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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第四章 光の聖魔剣
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宿舎の日常(1)

 リーミアが神殿に行って、しばらくした数日後のある日……


 市場の街中……地図を片手に歩き回る男性が居た。彼は周囲を見渡しながら何かを探している様だった。果実売場の女将が、その人物が気になって声を掛ける。


「貴方……さっきから何か探している様だけど、何を探しているのだね?」


「ああ……すみません。この辺に光花と言うグループの宿舎があるらしいのですが……ちょっと場所がわからなくて……」


「でしたら、この道を真っ直ぐ行った所にあるよ」


「そうでしたか、すみませんでした」


 男性は女将に頭を下げて一礼すると、真っ直ぐ道を歩いて行く。


 その様子を見ていた、隣の店の店員が彼女に声を掛ける。


「光花ってグループ、最近色んな人が出入りするわね」


「そうね……でも、彼等が魔獣討伐に励んでくれるお陰で、最近は市場にも色んな人が来るようになったわ。まあ……中には風変わりな人物もいるけど、あそこの盟主がまだ、年若い娘さんでもあるから、他のグループよりは物腰が低くて感じが良いわね」


「その盟主だけど……最近、宿舎に居ないらしいわよ」


「え、そうなの?」


「あくまで噂だけど、神殿に行ったらしいわ」


「おやまあ……聖職者にでもなるつもりだったのかしら?」


「さあ、解らないわ。ただ……あくまでも噂だから、真相は不明なのよ……」


「そうなの……まあ、計算が苦手で、書物も下手なお嬢さんだと言うのは、彼等のメンバーから聞いていたけど……せっかくグループを立ち上げたばかりで、盟主がいきなり聖職者に転職するのは、少しあり得ない話だと思うわ。でも……他人を決して疑わない、あの少女なら無くもないか……」


 女将は何度かリーミアと会った過去を思い出しながら言う、彼女は男性が立ち去った方角を眺め続ける。


 ––––光花・宿舎内


 その日……宿舎内は長閑な日々を送っていた。


 広間ではアルファリオと、その仲間達との親睦を深める為の談話で盛り上がっていた。


 アルムは、せっかく練習場があるから……と言う理由で、彼は談話には付き合わず、1人で黙々と筋力練習に励んでいた。アルファリオとルフィラは、他の仲間達と一緒に、これまでのグループやチームでの出来事に付いて色々と話をしていた。


「ところで、以前から気になっていたのですが……副盟主は何処のグループに所属していたのですか?」


 ナレフが何気無い質問をして来た。


「僕は最初に入ったチームが、その後グループへと昇格したんだよ。そのグループが『飛竜』て言う名前だよ」


「飛竜……ですか?」


 彼は、ふと……何か気になる様子をする。それを見たマイリアが「どうしたの?」と、声を掛ける。


「ん?何処かで聞いた様な名前だな……と、思って……」


 彼はそう言いながら考え込んだ。


 そう話している時だった。レネラがアルファリオに近付いて来た。


「副盟主、通達が届きました」


 彼女はアルファリオに包んである羊皮紙を手渡す。彼はその包んである紐に目を向けると、ハッと何かに気付いた様子を見せた。


「ありがとう。ちょっと、離席するね。マイリアも盟主部屋に一緒に来てくれるかな」


「分かりました」


 そう返事すると、2人は広間から出て行く。


 その後……広間は相変わらず、皆が色々な雑談を続けていた。


 エムランが発泡酒を飲んでいると、彼の側にロディオが座って、ジッと彼を見ていた。


 まだ年若い彼は容姿が整っていて、一見すると中性的にも見えてしまいそうな感じだった。そんな彼に見つめられたエムランは、「何だ?」と、彼に声を掛ける。


「いえ……何でもないです……」


 彼は少し気恥ずかしそうに答える。


 しばらくして、彼は恥ずかしそうに、その場を立ち去った。


「変な娘だな……」


 彼は何気なく呟いた時だった。たまたま近くを通ったレネラが……


「あの子、男の子よ」


 と、彼に話し掛ける。


「ええ!アイツ男の子なの?」


 エムランは思わず大声で叫んでしまった。


 別の場所では、ケイレムとレトラがルフィラとの会話を楽しんでいた。


「ルフィラさんが持っている、その剣は魔法剣なのですか?」


「ええ、そうよ」


「凄いですね。魔法剣て、基本……魔法も使えないとダメなんですよね?」


「そうなの。色んな人が魔法剣を欲しがるけど……剣術を身に付けた人が魔術の鍛錬をするのは結構難しいらしいわ。私は元々家が魔術の家系だったから、幼少期の頃から魔術の修行をされていたのよ。でも……剣術も覚えたくて、家を出て剣術の修行をして、魔法剣を手に入れたのよ」


「凄いな……」


「光花の盟主に比べたら……全然凄く無いわよ」


 彼女はそう言って愛想笑いしながら言う。


「いえいえ……貴女は凄いですよ」


 レトラがルフィラに向かって言う。


「え……そうですか?」


「ええ、お美しい貴女は、そんな剣よりも俺の心を射止める事に励んで欲しいな」


 そんなレトラを見ていたシャメリが、彼の側へと近付き、ワザと足を踏んだ。


「痛ッ!お前……何すんだよ!」


「あ、失礼……。ねえ、ルフィラさん。この宿舎には、時折変なムシが彷徨くから気をつけてね」


「あ……ハイ」


 そう返事をするルフィラを傍に、シャメリはレトラに対してビッと舌を出して立ち去って行く。


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