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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第二章 光の洗礼
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光の洗礼(7)

数十分前…


リーミアが居なくなってしばらくして、アルメトロスが再び現れて椅子に腰かける。


「セフィー殿よ。そなたに依頼したい事があります」

「はい、何でしょうか?」

「セルティスの剣が眠る祠へ行って頂きたい」

「私にですか?そもそも彼女は、まだ光の紋様を授かっておりませんが?」

「ここに居る者で、彼女が他の少女達と同じ、別物だと考えている者などおられまい。そう想いであろう…ティオロ殿?」


初対面で、いきなり名前を当てられたティオロは深く頭を下げながら「はい」と、一言返事をする。


(流石だ大神官、既にここにいる人物の事は既に知り尽くしている様だ)


セフィーは驚きながら思った。


「何よりも、彼女にはセルティスの剣が必要となられます。今後の状況次第では、彼女の持つ力が我が国の命運にも関わって来ます」


その言葉に周囲は沈黙の雰囲気に飲み込まれた。


「それは…一体?」

セフィーが尋ねる。


「確証では無いが、この国を蝕む輩が国内の何処かで暗躍しながら潜んでおります。王家もそれに気付き、様々な調査をしておられますが…時と場合によっては、国が大きく動く事態にもなりかねないかと思います」

「なるほど、そうでしたか…」


「私としては、リムア姫の奇行を再現させたくはありませんので、光の紋様を授かった後は、彼女をしばらく神殿に預からせて頂きたいと思います。現在の彼女なら短い期間で11の魔法習得は可能だと私は思います。その為、魔法習得の期間は我々神殿が責任を持って預かります。何よりも神殿は結界が張られて居ますから魔剣士が、彼女の居場所を探して襲って来る事も無いでしょう。その様に考えておりますが…よろしいですねティオロ殿?」


「え…?何で僕に聞くの?」

その返事に周囲から笑い声が聞こえる。


「では…」

大神官は席を立つ。


「彼女の光の紋様を授かる瞬間を、皆で見届けに参りましょうか?」


彼はそう言うと、皆を引き連れて聖堂のある場所へと案内させる。彼等が聖堂内へと入ると、石碑が在る祭壇を前に、これから光の洗礼を始めようとしていた。

儀式が始まると、石碑から光が発せられて、その輝きが次第に強くなり、全員目が開けられない程の眩しさに取り囲まれる。


僅か数十秒の光の後、洗礼の儀式を行った女性が腰を抜かして、その場に座り込んでしまった。凄まじいまでの光に驚いて神殿内の神官達が慌てた様子で聖堂へと集まって来た。儀式が終えたリーミアが彼等の前へと戻って来る。


「私…光の紋様授けられたのですか?」

「ああ、そうだよ。額に美しい紋様が刻まれているよ」

「おめでとう」


ティオロが祝いの言葉を掛けると、彼女は彼を見つめた。


「一般人の生活が出来なくなってしまったわね」

「君には似合わない生活だよ」


その言葉に彼女は微笑んだ。


「お見事ですリーミア殿、これをご覧下さい」


大神官が側に居た神官から鏡を受け取り、それを手渡す。鏡を受け取ったリーミアは自分の顔を見つめる。そこには額に不思議な紋様が刻まれていた。ふと…大神官や、上級神官を見ると、同じ様な紋様を額に刻まれて居る。


「その紋様こそ、光の魔法を受け継ぎし者の証です。貴女はこれから11の光の魔法を覚える為に、神殿で鍛錬を行ってもらいます」

「分かりました。ご指導宜しくお願いします」


リーミアは、大神官に向かって深くお辞儀をする。

彼女は、神殿内にいる若い神官達からしても初の石碑から紋様を授かった人である為。皆に取り囲まれて、祝いの言葉を掛けられる。

その傍らで、ティオロはセフィーとアーレスと一緒に少し離れた位置に居た。


「ねえ、彼女が光の洗礼を受けて、光の紋様を授かったのなら、もう…彼女が正式な王女様として認定されても良いのではないの?」


その言葉にアーレスがティオロに向かって話す。


「代理王の継承権は、王女復活を前提として行われているけど、その期間に王女復活が認められても、王位争奪の競技は行われる設定だよ。仮に誠の王が誕生した場合は、王女様が即位するのは約10年後になる」

「どうしてなの、本物の王女様が目の前に居ても、認められないの?」


「その本物の王女様は、武芸や魔術に優れている。仮に王位継承の競技に参加しても、最終戦まで勝ち残れる筈。それを見越して神殿と国が競技は続行すると認めている。彼女が仮に最終戦まで勝ち残れなければ、紛い物として扱われるであろう。しかし…彼女が今後光の魔法を身に付けて、王位継承を勝ち取れば本物の王女として君臨し、王位継承の競技もそれで幕を降ろすと、リムア姫消滅後の時代から決められて居るのだよ」


「そうなんだ…」


その時、ふと…ある事が彼の脳裏を横切った。


「それにしても…随分と詳しいですね?」


ティオロは風変わりなアーレスに向かって言う。


「ああ…いや、何、ちょっと先日色んな書物を読んでいる時に、たまたま知った事だよ。ハハハ」


慌てた素振りでアーレスは答える。

彼の仕草を見たセフィーは溜息交じりに(全く、コイツは…)と、少し呆れた様子で見ていた。


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