス・バタフライとヴァイスさんは言っていましたが!


…ひとまず、【鑑定】出来るでしょうか。






フォース・キャタピラー 《ラクリマ》 Lv.50

パッシブ 自己封印状態

【斬撃耐性(中)】【衝撃耐性(中)】【炎属性耐性(小)】

【休眠】【魔力糸】【共食い】【風魔法】

【木魔法】【硬化】【蛹化】【羽化】





つっっっよい!!!

今まで出会ってきたモンスターの中で一番強いです!

なるほど戦いづらそうです!


レンさんもミカゲさんも、眉間に皺を寄せました。

恐らく鑑定したのでしょう。

……わたし達パーティーの天敵みたいなステータスしてます。


「チッ厄介な……」

「…まあ無効じゃねェし、殴り続ければダメージ与えられンだろ」

「そうですな。削り続けるしか無いでしょう」


あ、二人はむしろ負けん気強くなって何がなんでもダメージ与えてやるぜ……な感じになってます。

レンさんはガントレットを胸の前で打ち鳴らし、ミカゲさんも大鎌で素振りを始めました。


わたしも、炎魔法以外で攻めましょう。

……虫モンスターなのに、炎に耐性持ってるなんて強すぎですよ!!!!(小)ですけれど!!!

でもソル様は喚びます!


あ、忘れてたので、今のうちに!


「レンさん、ミカゲさん、これを!」

「?これは?」

「耐熱薬です!今日、ソル様喚ぶつもりなので」

「……へェ」

「どこまで太陽光を弱められるかはわかりませんが、効けばいいなと」

「お、ありがとうございます」


二人は耐熱薬をアイテムボックスへしまいました。

そして、ラクリマへ向き直ります。


ラクリマは、わたし達が話し終えるのを静かに待っていました。


『……君たチが、殺シてくれルのね』

「!」

『わたシ、ラクリマ。デも、タダでやラれるツモりはナいよ?』


ラクリマは少し仰け反ると、口元から糸を吐き出しました。


「【身体強化(魔)】、【ブースト】!ファイアーアロー!」


飛んでくる糸を燃やし、その間にレンさんがラクリマへ接敵しました。


「【パワーブースト】」


ラクリマの側面を、思い切り殴りつけました。

大きな衝撃音が響きましたが、レンさんは舌打ちしてその場をバク転で下がります。

それを追うように、地面から木の根のような物が鋭くレンさんを狙って槍のように伸びます。


あれが、【木魔法】でしょうか!

基本の四属性と光、闇以外にも魔法はあるんですね……

【木魔法】、少し気になります。


「【ポイズンエッジ】【ポイズンリーパー】!」


大鎌に毒々しいオーラを纏わせたミカゲさんが、身体を捻り勢い良く振り回します。


その後も二撃、三撃とラクリマの胴体を斬りつけますが、ラクリマのHPの減りは微々たるものです。

あ、毒状態になりました。


「はー、かったいですな!!」

『硬クならなイときょうダい達に食べラれルからネ』

「そういう闇は教えてくれなくていいんですよぉ!」


ミカゲさんはそう叫ぶと氷結薬を投げつけて距離を取りました。

ちょっと心へのダメージを負いましたね……

わたしはひとまず星座を喚びます。



「〈ペルセウス座(ミルファク)〉、〈オリオン座(リゲル)〉、〈しし座(レグルス)〉」


魔法陣からペルセウスさん、オリオンさん、レグルスが出てきました。


そしてラクリマを見て目を細めます。


「……これはまた珍しいモンスターだな」

(この気配は幻獣だな。成体じゃないようだが)

「……コスモス様に捧げるつもりなのです。目的は瀕死にさせることです」

「……戦士の誇りを踏みにじるような戦いだったら手は貸さねえ所だったが、何やら死にたがりみたいだな」

「…わかるのですか?」

(そも成体になれるのにならず、わざわざ自己封印までしている)

「後は戦意だな。簡単に負ける気は無いがアイツは勝つ気もない」


オリオンさんとペルセウスさんは目を細めてラクリマを見ます。


レグルスは、ミカゲさんの援護へ向かいました。


「ま、撹乱くらいはしてやらぁな」

(俺は普通に戦ってくる)


ペルセウスさんは剣を握りしめてラクリマへ向かって走って行きました。

わたしも戦わないとです。


「【魔力強化(星)】【魔力強化(太陽)】……では、オリオンさんも撹乱お願いします!」

「あいよ」


棍棒を肩に担ぎ上げると、ゆったりとラクリマへ向かって歩き出しました。

さすがの余裕感です。大英雄ですもんね。


「あ、ミツキ」

「はい?」

「アルフェッカとか喚んでみるといいぞ」


振り向いてニヤリと笑うと、次の瞬間にはラクリマへと飛びかかり棍棒を振り下ろしました。


アルフェッカ……アルフェッカ……あ、かんむり座ですね。

みなみのかんむり座(メリディアナ)は確か【威厳】を付与するものでしたが、かんむり座はどのような能力なんでしょう。


……オリオンさんが言うのですから、喚んでみましょう。


「〈かんむり座(アルフェッカ)〉」



‐【星魔法】の熟練度が一定に達しました‐

星座が8割まで力を取り戻しました。


!?

魔法陣から7つの星をあしらった黄金の冠が浮かび上がります。

そして星座が8割力を取り戻しました!?




アリアドネの宝冠

宇宙(ソラ)にて輝く宝冠。頭上で輝く宝冠は以下の効果を齎す。

1日に1回のみ召喚可能。リキャストタイム24時間。


【星魔法】星座が一度だけ魔力消費無しでアーツ使用可能(完全解放されてなくても使用可能)

【天体魔法】威力・効果範囲上昇 (7回のみ)

【神秘】効果時間延長 (1時間)




「ひええええああああ」

「……何!?ミツキ氏どんな鳴き声なのソレ!?どしたの!?」

「とんでもないバフ星座喚び出しましたあああ」

「!その、ミツキ氏の頭の上で輝いてるやつですなー!」


はっいつの間にか手元から消えてました。

頭に手をやりますが、触れないです。


「もうちょい高いところに浮いてますよーう!」


レグルスと連携しながらミカゲさんは踊るように大鎌を振り回します。

その間にわたしに話しかけてます。

器用ですし視界が広いですね……


ひ、ひとまずアルフェッカの事は置いておきます。

今は戦闘中ですし、ね!


「チッミツキ!」

「はいっ!」


レンさんに呼ばれて視線を向けると、レンさんの片手にラクリマから飛ばされた糸が絡まっています。

片手で切ろうとしていますが、すり抜けています。


「燃やせ!」

「はいっ!ファイアーアロー!」


糸を狙って炎の矢を飛ばします。

しかし炎の矢は竜巻にかき消されました。


『まダ魔力足りナいノ』

「【二重詠唱(ダブル)】ウォーターボム!ファイアーアロー!」

『おっト危なイわね』


わたしはレンさんの方向へ走り出します。

勿論ラクリマは風魔法を放ち邪魔してきますが、わたしに放たれた竜巻はオリオンさんが棍棒を振り抜いて散らしました。


「柔い風だな」

『ムゥ』

「【流星(メテオ)】!」

『イッ!?【硬化】ッ』


空中の魔法陣がいつもより金色に輝くと、一筋の流星がラクリマへ流れ、直撃の後に爆発しました。


……今までよりも一番大きく速いです!

ラクリマのHPを1割くらい削りました!


……それでも1割です。硬いですね!


「ファイアーアロー!」


そしてレンさんに巻き付いた糸を燃やします。

よし、燃やせました。魔法なら燃やせそうです。


「サンキュ」

「いえ」

「この糸、MPを吸うからお前はなるべく当たンなよ」

「ひえ、わかりました。すぐ燃やします」


魔法使いからMP取ったら何が残るのでしょう。

全力で逃げます。わたしは純粋(?)な魔法使いですから!


レンさんは赤いオーラを纏って再びラクリマへ殴りかかります。

先程よりも響く衝撃音が大きいです!


『アイタッ』

「チッ硬ェな!」

『チョッとうっトうしイ!』


その虹色の眼がレンさんを捉えると、レンさんを囲うように四方から太い木の根が槍のように鋭く伸びました。


「ッ」

「ファイアーボム!」


咄嗟にファイアーボムを放ちましたが、一本しか燃やせませんでした!


しかしレンさんはしゃがんで両手をついて一本を蹴り上げてその反動で木の包囲網を抜けました。

そしてスピードに乗ると、ラクリマの側面で両手を前に出しました。


「【ギガ・インパクト】ッ」

『うグっ』


轟音と衝撃波が広がり、その反動でラクリマが吹き飛び転がりました。


「そいや!濡れるといいですわ!」


ミカゲさんが片手に青い液体の入った試験管を4本挟み、全てラクリマへ投げつけました。


「次!」


黄色い液体の入った試験管を投げつけました。

ラクリマの身体が、帯電しました。


『なんカ、ピリピリすル…?』

「ピリピリで済めばいいですなぁ!」


ミカゲさんはいい笑顔を浮かべて赤い試験管と青い試験管を取り出しました。


「耐性がなんぼのもんじゃい!とりあえず爆発だ!」


赤い試験管を投げつけてラクリマの一部を燃え広がらせると、そこに向かって青い試験管を投げつけました。


すると、大きな爆発が起きました……!

思わず目を背けてしまいます。


「………思ったより小さい爆発ですな。改良の余地アリ」

『十分、痛イ!』

「うお、うわああ!」

「ミカゲさん!」


ミカゲさんの足元から竜巻が出現し、ミカゲさんが吹き飛ばされました。


「んぐっ【流星(メテオ)】!」


ハイMPポーションで回復し、流星を放ちます。

ミカゲさんが飛ばされた方を見ると、起き上がってポーションを飲み立ち上がりました。

良かった、あまり無事では無さそうですが!HPも半分まで減ってました。


「【二重詠唱(ダブル)】ファイアーアロー!」

『狙イ、良いワね!』

「そ、それほどでも!ファイアーアロー!」


ラクリマから飛んでくる【魔力糸】を燃やします。

わたしは【二重詠唱】で同時に2つの魔法を放てますが、ラクリマは多くの【魔力糸】をあちこちに飛ばします。


相殺出来なかったものは、ひとまず避けます。


「っ!ファイアーアロー!」


避けた先に木で出来た矢が飛んできました。

それを炎の矢で相殺して、ラクリマを見るとラクリマから次々と木の矢が放たれました。


「んにゃぁぁ!ファイアーアロー!ファイアーアロー!」


そんな次々と魔法を放てるMPの多さ!羨ましいですね!

わたしは動き回りながら、矢を視界に捉えて相殺します。

避けれるか、怪しいので!


「ファイアーアロー!」



‐炎魔法が一定の熟練度に達しました‐

ファイアーウォールを習得しました。



「!ファイアーウォール!」


覚えたものをすぐに試します。

わたしの目の前に炎で出来た壁が出現しました。

木の矢は、炎の壁に阻まれ燃え尽きました。


『ムゥ、当たラなイ』


ラクリマの虹色の眼は、ペルセウスさんの方向を向きました。

助かりました!

このファイアーウォールと言う魔法、防御に使えそうです!



ラクリマのHPはまだ3割しか減ってません。

どうにか、削るとしましょう。



やはり戦闘は難しい……主人公の見せ場も仲間の見せ場も組み合わせるの、他の作者の皆様すごすぎでは……?

作者なりに頑張りますけれども!


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] バトルの展開がわかりやすく進んでいて読みやすいです
[良い点] 鳴き声www バフは大事。バッファータイプもいるか〜、なるほど。
[一言] 更新有り難う御座います。 八十八星座あると、誰を呼んだか、呼んでいないかが……。
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