日常 その7
ご覧いただきありがとうございます!
おはようございます!
寝たらスッキリしました。
色々あって時間が経つのがはやいですねぇ……
ユアストからの通知を開きます。
Your Story -ミツキ-
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王都を探索しました。
掘り出し物と出会えましたか。
王都には多くの種類の店があります。
きっと気に入るものがあるでしょう。
森の木陰でパンケーキを食べました。
渡り人と腹の探り合いをしましたね。
強気な貴女はかっこよかったです。
エトワールの戦いを見ました。
彼女の今までの経験が今の彼女を成り立たせています。
ぜひ、彼女から多くのことを学んでください。
浮島の所有者となりました。
おめでとうございます。
島の発展を期待しましょう。
お疲れ様でした。
腹の探り合いは苦手なのですよ。
わたしはすぐ顔に出るみたいですからね……
よし、学校が終わったら王都のギルドへ向かいましょう。
どんな依頼があるのか、内装はどうなのか、気になる所です。
あと単純にギルドが何処にあるかわかりませんからね!
よし、では今日も頑張りましょう!
何事もなく学校生活が終わりました!
帰ってゲームやりましょう。
最近ポーション作れていませんので、今日は依頼を眺めたらポーション作ります。
あとリゼットさんから頂いたレシピ本も読まないと!
「ただいまー」
「おうおかえり」
リビングからお兄ちゃんが顔を出しました。
手を洗ってリビングへ入ると、両親もいました。
「おかえりミツキ」
「おかえりなさい」
「ただいま!」
そういえば休暇を取ったと言ってましたね。
ゲーム、やったんでしょうか?
お風呂を済ませてご飯を食べます。
おお、ピザです。
ピザ片手に両親の話をお兄ちゃんと一緒に聞きます。
「キャラクター作ったわよ〜」
「ほんと?どんな感じ?」
「聞いてくれよミツキ。お母さん名前と見た目以外全部ランダムで、なんて言ったらしいんだよ」
「え!?」
「だって面白そうじゃない?」
全部ランダム!?
それは大冒険では!?
「ローティちゃんはランダムだとレアな物も引き当てますよーって言ってたから」
「ローティちゃん」
「ゲームだし、はっちゃけてもいいと思って」
女神ローティ様をローティちゃん!?
いやお母さんすごいですねそのランダムにする勇気……
「ど、どんなステータスになったの?」
「えっとねぇ、確かメインジョブは使徒で、サブジョブは学者だったわね。それで種族が吸血鬼だったわね。えっと、魔攻と敏捷値が高めだったわ」
「聞きなれない言葉が多い」
「なんだそのメインジョブ」
「なんかローティちゃんの事を慰めていたらオススメされたのよねぇ。だからメインジョブはそれにしたけど、どんなものか私もよくわかってないわ」
「吸血鬼って新しく追加された種族だよね?え、夜型なんじゃない?」
「石碑広場で1回灰になったわ」
お母さんは笑いながら言いますがそれ笑い事じゃないのでは??
それは、昼間のプレイはどうすれば!?中々難しそうですが!
光に当たると灰になる……それは中々凄まじいです。
「お、お父さんは?」
「僕は無難にパワーが欲しいから種族は鬼人、メインジョブが剣士でサブジョブが採掘師だよ」
「ぶ、無難???」
「なんで採掘師にしたんだ?」
「やってみたくてね。憧れてたんだよ、洞窟とかで鉱石掘り出すの」
………洞窟の中でツルハシを握るお父さん。
うん、想像できますね。
「鬼人って力が強いの?」
「そうだね、力と敏捷が最初から高めだったね。幸運や魔攻、魔防の値は低かったよ」
な、なるほど。
吸血鬼は魔攻と敏捷に特化、鬼人は力と敏捷に特化してるんですね。
そしてその分他の数値が低めに設定されてると。
勉強になりました。
「でもお母さんそれプレイしづらくないの?」
「太陽光を克服すればいいって私が燃えたのを見ていた若い女の子達が教えてくれたのよ。ただ太陽光に慣れていかないとだから、何度か太陽光に当たって死なないといけないわねぇ」
「プレイに影響がありそうだね……」
「ふふ、この後色々終わらせたら夜だし、街を出歩くわよ」
「それまでは僕がどうにかサポートするよ」
「私はソラ、お父さんはサクヤと言う名前で始めたわね」
なるほど、お母さんの名前は終夜宙です。
お父さんは終夜朔也です。
名前のまんま、そのままですね!わたしもですが!
「ふふ、ゲーム楽しいわね」
「お母さんがそれでいいなら、いいよ」
「僕も久しぶりに楽しめそうだよ」
「今度時間が合ったらゲームの中で会おうね。フレンド登録しておきたいな」
「俺も混ぜてくれなー。てか流したけど母さんのメインジョブ使徒ってなんだよ」
「私もよくわからないけど、神官?の亜種みたいなものらしいわよ。信仰先を決めれば、その信仰に基づいたバフデバフを扱う事ができるみたいねぇ」
「なるほど、それは神様を信仰するのかなぁ」
「選べる選択肢にローティちゃんの名前は無かったのよ。何か概念的な感じだったわ」
「へ?それって太陽や、月みたいな?」
「そうよ」
神様への信仰じゃなく概念的存在への信仰、ですか?
ならばソル様を信仰すればソル様のお力を借りれる、と言う事でしょうか!
……もしコスモス様も信仰できるのであれば、お母さんと相性良さそうなんですけれどね……
コスモス様に聞いてみましょう。
「まだ考え中よ」
「響きがかっけえよなぁ、使徒」
「とても強そう。……お母さん信仰先決めるの少しだけ待って。ちょっと調べて見るから」
「…あら、わかったわ。それまで、冒険をお母さん頑張るわ」
「僕も色々やってみてだね」
「お母さんが無茶しないようによろしくねお父さん……」
「マジで。本当にマジで母さんをよろしくな父さん」
「はは、善処するよ」
「…満月?流星?」
いやだってキャラメイクをランダムにするお母さんです!
知らない間に無意識で何かしそうじゃないですか!
「じ、じゃあ部屋に戻るから!」
「はいはい」
「おやすみ!」
挨拶して部屋に戻ります。
よし、ユアストにログインです!
ログインしました。
ベッドから起き上がります。
いつも通りディアデムを喚び出します。ディアデムにはお世話になりっぱなしですね。
……でもどう労ればいいのかわかりません!
お師匠様に相談ですね。
コッコの唐揚げを口に運び、身嗜みを整えて部屋を出ます。
「こんばんは。お師匠様」
「よく来たねミツキ」
「今日は、ミゼリアのギルドへ行ってきます」
「噴水広場を王城から見て南に進んだ赤い屋根の大きな建物さ。気を付けて行っておいで」
「ありがとうございます!行って来ます!」
王城から見て南ですね!
ありがとうございますお師匠様!
外へ出ると、シリウスさんが寝そべっています。
「シリウスさん、ミゼリアへ行ってきます」
「おう。気を付けてなー」
片目を開けて尻尾を一振りしてまた目を閉じます。
その方が、感覚が冴え渡っているんですかね?
わたしは懐中時計を握りしめて、王都ミゼリアへ飛びました。
「わ」
夜の王都も人は変わらず多めです!
それに、日が落ちて人工的なライトで照らされる王都も、中々幻想的です。
良い雰囲気です!
わたしはお師匠様に聞いた通りに王城から見て南の通りを進みます。
そしてお肉の焼ける香りが……
まるで花に惹かれる虫のようにふらふらと屋台へ近付くと、1人の女性が串焼きを焼いています。
すごく、屋台のおばさま!って感じです。
「おや、お嬢ちゃんも食べるかい?」
「1本頂いて良いですか?なんのお肉でしょう」
「これはウィンドバードっていうモンスターの肉さ!身が引き締まって淡白だから、秘伝のタレで味付けしてるよ!……そら、1本100リルさ!熱いから気を付けなよ」
「ありがとうございます!」
リルを支払って、おばさまから1本受け取ります。
串焼きのタレが焼ける香ばしさってズルいですよね……
「いただきます!」
「はいよ!」
ウィンドバードの串焼き(タレ)
風魔法を扱い長い時間空を飛ぶ鳥型モンスターウィンドバードを使用した串焼き。
満腹度+20
わ、美味しそうです!
邪魔にならないように屋台の脇に避けて、串焼きを口に運びます。
んん!しっかりとした弾力がありますが、全然噛みやすいです!タレが絡まって美味しいです……
思わず頬に手を当ててしまいます。
………でもこのタレ、グレナダさんの所のタレと味が似てるような。
「あの、」
「ん?どうかしたかい?」
「ルクレシアで屋台を開いているおじさんと味が似てて、お知り合いですか?」
「おや、それがグレナダならアタシの旦那さね!」
「グレナダさんの奥様でしたか!」
「……そういうお嬢ちゃんは何か旦那が言ってた風貌の子に似てるね。もしやミツキさんかい?」
「あ、はい。ミツキです」
「アタシはナタリアさ。こないだはプレゼントありがとね」
グレナダさんの奥様、ナタリアさんはこちらにウィンクを飛ばしました。
なるほど同じような味な訳です。
グレナダさんはルクレシアで、ナタリアさんはミゼリアで屋台を開いているとは……
「今もルクレシアに行くと、ついついグレナダさんの屋台でお肉買っちゃうので、いつもお世話になってるのです」
「そりゃ嬉しいね!なんだい、ミツキさんと分かったら串焼きプレゼントにしたのにね」
「いえ、それはそれです!このような美味しいものには、お金を払わないとです!むしろウィンドバードの串焼きのタレ味、5本買います!塩も5本買いますね!」
「はは、そこまで言われちゃ作り手冥利に尽きるね!そら、まとめて1,000リルさ」
「ありがとうございます!また来ますね!」
支払いを済ませて、受け取った串焼きをアイテムボックスへとしまいます。
ナタリアさんに挨拶して、ギルドへ向かいます。
うわぁ……すごくおしゃれな雰囲気のお店がたくさんあります。
片っ端から覗きたいですね……
今度覗きましょう。
通りを進むと、見慣れた赤い屋根の建物が目に入ります。
冒険者ギルドは、どこでも見た目が変わりませんね。
ルクレシアのギルドよりは大きめですが!
扉を開けて中へ入ります。
わ、広いです!人も多いです!
NPCとプレイヤーがわちゃわちゃしてます。
ひとまず依頼ボードの前に立ちます。
わ、ランクが高いものから低いものまでたくさん貼りだされています。
魔力草はいつでもどこでも採集依頼にありますねぇ。
これはやっておきましょう。
爆発草と氷結草の依頼もあります。
アイテムボックスの中の数を確認し、余裕があるのでこれも受けちゃいましょう。
この2つで、採集依頼は後はランクアップを待つだけになりますね。
よし、依頼カウンターに並びましょう!と思い依頼ボードの横を見ると、職業依頼と書かれたボードもあります。
職業依頼……?
ルクレシアでは依頼ボードしか見てなかったので、もしかしたらルクレシアでもあったかもしれないですね。
近寄って見てみると、職業毎に依頼が貼りだされています。
これは鍛冶師向けですね。ブロンズソードを5本納品。
爆発薬や氷結薬の納品……なるほど、ジョブに関連する依頼もあるんですね。
あ、薬師もあります。
ポーション100本納品、ハイポーション50本納品……おお、割と多く貼りだされています。
ポーション100本なら今日この後作れそうですね。
受けておきましょうか。
依頼カウンターに並んで、依頼を受注します。
その時に魔力草や爆発草、氷結草も渡しました。
「よろしくお願いします」
「はい、ミゼリア冒険者ギルドの依頼カウンター担当サキが承りました」
サキさんと名乗ったウサギの獣人の女性は、テキパキと作業します。
「お待たせしました。こちらが依頼達成報酬となります」
「ありがとうございます」
魔力草×30本:2,000リル
爆発草×15本:1,000リル
氷結草×15本:1,000リル
ですね!ウィンドウで操作します。
「こちらの職業依頼は、期限が3日間となりますのでご注意下さいませ。こちらが瓶です」
「はい、わかりました」
「それでは、お気をつけていってらっしゃいませ」
サキさんに会釈して、ギルドを出ます。
魔力草に余裕はありますので、このままお師匠様の庭に戻ってポーション作るとしましょう!
戻ってきました!
「戻りました」
「おう早かったな」
「お庭、お邪魔しますね!」
「おう」
シリウスさんに声をかけて、庭に進みます。
星明りが淡く照らすお庭は、ランプ要らずです。
よし、ポーション作りますよ!【複製】なんて便利なアーツもありますが、今日はまだ時間に余裕がありますから100本作るとしましょう。
アウトドアテーブルを広げて、薬師セットを並べます。
「〈みずがめ座〉」
サダルスウドを喚び出して、手伝ってもらいましょう。
出てきたサダルスウドは、こちらを見て微笑みます。
「よろしくね、サダルスウド」
サダルスウドは拳を握って頷きます。
ありがとうの意味も込めて軽く頭を撫でると、へにゃりと笑いました。
か、かわいい……
よし、サダルスウドに癒やされましたので、ポーション作りましょう!
鍋をかき混ぜながらふと思います。
最近色々あったからか、ポーション作るの久しぶりな感じがします。
無心に手を動かすこの作業、なんだか落ち着きます。
本当に色々ありましたからね……
ソル様との出会いもそうですが、プラムの事も、ジル様とお会いした後の王様、王族との顔合わせも、お師匠様の魔法も……中々濃かったです。
ウィズダムさんやギリーさんの件も、他のプレイヤーと話したのは久しぶりでしたね。
………無人島のアナウンスで掲示板は荒れてるのでしょう。
後で覗きましょうかね……
早くギルドランクも上げたいですね。
ギルドランクを上げないと砂漠にも行けませんし。
そんな事を考え、適度に休憩しながらポーション100本作り終えました!
「ありがとうサダルスウド。果物食べよっか」
サダルスウドが目を輝かせます。
何がいいかな、……さくらんぼにしましょう。
1個リンゴくらいの大きさのさくらんぼです。
すごいですよね成長が……とりあえず1個は大きいので、はんぶんこにします。
水魔法で出現させた水球で軽く洗い、サダルスウドに渡します。
いえあの水瓶の水で洗うのはなんか少し勿体なくてですね?
「いただきます」
さくらんぼですし、皮ごといけますね!
んんんみずみずしいです!甘い!
……元が小さいですから、こんなに味わったこと無いですね、さくらんぼ。
サダルスウドも目を輝かせながら食べます。
美味しいですね!
「ごちそうさまでした」
サダルスウドも隣で同じように手を合わせます。
素直でかわいいですね、サダルスウド。
「手伝ってくれてありがとうね、サダルスウド。またね」
サダルスウドは笑顔で手を振ってスーッと消えました。
よし、明日納品しましょう。
「お師匠様、お庭お借りしました」
「気にせず使うといいさ」
「ありがとうございます。今日は失礼しますね」
「ああ。おやすみ」
「おやすみなさい」
部屋に戻ってベッドに横になります。
よし、ではログアウトします。
「ふぅ」
ベランダから空を見上げます。
星の並びは変わりませんが、今日は空が澄んでいるので綺麗に見えます。
明日も晴れるといいですね。
さて、そろそろ寝ましょう。
わたしは部屋に戻ります。
それでは、おやすみなさい。
設定考えるの楽しいですね( ˘ω˘)
これからもこの作品をよろしくお願いします!
ミツキ
ギルドランクF
ランクアップまで
採集依頼 0
討伐依頼 2




