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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第三章 光花
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訓練所(1)

ー翌日、早朝


リーミアは朝起きて、ケイレムの寝室へと向かった。彼の部屋に入るとケイレムはまだ起きていなかった。


「おはよう」

「あ、おはようございます……」


リーミアの挨拶で目を覚ました彼は、起きあがろうとした彼は、体中が痛くて上手く起き上がれなかった。


「イテテ……」

「どうしたの?」

「てへ……どうやら筋肉痛の様です。昨日、ちょっと頑張りすぎました」

「そんなに魔獣と戦ったっけ?」

「4体位相手にしましたね」

「それで筋肉痛なの?」


リーミアは不思議そうな表情で言う。


「盟主……貴女と他の一般人と同格にしない方が良いですよ。僕の中では結構頑張った方なんですよ……」

「そうだったの、気がつかなくてごめんなさい。体調が万全になるまで休んでいて」

「すみません、ありがとうございます。しばらく休みませて頂きます」


そう言うと、リーミアは階段を降りて広間へと向かう。


リーミアが降りて来たと気づくとルナが「おはようございます。王女様お待ちしておりました。どうぞこちらへ」と、他の利用客から外されて、彼女専用のVIPルームへと案内させる。


「本日の朝食は厳選素材を使った地場野菜に、我が宿に特別待遇で呼び寄せた、腕利きの良いシェフの自慢の手料理です。勿論味付け等は折紙付きです。是非とも王女様の口に合えばとご用意致しました」


ルナはそう説明すると、ホールで働いている者に、出来上がった料理を運ばせる。

出来立ての香りの良い食事をリーミアは食べた。


「美味しいですね」


その言葉にルナは大喜びする。

食事が終わる頃、彼女は本日調理担当のシェフを紹介する。

身体が大きく逞しそうな地黒の男性がリーミアに挨拶しに来た。


「王女様に喜んで頂きとても光栄です」

「あの……まだ、王女では無いですけど……」


リーミアは少し困った表情で愛想笑いしながら答えた。

朝食を済ませると、リーミアは外出する為の準備を行う。


「お出掛けですか、今度は何時頃お戻りになりますか?」


ルナが彼女に尋ねて来た。


「一応今日戻る予定です。しばらくは、宿を利用しようと思っています」

「分かりました。では……その様に準備してます。どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ」


ルナがリーミアを見送りすると、彼女はギルド集会所へと向かう。集会所に着くと、入り口に神官の衣装に身を纏った若い男女2人が立っていた。

彼等はリーミアに気付くと、深くお辞儀をして挨拶する。


「おはようございます。リーミア様」

「お早う御座います」

「我々はサリサ剣士副長官の御命令により本日から、貴女の護衛を付き添わせて頂くことになりました。自分はレーメと言います。以後……宜しくお願いします」


「私はラティと言います。宜しくお願いします」

「分かりましたわ。よろしくお願いね。あと……昨日グループになってくれたレトラとシャリナと……言う方がいるけど……見当らないから、多分……集会所の中ね、ちょっと呼んでくるから待っていてください」

「はい」


彼等を外に置いて、リーミアが中に入ると、集会所の中が騒がしかった。


ガシャーンッ


何かが砕ける音が響いた。


「テメエ、よそ者の分際が、どう言う了見で物を言ってやがるー!」


昨日グループに入ったレトラが大男に絡まれて、騒動を起こしていた。彼の側にはシャリナが居た。


「どうしたの、何があったの?」


リーミアはシャリナの近くへ行き、彼女に尋ねる。シャリナはリーミアに気付くと慌てふためきながら話す。


「あ、盟主様、実は……我々が盟主様を待って居る時に、あちらの大男が、集会所の張り紙を見て、貴女の事を罵倒したのです。転生者の能力が封じられて、更に魔法剣も盗られたものだと……それを聞いたレトラが、彼に怒ったのです。そしたら……」


それを聞いたリーミアが、なるほど……と頷き、「任せて」と、シャリナの肩を軽く叩きレトラと大男の側へと行く。


「おやめ下さい、こちらの方は私の仲間です。文句なら私が直接聞きます」


それを聞いた大男がリーミアを見る。


「ほお、役立たずの盟主さんのお出ましか」

「盟主、コイツは、貴女の事を悪く言ったんですよ」

「話は聞きました。有り難う。私のことを庇ってくれて、あとは……私に任せてください」

「へ……使えねえ盟主が現れたところで何も怖くは無い。お前なんか、この俺が一握りで倒せてしまうぜ!」

「本当に一握りで倒せるかしら?」

「何ー!」


大男は、大きな握り拳を勢い良くリーミアに放つ。……が、彼女は避ける事なくその拳を掌で受け止めた。その振る舞いに周囲は「おおッ!」どよめきが走った。

彼女は唖然とした大男を椅子に座らせ、彼の身だしなみを整えさせる。


「私達は今から魔獣討伐に行くので、これで失礼するわね」


一瞬、何が起きたのか理解出来無かった大男はハッと我に返り、リーミアを睨みつける。


「こ……このぉ!変な術で交わしたんだろう、俺の目は誤魔化されんぞ、テメエはどうせ魔法剣も奪われたんじゃなくて、魔剣士が怖くて命乞いしながらヤツにくれたんだろう?」


聖魔剣の悪口を言われて流石のリーミアも我慢しきれなく震え出した。


「へ……悔しかったら、正々堂々勝負しろ、俺がテメエをぶちのめしてテメエが結成したグループの権限も俺が奪ってやるぜ!」

「そこまでいうなら、公式で勝負出来る場所を案内させなさい、貴方の言う事が正しいかどうか、その目に焼き付けてやるわ!」

「公式でなくたって、ホラ集会所では、訓練場があるぜ……そこによ」


大男が軽く指を指しながら言う。


「訓練所なら力比べが出来る場所だ、流血塗れの決闘は許されないが、相手との勝負は許されるぜ、どうだ……やるのか、やらないのか?」

「良いでしょう、やりましょう」

「め……盟主!」

「少しお待ちください。直ぐに終わらせますので」


そう言うと彼女は上着を脱ぎ、レトラに杖と上着を持たせる。


「おう、さっさと来やがれ小娘め!」


大男は先に訓練所に行き、リーミアが来るのを待っていた。


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