神官剣士と魔剣士(1)
~城壁近郊…
純白城周辺の城壁は、隣国からの襲撃に耐えれる様に、大きな堀が作られ、人工の用水路が儲けられていた。過去リムア姫が王位に即位してから以後100年以上は純白城が異国に寄って襲撃された事が無かった。
辺境の砦では、100年の間に何度か、異国との諍いはあったが、激しい争いになる程の騒ぎまでには至らず、短期間で収集がつく程度に騒ぎは終っている。
城壁近郊…周辺の草原地帯を少し進んだ場所に、彼等が狙っている中規模程度の魔獣の姿があった。
魔獣近くまで近付くと、サリサが周辺を見回した。草原から少し離れた位置には、森があった。森の手前には岩山などが見えた。
周囲を見回して居ると、彼女は何か違和感らしい気配に気付いた。それと同時にアーレスが彼女に声を掛ける。
「害虫が1匹うろついている様だね」
「ええ…殺気を際立たせているわ。フ…あれで隠れているつもりかしら?」
「頼めるか?」
「任せて、駆除なら…直ぐに片付けてやるわ」
「すまない」
彼等が何か話て居ると、リーミアが気になって彼に近付く。
「何かありましたか?」
「何でもないよ、さあ…リーミアちゃん、君は、目の前の魔獣討伐の主催者だ。その為の手順を僕が教えよう」
「は…はい」
そう返事しながら、サリサを見ると、彼女はその場に残って軽く手を振る。
「サリサさんは、どうしたのですか?」
「ちょっとね、ゴミ掃除をしてくるんだよ」
「え…ゴミ掃除って?あ…でしたら私が…」
「君は目の前の事に集中して、余計な者は僕や彼女が責任持って済ませるからね」
「は…はあ?」
アーレスは、無理矢理彼女の腕を引っ張り、魔獣の方へと行かせる。
「王女様、初の討伐頑張って下さい」
サリサは軽く胸を押し当てながら一礼する。
アーレスと一緒に魔獣へと向かう姿が遠くなるのを確認すると、彼女は足元の小石を拾い上げて、すかさず森の茂みの中へと投げ付ける。
ガンッ
「グワッ」
森の中で、何か物音が響き、それと同時に呻き声が聞こえた。
サリサは袋の中から甲冑を取り出し、装備して剣を携えて、森の中へと入る。
「光の紋様を授かりし者に近付く不届き者よ。其方の相手はこの私だ!」
小石を頭に当てられた赤黒い鎧をした者は、いきなりの不意打ちに苛立っていた。
「何者だ貴様、こんな事してタダで済むと思うな!」
「フ…勝手な言い掛かりを、聖魔剣を奪って置いて良く言う」
その言葉に彼は更に苛立ちを見せた。
「その剣を奪ったのは俺では無い。ルディアンスだ!貴様らは俺達の区別も付かないのか?」
「そう…ルディアンスね分かったわ。まあ…それは良いとして、貴方が彼女を狙って居るのは事実。今この場から去りなさい。でなければ…この場は私が相手します」
サリサは剣を鞘から抜き出す。
銀色に研ぎ澄まされた刃を煌めかせ、切れ味の鋭そうな細身の長剣を彼女は片手に持つ。
「フン、弱い奴ほど良く吠える…と、言うな」
「弱いか、どうか…試して見る事ね」
「ああ、やってやるさ」
彼は棒状の柄を腰から取り出し、軽く振ると柄の先から長剣が現れた。
「行くぞ!」
「掛かって来なさい!」
キーンッ!
激しい勢いで2つの金属がぶつかり合う。
キン、キンッ
両者は一歩も譲らず、激突する。
(何だ、この女は、恐ろしく強い…)
激しく剣を交えたセドラは、少し後退してしまう。
「グ…これならどうだ!」
剣を軽く振り、その後勢い良く剣を振りかざした。
ゴオッー!
凄まじい疾風が吹き荒れて、周囲の木々が切り裂かれ倒れる。
ズササーッ
砂煙に巻き込まれながらセドラは仮面の下から満面の笑みを浮かべた。




