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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第二章 光の洗礼
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光の洗礼(3)

その質問に周囲の目が彼女に向けられる。


「知っていた…と言うよりも、以前…こちらにお邪魔した時に貴女から聞いた、悲劇の王女の話と、その後…私が断片的に思い出した記憶とは少し食い違いがあって…ずっと変だなと思っていました。私の前世での記憶では聖魔剣とは、テリオンとセルティス。2つの剣が聖魔剣と呼ばれていたのよ」

「え…では何で、世間に伝わる伝承は違った内容になっているのだよ?」


ティオロがレンティに向かって言う。


「聖魔剣とは、本当は聖剣と魔剣を合わせた呼び名が正しいのだ。しかし…リムア姫が手にした剣が有名になってしまい。世間ではテリオンの剣が聖魔剣と呼ばれる様になったのだ」

「へえ…じゃあ、別の聖魔剣を探せば今後も活躍出来るんだね?」


「一般的に考えれば、そう言う風になる。ちなみに聖魔剣は、それぞれ異なる属性があり、テリオンの剣は主に力の属性である。基本的に流血を好み、光の属性とは相反する物である。一方セルティスの剣は、光の属性の剣。セルティスの聖魔剣を手にする事が出来るのは、光の紋様を授かり者のみに限る。それも…12の光の魔法のうち11まで習得した事が必須条件なのだ。しかし…それも、あくまで必須条件であって、必ずしも光の紋様を授かりし者が扱えると言う訳でも無いのだ」

「どう言う事ですか?」


リーミアがレンティに問いだす。


「セルティスの剣が造られた後、最初に手にしたのがテリオンだったのだ。彼はセルティスの剣が少し扱い辛い事が気になり、もう少し扱い易い物が良いと考え独自の魔法剣を造った。それが世間に伝わる聖魔剣となったのだ。テリオンの剣は認めた者と契約さえすれば扱えるのに対して、セルティスの剣は契約しても、相手が敵対心や殺意が無い場合は、所有者の意志に反応しない場面もあるのだ。しかし…戦での本領発揮は絶大だと。最初の所有者であるテリオンは言っていたらしい。ちなみに…生前リムア姫は11番目の魔法を習得する鍛錬をしていた為、セルティスの剣を使う事が出来なったのだよ」

「そうだったの?」


アーレスがリーミアを見て聞く。


「私が王女様だったかは、わかりませんが…。少なくとも、占い師が話してくれた内容は正しいかと思います」

「で…今後の課題としては、嬢ちゃんはどうするんだ?転生者の能力を封印されて魔法剣も無い状態ではギルドの階級上げも困難になると思うけど…。それ以上に魔剣士も彼女の命を狙って来る筈だ」

「転生者の能力など、借り物の力に過ぎない。神殿に行き光の魔法を習得しなさい。そうすれば、少なくとも以前よりは強くなる筈」

「そうすると、最初に神殿で光の洗礼の儀を行うと良いですね」


アーレスがレンティに向かって言う。


「そうじゃの、それが先決かもしれない」

「光の洗礼て何ですか?」


ティオロが2人に向かって尋ねる。


「光の洗礼とは、光の紋様を授かる為の儀式の事だよ。エルテンシア国では代々『秘めた力』と言う名で呼ばれている。王位継承者や大神官になる者が正統な光の洗礼で、その紋様を授かる事が出来るんだ」

「まあ…リムア姫が消滅した後、100年もの間…毎日、自分がリムア姫の転生者だと信じて魔法剣を持った少女が神殿に行き光の洗礼を受けているよ。じゃが…100年もの間、誰一人として光の紋様を授かった者は居ないがな…」

「そんなに確率が低いの?」


「歴代の代理王だって正式な儀式の場で光の紋様を授かった者は居ないよ。それだけ確率が低いんだ。正に選ばれた者のみが、その称号を受けられるのだよ」

「どうだ…リーミアちゃんは、受けて見る覚悟はあるかね?」


レンティの言葉にリーミアは少し戸惑っていた。


「僕は辞退すべきだとおもうよ」

「ほお…それは何故なんだ?」


セフィーがティロに向かって言う。


「だって、もし…光の紋様が授からなかったらどうすんだよ。このまま魔剣士から逃げ回る人生を送るんだよ」

「確かにな…100年間誰も受けられなかった光の紋様を…嬢ちゃんが受けられない可能性も否定出来ないが、しかし…本物の姫様の生まれ変りだったら、気にする事は無いと思うけどな」

「まあ、ティオロとやらの意見も考えられるが、一番はリーミアちゃんの気持ちだ。辞退するか、受けるか…どっちなんだ?」


しばらく目を閉じて沈黙していたリーミアは、皆の前で目を開いて…


「光の洗礼を受けます」

と、皆の前で言った。


「ほお、よく言った」


リーミアはティオロを見た。


「まあ、光の紋様が受けられなかったら、私は王位継承権その物を辞めて一般人としての人生を選ぶわ。その時は色々と教えてね」

「僕が君の世話をするの?」

「そうでしょ」

「それだったら、むしろ光の紋様を授かって欲しいね」

「何よ、その言い方は?まるで私が迷惑な言い方ね!」


2人の会話に周囲は和やかな雰囲気に包まれた。


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