王都探索、そして接触
ご感想、ご評価ありがとうございます!
おはようございます!
うん、良い天気です!
今日もランニングしたら、ユアストやりましょう。
わたしは寝転がりながらユアストの通知を開きます。
Your Story -ミツキ-
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ルクレシアを出てクリスティア王都、ミゼリアへと向かいました。
途中ディノ湖で休憩しました。
森の中で賢人を召喚しました。
そして、襲われるクリスティアの住人を助ける事ができました。
馬車に乗せてもらい、王都ミゼリアへと辿り着きました。
王都の雰囲気に圧倒されましたね。
そしてクリスティア王城でクリスティア王家と顔合わせしました。
クリスティア王家を蝕む呪毒を解呪し、親密な関係となりました。
星詠みの魔女の拠点の仕組みに気付きました。
貴女の島は、どのようなものでしょう。
お疲れ様でした。
淡々と、でも内容が濃いです……!
振り返るとわかるヤバさです。誰にも言えませんよこれは………
よし、ランニング行ってご飯、そしてユアストです!
「そういえばね、今日届くのよ」
「?」
「ユアストのヘッドセット」
焼き鮭を解していると、お母さんがそう言いました。
おお、本気でしたね!
どんなキャラメイクするのか、何の職業になるのか、気になるところです。
「何の職業にするとか、決めたの?」
「んー、流星から渡された雑誌をお父さんと見たけど、まだ迷ってるわ」
「………キャラメイクの時に、そこにいる女神様に相談するのもいいかも」
「あら、そうなの?」
「うん、おかげで今すっごく楽しいから」
ローティ様、こっそりアストラルウィザードのなり方教えてくれましたからね………
恐らくこういうプレイしたい、と伝えると一緒に考えてくれるんですね。
優しい、さすが女神様です。
「そうなのね……わかったわ」
「うんおすすめ」
「お父さんにも伝えてみるわね」
………楽しそうです。
お母さんがゲームやるなんて、驚きましたが。
わくわくしてそうなので、良しとしましょう。
「あ、わたし頑張って拠点作るつもりなんだけどね、クランっていうやつ組むとクランホームっていう家が持てるんだけど、クラン組むのに最低5人はプレイヤーがいないといけないんだって。もしもの時、お母さんとお父さん、お兄ちゃんも頭数にいれていい?」
「え、俺も?」
ひっそりと食事を食べすすめていた兄がこちらを見ます。
「……フレンド少ないし、あんまり知らない人とクラン組みたくない……」
「おおう……まぁいいけど」
「よくわからないけど、お母さんとお父さんも含めていいわよ」
「やった!絶対場所は気にいると思うからね!」
…………浮島ですし!
試しに、飛んでみましょうかね??
「ごちそうさまでした!」
「ごちそーさまでした」
お兄ちゃんと一緒にお皿を洗って、部屋に戻ります。
ユアストにログインしましょう!
ログインしました!
ベッドから抜け出して、ストレッチします。
身嗜みを整えて、ディアデムを喚び出します。
そしてアイテムボックスから、コッコのつくね(甘辛タレ)を取り出します。
んん!いい匂いです!
つくねに齧り付くと、肉汁が溢れます。
甘辛いタレと絡まって、美味しいです!
「………美味しい!止まらない!」
夢中で噛み締めて食べていると、もう食べ終わっちゃいました。
はぁ……グレナダさんの料理、美味しいです。
よし、メッセージも入れておかないと……
昨日のメッセージグループで良いでしょうか。
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『魔女と狂犬とボク』
ミツキ:おはようございます
ミツキ:今日は9時頃王都へ向かいます
ミカゲ:おはようですミツキ氏
ミツキ:おはようございますミカゲさん
ミカゲ:ボクも王都へ向かいますぞー噴水広場で会いましょ
ミカゲ:レン氏も来てくださいねー
レン:………………………了解
ミカゲ:間が長い!
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ふむ、これで大丈夫でしょう。
ひとまずお師匠様へ挨拶しましょう。
部屋を出てリビングに顔を出します。
「おはようございます、お師匠様」
「おはようミツキ」
「………失礼しました」
お師匠様の対面に、見たことない人がいました………!
黒いローブを深めに被っていて、お顔は見えませんでした。
またタイミングを……覗いてから声をかけないとです……
背を向けて去ろうとした所、お師匠様から静止がかかりました。
「待ちなミツキ。お前さんに客だよ」
「わたしに、ですか?」
わたしは思わず足を止めて、目を瞬かせました。
9時近くなりましたので、王都ミゼリアへ飛びました。
すると、噴水広場に立っていました。
なるほど、ルクレシアの石碑広場みたいな扱いですね。
ここが、王都ミゼリアでの復活ポイントのようです。
さて、レンさんとミカゲさんを探すにしても、人が多くて探しづらいですね。
下手に動くと迷子になりそうです。
ひとまず人気のないところへ向かおうとした所、左手を掴まれました。
思わず力を込めて腕を捻ろうとしたところ、
「……俺だ」
「レンさん!びっくりしました」
背後にいたのはレンさんでした。
ちょっと驚きました。腕から力を抜きます。
「……何だか変なことに付き合わせてしまって申し訳ないです……」
「……いい。面白そうだ」
「むぅ……わたしとしてはいい迷惑なんですけどね」
「…今日はどうすンだ」
「ボクも聞きたいですわー」
「ひゃっ」
気配も無くレンさんの後ろからミカゲさんが出てきました。
び、びっくりしました。
「レン氏見つけやすくて助かりましたわ」
「ミカゲさんも、お付き合いありがとうございます」
「ちょっと気になるんですよねー。だから心配で」
「ふふ、ありがとうございます。……でも今日は、むしろ釣り上げようと思うんです」
「釣り上げる?」
「わたしは自分の冒険を邪魔されるの嫌いなので、面倒な事は早めに終わらせたいのです」
ニッコリ笑うと、ミカゲさんとレンさんが目を丸くしました。
そしてお互いにチラ見すると、小さく笑いました。
「人畜無害そうなミツキ氏が何を見せてくれるのか、楽しみですなぁ」
「ブン殴るのが必要なら言えよ」
「物騒な手段は最終手段ですね。昨日掲示板見たとき、今日接触したいって言ってたのでとりあえず散策して、わたしという餌に食いついて欲しいですね」
「わお、強気!」
わたしは黒いイヤリングを揺らして、散策するために歩き始めました。
「そういえば、ソル・ネーソスでのお肉やお野菜はどうします?」
大通りを、店を見ながら進みます。
レンさんとミカゲさんは、わたしの斜め後ろを歩いています。
「俺が持ってても無駄になる。ミツキにやる」
「同じくですわ!ミツキ氏の非常食にしてください」
「貰いすぎだと思うんですが……」
「………なら偶になんか食わせろ」
「!」
「ボクもレン氏も胃袋掴まれてますからね!賛成ですわ!」
「……はい!お任せ下さい!」
皆で食べる料理は、倍美味しいですからね!
あ、あのお店、調味料っぽいです!
「あのお店!入っていいですか?」
「お好きなようにどぞー」
お許しが出ました!行ってきます!
「……にしてもレン氏、よく来ましたね」
「テメェが来いって言ったんだろ」
「そうですけどもー。レン氏は無視するかと思いました」
「……これでもアイツの事気に入ってンだよ、面白いし。変に騒がれて辞められたら面白みに欠ける」
「………わお、本当に気に入ってるんですね」
「………テメェもだろ。態々アイツのために色々調べて」
「それ、ミツキ氏には秘密ですよ」
「……フン」
ミカゲは、店の中で目を煌めかせるミツキの様子を横目でそっと窺うと、柔らかく笑う。
「お互い、良い意味で厄介な1番星に引き寄せられちゃいましたねぇ」
「…そうだな」
そう言って腕を組むレンの表情は、満更でもなさそうであった。
ふふふふふ、いい買い物が出来ました。
大満足です。
「そういえば、お二人はギルドランクはどれくらいなんですか?」
ちょっと休憩で飲み物片手にベンチに座ります。
ミカゲさんは隣に座り、レンさんは立ってます。
「ボクはギルドランクはDになりましたね」
「俺も」
「わ、早いですね」
お二人ともDとは!さすがです。
わたしも早くギルドランクを上げたいですね。
ギルドランクDになると、クランを組めるのです。
………お二人も、お誘いしてみましょう。
何処かのクランに入っていなければ、ですけれども。
「………あの、もし、良かったらなんですが」
「はいはい?」
「クランホームが、欲しくてですね。もしクランに所属していなかったら、ギルドランクを上げてわたしがクランを組んだ時、頭数に入ってもらえませんか?」
「ボクを?」
「……俺を?」
「はい」
お二人は目を丸くしました。
まさか誘われるとは……そんな表情です。
「あっ特にノルマなんてものは無いですよ!?ただ拠点が欲しいだけですし、お好きなことしてもらって構わないですし………わたし他にフレンドいませんし………」
最後のは小声になりました。
………プレイヤーと関わってないからか、わたしフレンド4人しかいません。
レンさん、ミカゲさん、カメリアさん、リューという名のお兄ちゃん。
………わたしはソロプレイ志望ですからね!
いいんですよ!
「……いいぜ」
「へっ」
「ミツキの拠点に興味がある」
「ボクも入りたいですわ!変なところ入るより、自由にやりたいですもん!」
「よ、よろしいのですか!」
「クランホームで拠点持つと、錬金工房も作れるって聞きましたし、ボクもクランホーム欲しいなって思ったんですよ」
マイホーム持つにはとんでもねえリルが必要なんですよねーと肩を落とすミカゲさん。
あ、マイホームはマイホームで持てるんですね!
そのあたりも、ちゃんと調べないといけないです。
「クランに入るとメリットもある。入れてくれンのは助かる」
「クランに入ると参加できるイベント、なんてのもあるんですよ」
「そうなんですね……」
「ミツキさんがクランマスターですな!ギルドのランク上げるの待ってますなー」
「頑張りますね!」
今のわたしのギルドランクはFなので、Eランクになって依頼をこなさないとです。
よし、当分は王都やルクレシアで依頼をこなしましょう。
クランホームと言うのも、どんなものなのか調べてみましょう。
下を向いて今後の予定を立てていたら、目の前にレンさんが立ちました。
顔を上げると、周囲と浮いた装備を身に着けた二人組が、真っ直ぐこちらへ歩いてきています。
「失礼、ミツキさんかな?」
「…どちら様でしょうか?」
「僕はウィズダム。情報屋クランを組んでいるよ」
真新しい、でもかなり着慣れているスーツのような装備を身にまとい、人の良さそうな笑顔を浮かべてこちらに話しかけるグレーの髪色をした男性と、同じようにパンツスーツを身にまといこちらをジッと見つめるマゼンタ色のポニーテールをした女性が目の前に立ち止まりました。
「彼女はギリー。僕の副官さ」
ギリーと呼ばれた女性は会釈をして、またわたしをジッと見つめます。
わたしも会釈を返しますが、そんなに見られるとちょっと気に障ります。わたしの。
「少し話を聞きたいんだけど、時間を貰ってもいいかな?」
レンさん越しにわたしに話しかける姿がシュールなので、レンさんの袖を小さく引っ張ります。
レンさんはこちらをチラリとみて、真横に下がりました。
「……あそこのパンケーキ、奢ってくださるならよろしいですよ」
ニッコリと笑顔を浮かべて、わたしは気になっていたファンシーなお店を指差します。
「………良いでしょう」
ウィズダムさんとギリーさんがお店へ向かうので、わたしも立ち上がります。
「大丈夫です。策はありますので」
目を合わせて小さな声でそう二人に伝えると、二人は小さく笑みを浮かべてお店へ向かいました。
ふふ、今日のわたしは強気なのです。
これも、あの人から頂いたこの黒いイヤリングのおかげですけどね。
策( ;˘ω˘)
これからもこの作品をよろしくお願いします!




