ポーションと頭装備
ご覧いただきありがとうございます!
【瞬間移動】ですぐ戻ってきました。
路地にあるベンチに腰掛け、ステータスを操作します。
ミツキ Lv.39
ヒューマン
メインジョブ:アストラルハイウィザード Lv.10/サブ:薬師 Lv.6
ステータス
攻撃 47 +1
防御 63 +1 (+39)
魔攻 136 +2 (+40)
魔防 59 (+39)
敏捷 43 (+15)
幸運 56 +1
よし、これで大丈夫です。
あとはジョブスキルですね……
【魔力強化(太陽)】【魔力強化(月)】……
【魔力強化(太陽)】
【星魔法】で喚び出した星座が太陽光の元で全ての力を発揮できるようになる
継続時間:15分 リキャストタイム:1時間
【魔力強化(月)】
【星魔法】で喚び出した星座が月明かりの元で扱う技の威力が上がる
継続時間:15分 リキャストタイム:1時間
………ほう?
星座達は太陽光の元では、太陽が明るすぎて全ての力を発揮できません。
それを、【魔力強化(太陽)】は15分間だけですが全力を出せるようになるのですね。
………強すぎですね!
リキャストタイムは1時間ですし、今度使いましょう!
【魔力強化(月)】は技の威力を上げる……
こちらは技術的な支援ですね。星座達が強くなるのは大歓迎です!
夜の外での戦闘の支援です。
両方とも、広い場所で戦うときに便利です。
わたしは太陽光の元で戦うのはソル様の加護とブレスレットがありますからね!
………あれ、思い出すとソル様のブレスレット、太陽の下での戦闘時全ステータス1.2倍でしたね。
えっと、わたしの今の魔攻は杖込みで136なので、…………163、になりますね?
太陽の下だと、魔攻が163になります!
……やっばいアクセサリーですこれ。
誰にも教えられませんね……
よし、休憩完了です。
リゼットさんの所へ向かいましょう。
瓶も心許ないですし、今回はちょっと買わせていただきます。
「こんにちは……」
リゼットさんのお店を覗くと、リゼットさんと筋骨隆々なスキンヘッドの男性がお話ししてました。
リゼットさんはわたしに気付くと片手を上げて応えます。
わたしもぺこりと頭を下げて、棚に並んだハイポーションやフルポーションを手に取ります。
あとはフルMPポーションですね。
魔法使う身としては、フルMPポーションはストックしておきたいです。
わたしも早く作れるようになりたいです。
たくさん素材集めないとですね……この間隙間でレシピ本をチラ見しましたが、新しいレシピ本の内容は耐寒薬、耐熱薬、敏捷薬……などといった耐性系やステータスを上げる薬のレシピでした。
見たことのない素材ばかりでしたからね。
探しに行かないと……
「……ん?この店に渡り人なんて珍しいじゃねえか」
「っ」
棚の前で考え事していたら、スキンヘッドの男性がこちらを見ました。
見た目がちょっと怖いので驚きました……!
ぺこりと会釈します。
アイコンはNPCですね。
そしてわたしの襟元を二度見しました。
「……!………!?」
「コラ、女の子をそんなに不躾にみてはいけませんよ」
リゼットさんが男性の背中をぺしりと叩きました。
するとスキンヘッドの男性は慌てたように手を振りました。
「ハッ……すまねえな嬢ちゃん」
「い、いえ……」
「俺はディラックってんだ。嬢ちゃんは?」
「ミツキです」
「リゼットさんの弟子みたいだし、よろしく頼むぜ」
にかっと笑うディラックさん。
お話ししてみると、気のいいおじさんです。
見た目で判断してはいけませんね。
「じゃあリゼットさん、さっきの件はよろしく頼む」
「詳しく決まったらもう一回連絡してちょうだい」
「おう。ちゃんと依頼書持ってるぜ」
「ミツキも何かあったらギルドに言えよ。どうにか出来たらしてやんぜ」
「?はい、わかりました」
「エトワールさんにもよろしくなー」
ディラックさんは片手を上げて店から出て行かれました。
お師匠様とも知り合いなのですね。
筋骨隆々で強そうでしたし、冒険者ですかね?
「……冒険者の方、ですよね?」
「ええ。破落戸みたいな見た目だけどSランクの冒険者よ」
「Sランク!お強いですね!」
「そしてルクレシアの冒険者ギルドのギルドマスターよ」
「……え」
ギルドマスター!?それは強い訳です。
そしてお師匠様とも知り合いな訳です。
まさかギルドマスターと知り合いになれるとは……驚きです。
「今度、ミツキさんも一緒に依頼に行ってもらうかもしれないわ」
「リゼットさんとですか?」
「ええ。薬師としての依頼があるの」
「それは是非同行させていただきたいです」
リゼットさんと薬師依頼……
リゼットさんへ依頼が来るほどです。
それは重要な依頼だと推測します。
同行させていただけるのであれば、同行したいです!
「詳しい話はまた今度ね。私への依頼書作るのに時間かかるだろうから」
「…?リゼットさんへの依頼は、難しいのですか?」
「そうねぇ。手続きが手間なのよね、異名持ちへの依頼は」
「!そうなのですね」
「こう理由があって依頼する、と言うのを王へ奏上しないといけないわ。私利私欲で変な依頼を頼まれては困るもの」
頬に手を当てて困ったように言うリゼットさん。
なるほど、確かに誰でもできる簡単な依頼を異名持ちに依頼するのは、ちょっと違うかもしれません。
言葉にするのは難しいのですけれどね。
……あ、適材適所、でしょうか。
異名持ちの人がパンクしてしまったら意味ないですからね。
アストラルウィザードへの依頼も特殊職業依頼でした。
お師匠様が持っていましたし、特別な依頼書だったのですね。
なるほど、辻褄が合いますね。
勉強になりました。
「あ、それ買うのかしら?」
「はい!明日、大切な戦いがあるので……」
明確な目的の為に戦うのは初めてかもしれません。
コスモス様と母を会わせる為に、モンスターと戦います。
その時に【19:太陽】も使います。
完全解放されたソル様……もとい【19:太陽】の力をお披露目です。
「……そうなのね。貴女の力を信じて、諦めないでね」
「はい!」
リルを支払ってポーションを受け取ります。
それをアイテムボックスへしまいます。
「応援しているわ」
「ありがとうございます!」
リゼットさんに挨拶して、お店を出ます。
よし、ブティックへ向かいます!
ブティックで探したいものがあるのです!
もうすぐ18時になりますが、ログアウト遅くなるとメッセージを入れておきましょう。
ブティックへたどり着きました。
ウィンドウに飾られるワンピースかわいいですねぇ……
ちょっと様子を窺いながら扉に手をかけます。
そしてゆっくり開けると、クレハさんと目が合いました。
「おや、ミツキさん」
「こんにちは」
「いらっしゃい」
いつもスカーレットさんがカウンターにいましたが、今日はクレハさんです。
珍しいですね。
わたしはクレハさんの元へ近寄ります。
「今日は何かお探しかな?」
「えと、ここは髪の毛を結べるような頭装備って取り扱ってますか……?」
今わたしの髪は背中の真ん中辺りまでありますが、戦闘中バッサバッサしてます。
今度の戦闘の時に、結べたらと思いました。
「………ふむ。髪に触れてもいいかい?」
「大丈夫ですよ」
クレハさんはカウンターから出てくるとわたしの背後に周り、髪の毛に触れます。
持ち上げたり、1つにまとめて太さを確認します。
「……サークレットや髪飾りではなく、結ぶんだね?」
「髪飾りもいずれは欲しいですね……編み込みもしてみたいですし、今回はポニーテールをしてみたいです」
「ふふ、かわいらしいね」
頭につければなんでも頭装備になりますかね?
アクセサリー枠だとどれか外さないとです。
おそらくヘルムとか仮面?とかが頭装備だと思うんですけれどね………
「ふむ、少し待っててくれ」
「はい」
クレハさんはカウンターの奥の部屋に消えていきました。
わたしはマネキンが着ている服を眺めます。
シンプルなラインの入った黒いワンピースです。
ワンピース(黒)
シンプルな黒いワンピース。
以下のスキルが付与されている。
【防寒】【防暑】【清潔】
もしもこの世界の住人だったら普通に買ってましたね!
防暑防寒に優れ清潔に保たれるワンピース、有用すぎます。
「待たせたね」
「いえ、洋服眺めるの好きです」
「ふふ、ありがとう」
クレハさんはカウンターへ様々なアイテムを並べました。
「試作品なんだけれどね、ヘアリボンやヘアターバン、シュシュや簪とかあるんだけど」
「わ、可愛らしいです」
とてもおしゃれです!
これ頭装備なんですか!?アクセサリーではなく!?
ちょっとわからなくなってきました!
「ポニーテールするなら、リボンを結んでもいいかもしれないね。これにもちゃんと色々【付与】してあるんだ」
「すごいですね!」
「ミツキさんの髪色は綺麗な群青色だからね。パステルグレーとか、パステルブルーのリボンも合いそうだ」
「……パステルグレー、可愛いですね」
髪の毛とリボンを近付けます。
……自分で言うのもアレですが、合いそうです!
「そちら、買わせてください!」
「試作品だからお代はいらないかな」
「っせめて材料費や加工費として!」
「うーんそうだな、じゃあ5,000リルで売ろうか」
即支払いました!
リボン可愛くて好きです!
パステルグレーのリボン
サテン生地で作られたパステルグレーのリボン。
以下のスキルが付与されている。
【防御力上昇(小)】【呪縛耐性上昇(小)】
防御力が上がります!助かりますね!
さっそく結びましょうかね?
「……私が結んでもいいかな?」
「?クレハさんが、ですか?」
「ちょっと結んでみたいな、駄目?」
カウンターに両腕を置いて首を傾げるクレハさん。
うっ花が背景に咲きました……
「ど、どうぞ?」
「わぁ、ありがとう。そこの椅子に座って」
椅子に座ると、リボンを持ってクレハさんが後ろに立ちました。
櫛を使って、髪の毛をまとめていきます。
「痛くない?大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ。……今日スカーレットさんは何処かへ行ってるんですか?」
「スカーレットは布を仕入れに日輪の国へ行ったよ」
「日輪の国……いけるんですね」
「そうだね、直接飛ぶのは大丈夫。…確か今は航行はしてなかったね」
行ったことあれば【瞬間移動】や【転移】がありますもんね。便利ですね。
「ミツキさん、髪を持ってくれるかな?」
「はい」
クレハさんはわたしが持ち上げた髪へリボンを巻き付けて、丁寧に結びます。
「うん、よく似合ってるね」
「ありがとうございます!」
おお、首周りがスッキリしました。
髪型変えるのは気分転換にもなりますからね。
………後は個人的におしゃれもしたいです!
アクセサリースロットもう一枠増えませんかね……レベル上がれば増えるでしょうか。
「あと、この間は果物、ありがとう。とても驚いたけど、スカーレットと戴いたよ」
「皆さんにはすごい驚かれました」
「そりゃそうだろうね。私とても驚いたよ」
太陽のプラム、アイテムボックスにまだ………15個以上あります。
大切に保管しておきましょう。
「スカーレットが悔しがるだろうなぁ。また来てね」
「はい!」
クレハさんに手を降ってお店を後にします。
ギルドで報告して、ランクアップしないとです。
わたしはギルドへ向けて走り出しました。
「次のランクアップまで、討伐、採集依頼共に5つ……」
ギルドランクの上がったギルドカードを眺めてぽそりと呟きます。
それぞれ5つなのは今までと変わりませんでしたね。
ギルドランクDまでは、結構上げやすくしてるんでしょうか。
地道に依頼を達成していかないとです。
頑張りましょう!
よし、お師匠様の島に戻ってログアウトしましょう。
……ご飯食べたら、明日のお弁当でも作りましょうかね。
ゲームでもおしゃれしたいですよね( ˘ω˘)
次回は7/8に投稿します。
これからもこの作品をよろしくお願いします!




