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転生少女と聖魔剣の物語  作者: じゅんとく
第一章 マネニーゼ市場
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外出

身支度に時間の掛からないティオロは先に広間にある椅子に座って、リーミアが部屋から出て来るのを待っていた。

散々待たされてリーミアが階段から降りて来た。リーミアは額飾りを付けて現れて来た。


「お待たせ~」


彼女が現れるとティオロはリーミアの側へと近付き彼女を見て話し出す。


「さっきは君の事を考えず変な事を言って悪かった…」


突然人が変わった様な発言をしたティオロにリーミアは少し戸惑った。


「え…何、急に…」

「お金が必要なのは…金が無くて腹を空かしている知り合いが居るからなんだ…彼等の為に自分は少しでも裕福な人達から金を貰っているんだよ…」

「そ…そうだったの」


リーミアはティオロを真剣な瞳で見る。


「多分…今も腹を空かして僕が来るのを待っているかも知れないんだ」

「う…うん。そうだったの」


切なそうな表情でリーミアはティオロを見つめ、両手を胸に押し当てる。


「悪いけど、僕に少しだけ金を貸してくれない?」

「分かったわ、幾ら必要なの?」

「え…とね…」


その瞬間だったー


「はい、ストーップ!」


ティオロの後方からルナが彼の首に腕を巻き付けてリーミアから引き離す。


「リーミアちゃん、こいつの口車にのせられちゃダメよ」

「く…ぐるじい…」

「え、ウソだったの!」


リーミアが驚いた表情でルナとティオロを見た。


「腹を空かしている子…フ、良く言うわね。あんた…もしかしてメイミちゃん達の事もダシに使う気なの?彼女達は自分達で稼ぎしているじゃない」

「あ…ちょっと自分の更正前の祝福を…」

「汚れを知らない子を利用する奴の何処に、更正する余地があるのよ!」

「う~…」


リーミアは昨日にに続き、またしても利用され掛けた事に頬を膨らしていた。


「ご…ごめん、悪気は無かったの…本当に」

「そう…」


リーミアは顔を俯かせながら返事ををする。

そのまま無言で彼女は短剣に手を掛ける。


「ちょ…お前、何を考えているんだ!」

「フフ…大丈夫よ、私はね治癒魔法使えるの…一度人が悶え苦しむ姿を見たかったのよ…大丈夫、絶命寸前で助けて上げるから我慢してね」


そう言ってリーミアはスッと短剣を鞘から抜く。他の人が居る前からか短剣の物腰は小さかった。


「待ってリーミアちゃん、それはちょっとやり過ぎよ。ねえアナタ、彼女を止めて!」


ラミウが慌てて飛び出して来て、短剣を持っているリーミアを後ろから掴む。


「こ…コラ、止めろリーミアちゃん!」


ちょっとした騒動が宿の中で起き、ラミウとルナの説得で2人の喧嘩は無事終了したが…リーミアの機嫌までは納まらず、ティオロとは口を訊かないままラトム・ギルドへと向かった。


「ねえ…さっきは悪かったよ…」


ティオロは前方を歩くリーミアに話し掛けるが…彼女は振り向く様子も無く無言のままギルド集会所へと向かう。

リーミアが集会所へと行くと受付のレナがリーミアが来るのを待っていたのか、彼女の顔を見て嬉しそうな表情で挨拶をする。


「いらっしゃいリーミアちゃん、待っていたのよ~」

「こんにちは、何かあったの?」

「貴女を仲間にしたい…て言う方が居たのよ」

「え…本当!どんな方ですか?」


「頼もしそうな男性の方よ。今日は、来れないらしいけど…明日の朝集会所で集合だけど…大丈夫かな?」

「明日の朝ですね」

「名前はフォルサと言う名前よ」

「分かりました」


リーミアは嬉しそうに答える。


「あ…あと、1人新しく登録させたい方がいるのだけど…」

「ええ…良いわ、誰なの?」

「私の後ろに立っているヤツ…」


少し声を低くしてリーミアは言う。


「ヤツ…?」


変な呼び掛けに対して不思議そうな表情をしたレナはリーミアの後ろに居る少年に目を向ける。


「貴方…新人登録をする方ですか?」

「あ…はい…」


少しぎこちない仕草でティオロはレナの方へと向かった。


「では…名前の記入をお願いします」


ティオロが登録をしている間、リーミアは集合所の隅で1人椅子に座って待っていた。

ティオロがレナから説明を受けている間…リーミアの側にいろんな男性が来て声を掛けて来たが…彼女は全て無視し続けた。


「さてと…説明は終わりだけど、何か質問はあるかしら?」

「あ…大丈夫です」


ティオロは、そう言って立ち去ろうとした。


「ところで…貴方、彼女とはどんな関係なの?」

「え…ああ、たまたま成り行きで知り合っただけの関係かな?」


ティオロは挨拶笑いしながら答える。


「そう…」


レナはティオロに向かって話し掛ける。


「あの子…今日は随分機嫌悪いわね。何かあったの?」

「ちょっと色々あって…」


ティオロが笑いながら答える、それを見たレナが溜め息を吐きながら話す。


「彼女…とてつも無い実力を秘めているわよ、あまり機嫌を損ねる事をしない方が良いわよ。先日の野営地での功績では…魔物の群れの大半を彼女が仕留めた程だからね…気を付けなさいよ」

「分かったよ、助言ありがとう」


そう言ってティオロは、レナから離れてリーミアの側へと行く。

2人で何か話し合っている姿を見たリーミアは、ティオロが側に来るとムスッとした表情で見ていた。


「何…2人で話しをしてたのよ。受け付けが終わったら直ぐに来なさいよ」

「あれ?さっきまで無視してたのに…どうしたの急に?」


ティオロの言葉にリーミアはハッと我に返り…


「あ…貴方が誰と一緒に居ようと別に構わないけど…ただ、まだ準備とか万全じゃ無いじゃない…」


頬を紅くしながらリーミアは言う。

その間にもティオロの側に若い女性だけのチームが現れて声を掛けて来た。


「あら…新人さんなの、良かったら私達の仲間に入らない、お姉さん達が色んな事教えてあげるわよ」

「もちろん狩以外の事もね、フフフ…」


露出度が目立つ派手な甲冑を身に纏い、胸の谷間を強調している若い女性達を目の前にされてティオロは鼻の下を伸ばしていた。


「え、本当?」


それを見たリーミアが、ムッとしてティオロの腕を掴み


「ホラ、行くわよ!」


ティオロを無理矢理引っ張ってリーミアは、集会所を速歩きで出て行く。


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