再び武器屋へ…
集会所を出たリーミア達…目的地へと向かおうとした時、自分の腰の辺りが少し物足りない感じがして立ち止まる。
「どうかしましたか?」
サリサが気になって声を掛ける。
「ちょっと、武器屋に寄っても良いかしら?」
「まあ…構いませんが、あまり時間を掛けると、他の方に迷惑が掛かるので、出来るだけ短時間で済ませて下さい」
「大丈夫ですよ」
そう言うと、一同は武器屋へと向った。リーミアはカルム武器屋へと向かうと、以前来た時よりも、店が大きくなり、店の中も広々して様々な武器防具類が並べられている事に驚いた。
その日店番していたフィーシャがリーミアが店に来たのを見て嬉しそうに「あ、リーミア様、いらっしゃませ!」と、彼女の側へと駆け寄り手を握り、思いっきり彼女に抱き着いた。
「何時、貴女がお店に…ご来店してくれるのかと、ずっと待って居たんですよ!」
「何か…お店が大きくなりましたね」
「ええ…全て貴女のお陰です。パパも大喜びですよ。お店の改装記念として貴女には好きな商品を無償で差し上げます。どうぞ、お一つ好きな物を選んで下さい」
「でしたら…短剣を1つ下さい」
「かしこまりました」
フィーシャは、そう返事すると見た目が綺麗な短剣を持って来て、リーミアに見せる。
「これなんかどうですか?」
彼女は腰に携えるだけだから、特にこだわりは無かったので「ありがとう」と、言って短剣を受け取った。
店を出ようとした時、付き添いのケイレムが装備品をジッと見つめて居るのに気付いた。
「何か欲しい物とかあるの?」
「手甲やブーツ、盾が欲しいのだけど…お金が足りなくて…」
「なら、私がお金を出しますよ」
「いえ…そんな、幾ら貴女が盟主でも、自分の装備品は自分で稼いでから買いますよ!」
「遠慮しなくても良いわよ、貴方が私が結成したグループの最初の人だから、記念として差し上げますよ」
彼等の会話を聞いていたフィーシャは、少し気になってリーミアに声を掛ける。
「グループって、もしかしてリーミア様、もう…水晶の称号まで到達したの?」
「はい、到達したのは先月ですけど…」
「それでも早過ぎですよ。それに…グループって資金が掛かるから、中々結成出来ないのに…貴女って、やっぱり凄いですね!」
「それほどでも…」
等と…リーミアは照れながら答える。そう言いながら彼女はケイレムを見る。
「ねえ…ところで、何か欲しい物は選べた?」
「では、お言葉に甘えて…」
彼は手甲、ブーツ、盾を受付へと持って行く。
「料金は銀貨50枚になります。銅貨なら5000枚ですが…」
ケイレムは、その金額を聞いて、ゴクっと唾を呑み込んだ。自分が今日まで稼いだ資金に相当する金額だった。
「では…これで」
リーミアは金貨を1枚出した。
「お釣りを用意しますね」
フィーシャはお釣りとして銀貨の入った袋を持って来た。
「お釣りは貴方に差し上げるわ」
「ええ!そんな、こんなに沢山、いえ…困ります!」
ケイレムが余りに遠慮深い性格だから、仕方なくリーミアは自分がお釣りを受け取る事にした。
「また、何時でも来て下さい」
フィーシャがリーミア達に向って一礼する。
買い物を終えると、2人は店を出た。店の外ではサリサとアーレスが待っていた。
「では…行きましょうか」
そう言うと、彼等は城壁の門がある方向へと向かって歩いて行く。
〜洞窟の中…
ガシャガシャ…と鉄の靴音を響かせながら、漆黒と赤黒い鎧を纏った物達が、炎の松明の灯りを頼りに階段を降りて行く。階段奥深くに、開かれた薄明るい場所へと出ると、彼等の前に1人の老婆の姿があった。
「ヒヒヒ…来たか、セドラよ」
「フン、取り敢えず話だけを聞きに来ただけよ。聞かせて貰おうか、聖魔剣戦争のシナリオとやらを…」
「まあ、そう焦るな。お主にとっても利益となる内容だ」
「勿体ぶらず、さっさと聞かせろ!」
セドラの態度にルディアンスはジロッと睨みつける。
「よかろう…そこまで言うなら聞かせてやるよ」
メヌザの不気味で薄気味悪い話し声が洞窟内に響き渡った。老婆の声高で他人を嘲笑うかの様な話にルディアンスとセドラは、しばらく無言のままだった。
「…と、言う訳だ。それでお主には、行って貰う場所がある」
「それは、何処だ?」
「ここじゃよ」
メヌザは、水晶にある孤島を映し出した。
「レブラン島と言われる島だ。エルテンシア国から南海へと進んだ先にある無人島だが、ここには1人だけ住んでいる者がいる。その人物に会って来て欲しい」
「分かった。その場所に行こう」
セドラが返事をすると、メヌザは今度はルディアンスに話し掛ける。
「お主も出掛ける準備をしろ」
「何故ダ?」
「奴が外へと出たぞ!」
メヌザは水晶に別の場面を映し出した。そこにはリーミアと数名の人達が一緒に行動している姿があった。それを見たセドラが恐ろしい形相で彼女を睨み付ける。
「これが例の転生者か…噂で聞いてた者にしては、随分と弱そうだな。こんな奴、俺が簡単に殺してやるさ!」
「待て、お主はレブラン島に!」
「分かっている、その前に邪魔者を排除した方が、後の事もやり易いだろう?まあ…直ぐに片付けてやるさ、少し待っていろ!」
セドラはメヌザの言葉を聞かずに出て行ってしまった。
「アノ野郎…!」
「まあ、良いさ…取り敢えず、様子見としよう」
メヌザとルディアンスは、彼が出て行った階段の方をジッと眺めていた。




