いざ王都へ! ②
ご覧いただきありがとうございます!
ついに100話となりました。
書き始めた当初は、こんなに書けるとは思いませんでしたし、続くとも思っていませんでした。
読んで下さる皆様のおかげで、ここまでこの作品は続いています。ありがとうございます!
これからも、ミツキの物語をお楽しみいただけると嬉しいです!
景色楽しみながら進んでいると、湖が見えてきました。
湖のほとりが、セーフティエリアになっているみたいです。
休んでいるプレイヤーの姿がみえます。
なるほど、ユアストは優しいですね。
昔兄がやっていたゲームを横から覗いてた時は、歩いたらモンスターに遭遇し、フィールドでセーブしたとして次ロードしたら死んで宿屋からスタートしたり、回復は宿屋でしかできないっていうゲームでしたからね。
フィールドに安全な場所があるのは、大変助かります。
わたしに取っては、ですけれど!
この辺りでシリウスは還します。
わたしもセーフティエリアで、ほんの少しだけ休憩します。
現実でこんなに歩いてたらバテバテですけど、ゲームなら少し息切れする程度です。
足も痛くないですからね!
空腹度が半分まで減ったので、ちょっと何か食べておきましょう。
アイテムボックスの中の食事を眺めます。
コッコの串焼き(タレ)にしましょう!
湖の方向を向いて、体育座りして串焼きにかじりつきます。
んんん!美味しい!
こんないい景色を見ながら食べる串焼き、最高です!
ぜんぶ食べると満腹になってしまうので、残りはアイテムボックスへ入れます。
アイテムボックスは便利ですね……あ、食べかけのコッコの串焼きって書かれてます。
10分程度休憩しました。では出発しましょう。
最後に湖をスクショして、と。
バッチリです!
スクショのアルバムとか作ってみたいですねぇ。
小走りで街道を進みます。
オークいませんか!オークっぽいモンスターを探しつつ素材も採集です。
タイムリミットがなければ、ゆっくり時間をかけて散策しましたけどね………
それは別の日にしましょう。
魔力草とダンデライオンを採集し、スライムやウルフを倒しながら進みます。
クレイジーモスもいましたが、即ファイアーボムして倒しました。
この辺りは、あまりモンスターの分布はかわらないのかもですね?
コッコもいるし、ジャイアントピグもいます。
みたことないモンスターも、遠目に見えます。
緑色の肌をした小さい体躯のモンスターです。
あれは兄のゲームで見たことあります!
ゴブリンってやつですね!
まぁ遠くにいるので今回はスルーします。
オーク5体が最優先です。モンスターは鑑定しながら進みましょう。
あ、爆発草!そっとアイテムボックスへと入れます。
氷結草もあります。
この辺りに生えてるんですね!覚えておきましょう。
………いませんが!?
マップをみると半分くらいかな?ってところまで来ましたが!
モンスターのレベルも、20を超えてきました。
え、本当にオークいるんですよね?
……街道沿いじゃなくて森の中にいるんでしょうか………
……マップを見れば迷うことはないでしょう。
森へ、行ってみましょう。
わたしは、街道を逸れて森の中へと足を踏み入れました。
森の中は、鬱蒼としています。
草木が生い茂り、木々が太陽光を遮るので昼間でも割と暗めになりますね。
ちょっと街道から外れたら別世界並みの静かさです。
何かモンスターみたいなキィキィした鳴き声?のようなものも聞こえます。
えっ……割とこわいです、よ?
ルクレシアの周りの森とは、少し雰囲気が異なります。
マップをじっくりみると、森の中にも道があるのがわかります。
ひとまず、街道からあまり離れず、程々に森の中を進んでみます。
わたしは、杖を握る手に力を込めました。
魔力キノコや魔力草、妖精の雫も採集できました。
でもモンスターは、角ウサギやクレイジーモス、スライムといった小型のモンスターと遭遇します。
街道と平行で森の中を進んでいますが、鳥が飛び去った音とか、実が落ちる音でビクッとしてしまいます。
なんだか、普通の森よりこわいのですが!?
………喚び出しましょう!
気になっている、人馬さんを!
ひとまず1体だけにします。
ふむむ、弓の戦い方を見てみたいので、今回はいて座を喚び出しましょう。
いて座は、名前のついた星が多いです。
ゆえに呼び名はどうなるのだろうと思っていましたが、そのまま、いて座としての呼び名のようです。
「〈いて座〉」
魔法陣から、上半身に鎧を纏い、左手に弓を握った人馬が出てきました。
よく鍛えられているお身体ですが、お顔立ちはとても優しそうです。
いて座の由来は、蠍の尾をもつ戦争と狩猟の神でしたがこの方は馬の尾をお持ちです。
ふむ、神話寄りなんですかね?
「ふむ、此度の契約者は随分若い」
「!ミツキと申します」
「私の事はサジタリウスとでも呼んで下さい」
「サジタリウスさん、よろしくお願いします」
「はい。貴女の力となりましょう」
胸に手を当てて、軽く頭を下げてくれました。
わたしも深々とお辞儀します。
「サジタリウスさん、森の中を一緒に進んでくださいますか?」
「かまいませんよ」
それでは、サジタリウスさんと森の中を進むことにします。
1人じゃないと思えるので、ちょっとこわくなくなりました!
森の中を進みます。
わたしの歩く音と、サジタリウスさんの小さな蹄の音が響きます。……蹄の音ってもっと響いているイメージでしたが、サジタリウスさんの蹄の音は近くにいて聞こえるくらいです。
すごいですね………
「サジタリウスさんは、どのような力をお持ちなんですか?」
「そうですね、私は得物は弓となります。オリオン程の力も逸話もありませんが、星の並びにより蠍は確実に撃ち抜く事ができます」
「なるほど、いて座はさそり座の方角を向いて弓を引いていますね」
「その通りです。あとはこの身体ですので、走りながら射抜くのは得意ですよ」
おお、さすがです。
動きながら攻撃するのは大変なんだなってわたし学びました。
「もしも何か追われたりした時には、背に乗せていただけたりしますか?」
「……乗り心地の保障はできませんが、逃走であれば貴女を乗せて走りましょう。……人を乗せるのは構わないのですが、弓を引くときに当たってしまうか心配がありますね」
……ふむ、邪魔になってしまうのは嫌ですね。
戦闘中はいっかくじゅう座に乗るのが良さそう、でしょうか。
「…………争う音が聞こえますね」
「えっ……どの方向でしょうか」
「北西の方向ですね」
集中力を高めて、耳を澄ませます。
……微かに、何かを打ち合う音が聞こえます。
「……行きましょう。気付いたからには、見てみぬふりはできません」
「…ええ、わかりました。どうぞ背に、その方が速いです。鞍は持っていますか」
「は、はい。魔道具が」
お師匠様から貰った黒い布を取り出して、サジタリウスさんの背に乗せて魔力を流すと鞍になりました!
座るところの前に掴む所があるので、バランス取れそうです。
サジタリウスさんの手を借りて、鐙に足をかけて跨ります。
うおお、視界が高くなりました。
「サジタリウスさん、お、重くないですか?動きづらいとかは……」
「いえ、全然軽いですよ。鞍も装着している違和感は無いですね。乗せているのを忘れそうです。……では、行きますよ」
モノセロスの時よりは余裕があるので、周りを見る余裕があります。
「!」
なにやら箱のようなものが見えます!
それが襲われているみたいです!
人型の大きな動く……モンスター、でしょうか?
それが集団で襲ってるように見えます。
「サジタリウスさんっ」
「ええ、急ぎますよ!」
サジタリウスさんが加速しました。
近づくとよく見えるようになりました。
武器を持ち、鎧を着た人型のモンスター。
緑色の肌をしていて、その口元から、下の牙が上に伸びてます。
それらが、馬車を襲っています!
オーク Lv.25
アクティブ
【棍術】【炎魔法】【狂化】
【体術】【打撃】
オーク!オークです!
それに、馬車だけでなく人が襲われています!
「【身体強化(魔)】、【ブースト】!ウォーターボム!」
サジタリウスさんの背から、杖を向けて魔法を放ちます。
それは狙い違わずにオークへと当たりました。
サジタリウスさんは、手元に矢を3本作り出してまとめて放ちます。
「グオォッ!?」
「グオオオオッ」
そしてオーク達が、こちらを見ました。
わたしはサジタリウスさんの背を飛び降りて、布を回収して走り出します。
「〈おおいぬ座〉〈しし座〉〈わし座〉!」
オークは、7体くらいいます。
襲われていた人と馬車から離すためにも、こちらにおびきよせないと………!
「シリウス、レグルス、アルタイルはオーク達を煽ったり引き寄せたりしてください!サジタリウスさんは皆の援護をお願いします」
(おう!)
(まかせよ!)
「ええ、承りました」
「わたしはあの人の様子を見てきます!」
シリウス達は、オークを囲うようにあらゆる方向から攻撃します。
その隙に、わたしは馬車の近くで蹲る男性に膝を突いて声をかけます。
見えるマーカーは、NPCです。
「聞こえますか!?怪我は!?」
「うっ……左半身、を」
「!」
腕は、オークの打撃を受けたのか変色していますし、炎魔法に当たってしまったのか所々焦げて、火傷しています。
……効果があるかわかりませんが、火傷にはキュアポーションをかけてみましょう。
アイテムボックスからキュアポーションを取り出して、男性に声をかけます。
「火傷にキュアポーションかけますよ!」
「わ、わかった」
傷に沁みないといいですが!
男性のやけどの部分にキュアポーションをかけると、淡く光って火傷が薄くなりました。
完全には治りませんが、効果ありましたね!
「こちら、ハイポーションです。こちらを飲んで、隠れていてください」
「……ば、馬車の中に仕える主人がいる、主人は、無事か」
「…ちょっと失礼します!」
急いで馬車に駆け寄り、扉を開けます。
そこには、メイド服を着た若い女性が身なりの良い服を着た少年を抱きしめてこちらへナイフを向けていました。
2人共、NPCのマーカーです。
「…っ!人、ですか」
「渡り人で、冒険者のミツキです!オークに襲われているのをみて来ました!お怪我は!」
「私達には、ありません」
「………オークを倒してきますので、馬車から出ないで下さい!」
普通に出かけていたのか、訳ありなのかはわかりませんが!
今はこの場をどうにかしなければなりません。
この男性も、馬車の中に押し込めましょう。
「サジタリウスさんっ」
サジタリウスさんを呼ぶと、オークを牽制しながらこちらへと近寄ってきました。
「どうかしましたか、ミツキ」
「この男性を、馬車の中へと運んでいただけますか」
ちらりと蹲る男性をみて、サジタリウスさんは頷いて男性を持ち上げて、馬車の中へと運びます。
「ひっ」
「わ、わたしの仲間です!」
突然人馬が男性を運んできたのをみて、メイドさんと少年がビクッとしました。
わたしの仲間ですので、何もしませんよ!
扉をしめて、考えます。
「馬車を守りながら、オークを倒さないと……」
「……ふむ、ミツキ。守る戦いをした事はありますか?」
「………無い、と思います」
「守りながら戦うのは、とても難しい事です。強さと判断力が必要ですからね。………今回は、カペラに頼るといいでしょう」
カペラ……?
ぎょしゃ座、ですか!?
「か、カペラですか!?」
「ええ。カペラは御者です。カペラが操る馬車には、モンスターを寄せ付けない力があります。まぁ、カペラは攻撃できませんがね」
「つ、つまりカペラさんに馬車を操らせれば、馬車が無敵になるという事ですか!?」
「わかりやすく言うとそうなりますね。しかしその無敵の反面、馬車に乗る者は攻撃を行う事ができなくなります」
な、なんですかそのトンデモ能力は!
攻撃出来なくなるのは……まぁ戦闘を避けられるのであれば、出来なくても、構わないかもしれませんね……?
で、ではカペラを喚ぶことにしましょう!
シリウス達が暴れてオークの気を引いてくれていますが、いつこちらへ向かうかわかりませんからね!
書き方が定まってなかった前半分を、少しずつ修正しています。
ミツキの言葉周りを修正しているので、読み返さなくても話の流れは変わらないので大丈夫です!
これからもこの作品をよろしくお願いします!




