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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第三章 光花
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宿舎(1)

グゴオオォーッ!


大きな雄叫び声を発しながら巨体な魔獣が激しく暴れ回っていた。後衛の攻撃魔法を使う魔術師達が魔獣の動きを止めて、前衛で攻撃する剣士達が奮闘していた。中堅で光の魔法を使うリーミアの魔法効果は、敵味方にそれぞれ異なる効果を示していた。


「おっしゃあ、あと少しだ!」


そう叫びながらエムランが、大剣を振り上げて、止めの一撃を喰らわす。


グギャアアーッ!


魔獣は、激しい苦悶の叫び声を上げながら息絶えた。


魔獣が倒れると、討伐に参加した皆は「やっと終わった……」と、言いながらその場に座り込む。討伐に参加していた剣士は、魔獣の亡骸に近付き、角や爪、キバを取って回収するリーミアを見ていた。


「ねえ、あの女……強いの?何か……あまり居ても必要なさそうな感じがするけど……」


彼はエムランに向かってさりげなく言った。それを聞いた彼がムカッとして、彼の胸ぐらを掴んだ。


「オイッ!テメエ、今なんて言った?あ……?俺達の盟主が強いのか……だって?俺はな盟主とサシで勝負して負けたんだ!それに彼の方は俺みたいなヤロウでも受け入れてくれる懐の深い人で、俺なんかよりも遥かに強いんだよ!気になるなら、自分から勝負してみたらどうだ!」

「わ……悪い、ちょっと気になっただけなんだ。すまん……」


剣士が謝りながら言う。


「やめなさいエムラン」


リーミアが彼に近付き言う。


「彼は、討伐に参加して下さった方よ。何も知らないで口走ってしまったから、気にしないで」

「はい、すみません……盟主様」


エムランは剣士から手を離して、リーミアに向かって深く頭を下げる。


「せっかくだから、次は私1人で魔獣を討伐しましょう。そうすれば……貴方も納得して頂けるでしょう?」

「え……?1人で討伐するの?」

「ええ……」


リーミアは微笑みながら答える。

彼女は、神官剣士のレーメとラティの居る場所へ行き、魔法剣を借りた。


「では……次の場所へと行きましょう」


リーミアは、次の魔獣の場所へと皆を連れて向かう。その時、彼女の事が気になった剣士も同行して向かった。



ズウウーン!


あっさりと巨体な体格の翼の生えた魔獣が戦闘開始数分で倒された。

別次元の様な戦闘だった光景に一緒にいた皆が唖然としながら、口を開けたまま呆けて立っていた。


「お……俺も魔獣は1人で倒せるが、こんなにあっさりとは倒せねえって……」


エムランが唖然としながら言う。


「ほ……本当に強い、て……言うか、強すぎる……」


剣士は、それ以上の言葉が見つからなかった。


リーミアは借りた魔法剣を返す。


「ありがとうね」


レーメは微笑みながら……


「全く……凄いですよ、言葉がありません」

「こんな戦いをしていても、まだ本領発揮では無いなんて……」


ラティが少し呆れた表情で言う。


「アハ……それほどでも無いですよ」


そう言っていると、ポロッと甲冑の胸当てが落ちる。

激しい動きをしていた為、それに絶えきれず繋ぎ止めていた革製の紐が切れてしまった。


「あらら……甲冑が壊れてしまったわ」

「修理に出さないといけませんね」

「そうね……せっかくだから一旦戻りましょうか?」


話が決まると一旦、市場に戻る事を決める。

その時、彼女の戦闘を見ていた剣士が「光花」に入隊を志願して来た。


「俺……こちらに入隊したいです!」

「はあ?オメエなんか居ても足手纏いなだけだぞ!」


それを聞いたリーミアがエムランを見る。


「貴方は口出ししなくても良いです。決めるのは私なので……」

「はい」


エムランは返事をしながら頭を下げながら、その場を離れる。


「名前と称号を教えてください」

「あ、ハイ……ナレフと言います。称号は水晶です」

「分かりました。ナレフさん、集会所はラトムですか?」

「はい、そうです」

「では……もしどこかのチームに入っているのなら、脱退してから入隊の手続きをしてください」

「分かりました」


話が決まると、一同は市場へと一旦戻る事にした。武器屋に行く前にリーミアは集会所に行き、その日の魔獣を討伐した分を受付に持って行った。

今まで、集会所に戻ると、階級上げの報告がされていたが……今回は流石に階級上げの報告はなかった。集会所に戻った時、ナレフが入隊「光花」の入隊申請を行った。


「光花のメンバーも5人目ね」


レナが微笑みながら言う。


「ええ、でも……もう少し人が欲しいですね」


リーミアは、そう言いながらメンバーを見た。


(聖魔剣を奪い返す時、多分……激しい争奪戦になるかもしれない……その時の為にも、もう少しだけメンバーが居ると助かるけど……)


リーミアは湿地帯での苦い経験を思い出した。あの時は、魔剣士に対してまるっきり歯が立たなかった。自分の弱さを身に感じて、あの時の失敗を繰返さにように心掛ける。


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