再びの出会い
ご覧いただきありがとうございます!
感想もありがとうございます!反応が嬉しくて少しニヤけてしまいました( ˘ω˘)
王様達の後についていくと、1つの部屋の前でメイドさんや騎士さんが集まっていました。
「……陛下!」
「陛下…!」
そして王様を見て、すぐ壁際へ下がって頭を下げます。
ひえ、ドラマでみるやつです……
王様とイオさんが部屋へ入り、お師匠様も入ったのでひとまず邪魔にならないようについて入ります。
天蓋付きのベッドに、金の髪をなびかせた少女が眠っていました。
ですがその少女は、とても苦しそうに眉間に皺を寄せて唸っています。
その少女の手を握って必死に少女の名を呼ぶのは、
「……ジル様」
「メーア様!メーア様聞こえますか!」
泣きそうな顔で少女を呼ぶのは、先程お会いしたジル様でした。
体調不良の婚約者に会いに王都へ向かっていたジル様。
そして今ここに眠っている方は恐らく王様の子供、王女様でしょう。
王女様の婚約者さんでしたか……
思っていたよりも、症状が重篤そうなんですが!?
医者のようなおじさんが少女の脈を取ったり、様子を窺っています。
お師匠様が、そのおじさんを後ろに避けさせて少女に近付きました。
「王女様はいつからこんな感じなんだい」
「本日の、朝からです。本日朝食を食べた時は普通に過ごしていらしたのですが、ジル様とのご予定のため準備に部屋に戻られた際、倒れられたと伺っております……」
おじさんの言葉を聞いて、お師匠様は少女へ身を寄せます。
少女の手を握って、少女の額に手を当てます。
……なにやらお師匠様の魔力が、少女に流れているように見えます。
「……ふむ、呪いだね」
「…呪い、だと」
「誰かが王女様に呪いを飛ばしたようだね」
「……チッ、一体誰が……クソ、解呪師、エリザを呼べ!」
王様が舌打ちしました。
そしてすぐ様部屋の外にいた騎士へと指示を出しました。
「エリザ様は現在レダンにいます!」
「…ッならば教会から大司教を呼ぶしかないか」
「……いや、その必要は無いよ」
しかしお師匠様がそれを止めました。
何か解呪の手段があるのでしょうか。
「……小僧、それ誰に貰ったんだい?」
「……それ、とは?」
「その胸ポケットのキュアポーションだよ」
あっ
「これは、ミツキさんに……」
「ほう」
ちらりとお師匠様がわたしを見ました。
はい、わたしが渡しました。
思わず両手を上げます。
……というか何でジル様の胸ポケットのキュアポーションを見つけられたのでしょう。
見た目はちょっとだけ色味が違うキュアポーションのはずです。
お師匠様がこちらを見た事で、ジル様もわたしの存在に気付いたようです。
「ミツキさん!」
「小僧、それを出しな。それがあれば王女様の呪いを解呪できる」
「!」
ジル様が慌てて胸ポケットから星のキュアポーションを取り出しました。
お師匠様はそれを眺めて、頷くと王女様の口元に運んで、飲みやすいように頭を抱えて上げて、口元へ流しました。
こくりと喉が上下して、王女様の表情が和らぎました。
それをみた周りの人たちが、わっと声を上げました。
「……お、とうさま?じる、さま?」
「……メーア」
「よ、良かった……メーア様」
王女様の目も覚めました!
王様とジル様が、王女様に近寄ります。
良かったです。
………体調不良が風邪かと思って、なんの気にもせず星のキュアポーションをお渡ししましたが、まさか呪いとは………
「メーア!」
部屋にすごい勢いで、綺麗な女性が入ってきました。
そして真っ直ぐに、王女様のベッドに近付きます。
………あれ?
「ああ、メーア……良かった」
「ローザ」
「あなた、メーアは」
「エトワールが診てくれた」
「エトワール様!ありがとうございます!」
「ワタシは視ただけさ。弟子のポーションを小僧が持っていたからね」
綺麗な女性と目が合いました。
やはり見覚えが……あ
「貴女!スカーレットの所の」
「あ、あの時の綺麗な方!」
髪型もお洋服も違うから気付きませんでしたが!
ブティックでぶつかった綺麗な方です!
「なんだい、ミツキは王妃様とも知り合いだったのかい」
「……………王妃様」
「……王妃様とは知らなかったのかい」
近くに来たお師匠様が驚いたような雰囲気を出します。
お、王妃様とは知りませんでした……!
王妃様は、こちらへと駆け寄ってわたしの両手を包み込みます。
「ありがとう……!貴女のおかげで娘が助かったわ!」
「はわ」
「ミツキさん、僕からも感謝を……また貴女に助けられてしまいましたね」
ジル様も近寄ってきて、わたしに頭を下げます。
「ああああ頭を上げてください!わたしの関わりは偶然で」
「色々な物が重なった偶然でも、感謝です。ありがとうございます……!」
「……はい、良かったです」
偶然に偶然を重ねたようなタイミングです。
わたしは星のポーションをジル様に渡しただけですが、それも森での出会いがあったからです。
出会いが無ければ、きっとお師匠様がどうにかしたのでしょう。
でも、助けになって、良かったです。
「解呪のポーションなんてさすがだね、ミツキ。ワタシも作れないよ」
「お師匠様……」
「さすがワタシとリゼットの弟子だね」
お師匠様はそう言って、頭を撫でてくれました。
……そうか、わたしはアストラルウィザードで、薬師。
これを作れるのは、今の所わたししかいないのですね。
………効果があって、良かったぁ………
お師匠様は、ずっとわたしの頭を撫でてくれました。
王女様も起き上がれるくらいに回復し、王女様を囲うように王様、王妃様、ジル様、お師匠様、わたしが椅子に座りました。
イオさんは、紅茶の用意をして、扉近くに控えました。
そして、王女様がわたしを見て胸元に手を当てて少し頭を下げます。
「寝台より失礼します。クリスティア王国王女のメーア=クリスティアと申します」
「渡り人で冒険者の、ミツキと申します」
わたしも胸元に手を当てて、頭を下げます。
頭を上げると、王女様……メーア様は、美しい微笑みを浮かべました。
うっ美少女です!
美しい……
「ミツキ様、ありがとうございます」
「いえ、そんな、とんでもないです」
「とても苦しかったのを覚えています。ですがポーションを飲んだ後、すっと身体が楽になったのです。ありがとうございます」
胸元に手を当てて微笑むメーア様に、わたしも笑顔になります。
「……効果があって、良かったです」
「素晴らしいポーションを、ありがとうございます」
「ミツキ、俺からも感謝を」
「わたくしからもです。ミツキさん、ありがとう」
「ぴっあああ頭を上げてください」
二人して頭を下げたので、慌てて頭を上げるように伝えます。
「……今のは王としてでは無く、親としての感謝だ」
「……ええ、本当にありがとう」
「……はい、お役に立てて、良かったです」
大変恐縮です。
こんなに感謝されたのは初めてで、少し落ち着かない気持ちになります。
「ふむ、王女様や」
「はい、エトワール様」
「なにか変なものに触れたか、貰ったかしたかい?」
お師匠様の質問に、メーア様は考える素振りをします。
そして何か思い出したかのように、顔を上げました。
「………朝起きたときに窓を開けたのですが、その時とても綺麗な鳥がいて……思わずその羽に、触れました」
「体調が悪くなったのはその後からかい?」
「………そう、ですね。朝食を食べて部屋に戻った時には、苦しかったような気がします」
「朝食は皆で食べたのかい」
「あぁ、皆で食べた」
「いつも通りの朝食だったわ」
ふむ、怪しいのはその鳥か食事の時、でしょうか。
「………まぁ、ワタシには専門外だね。ちゃんと調べておくんだよ。ミツキ、そのポーションはいくつ持っているんだい」
「えっと、…………あと12本はあります」
アイテムボックスを覗いて、星のキュアポーションを探してその数を伝えます。
「……ふむ、5本くらい渡しておきな。勿論これも代金は貰うよ」
「わかっている、必ず払おう」
わたしは星のキュアポーションを5つアイテムボックスから取り出して、近くにあったテーブルに並べました。
「……感謝する、ミツキ」
「いえ、お役に立つならいくらでも作りますので」
「助かる」
王様や王妃様が、神妙な顔をします。
心配ですよね………
「………やはり、プラムです」
「ミツキ?」
「無病息災、健康長寿。皆さん今すぐプラムを食べるべきです」
先程お庭を出るときにテーブルの箱を回収しました。
そしてジル様の分のプラムも増やします。
「本日のデザートに、ぜひ!」
そして星のキュアポーションを並べたテーブルに、箱を置きました。
皆様ぽかんとされています。
「……そうさね。皆プラムを食べな、元気になる」
「……中々手が伸ばしにくいプラムだがな」
「特別なプラムだからね」
そうです!ソル様が自らもぎったプラムですからね!
「……そうか。イオ、切ってくれるか」
「お任せ下さい」
「あ、お手伝いさせてください」
「いえ、ミツキ様の手を煩わせる訳には、」
「いえ!わたしは食べましたし、皆様にはやく食べていただきたいのです。皮むきできます」
イオさんはちらりと王様やお師匠様を見ました。
わたしはその隣で、拳を握って頷きます。
それをみた王様は苦笑して、お師匠様は笑いました。
「……わかりました、よろしくお願いします」
「はい!」
プラムを食べる準備をして、扉の近くでイオさんと共にプラムを切ります。
そのとき、部屋にノックの音が響きました。
イオさんが扉に近寄ります。
「リヒト様がご帰還されました」
「……入るがいい」
王様の言葉に、扉をあけて入ってきたのは金髪碧眼で焦ったような表情をした、わたしと同い年くらいの少年でした。
「失礼します、メーアは」
「わたくしはこの通りですわ、お兄さま」
「あぁ、良かった……」
少年は、メーア様の頭を撫で、お師匠様へ挨拶します。
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。エトワール様に置かれましては、」
「堅い堅い!プライベートだからね、そう深く考えなくていいよ」
「…それでも感謝を。ありがとうございます、エトワール様」
「はいよ」
「そしてミツキ様でしたね」
「ぴっ」
推測王子様と思われる方の分もプラムを切っていたら、話しかけられてびっくりしました。
危ない、手を切るところでした。
「私はクリスティア王国王子のリヒト=クリスティアです。この度は貴女のおかげで妹が助かったと聞きました。ありがとうございます」
「渡り人で冒険者の、ミツキと申します。お役に立てて良かったです」
挨拶してお辞儀すると、リヒト様はとても柔らかな微笑みを浮かべていました。
うっこの王族、全員大変お顔がよろしい………!
切り分けたプラムをそれぞれお皿に乗せて、皆様にお持ちします。
わたしとお師匠様は食べましたからね。
椅子に腰掛けて紅茶とクッキーをいただきます。
「感謝する。……さ、お前達も食べろ」
「とても美しいプラムね」
「私もよろしいのですか?」
「ミツキから家族で食べろとのことだからな」
「まぁ…ミツキ様、ありがとうございます」
「いえ、美味しいので、ぜひ。ジル様も」
「ぼ、僕もよろしいのですか?」
「メーア様と共に健康でいてください」
わたしの言葉に、メーア様と共にジル様が頬を染めて笑顔を浮かべました。
そして皆様が、プラムを口に運びました。
王様とイオさんが、すごく真剣な顔でプラムを見ていましたね…………
「まあ!とても美味しいわ!」
王妃様が口元に手を当てて、目を煌めかせます。
メーア様も、同じように口元に手を当てています。
「ふむ、美味だな。普通のプラムとは味も食感も異なる」
「とても、美味しいです」
「こんなに美味しいプラムは初めて食べました。どちらのプラムなのですか?」
メーア様が目をキラキラさせてわたしをみます。
わたしは王様とイオさんに目線を向けますが、お二人は目を逸らしてプラムを食べすすめます。
え、それどんな反応ですか……
「えと、入手が難しいプラムで」
「まあ、そうなのですね……」
「入手が難しいのね……プラムのコンポートでも作りたかったわ」
「そうですね、ここでも栽培したい程美味しいです」
「はい、ぜひヴァルフォーレンでも仕入れたいものです」
王妃様とリヒト様、メーア様、ジル様がすごい大絶賛してくれます。
い、言えない……幻の果実で入手が超絶困難だなんて……
「まぁ種を埋めりゃ普通のプラムは育つかもしれないが、それは〈太陽のプラム〉だからね」
「……恐らく太陽島の太陽光をずっと浴びて育ったプラムなので、ここで太陽のプラムを育てるのは不可能かと……」
ぐるぐる考えていたからか、お師匠様の言葉に、何も考えず答えます。
…………はっ!わたしいま何を……
「……………え?」
王妃様とリヒト様、メーア様、ジル様の動きが止まりました。
あ、やはり幻の果実についてはご存知のようですね。
「……も、もう一度言ってくださる?」
「こ、このプラムは………」
「……………ソル・ネーソスの、太陽のプラム、です」
小声で伝えると皆様の目線がプラムから外れなくなりました。
え、こわいです…………
この後、王様が止めるまで太陽島について根掘り葉掘り質問されました……
好奇心旺盛、なんですね王族の方々は……
やはりプラムは全てを解決する……ッ!
これからもこの作品をよろしくお願いします!




