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再びの図書館

皆さまご感想もご評価もありがとうございます!



ルクレシアへ飛んできました。

石碑広場でログアウトします。





リビングへ降りると、父が麺を茹でていました。


「手伝うよ」

「お、ありがとう。そうめんだから、茹で上がったら水で締めてくれるかい」

「わかった」


父は隣で野菜を切り始めました。

わたしは次から次へとそうめんを茹でていきます。


「普通にそうめん?」

「冷やし中華と見せかけて野菜乗せたそうめんかな」


なるほど、ハムときゅうりと卵とトマトです。

野菜そうめんも美味しそうですね!


「この間母さんが冷やし中華のつゆ買ってきてたはずなんだけど、持ってきてくれるかい」

「わかった!」


冷蔵庫から、冷やし中華のつゆと書かれた瓶を取り出します。

つゆも売ってるんですね………


「からしマヨネーズ作ってもいいかなぁ」

「いいよ。父さんにも欲しい」

「小鉢に作っておくね」


冷やし中華にからしマヨネーズって美味しいですよね。

今回はそうめんですが!


うん!絶妙なバランスのからしマヨネーズができました。


テーブルにおかわり用のそうめんを置いて、椅子に座ります。

兄と母もリビングに入ってきました。



「お、冷やし中華?……にしては麺白いし細いな」

「野菜そうめんだよ」

「美味そう」


「「「「いただきます」」」」


冷やし中華のつゆをかけて、からしマヨネーズを混ぜます。


んんんさっぱりピリッと美味しいです!

夏って感じがします!まだですけど!

そうめんっていくらでも食べられます。そうめんと冷やし中華のつゆ、いけますよ!


野菜そうめん案外いけますね!

みんな夢中で麺をすすってます。


「めっちゃ美味い」

「冷やし中華のつゆ美味しいわねぇ」

「野菜美味しい!」

「いい組み合わせだったね」


大満足です!

簡単に作れますし、また今度作ろうと思います!


「あ、お母さん。このあと図書館行くね」

「わかったわ。待っているわね」


部屋に戻る母に声をかけて、わたしも部屋に戻ります。




ログインしました。

ルクレシアは今日も賑やかです。


コッコのつくね(甘辛タレ)に齧りついて、お腹を満たします。

道行くNPCやプレイヤーを眺めます。


アイコンが無かったら見分けが本当につかないですね。

プレイヤーは鎧を身にまとう人もいれば軽装の人もいます。

街中では武器はアイテムボックスへしまっています。


うむ、ごちそうさまでした。

よし、図書館へ向かいます。




そっと扉を開けて図書館へ入ります。


「よく来たにゃあ。図書館利用するにゃ?」

「はい」

「図書館の専用カード翳すにゃ」


ミーアさんに挨拶して、水晶に専用カードを翳します。

500リル支払って、相談室を借りれるか聞きましょう。


「ミーアさん、相談室って借りてもいいですか……?」

「んにゃー本当は司書と利用者が使うための相談室にゃんだけど………司書長に言っておくにゃあ。これが相談室②の鍵にゃ、帰りに返してにゃあ」

「ありがとうございます!」


ミーアさんから鍵を借りて、母を探します。


本棚と本棚の合間を何個か覗き見て、窓際のソファに座っているのを見かけました。

近寄って小さな声で呼びかけます。


「お母さん」

「あら、早いわね」

「そう?何読んでるの?」

「海の伝承かしら」


ミニテーブルに置いてある本は、全て概念的な本や各地の伝承、神話、絵本までおいてあります。

本気で調べて読んでますね。


「それは全部読み終わってるから、この本だけ読ませて頂戴」

「うん、わかった」


丁度太陽島についての絵本があります。

わたしも読みながら待ちましょう。






むかしむかしあるばしょに、たいようにてらされたしまがありました。

そこはたいようさまのいえ、たいようさまのかえるばしょです。

くだものはおおきくみのり、さくもつはおおきくそだちます。

たいようさまのこどもたちがすみ、たいようさまのてつだいをしています。


たいようさまはせかいをてらします。

たいようさまをおこらせたら、せかいはくらくなってしまいます。

ひとがたくさんいのると、たいようさまはまたぼくらをてらしてくれます。


たいようさまのめぐみにかんしゃいたします。


たいようさまのすむしまは、『ソル・ネーソス』というなまえです。

まぼろしのくだものとよばれるくだものがそだつしまです。


たいようさまのめぐみにかんしゃいたします。


たいようさまのめぐみにかんしゃいたします。


たいようさまのめぐみにかんしゃいたします。


これからもせかいをそのかがやきでてらしてください。


ああいだいなるたいように、こころからのかんしゃを。


たいようさまのめぐみにかんしゃいたします。







え、絵本にしては何というか、異色ですね。

途中から雰囲気が変わりました。

少し闇を感じます。


これは子どもに言い聞かせるタイプの絵本かもしれません。


……な、なるほど。住人たちはこれを幼い頃から読んでいたのでしょうか。

そして太陽島が本当に存在している事に驚かれると。


……絵本ですしね。フィクション感強めです。



「……よし、読み終わったわ」

「どうだった?」

「中々興味深いわね。本一冊一冊にストーリーがある。よくここまで作りこんだと言うべきね」

「確かにね。細部まで作りこんでるよね、設定とか」

「読書家にとっては中々楽しいわね。ずっと図書館にいられるわ」

「……そういえばこの窓際の光は大丈夫なの?」

「ジリジリと身を焦がしてるわよ」


焦がしている!?

平然としてるお母さんこわ………


「さて、ミツキの話を聞かせてもらおうかしら」

「う、うん。相談室は借りれたから、こっち」




相談室②扉を開けて中に入ります。

おお、よくある応接室ですね。


ソファに座ります。

……なんだかちょっと緊張しますが。

……2者面談の気分です。相手は母親ですけれどね!



「……使徒になりたい候補って絞れた?」

「そうねぇ。私は実益より興味だから、好きなものを信仰するのが1番長続きすると思うのよ」

「今回の相談はその候補に、含めてもらいたい概念的存在の方がいてね。その方に、会ってもらいたいんだけど」

「あら、概念的存在に会えるの?」

「…明日、その人を実体化させるために戦うの。……貴重な休みの時間だけど、明日はわたしに付き合って貰えればと、思います」


ぺこりと頭を下げます。

わざわざ貴重な時間を貰おうとしてますからね。


「別に構わないわよ?」

「えっ」

「私は別の世界を楽しもうと思ってゲームを始めたの。ぜひ、ミツキの戦いをみてみたいわ」

「お母さん……」

「ふふ、ミツキが守ってくれるのよね?」


わたしはぴしりと固まります。

そういえば、どう連れて行くか考えてませんでした。


母のレベルは、まだ5です。

むしろレベルが上がるくらいには戦闘したんですね、お母さん………


というか、お師匠様からそのモンスターの出現場所を聞いていません!

どんなレベルのモンスターが出るかもわかりません!困りました!


ぎょしゃ座(カペラ)の能力なら安全に連れていけそうですが、そもそも馬車がありません!


そんな事を考えていたら、ノックの音が響きました。

扉を少し開けると、ティーセットを持ったヴァイスさんがいました。


「この部屋には何もなかった筈だ。これを」

「あ、ありがとうございますヴァイスさん。そしてちょっとご相談したいのですが!」


ヴァイスさんが訝しげな顔をします。


「お母さん、ちょっとだけお待ちを!これ飲んでお待ちを!」

「わかったわ〜」


母の前にティーセットを置いて、部屋の外でヴァイスさんへ話しかけます。



「母と相談中なのですが、そもそもお師匠様からどこに出現するモンスターか聞いてませんでした。母を連れて行く方法を考えていませんでした……!」

「…………………」


ヴァイスさんは頭を抱えます。

わたしもすこんと頭から抜けてました!

道行くモンスターは倒していこうとは思っていましたが、レベルの低い母を連れて行く方法、どうしましょう!


「……ひとまず、私も話そう。紹介してくれ」

「お、お仕事中にすみません」

「妹弟子の事だ。これも仕事に入るだろう」


そう言うと、ヴァイスさんはわたしの背を押します。


「失礼します」

「あら、貴方は?」

「私はヴァイスと申します。彼女の、兄弟子に当たる立場の者です」

「まあ!そうなのね」


母は目を丸くして微笑みます。


「私はソラと言います。いつもミツキがお世話になってます」

「いえ、彼女はいつも新しい発見をくれますから」

「やんちゃな子だけれど、こき使ってやってくださいな」


ちょっとお母さん???

わたしはやんちゃじゃないですよ???


「勝手ながら、彼女から話を聞かせていただきました。……明日、私も同行させて頂ければと思います。これでも腕には自信があります」

「えっ」

「まぁ、よろしいのかしら?貴方には貴方の都合もあるでしょう?」

「明日は休みですので。予定も特にありませんから……それに、妹弟子の成長も気になりますからね」


チラリとヴァイスさんがこちらをみます。

うぐっプレッシャーです。

変な姿は見せられないです……

わたしが一番動けないですからね……後衛なので!

攻撃は避けるので精一杯です。


「ヴァイスさんが、良いのであれば……」

「道中の安全は約束いたします。……同行はソラさんお一人ですか?」

「……恐らく夫と、この子の兄も着いてきそうな気がするわね」

「では大きめの馬車を用意します」


確かに着いてきそうです。

そしてヘマしたら笑われる気がします、兄に。


「ありがとうございますヴァイスさん」

師匠(せんせい)も伝えるの忘れていたんだろう。……モンスターの見当はついているからな。明日はルクレシアの石碑広場で待ち合わせよう。時刻は恐らく9時に出発すれば昼過ぎには着くだろう」

「わかりました。……お母さん、9時前にルクレシア集合ね」

「ええ、わかったわ。ヴァイスさん、よろしくお願いしますね」

「お任せください」

「ありがとうお母さん。また本読む?」

「そうねぇ。まだ時間もあるし、読ませてもらうわね」


「それではヴァイスさん、失礼しますね。紅茶、ありがとうございました」

「いえ、仕事ですから」

「じゃあまた後でね、ミツキ」

「はーい」



母は相談室から出ていきました。

わたしはツメが甘いですねぇ……


「……ヴァイスさん、ご予定大丈夫ですか」

「特に無いからな、構わない」

「ありがとうございます…」


紅茶で喉を潤します。

ふぅ、緊張しました。

………自分のプレイが家族に見られるって、なんだか気恥ずかしいです……!


「……厳しい戦いになるだろうから、準備は怠るなよ」

「………そんなモンスターと戦うのですね」

「恐らく、お前達が戦ったモンスターの中で一番戦い辛い相手だろうな」


ハードルが………ハードルが高くなっていきます……

今日はリゼットさんの所でポーション買っていきましょう。


それに杖に慣れるために、討伐依頼も受けようかと思っていたのですが……いえ、やはり確かめましょう。

ぶっつけ本番は足を引っ張ります。


ちらりと時刻を確認します。

今は14時過ぎました。


……戦闘をして、ポーション揃えに行きましょう。



「ヴァイスさん、わたしはこの後ちょっと戦いに行ってきます」

「そうか。杖に慣れておくといい。鍵は返しておく」

「はい!ありがとうございました!」


わたしは相談室を出て、受付にいたミーアさんに鍵はヴァイスさんが預かってくれた旨を伝えて、外へ出ました。





皆さまからご感想をいただき、作者も忘れかけていた頭装備の事を思い出しました。

頭装備考えますね!( ˘ω˘)


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] AIの言われるままやってきたツケが出てしまったか。 それにしても、さらっと家族の取り付けるお母さんやりおる。
[一言] そうめんで冷製パスタもおいしいですよ
[一言] 頭装備・・・魔法使い的なとんがり帽子か○○のアトリエみたいな丸い帽子、ヘアバンド。 ティアラまで行かなくても星の意匠の髪飾りなんてのもありですね。
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