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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第三章 光花
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来客者

宿舎を利用する様になってからのリーミアの魔獣討伐は、1週間の間に2〜3回程に減ってしまった。その間に階級の称号も上がらず銀のままだった。

彼女の仕事は盟主専用の部屋で、書類書きと、提出された書類に目を通す事になっていた。そんな彼女にとって、唯一の息抜きは稽古となった。

その稽古による犠牲者……では無く、相手はリーミアの激しい攻撃に毎回打ちのめされるのだった。酷い時は、練習用の木剣が折れてしまう程の練習があった。


エムランがシャリナに医務室は「お前専属の部署」と、からかった経緯があったが……正にそれが現実と化した。

稽古する度に、医務室に怪我人が運ばれて来た。

激しい時は、稽古の最中に腕や足の骨が折れても、リーミアがその場で回復魔法で治療して、練習続行させる事もある程だった。

そんな激しい練習のせいかは不明であるが……ある時、魔獣討伐に参加したメンバーが、際立って動きが凄かった事に参加していた他のギルドメンバー達が皆驚いていた。


「あの剣士は何処の所属メンバーだ?」


「最近結成された光花と言うグループらしいですね」


羊皮紙で、剣士のグループを見て、一緒に居た人が言う。


「素晴らしい戦い方だ……余程訓練されているようだな……」


そんな彼等に対して、光花のメンバー達は「魔獣討伐の方が稽古なんかよりも全然気が楽だ……」と、言いたかった。


ある日の事だった。


「すみません盟主様……」

「何か?」

「木剣の追加発注の数が多過ぎませんか?」

「直ぐに木剣が折れてしまうのよ」

「普通の人なら、そう簡単には折れませんよ。そもそも稽古の度に1本折っている見たいでは無いですか?もう少しお手柔らかにしないと……」

「これでも手加減している方ですけどね……」


そんなリーミアに対して、彼女が部屋から出る時、階段に設置してある石が一瞬赤く光る事に気付いた彼等は、盟主が来る合図を知ってメンバー達が逃げる場合があった。


そんな日々が続く、ある日の事だった……


マイリアが盟主部屋をノックして入って来た。


「失礼します盟主様、お客様が来ております」

「お客……?」


机で書類の作成をしてるリーミアは不思議そうに首を傾げるが、マイリアの後ろに現れた人物が誰なのか気付くと、思わず席を立った。


「セフィーさん、戻られたのですね!」

「やあ、しばらく振りだね」


リーミアは、部屋の中央にあるソファーに彼を座らせて、小さなテーブルを挟んで、自分は向かい側のソファーに腰を下ろす。


「ラトム・ギルド集会所に行ったら、君が宿舎を購入したと聞いて、場所を聞いて来たんだ……つい三ヶ月前まで、小さなギルドのチームに入隊するのを選んでた少女が、何時の間にか、こんな立派な宿舎を構えて盟主になるなんて……世の中、何がどう転ぶのか分からないな……」


セフィーの言葉にマイリアが不快感を示し、彼に対して発言する。


「失礼ですが……雑談でのお話であるなら、後日改めて日を選んでお越し頂けますか?」

「あ、良いのよ。彼の場合は……色々私に助言して下さるし、彼の協力があったからこそ、私も今こうしていられるのよ」

「そうでありましたか、失礼しました」


マイリアはリーミアに対して軽く一礼する。


「悪いね、ちょっと挨拶するつもりが、少し話が逸れてしまって……」

「貴方がここに来たのには理由があっての事でしょ?」

「ああ……祠の結界を貼る道中でね、ちょっと……ある人物と遭遇したんだよ」

「へえ、どんな人物何ですか?」


そう返事をしたリーミアは、セフィーが携えている剣が、出掛ける時の剣と違う事に気付く。


「貴方が持っている剣……それ、国内の剣とは少し形が異なりますね」

「ああ……気付いたか、実は……ある人物がくれたんだよ」

「そうなんですか、その人物とは、どんな人なんですか?」


リーミアの問いにセフィーは少し間を置いてから話した。


「そいつは、炎の聖魔剣を所有していたんだ!」


セフィーの言葉にリーミアは衝撃を受けた。


「炎の聖魔剣……?」

「そいつも、あんたと同じ額に紋様があった。俺は彼を説得して、仲間になる様に申し出たけど、今は別の予定があるらしく、こっちへは来れないと言われた。だが……将来的には俺達の味方をしてくれると言っていたよ。ちなみに今のあんたの事を伝えて置いた。大変興味を抱いていたよ」

「そう……分かったわ。色々有難う。その人物が早くこちらに来てくれると、私も仲間が増えて心強いわ」


リーミアはまだ見ぬ、別の聖魔剣の所有者に対して少しばかり胸躍らせた。


「それと……旅に出る前に約束した件はどうする?」

「え……と、何でしたっけ?」


リーミアは、色々あってうっかりド忘れしていた。


「はあ……俺を仲間にするって事だよ」

「ああ、そうでしたね。えっと……魔物狩りとかはしたく無いのでしたよね?」

「そうだ。出来れば外交とかの職務の方が俺の性には合うかな……」


その言葉にリーミアはある事を思い付いた。


「では……一つお願い出来ますか?」

「どんな事だ?」

「私に合う魔法剣を見付けて来て欲しいのです」

「なるほどね……別に構わないさ。探す前に入隊とかの手続きが必要なんだろう?一回集会所に戻ってから、改めて以来の話しをしようか?」

「その必要はありません」


マイリアがセフィーに声を掛ける。


「手続きの書類は、こちらに用意してあります。今作成して頂ければ、明日以降私が集会所に届けます」


それを聞いたセフィーは、マイリアを見て「便利な世の中になったもんだ」と、一言呟く。


盟主専用部屋で入隊手続きを済ませたセフィーは改めて光花のメンバーに加わった。彼はリーミアの依頼で魔法剣を探す為に宿舎を出て、表の路地に待機させていた馬の近くへと向かう。その時、リーミアが追い掛けて来た。


「取り敢えず、前払い金として受け取ってください」


彼女は金貨の入った袋を彼に差し出す。


「おお、何時も悪いね。まあ……出来るだけ早く見付けて来るよ。じゃあな!」


そう言って彼は馬を走らせて、飛び去って行った。

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