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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第四章 光の聖魔剣
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神光

 人型の者は唖然とした姿で立っていた。


「な……なんだこれは一体……?」


 力尽きていて、ほぼ虫の息だったとも言える少女が立ち上がり、しかもその容姿は自分と決闘する前の勢いある状態……若しくはそれ以上に気迫あるものが感じられた。


 それ以上に彼女の身には金色の衣の様な物が全身に煌めき、神々しい輝きを全身に纏った様な美しさを感じられた。


 まるで女神が目の前に立っている様な錯覚さえ覚えてしまいそうだった。


 そんな姿を目の当たりにした人型の者は、ある事に気付く。


「ふ……そうか、後の時代に開発されたと言う奥義か……面白い、その力がどの程度私に通じるのか、見せてもらおう!」


 少し離れた位置から彼は飛び、一瞬で彼女の懐へと飛び込もうとうした。


 ……だが、その行動はリーミアには彼がゆっくり近づいてくる様に見えた。彼女はスッと首を避ける。


 ブンッ


 彼は呆気に取られた、リーミアがまるで瀕死の状態から蘇っただけで無く、まるで、それまでとは別人の様に、素早い動きをした事に彼は、まるで別の何かと相手をしているかの様な錯覚を感じてしまった。


「こ……このぉー!」


 彼は素早い動きで、棒を連続で打ち続けるが、一発も彼女には当たらない。


 リーミアは指先で、彼の鳩尾に軽く手を当てる。


 ズーーンッ……


 人型の者が、まるで何か強力な一撃を喰らったかの様に、数メートル彼方まで弾き飛ばされる。


「クッ……」


 彼は腹部を押さえながら前方を見ると、リーミアの姿が無かった。


 ハッと気付いた彼は、上空を見ると少女が上空から棒を突き刺そうと舞い降りて来た。


「しまった!」


 彼は咄嗟に身を翻した!


 その瞬間……


 ズドーン!


 激しい衝撃と共に、巨大な穴が出来上がった。


 その穴は、先程の彼の攻撃よりも遥かに大きかった。


「な……そんな、ヤツにこれほどの力があるとは……」


 そう思っていると、少女がジャンプして穴から飛び出て来る。


「こ……このぉ!」


 人型の者が勢い良く、突進して棒を彼女に目掛けて突き出した。


 パシッ


 リーミアは、相手の棒を左手の指先で受け止める。


「な……!」


 彼女は右手に掴んだ棒に魔力を注ぎ込むと、青色の棒が金色に変わり、それを人型の者目掛けて振り下ろした。


 ズドーンッ!


「グワアアーー!」


 激しい衝撃と共に、叫び声を上げながら、彼は弾き飛ばされてしまう。


 人型の者は、そのまま身動きしなくなった。


 勝負が付いたと思うと我に返ったリーミアは相手の側へと向かう。


「大丈夫ですか?」


「フ……見事だ。まさか私の後の時代に開発された魔法が、ここまで究極だったとはな……全く、お主には……してやられたよ」


「今、回復魔法を掛けます」


「要らぬ、私は魂だ。そんな行為は無用だ」


「ですが……」


 リーミアは力尽きようとしている魂に対して涙を浮かべる。それに気付いた人型の者は、彼女の優しに気付く。


「優しいな……だがな、リムアの魂を持つものよ」


 その言葉にリーミアはハッと気付く。


「知って居たのですか?」


「ああ……お主を見た時から気付いていたさ。まさか、私が本気でお主を殺そうなどと思ったか?先程も、私はお主に止めを刺そうと見せかけて、お主を元の次元に戻すつもりだったのだ。お主の実力を確かめる付いでにな……無理だったら、また挑戦させるつもりだったのだ」


「でも……挑戦は一回だけだとか?」


「一般の者ならな……お主の様な特別な者なら、何度でも挑戦しても構わなかった……」


 それを聞いたリーミアは少し安堵したのか、急に力が抜けた様な安心感を取り戻す。


「さあ、私……セルティスを超える英雄よ、受け取るが良い」


 そう言うと、倒れたセルティス身体の上に白銀に輝く短剣が現れる。


 リーミアは白銀に輝く短剣を手にした。


 手にした短剣は、まるで生き物かと思うように、ドク……ドク……と、微かに鼓動の様な感覚を感じた。


 光の聖魔剣を手にして、改めて自分の前に横たわる者を見つめると、それまでボヤけて見えなかった相手が……逞しく、顔立ちの良い男性の姿をしている人物だと確認出来た。彼は満足そうな笑みを浮かべながらリーミアを見つめていた。


「これを手にするからには、覚悟して置くのだぞ。お主の本当の戦いがこれから始まる……と言う事をな!」


「分かりました」


「紋様を授かり新たな所有者が現れて、私も少し心落ち着いたせいか、少し眠らせて貰う事にする」


「はい……」


 リーミアが涙を浮かべながら返事をする。その表情を見たセルティスは、フッと笑みを浮かべる。


「私の事など気に病む必要は無い。これからは、ずっと遠くでお主を見守り続けるから……、何も心配は無い。その剣は……お主が本当にその担い手に相応しいと判断した時、図り知れない神秘の力を引き出すだろう。先程の魔法も、更なる効果を示すに違いない。さあ……行くが良い。エルテンシアの王女よ、皆がお主を待っておるぞ!」


 セルティスがそう言うと視界は遠くなり、次第に目の前が真っ暗になった。

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