編制会議
彼はうたた寝してしまったと気付き、急いで会議室へと向かう。会議室では既にメンバー全員が集まっていた。末席にはマイリアの姿もあった。
「一体何の会議だろう?」と、皆それぞれ期待しながら話し合っていた。
アルファリオが会議室に入ると全員の視線が彼へと向けられる。
「急遽集まって貰って申し訳ない。実は……先程城から通知が届き、王都近辺の村落で大型の魔獣が出没し、村に被害が出ているとの事で、この大型魔獣討伐をする為に、市場の特定のグループから人員を編制した遊撃隊を送り出すとの報告が成された。我が光花からも4名を選抜して参加して欲しいとの事である」
それを聞いたアルファリオの元メンバー達以外は、呆気に取られた表情をしていた。
「城って……純白城だよね?なんで……僕らのグループに通知が届くの?」
「それよりも、大型の魔獣って……どんなに凶暴なんだ?」
「盟主が不在の時に、何故通知が届くんだろう……?」
等……彼等には、特に期待や興味よりも、それがどの程度の事なのか、全く関心が湧かなかった。
「ねえ、城からの依頼って凄いの?」
シャリナが隣に座っているルフィラに声を掛ける。
「そうね……普通に考えて、結成したばかりのグループに声が掛かるなんて、通常では有りえないわ。余程、精鋭揃いのメンバーで結成されていて周囲からの注目度も高いグループか……若しくは城と何らかのコネがあるとしか思えないわね」
そう言いながらルフィラはチラッとアルファリオを見る。
ルフィラの視線に気付いたアルファリオは軽く咳払いをしながら皆を見た。
「皆は選抜は誰が良いと思うかね?」
「その前に一つお聞きしたいのですが……」
ケイレムが手を上げながら副盟主に向かって声を掛ける。
「なにかね……?」
「副盟主は、討伐に参加するのですか?」
「残念ながら僕は参加しない。そもそも……僕は盟主不在の間、留守を預かる身だからね。もし……盟主が居たら、僕は喜んで参加して居ただろう。今回は僕抜きで討伐に参加して貰いたい。あと……元、僕のチームだったメンバーだけに偏らない様に、皆で参加を決めて欲しい」
彼の言葉に周囲は「なるほど……」と、頷いた。
「なら、俺が行く!」
真っ先に声を掛けたのはエムランだった。
アルファリオは、事情が分かれば行動するのは彼だろう……と予測はしていた。
「私も参加します」
次に手を挙げたのはルフィラだった。
「俺も参加する!」
そう言って手を上げたのはアルムだった。
アルファリオの想定内の人員が揃った。
(さて……最後は誰になるかな?)
ここまでは、彼は予想をしていた。残りの枠が誰になるのか、彼は期待していた。
「ルファ、貴女はどうなの?」
ルフィラが声を掛ける。
「申し訳無いけど、今回は辞退させて貰うわ。あまり知らない人達と一緒って、少し苦手なの……」
「そうなの……貴女の槍の技術なら、結構期待出来るのに……」
「ごめんなさい」
アルファリオは彼女の参戦に期待していたが、予想外の結果に驚いた。彼はシャリナを見て声を掛ける。
「シャリナはどうかね?」
「私も……ルファと同じで、あまり知らない人が大勢いるのは、ちょっと……」
「そうか、君の回復系は結構期待出来ると思って居たのだが……」
「精鋭揃いのメンバーが集まるなら、私なんかよりも、ずっと優れた人が集まると思ういますよ。フフ」
彼女は愛想笑いしながら答える。それを見ていたエムランが彼女に向かって言う。
「まあ……偏屈者の回復系よりも優れた人材が来たら、お役御免だもんな」
「うるさいわね!今あんたに話しかけているんじゃ無いわよ!余計な事ばっか言うなら、今後貴方には治療魔法掛けない事にするわよ!」
彼女はムキになってエムランに向かって言う。その時、周囲の視線が自分に向けられている事に気付いた彼女は、赤面しながら縮こまる。
そんな彼女を傍にエムランは右隣のレトラに声を掛ける。
「おいレトラ、お前は参加しないのか?」
「俺は……」
彼は向かい側のシャリナを見る。彼女はレトラが自分を見た事に気付くとプイッと顔を横に向ける。
「今回は辞めとくよ」
「何だ?お前らしくないな」
そう言いながら彼は左隣のナレフを見る。
「ナレフ、お前はどうなんだ?」
「そうだね……参加して見ようかな?」
彼がそう言うと、4人目の参加が決定した。
「これで、決定かな?何か意見がある人は、今この場で発言して欲しいが……?」
アルファリオの言葉に意見する人は現れなかった。
「では……参加者の皆は、明日早朝、城の大広間に行って欲しい」
そう言うと、会議は終了した。
全員が立ち去ると、アルファリオとマイリアだけが会議室に残った。




