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日常 その8

ご覧いただきありがとうございます!

ちょっと文章多めです。半分はご飯食べてるかもです( ˘ω˘)


おはようございます!

良い天気です!良かったですね!


わたしは起き上がって、ユアストの通知を開きます。




Your Story ‐ミツキ-




33ページ目




王都ミゼリアで、グレナダの妻と出会いました。

彼女も屋台で料理を売っています。

彼女の料理も美味しかったでしょう。



ポーションの作る速度が上がりました。

精度も上がっているようです。



お疲れ様でした。









ポーション作れば作るほど、出来上がりが速くなりますし失敗もしなくなりますね!

【複製】も良いですが、ちまちま作ることも続けましょう。


これも経験です!



よし、今日はギルドへ納品に向かいます。

……口座の中身も確認しましょうか。



では、学校へ行ってきます!










今日も何事もなく学校生活が終わりました。

花ちゃんは部活が忙しいので、見送ってわたしも帰ります。


今日の夕食は何でしょうかね……


「ただいまー」

「おかえりー」


んむ!この香りは!


素早く手を洗って制服をハンガーにかけて部屋着に着替えて、すぐにリビングへ向かいます。


「わ、わたしの分は!」

「たっぷりあるわよ〜」


キムチ鍋!!!

キムチ鍋です!!!


「いただきます!」


れんげで豆腐を口に運びます。

んんんんま!!美味しい!キムチ鍋の豆腐って本当に美味しいです!

白菜も味が染みててご飯が進みます〜!

ちょっとスープもご飯にかけて、豚肉と豆腐と一緒に食べます。

美味しい……身にしみる……

黙々と食べ進めてると、お母さんが袋をもって来ました。


「締めはうどんでいいかしら」

「いいよ!」

「最高か」


お母さんと一緒にキッチンで、鍋にうどんを入れて煮込みます。

そこでお母さんが取り出してきたのは、


「!」

「入れちゃいましょ」

「い、いいの?」

「お母さん好きなのよね、チーズ」


キムチチーズうどん!!!

チーズのおかげで味がちょっとマイルドになります。

美味しいんですよね……


チーズも共に煮込んで、テーブルに持っていきます。



「!」

「なん、だと…」

「今日は特別よ〜」

「いただきます!」


んんんチーズが伸びる!辛さがマイルドになって、うどんと絡んで美味しいです!

はふ………至福……


皆無言で食べ進めてます。

そうなりますよね、美味しいですもん。



「ごちそうさまでした」

「ごちそうさま」

「美味しかったわね」

「鍋もいいね」



わたしはキムチ鍋が一番好きです。

大満足でした!


兄が洗った鍋をタオルで拭きます。

よし、大丈夫でしょう。


「お兄ちゃんはユアスト、どう?」

「ん?あー、なんかネームドモンスターと戦ったぞ」

「ネームドモンスター!?」


名持ちのモンスターって事、ですよね!?

そんなのルクレシアの周りにいたんですね……


「まぁ負けたけどな」

「え、お兄ちゃんが?」

「おう。レベル差もあったしなぁ。でもま、次は負けねえよ」

「……ふふ、そっか」


お兄ちゃんが静かに燃えてます。

その敗北は、お兄ちゃんの事を燃え上がらせてくれたようです。



「そろそろ初心者装備を卒業したいよなぁ」

「……装備って大事だよね。わたしのお世話になってるNPC紹介しようか?」

「今武器の加工でリル使っちまったからな……貯めたら紹介して貰おうかね」

「わかった」

「手持ちの素材全部売ったからリル無えのよ」

「えっ武器の加工ってそんなリルかかるの?」

「なんか加工が難しいらしくてな。ギルドを通してやれそうな鍛冶師に依頼してくれるんだと。ひとまずリル稼ぎだなぁ」

「お兄ちゃん、わたしの手持ちのポーション譲るよ。戦うのにあった方がいいでしょ?」

「マジ?助かる。……出世払いでいい?」

「ふふ、いいよ。わたし薬師だから」


そうです。わたし薬師なので、身内になら譲ってあげてもいいですよね。

リルのやり取りは、さすがに嫌がりそうですし言わないでおきましょう。


「1回ミゼリアのギルドに顔出してから向かうけど、ルクレシアでいい?」

「おう」

「その時美味しいご飯でも食べる?」

「……ゲームで美味い飯食べたことないな。携帯食ばかりだわ」

「勿体ない!ここは先輩として美味しい所教えてあげる」

「いやでも」

「次はお兄ちゃんに奢ってもらうから、今回はわたしの奢りだよ」

「………了解。楽しみにしてるわ」


わたしが譲らないのが伝わったのか、小さく笑いました。

だって、ユアストのご飯、美味しいのですよ!


「終わったら連絡するね」

「おー。俺はルクレシアの街の探索してるわ」





お風呂をサッと済ませてログインします。

ディアデムを喚び出し、コッコの唐揚げ1個をお腹に入れます。

これで空腹になるほどではないですね!



リビングを覗きます。

お師匠様だけです。


「お師匠様、こんばんは」

「ミツキか」

「はい。王都に行って、ルクレシアに行ってきます」

「なんだい、待ち合わせかい?」


お師匠様がニヤニヤしてます。

………なにやら勘違いしてそうですが、デートとかじゃないですからね!違いますからね!


「兄と会うだけですからね!」

「はは、そうかい」

「行ってきます!」


挨拶して扉から出ます。

待ち合わせって言うとみんなデートみたいに捉えますね…


ふと空を見上げます。

今日も澄んでいて綺麗に見えますね。


お師匠様の家の周りには、今日は星座達はいませんね。

ではひとまず王都へ飛びましょう。










「なんと」

「はい」

「……どこでも良かったのですね……」


わたしはギルドの依頼カウンター前で脱力しました。

ギルドカードに情報が読み込まれているので、どこのギルドでも報告可能だったみたいです。

今回のポーションの納品は、別にルクレシアで報告してもルクレシアからミゼリアへ運ばれるワンクッションはありますが、忙しい冒険者の為に、どこのギルドで報告しても良いことになってるそうです。


でもまぁどうせミゼリアに運ぶのであれば、ミゼリアで受けた職業依頼はミゼリアで報告しましょう。


「納品、ありがとうございます。こちらが報酬となりますね」



-ポーション100本納品しました-

達成報酬として5,000リル入手しました。



「ありがとうございます」

「今後共よろしくお願いいたします」



受付のお姉さんに挨拶して、口座の確認します。

………大きく深呼吸をして、ギルドカードをかざします。



「………………」



- 称号 富豪 を獲得しました -




わたしは惰性で称号欄をタップします。



富豪

1億リル以上入手した人に送られる称号。

超リッチ!ゲームでこんなに稼いでどうするんですか?




え、すごい煽られてます……


それに、王様……王様……一般人こんなにリル振り込まれたら詐欺を疑いますよ………


わたしは大きく深呼吸して、見なかったことにして装置の前から退きます。


………よし、お兄ちゃんと美味しいもの食べましょう。

わたしは少し覚束ない足取りで、ギルドを出ました。





《ミツキ》


預金:170,300,000 リル








ルクレシアに戻ってきました。

兄にメッセージを入れて、広場近くのお店を覗きながら待ちます。


「よ、待たせたな」

「お兄ちゃん」

「いやぁこの街広いよな。途中迷ったわ」


初心者装備の兄に声をかけられました。

あ、レベルが12になってます。はやいですねぇ。


「お兄ちゃん何食べたい?」

「んー、肉?」

「………わかった」



レジアさんの所のお野菜たっぷりメニューか、ティナさんの所の宿屋の食堂に行くか迷っていましたが、ティナさんの所に向かいましょう。




「ティナさんこんばんは」

「あらっミツキさんじゃないか!元気にしてるみたいで何よりだね!」

「はい!今日は食事を取りたいのですが、泊まってなくても食べて良いですか…?」

「いいよいいよ!いいお肉入ったから、いっぱいお食べ!……おや、そちらのお兄さんは?」

「兄です」

「兄のリューです。妹がお世話になってます」

「あらまあ!兄妹でご飯なんていいねえ!ゆっくりしていってね!」



久しぶりにお会いしたティナさん、変わらずお元気そうです。

ティナさんに案内されて食堂へ入ります。

わ、食事のいい匂いが……



「お兄ちゃん何食べる?」

「ちょっと待って考えるから」


すごい顔を顰めながらメニューを眺めます。

どれも美味しそうですよね!


「色々頼んで、分ける?」

「うちの妹天才か?そうしよ」

「んーと、あ!ハニーピグのステーキ!」


ハニーピグ!あのほんのり甘くて柔らかいお肉!

食べましょう!


「ハニーピグすごい美味しいの!」

「んじゃそれも頼むか。あとはファイアーバードのムネ肉のサラダと、コッコの唐揚げ、ガーリックトースト、スノーディアのスープにするか」


……おお、なんかバランス良さそうです。

サラダとお肉とスープとパン。

まぁゲームですし、カロリーなんて気にせずとも大丈夫でしょう!


「決まった?」

「はい!ハニーピグのステーキ2皿と、ファイアーバードのムネ肉のサラダと、コッコの唐揚げ、ガーリックトースト、スノーディアのスープを2つで!」

「お!いい食べっぷりだね!飲み物はどうする?お兄さんお酒もあるよ?」

「え、マジか。……エールで」

「わたしはグレープジュースで」

「あいよ!ちょっと待っててね!」


ティナさんが厨房へと消えました。

……受付に誰もいなくていいのでしょうか?


料理が届くのを待っていると、兄が目線を忙しなく動かしているのに気付きました。


「お兄ちゃん、何かあった?」

「……いや、プレイヤーいねえなと」


お兄ちゃんに言われてもわたしも軽く見渡すと、確かにプレイヤーはいません。

………ご飯を食べないのか、ここまで来るプレイヤーがいないのか………


「気になることがたくさんあるんだよなぁ。でもそれは食べ終わってからでいい」

「わ、わかった」

「…やべえ腹減ったな」


「あいよ!お待ちどおさま!」


目の前でお腹の音が鳴ったのと同時に、ティナさんが小さな身体でたくさんの料理を運んできました。

頼んだ料理全部来ましたね!


「ありがとうございます!いただきます!」

「いただきます!」

「ゆっくり召し上がれ!」


そう言って厨房へ戻ったティナさんを見送って、わたしはサラダを口に運びます。

ファイアーバード……ほんのりお肉が赤いような気がしますね。

…………!ピリ辛!このお肉、ピリ辛です!

オーロラソースでまろやかになってますが、お肉に味がついてます!

レタスもシャキシャキ!きっとレジアさんのところの野菜でしょう!

んんん美味しい!


同じようにサラダを口に運んだ兄の目が見開かれ、輝きました。


「うっま!」

「わかるよお兄ちゃん!美味しいね!」

「やべえ美味え!」


語彙力がどこかへ行きましたね。

わたしはそんな兄を横目にハニーピグのステーキを切り分けます。

まずはそのまま………!美味しい〜!

ほんのり甘くて柔らかくて、そのままでも十分美味しいです!

少し塩を振って、また一口。

んんん!塩気が甘みを引き出して、さらに旨味が出てます!

程よいバランスです!美味しい!

ガーリックトーストと食べるの止まりません!



「こんなに美味いんだな」

「そうなの」

「携帯食じゃ満足できねえようになったわこの一瞬で」

「わたし携帯食食べたことないからね」

「最初からこんなに美味いのを?」

「屋台で串焼きとか、お店でパンとか買ってたよ。携帯食の存在も最近知ったし」

「まじかよ。……いや食べるの止まらねえわこれ」


そうなのです。

美味しすぎて、食べるの止まらないのです。

会話の合間に二人してぱくぱく食べてます。


このスノーディアのスープ、お肉の旨味がスープに溶け込んでて、コンソメ風味で、とても香ばしいです。

落ち着きます………


「夕飯の後に食事する罪悪感やべえけど美味え……」

「わたしその罪悪感、もう乗り越えたから」

「お、おう。妹がすげえ達観した目をしてる…」


わたしは乗り越えました。

これはゲームなので、現実のわたしが食べた訳じゃないのですよ…………


なのでこの技術、本当にすごいですよね……素晴らしいです。



「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさまでした」


大満足です!

やはりティナさんの所のご飯も美味しいです!


お皿を持ってカウンターへ行きます。


「おや、わざわざ持ってきてくれたのかい?」

「あ、すみません習慣で」

「ありがとうね」

「えと、リグさんにも美味しかったですと」

「マジ美味しかったです」

「あら、嬉しいねぇ。おーいアンタ!美味しかったって!」


ティナさんが後ろを振り返って叫ぶと、のそりと巨体が出てきました。


「………ありがとう」

「こちらこそ、ごちそうさまでした!」

「ごちそうさまでした」


…………熊さんです!

熊の獣人さんです。寡黙な雰囲気ですが、そのお料理には優しさがこもってましたね!


にしても、熊の獣人のリグさんとヒューマンのティナさん夫婦……………いいですね。素敵です。



「今回のお代は3,500リルさ」

「……お安すぎでは?」

「旦那が獲ってくるからね!そんなもんさ!」


そんなもんなんですか………?

とりあえずお支払いしますけど……もっと取ってもいいと思いますけどね。


「うす。ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでしたー!」

「またおいでねー!」


ティナさんとリグさんに手を振り、子羊の宿り木を出ます。


「美味しかったねぇお兄ちゃん」

「マジで美味かったな」

「オススメだよ」

「…覚えておくわ」

「お兄ちゃんそう言えば宿屋は?」

「ん?あー、大通りの方にある」


お兄ちゃんは振り返って、難しい顔をしています。

そういえば気になる事とはなんでしょう。


「……お兄ちゃん?」

「……ちょっと座るか。時間まだ大丈夫だろ?」


チラリと時刻を確認して、まあ大丈夫ですね。

近くのベンチに座ります。


「……お前、あの宿屋誰から聞いたんだ?」

「?カレンさんから」

「…カレンってあのNPCか」

「うん。どうかした?」

「……お前が扉に触れるまで、ハリボテだったんだよあの店」

「え」


は、ハリボテ?

ハリボテとはどういう意味でしょうか。


「あるだろ。ゲームで、家は建ってるけど入れないモニュメントになっている家とか」

「うん」

「たどり着くまでは、俺から見たら普通の家っつーか、街並みだったんだよ。だからお前が扉に手を掛けた時驚いたんだよな」

「……っお兄ちゃんついてきて!」

「お、おう」



わたしは通りを抜けて、リゼットさんのお店がある路地に入ります。


「……ここも、ハリボテ?」

「……そうだな。同じような家が並んでる」


リゼットさんのお店の前で立ち止まり兄に問いかけると、兄には見えていないようです。


近場のスカーレットさんのブティックの前にも連れていきます。


「こ、ここも?」

「……そうだな」


う、嘘……CLOSEの札がかけられていますが、わたしの目にはブティックが見えます。

ショーウインドウには、洋服も飾ってあります。


「……一つ、仮説がある」

「仮説……」


……薄々勘付いてる事もあります。

いつ行っても、NPCしか、来ませんでしたからね。


「特定のNPCからの紹介で行ける店」

「…確かに、お客さんで来る人は、NPCしか見たことないや」

「……このゲーム、やっぱ普通じゃねえな」

「……そう?」

「ここまでNPCが作り込まれてるんだ。何か関わりあるって事だろ」


……やはりNPCとの関わりが重要なんでしょうか。このゲーム。


「……めっちゃワクワクすんな」

「えっ」


思わず兄の顔を見上げると、すごい良い笑顔浮かべてました。


「ぶっちゃけプレイヤーと関わるのめんどくせえし」

「ぶっちゃけすぎでは?」

「お前もそうだろ?」

「まぁ、そうだけど」

「俺も積極的にNPCに話しかけるとするかなー。色々な発見がありそうだ」


兄が何だか楽しそうです。

やはりこの世界のNPCは重要な存在ですよね。

わたしも皆さんと良い関係を続けていければと思います。


「うし、じゃあ帰るか」

「うん、あ、これポーションね」


忘れてました。ポーションを兄にプレゼントします。


「お、さんきゅ」

「無理せずリル集めしてね」

「おー」


兄と別れて島に戻ってきました。


「お師匠様、戻りました」

「おかえり」

「今日は失礼しますね!」

「ゆっくり休みなね」


こちらを見るお師匠様に笑顔を返して部屋に戻ります。

ベッドに飛び込んでログアウトします。




「まさかお店がプレイヤーから見えてないとは……」


夜風と月明かりを浴びながらひとりごちます。

だからプレイヤーの姿を一切見てない訳です。


NPCとの交流が重要なんだと言うのを改めて感じましたね。


よし、明日はコスモス様に使徒の事聞いてみましょう!




おやすみなさい。



あと1話日常挟みます!


これからもこの作品をよろしくお願いします!



ミツキの持つ称号



称号


翠玉薬師の弟子

星の視線

星詠みの魔女の弟子

太陽の祝福

特別な名付け人

クリスティア王家の友

特殊な浮島の主人

富豪 new!


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 1億ものお金は王様の個人資産なのだろうか?(富豪称号は入金タイミングが依頼完了が一致したから通知がこの時届いたのでしょうか)
[良い点] 図書館もNPCの紹介が無いといけないのかな?
[一言] 如何に他のプレイヤーがNPCを軽視してたかが判明した回でしたね(NPC店がそもそもプレイヤーに認識されてない) レベルが幾ら高くてもこの世界じゃ新参者、という意識が無い人が多いのでしょう。
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