義妹の入隊
ナレフに抱き着いたのは、華奢な身体の小柄で幼そうな少女だった。
「お、おい……レメミィ、なんでここに?」
ナレフは慌てながら叫び声の様な言い方で、抱き着いた少女に向かって言う。
周囲がざわついている中、盟主部屋から出て来たアルファリオとマイリアが、何やら広間が騒々しい事に気付いた。
「どうしたのかね?」
彼は、側に居るルフィラに向かって声を掛ける。
「ナレフさんの妹さんが宿舎に来たのです」
「ほお、それはそれは……遊びに来たのなら歓迎しなければね」
そう言って、彼はナレフの側にいる少女に挨拶をしに向かう。
「ようこそ光花へ、副盟主のアルファリオと申します」
彼はレメミィと言うなの少女に向かって挨拶をする。
「あ、どうも……初めまして」
彼女は、フードを取り、素顔を晒して出して挨拶をする。フード下から現れた顔は……黒髪で
、まだあどけなさが残る幼顔だった。大きな円な黒い瞳に、白い柔肌を感じさせる顔をして居た。
その容姿を見たレトラが「可愛い」と、思わず呟き、その声を聞いたシャリナとルファが不機嫌そうに彼を睨み付ける。
「本日は、どの様な御用件で宿舎にいらしたのですか?」
「こちらの光花の噂は、魔術学校にいる時から聞いてました!」
「そうでしたか、それはそれは……」
「それで……盟主様と、お話をしたいのですが……本日はどちらに居ますか?」
「あいにく、盟主はしばらく所用により宿舎には、しばらく戻られません」
「そうでしたか……それは残念です」
「宜しければ、代わりにご用件をお伺いしますが……」
彼の言葉にレメミィが少し戸惑った様子をしながら、ソワソワしながら、何か口籠る。
「どうしたんだ?」
ナレフが義妹に向かって言う。
「この子ね、光花に入隊を希望して来たのよ」
レネラが皆の前に出て言う。
「ええー!お前、何で?」
大声でナレフは叫んだ。
「お兄ちゃんと、一緒に居たかったのよ……」
彼女は俯き、頬を赤く染めながら囁く様な声で言う。
周囲にいるメンバー達全員も、驚いた表情をしながら彼女を見た。
「お前……まだ14歳だろ、それに……魔術学校は卒業したのかよ?」
「先日卒業したわ、あと……ギルド集会所に参加登録も済ませたのよ」
「だ……だけど……」
彼は副盟主の顔を見る。
「良いでは無いか、初心者が入ったら全員でサポートすれば良いさ」
「でも……義妹はまだ14歳です!」
「気にする事は無いわ」
シャメリがナレフに向かって声を掛ける。
「盟主だって、先月まで14歳だったわ。今は年齢がひとつ上がったけど……それに、彼女は貴方を慕って来たのよ。突き放す理由は無いと思うわ」
その言葉に、彼は異論を言う理由が見つからず口を閉ざす。
「ところで、ねえ……レメミィさん、魔術学校では、どんな魔術を勉強していたのかしら?」
「はい、主に白魔術の分野を学びました」
「へえ、そうなの。て……言うことは回復系とか出来そうね」
「はい、治癒魔法なら得意です」
「そうなんだ!ねえ、彼女入隊させてくれないかしら?」
それを聞いたアルファリオは、少し考え込んだ。
「どうなの……この場合?盟主不在で入隊させても良いの?」
彼はマイリアに向かって言う。
「まあ、盟主だったら間違いなく入隊させると思いますね。詳しい説明は彼女が戻られた時に話せば良いかと思います」
成程……と、彼は頷き、レメミィの入隊を認める事にする。
「おめでとう!」と、周囲から拍手が響き渡る。
「あの……希望がありすけど……」
シャメリが副盟主に向かって声を掛ける。
「何かね?」
「彼女の寝室ですけど……私が共同で使わせてもらっても良いでしょうか?」
「貴女は、現在水晶の称号だから、上の階だけど……何故なの?」
レネラが不思議そうな表情で話す。
「光花は男性が多いからね……夜中に悪いムシが近付かない様に、私が付き添って一緒に部屋を使わせて貰うの。それに……今の部屋は広すぎるから……」
シャメリはナレフを見ながら言う。
それを聞いたレネラも納得した表情で了承した。
話が一段落すると、改めてレメミィはナレフに向かって微笑みながら見つめる。
「これから、ずっと一緒だね」
「あ、ああ……そうだね」
彼はシャメリに向かって軽く一礼する。
「すまないね、妹の面倒お願いします」
「構わないわ。それに……治癒魔法できる人が増えてくれると、こちらも色々と助かるのよね」
彼女は嫌そうな目でエムランを見つめる。
予想外の入隊を目の当たりにしながら、少しメンバーが増えた事にアルファリオは、マイリアを見る。
「これで良かったのかな?」
「構わないでは無いですか。盟主自身メンバーを増やしたがって居ましたから……まあ、変な人が来るよりは、まだ……良かったと思いますよ」
マイリアは平然としながらの口調で答えた。




