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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第四章 光の聖魔剣
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欠陥王女

 王家の遺跡がある表参道の道沿い、森林が生い茂る川辺にコテージを張り、水を運んで、その日の旅を休む一行の姿があった。

 

 若い男女2人の神官達とそれに付き添う少女が居た。少女と女神官はコテージの中で、ルメンを使って、団子を作っていた。


 「それにしても王女様は、覚えが早いですね……もう、上位の魔法を習得したのでしょ?」


 「まだ……王女では無いわよ。それに……前世の記憶が残って居たお陰なのか……簡単に覚えられてしまったのよね」


 「それにしても……凄すぎますよ」

 

 「ありがとう……」


 そんな彼等の会話に紛れ込んで、男神官が声を掛ける。


 「ところでリーミア様、以前から気になって居たのですが……」


 「何かしら?」


 「何故、こんなに簡単に光の魔法が覚えられるのに、生前では……覚えるのが遅かったのですか?」


 女神官も、それを聞いて「それ、私も思ったわ……」と、口にする。


 「なんか……色々国同士の諍いがあったらしいのよ。国土安定の為に、数年間……王都に留まっていれる時期があまり無かった様なの……」


 「なるほど……新国家設立前の時代の頃だったんですね。隣国からの圧政に苦しみ、かつて帝国だった権威や力を失い、一度は崩壊寸前まで窮地に陥ったけど、現在の小王国として再起したのが400年以上前なんですよね。そこから新たな王国を再建させようと幼くして王位に即位した頃の事ですね!」


 「私は、あまり良く分からないけど……初期時代の代理王によって、今の王国が設立した見たいね……」


 「そうですけど……リムア姫の功績が大きかったのは確かです。彼女が若くして、隣国との戦場に赴き、停戦を求めたそうですね」


 「生前の記憶が、まだハッキリと思い出した訳では無いから、良く分からないけど。そうらしいわね。ただ……昔も、やはり短期間で光の魔法を覚えた見たいだったわ……」


 それを聞いた女神官は「私達とは素質が違い過ぎるわね」と、頷きながら言う。


 「光の魔法で、浄化の魔法だけが完全に習得出来て居なかった見たいなのよ。不完全な状態で使った為、その反動が自分にも返って来て、更に相反する聖魔剣の力も備わっていたから、私も吹き飛ばされた見たいなのよね……」


 それを聞いた神官達は、かつての伝説の一番面の意外な一面を知って、関心した表情でリーミアを見ていた。


 「でも……今は、浄化の魔法も完全に習得出来たから、何も心配は無いわね!」


 「ええ、ただ……大神官様に言われたわ。光の上位の魔法は、光の加護を受けた武器道具でしか使え無いってね……一般の魔法の杖や魔法剣で使うと、壊れたりする見たいらしいわ」


 「本来は上位とか関係なく、光の魔法そのものが、光の加護を受けた道具武器で使うのが一般的ですけどね……」


 「あら、そうだったの……」


 リーミアは、あまりそんな事気にせず、普通に魔法の杖で、光の魔法を使っていた。


 複数の団子状に作ったルメンを一つずつ袋に入れて、彼女達は、川辺で手を洗って、夕食を食べて、その日の夜に休んだ。


 夜寝る時、リーミアは宿を出る時の事を思い出した。


 約1ヶ月前……


 神官達が数日後に来る前の時……。


 リーミアは苦手な事務処理と言う難題を引き受けて貰えず逃げ去った副盟主の代わりに自身が睡魔に襲われながら、執筆作業を何とか終わらせて、盟主専用部屋から解放されて宿舎の広間へと向かった。

 広間には皆が集まって、何やら賑わっている様子だった。彼等が集まっている中心部には、裏切り者(?)のアルファリオの姿があった。


 「へえ……そうなんだぁ〜」


 何やら楽しげに皆が会話をしていた。楽しそうに皆が話しているとルファがリーミアの存在に気付く。


 「あ……盟主様、今……副盟主様のお話を聞いてたところだったんです」


 「そうなの……?」


 彼女が書類作成が終わったと気付くとアルファリオはリーミアに「お疲れ様」と、声を掛ける。

 

 「あ……いえ」


 逃げ去った事に対して一言文句を言おうと思ったが……彼も、それなりに人を見る目があり、彼女に対して、気を遣ってくれた様で……下手な事は言えなかった。


 個人的にリーミアは、ティオロの様な人材なら扱い易かった。むしろ……世の中を見て来た様な人材や、人生経験が豊富な人材だと、年齢も上でもあって、こちらが下手に口を出してしまうと、関係が拗れてしまいそうな感じで怖かった。

 

 「盟主様……」

 

 「はい、何でしょうか?」


 「私のチームだったメンバーを、こちらのグループに加えても宜しいでしょうか?」


 「それは構いませんが……お仲間さん達の了承は得てますか?」


 「その辺はお気になさらずとも大丈夫です。まあ……元メンバーと言った方が良いですね。既に解散してあります。8名程いましたが……うち5名は他のギルドに加入したり……ギルドを辞めて故郷に帰った者もいます。それ以外で……僕と行動してくれる残りの人達が光花に入隊を希望しております」


 「え……と、全部で8人で5人抜けるって……入隊希望の人達って全部で何人なの?」


 彼女は指を折りながら、人数を数えていた。


 「3人よ……」


 彼女の近くに居たマイリアが小声で教える。


 「あ……そうなの?」


 それを傍で見て居たエムランが言う。


 「もしかして……盟主って計算が苦手なの?」


 「何よ、ちょっと解らなかっただけよ!」


 リーミアは不機嫌そうに答える。


 「でも……盟主様、やはり……少しくらい計算が出来ないと、前見たいな事は……」


 珍しくケイレムがリーミアに意見を言う。


 「ほお、何かあったの?」


 アルファリオがケイレムに向かって話す。


 「ええ、先日……市場で買い物してた時に……」


 ケイレムとリーミアが買い物してた時、リーミアが果実の店で果実を2個購入しようとして、金貨を店の人に渡した。


 「ちょっと、貴女!以前も同じ事したじゃない!いきなり金貨出されると困るのよ!金貨だとお釣りの銅貨が幾らになるか、解っているの?」


 「えっと……銅貨10枚ですか?」


 その言葉に、ケイレムと店の女将は「え?」と、言いながら目を丸くした。


 「貴女……それ本当に言っているの?て……言うか、お釣りの計算出来る?」


 慌ててケイレムが女将の前に割り込んで来た。


 「銀貨99枚と銅貨99枚。もしくは……銅貨9999枚ですよね!あ、あの……僕は今、丁度銅貨あるから出します!」


 「すまないね、大きいをお金を払うと、他のお客さんが来た時に払えなくなるからね……」

  

 ケイレムがお金を支払うのを見てリーミアは彼に「ありがとう」と、礼を述べた。


 その経緯を聞いた皆は、無言の眼差しでリーミアをジッと見つめた。


 「ちょ……ちょっと、計算間違えただけよ……!アハハ……」


 リーミアは焦りながら言うが……(何処がチョットだ!)と、皆は内心思っていた。


 彼の話を聞いたアルファリオはジロッと無言の眼差しでリーミアを見る。何か嫌な予感を感じた彼女は、慌てた様子でその場を去ろうと企てる。


 「あ、そうだ……思い出した、ギルド集会所に行かないと……」


 と、立ち去ろうとした所を、「待ちなさい」と、アルファリオが彼女を掴み止める。


 「神殿に行くまでの間、計算のお勉強しようね」


 「え……?」


 焦ったリーミアは戸惑った様子で返事をする。


 「でしたら……書き物の練習もお願いします」


 マイリアが横から発言して来た。


 「ほお、まだ何かあるのね?」


 「ええ……先日の件ですが……」


 数日前……


 書類が山積みになっていて、直ぐに片付けられそうに無かった時だった。マイリアが、種類の片付けで、一旦盟主部屋を離れて、数分後に戻った時、リーミアは書類書きが数分で終わらせて、外へと逃げようとした。


 (何か怪しい……)


 そう思って、マイリアが彼女をその場に止まらせて、羊皮紙の書類を隈なく見た時だった。


 「盟主様、書類の文面をしっかり読んで作成しましたか?」


 「何か間違ってました?」


 「除隊申請の羊皮紙にご自身の名前が記入されてますが……?」


 呆れた様子で彼女は羊皮紙をリーミアに見せる。


 ー現在


 「アレは魔法能力を応用して作成したのでしょ?しかも……全ての書類に書けるように……」


 意外に大雑把な一面があると気付かれ、呆れた表情でリーミアを見た。


 「書き方の勉強もしましょうね」


 「えええ……」


 結局リーミアはアルファリオに捕まり、神殿に行く前の数日間、計算と書き物の勉強をやらされる事になった。


 リーミアがお勉強する間、アルファリオは仲間をグループに入れる為、集会所へと出掛ける。


 彼が外出する時、広間の机でお勉強される羽目になったリーミアはレネラに向かって言う。


 「人にこんな事させるなんて、彼の人選、絶対に見誤ったとしか思えないわ……」


 「いいえ、盟主様にとっては、これ以上無い位最適な方だと、私達は感じております」


 「ウウゥ……。裏切り者……」


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